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資料4

いじめ・自殺問題重点施策(中間まとめ)について

趣旨
   いじめ・自殺の問題について、一連の事件等から浮かび上がった課題について、現時点での総括を行うとともに、有識者会議からの喫緊の提案等も踏まえ、文部科学省が今後推進すべき施策の取りまとめを行う。
 【→ 子どもを守り育てる体制づくり推進本部(本部長;池坊副大臣)において決定予定】

取りまとめの概要 (イメージ案)

 
1 はじめに

2 一連の事件等の経緯
  1   最近におけるいじめ・自殺の事件の概要
  北海道滝川市小6女子児童の自殺事件
福岡県筑前町中2男子生徒の自殺事件
その他 (他の自殺事件、ネット等を利用したいじめ など)

2   いじめ自殺を予告する書簡

3 これまでの対応
1   緊急連絡会議の開催・通知

2   「文部科学大臣からのお願い」

3   子どもを守り育てる体制づくりに関する検討
  (1) 有識者会議「いじめ問題などに関する喫緊の提案」等
(2) 推進本部における検討 [ → 本重点施策の公表 ]

(4   その他(政府全体の動き等) )

4  課題
  1   基本的な課題
   いじめの問題の原因・背景には、学校・家庭・地域社会のそれぞれの要因が存在しており、これらの要因が相互に連関している。
(考えられる要因の例)
 〜 少子化や都市化の進展、核家族化、価値観の多様化といった社会の変化、大人社会における様々な問題等をも背景として、
   学校が、子どもたちの多様な実態に十分対応し切れていない
 子どもにとっては、家族の触れあいや、生活体験、社会体験、異年齢者との交流、地域で子ども同士が遊ぶ機会などが少なくなっている
など

2   重点課題
(1)  一連の事件から提示される課題
 自殺という最悪の事態にまで至った最近のケースを見ると、(ケースにより異なるが、)例えば、次のような問題点があったことを指摘できる。
 いじめられている子どもが、周囲の大人に打ち明けられずに、又は、打ち明けても十分な対応がなされずに、一人で悩み・苦しんでいた状況があったと考えられる
 いじめている子どもが、いじめている時点で、その行為の重大さ、いじめられる側が感じている深刻さに気付いていない
 教職員の間に、いじめ問題への認識が十分浸透しておらず、日常的な指導や、いじめの把握、いじめ発生時の対応等に適切さを欠くケース等も生じている
 いじめの問題への対応が、学級担任等の個々の教員のみに委ねられ、学校全体としての組織的な対応がなされていなかった
 家庭に対し必要な情報提供がなされず、保護者等との連携による適切な対応ができなかった
 教育委員会が学校の実情を把握し、学校への支援を行う体制が機能しなかった
 自殺という最悪の事態に至った後に迅速な事実解明がなされず、保護者、関係者等に対しても、適切な説明がなされなかったケースがある

(2)  文部科学省の調査に係る問題点
 これらの事件等と関連して、文部科学省が従来行ってきたいじめ・自殺に関する調査についても、問題が明らかになった。

(3)  有識者会議から示された課題・提案
 さらに、有識者会議におけるこれまでの検討を通じても、いじめ問題を捉える上でのいくつかの視点が示され、これに対応するための提案がなされている。
(有識者会議が示した提案)
   子どもが様々な大人に相談できる場面をつくりましょう
 学校の中に新たな子どもの居場所をつくりましょう
 万が一の場合の初期対応では、専門家が学校をサポートするようにしましょう
 実態を把握・分析するとともに、良い取組を共有しましょう

5 今後の対応方針
  1   いじめ・自殺に関する実態の把握
  調査方法の見直し等
 「いじめ」の定義、自殺の理由など、実態をより適切に把握できるよう、いじめ・自殺に関する調査の方法を早急に見直し、調査を実施する。 【平成18年度分の調査から実施】
  学校における早期発見の取組の促進
 すべての学校現場において、いじめの早期発見・早期対応に努めるよう、各学校・教育委員会等の取組を指導する。

2   いじめ・自殺の防止等に向けた取組
(1)  基本的な取組
 豊かな人間性を育くんでいくための大前提として、まずは、学校、家庭、地域のそれぞれの場において、子どもたちが、いきいきと、楽しく過ごすことができる環境を整備していくことが重要。
 学校、家庭、地域において、それぞれ以下の取組を推進するとともに、学校、家庭、地域の連携を促進。
1  「わかる授業」の推進、いきいきとした学校生活の実現
  「わかる授業」の推進
 学力・学習状況に関する適切な実態把握、個に応じたきめ細かな指導の充実、教員の資質向上等を通じ、「わかる授業」のための授業改善を促進する。
  いきいきとした学校生活の実現
 学級(ホームルーム)活動や部活動、様々な学校行事等の活動を通じ、子どもたち一人一人が自己存在感を持つことができる学校作りを進める観点から、各学校の取組を促進する。

