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教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会(第1回)議事概要

1. 日時
  平成18年10月5日(木曜日)10時〜12時

2. 場所
  丸の内中通りビル地下1階 K1会議室

3. 議題
 
(1) 教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化について
(2) その他

4. 配付資料
 
資料1   教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会について(平成18年9月12日 初等中等教育局長決定)
資料2 教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化について(案)
資料3-1 平松委員提出資料
資料3-2 横山委員提出資料
資料4 「教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会」作業部会の設置について(案)
資料5 今後の日程
参考資料1 教員のICT活用指導力の向上に関する文部科学省の取組
参考資料2 「国が行うことに対するニーズ」等に関する調査研究
参考資料3 小学校・中学校・高等学校学習指導要領における「コンピュータ等に関する各教科等の記述」
参考資料4 「情報教育に係る学習活動の具体的展開について」報告書
参考資料5 「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」概要

5. 出席者
 
(委員) 清水座長、生田副座長、大久保委員、小泉(世)委員、小泉(力)委員、中村委員、東原委員、本多委員、山口委員、横山委員、渡辺委員
(文部科学省) 銭谷初等中等教育局長、合田初等中等教育局審議官、嶋貫初等中等教育局参事官、その他

6. 議事概要
 
銭谷局長から挨拶があった。
各委員及び事務局の紹介が行われた。
座長に清水委員、副座長に生田委員が選出された。
議事の取扱いについては、会議、会議資料、議事概要について原則公開することとなった。

 
(1) 教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化について
 
 事務局より、資料1、資料2、資料3-1について説明。以後、以下の意見があった。
海外と比べると、国内ではスキルという部分はナレッジに比べて少々軽視されてきたのではと感じる。先生は知識は持っているので、授業の中でどのようにICTを活用していくのか、ティーチング・スキルやコーチングスキルという点をおさえていく必要があると考えている。

一律に全員の教員を対象としたICT指導力の基準を策定するのは、少々難しいかと感じている。パソコンの得意な先生の基準とパソコンを使えない教員の基準のバランスをとって策定する必要があるのではないか。

授業でICTを使うことに子どもたちがどう感じているのか、意識調査が必要だと思う。その上で、学校種ごとに教員のICT活用能力の基準をたてる必要があると思う。
 小学校はクラス担任制の下でICT活用がスムーズに行われている。一方、中・高等学校では教科担任制のため、チョークと黒板による授業の完成度も高く、「分かる授業」を既に行っているという意識がある。分かる授業の「分かる」という言葉の意味・質について再定義する必要があると思う。この検討会で議論した結果のアウトプットの方法としては、様々なものが考えられるが、広める方策について、どのようにアウトプットしていくかが課題である。

教員へのICT活用の指導にあたっては、3つに分類できると思う。授業力は高いがICT活用指導力が低い教員には、機器操作を支援して授業を一緒に考えてもらうことが必要。具体的には、年配教員でも授業でICTを簡単に使えるということを理解してもらうことで、授業力を高められると思う。また、授業力はないが、ICT活用能力がある教員には、授業での優れた実践事例を見てもらうことで、授業力を高めることができると思う。さらに、授業力及びICT活用能力とも低い教員には、まず、授業案の作成を通じ、授業力を高めることが必要と思う。
 どのような力をつければ、教員が授業でICTを使うようになったのかという部分を明確にすること、授業力とICT活用能力をつなげる部分を明確にすることが重要であると思う。

コンピュータとか技術寄りの観点からではなく、教員の資質能力という観点から枠組みを作った方が校長先生や教員の受けがよいと思う。また、指導力を拡大するツールがパソコンだという認識をもってもらうことが重要。基準の記述については、分かりやすいものを目指すとのことであったが、例えば「プレゼンテーションを行う」ではなく、プレゼンテーションを行って「深い理解をもつ」とか、「相手を説得する」というように、機器操作の基準ではなく、機器を操作してこういった学習目標を達成するというようなものを基準とする方が教員には受け入れられると思う。

いかにして普通教室でICTを活用していくのかが重要である。ハード整備が整っていないので、授業でICTを使うことができないというのがICTを使わない口実になっているように思う。全体的に思うことは、生徒が自ら新しい課題解決のためにICTをどう使っていくのか、新しい情報をどう収集するかが重要である。また、プレゼンテーション能力がますます重要になってくる。