2  親子の温かい人間関係を基盤とした家庭の教育力の向上
  家族のふれあいを促進するための取組の推進
 子どもへの読み聞かせや、家族で参加できる地域活動の促進など、子どもと親・家族がふれあいや、親が子どもをきちんと見つめる環境をつくっていく。
  子育て・家庭教育に対する支援の充実
 子育て・家庭教育への支援について、訪問型の支援や、関係団体との連携、携帯電話・パソコンなどのITの活用により、子育てに無関心な親、孤立しがちな親や学ぶ余裕がない親などへのきめ細かな支援を強化する。

3  地域における子どもたちの多様な活動の場の整備
  放課後子どもプランの推進
 放課後や週末等に、小学校の余裕教室などを活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、様々な体験・交流活動や学習活動等の取組を推進。
 【厚生労働省と連携した総合的な放課後対策として全国の小学校区で実施】
  地域の教育力再生
 地域の絆を深め、地域の教育力の再生を図るため、地域の課題に関する学習やボランティア活動、スポーツ及び特色ある様々な文化体験など、地域に根ざした多様な活動機会の提供を促進する。さらに、学校を核とした地域再生の在り方について調査研究を進める。
 さらに、学校・家庭・地域間における日頃からの行動連携を通じ、相互のネットワーク形成を促進。

(2)  重点的な取組
 さらに、一連の事件等から提示される課題、有識者会議からの提案等を踏まえ、取組を推進。
1  子どもの悩み・苦しみ等を受け止める体制の整備
  教育相談窓口の充実
 都道府県・指定都市が行っている電話による教育相談の相談体制を夜間・休日まで拡充する(全国統一ダイヤルを設置することを検討)。
  スクールカウンセラー等の拡充
 平成18年度においては、いじめ・自殺問題に対する緊急措置として、スクールカウンセラー及び子どもと親の相談員の配置を拡充し、全国の学校において集中的な相談活動を実施する。また、緊急措置終了後の平成19年度においては、問題発生時に関係校へ派遣する緊急支援型のスクールカウンセラーの配置を進める。
  学校内で、子どもが教員以外の様々な大人と接する機会の拡充
 教室外の様々な場所に、教員以外の大人と気軽に話ができるような環境を整備し、児童生徒の「こころの居場所」づくりを進める先進的な取組に関する情報提供等を行う。

2  いじめのサインを見逃さない・いじめを許さない教職員の取組の支援
  いじめ解決に取り組む教職員の支援
 いじめの早期発見・早期対応を図るための日常的な取組、実際にいじめが起こったときの対応など、いじめ解決に向けた取組の好事例の情報を提供する。
  教職員研修の充実
 各教育委員会が行う教職員研修や学校における活動に際し中核的・指導的な役割を果たせる人材を育成する観点から、国レベルで行う研修において、いじめの問題の特性、いじめの兆候として子どもが示すサイン、具体的な指導方法、問題発生時の危機管理等に関する研修内容の充実を図る。

3  学校・教育委員会における問題抱え込みの排除
  開かれた学校づくりの推進
 学校の説明責任として、いじめに関する学校の指導・対応方針等については、あらかじめ、保護者に説明し、理解を得るよう努めるよう指導を進める。
  チームによる対応等の推進
 いじめられる子どものケアといじめる子どもへの指導、それらの背景にある問題等への適切な対応を図るため、教職員による対応チーム、教育委員会の職員、教育委員会と関係機関による学校支援チームを編成し、問題の解決に当たるよう、各学校・教育委員会の取組を促進する。
 その他、人権擁護機関等の第三者機関との連携による事実解明など、関係機関との連携に関する取組についての情報提供等を推進する。

4  いじめ防止等のための多様な教育活動の展開
  心の教育の充実
 各学校・地域等における先進的な取組の支援とその成果の普及等を通じ、道徳教育、生徒指導、人権教育等の取組や、学校における様々な体験活動を推進し、豊かな心や社会性、規範意識等をはぐくむ指導の充実を図る。
  いじめる子どもに対する毅然とした対応の促進
 出席停止制度等の適切な運用も含め、学校における懲戒基準や問題行動への対応方針を明確化し、公表するなどにより、いじめる子どもに対し毅然とした対応を図る取組の普及・促進を図る。

5  メール、ネット等を利用した新しい形のいじめへの対応
  情報モラル等の指導事例等を紹介するWebサイトの作成等
 ネット上の掲示板やブログ等による中傷などに関する指導も含め、情報モラル等に関する指導事例等を取りまとめるとともに、Webサイトを作成して当該事例等を広く紹介する。また、教員等を対象としたフォーラムを開催し、情報モラル等の指導手法の普及を図る。

6 おわりに


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