勤務校では学校HPを活用し、情報を発信することで、教育活動の活性化ができるのではと考えている。現在では、すべての教員がHPの更新に携わっているが、教員のICTに対する意識改革から始めた。特に温度差のある学年にはHPに対する保護者からの意見を理解させたり、夏休みを利用し、教員同士が教えあう研修を行った。各教科指導にも役立つ情報も載せて活用していこうという動きもある。教員もHPを作成することでICT活用の意識が高まっているが、まだ、分かる授業のために効果的に活用できるには至っていないと思う。

資料を用意しているのでご覧願いたい。ICT活用の初心者にとって分かりやすい表現とすることが必要、不足しているICT活用の研修につながるコースや資料との関連を図っておくことが必要である。ICT活用指導力が具体的にそれぞれの教科で具体的にどんな活動があるのか想定しておく必要がある。理科において検討してみた結果、「教材研究にICTを活用することができる」という基準が必要だと思った。
 更に、「導入」「課題解決」「交流学習」「まとめ」のそれぞれのカテゴリで教師が使う、子どもが使うという基準に整理できると思う。

教員のICT活用の基準づくりは大変悩ましい問題と思っていた。授業の場面場面をたくさん提示し、その授業場面に応じた操作技術の習得を研修で行ってきた。操作については進んできたが、次のステップとしてどういう課題を与えるべきかが問題である。
 高校段階では、教科専任制であり、場面に応じてうまくICTを活用することで教科の内容がきちんと伝わるような基準の表現でなければならないと思う。

ハードの操作技術を高めるために基準を設けるのではないというのが、各委員の意見だと思う。授業を有効に行うために、ICTが得意とするところをいかに活用していくかが重要である。例えば今年入学してきた大学生は、すでに高校段階で教科情報を経験しており、ほとんどの学生がパワーポイントを使いこなせる。クリティカルな基準が必要と思う。

この検討会は、来年3月までに基準を具体的に示す必要がある。小・中・高の学校種段階ごとに分けて作りたいと考えている。
 また、リーダー、指導者レベルの基準、中間レベル、ビギナーレベルでの基準も必要かと思うが、まずは、現職の教員をターゲットに自己評価や第3者評価に使える基準を作ることとしたい。
 科目別に基準を策定することも重要だが、すべての教科別に網羅的に3月末までに作成するのは時間的に困難だと思う。科目別の基準については、来年度以降の課題としたい。
 まずは基本的なものを作成し、学習場面においてどのような使い方ができるのか、研修にどうつなげていくのかを念頭においていきたい。本検討会では、ここまでの策定と考えているが、その上で皆さんの意見を伺いたい。

全体像の分量が多いのはどうかと思う。あくまで基準なので、ペーパー1枚程度に収まるような分量で作成するのがよいかと思う。小・中・高も共通な基準にするのがよいと思う。

努力する。

中・高の教員は自分なりの授業スタイルをもっており、そのプラスαとしてまずは使って頂くという整理がよいのではないか。当面、多くの学校ではICT環境が限られているので、今の環境ではこう使えるといった具体的なアピールが必要。

科目ごとの基準については、理科でやってみたが、社会で基準を出せるのかどうかは今は答えられない。時間がほしい。

科目ごとに様々な基準はできるにせよ、上位の根本的な枠組みは、どの科目も共通なるのではないか。

こういうことをやれば分かる授業が実現できるという意識をもって現場の先生に使ってもらうことが必要。

学習の場面でどう使うのかという点では、これまでの調査研究や8月に取りまとめた検討会報告書を参考にしつつ、基準の枠組みとしては、それらを網羅できる大綱的なものを想定している。

 
各委員からの追加の意見については、10月13日までに事務局に提出することとなった。また、関係する資料や研究などの情報についても、事務局に提供することとなった。

次回は、11月7日(火曜日)15時〜17時に開催することとなり、清水座長から海外の基準について、平松委員からそれぞれ説明して頂くこととなった。

(以上)

(初等中等教育局参事官付)

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