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参考資料5

諸外国における学校評価等の状況

  学校評価等に関わる主な制度、取組み等 最近の動き
アメリカ
州政府の到達目標(教育スタンダード)をふまえ、各学区が独自のカリキュラムを用いてそれぞれの地域の特性に合わせた学校教育を実施
州政府は、到達目標(教育スタンダード)に対応した州内共通の学力テストを実施するとともに、その結果を中心とする学区及び学校の教育成果を公表し、成果の上がらない学区や学校に対して、技術的支援等の改善プログラムを実施
連邦政府による初等中等教育法(No Child Left Behind Act)の制定。補助金受給条件として以下の取組を要請。
 
教育成果に対する強力なアカウンタビリティを州政府に求めるとともに、各種補助金等を交付
貧困地域にある学区への補助金等による支援
教育成果が見られない学校への是正措置(技術的支援、教職員の入替等)
イギリス
大きな学校裁量と保護者等の学校経営への参画、学校選択の自由
 
学校理事会を通じた人事、予算、教育課程等の管理
全国テストによる教育成果の把握、学校ごとの成績公表
国の教育水準局(OfSTED)による学校監査(1992年〜)
 
約6年をかけて視学官が全学校を訪問監査。監査結果を公表。
OfSTEDによる学校監査の改善(2005年9月〜)
 
学校の自己評価結果を重視した学校監査
訪問監査期間の短縮(1週間から2日程度)
監査周期を6年から3年に短縮。
フランス
各学校の管理委員会による自己評価の実施(1985年以降)
 
学校教育計画に組み込まれた、外部者の意見(外部評価)を参考とした自己評価
全国統一評価指標(中等教育パイロット指標)の開発(1994年)
 
バカロレア(中等教育卒業資格試験)合格率、バカロレア取得者の割合等を活用した指標
国民教育総視学局及び国民教育行政総視学局による教育システム全般の評価と、学校及び大学区(複数の県からなる教育行政組織)を対象とした評価の実施(大学区評価は1999年以降に実施)
ドイツ
各州ごとに、教育課程基準策定、学校監督を実施(法令を遵守しているかどうかを上級官庁が監督するという性格のもの)。
OECD/PISA調査の不振を受け、各州の共同による連邦全体の教育スタンダード策定、各州ごと及び各州共同の学力調査を実施する動き。
いくつかの州において、州の視学官等による学校監査の導入の動き(学力調査の結果データ等に基づき、学校の教育改善を支援する性格のもの)。
フィンランド
教育内容等の裁量権の地方自治体・学校への大幅委譲(1994年)
国の教育課程基準の実施状況を明らかにするための国家教育委員会による全国テスト(抽出調査)の実施(1994年)
第三者による学校評価を廃止して自己評価とする(1990年代初頭)
オランダ
国が教育課程基準策定、教育の質の確保(視学制度)に責任を持つ。宗教の自由を背景とした教育の自由(公私立を通じた学校選択の自由)。
国の教育視学部が、公私立学校の学校監査を実施。同部の視学官等は、年に1回各校を監査。
ニュージーランド
学校理事会の創設等による学校裁量の拡大と保護者等の学校経営への参画(1989年教育法)
 
教育委員会に代わる学校理事会(人事、予算、教育課程等に大幅な権限有する)の設置
各学校は、自己評価の実施が義務づけられる
教育機関評価局の創設による第三者評価の実施(1989年教育法)
 
各学校の自己評価結果等に基づく第三者評価(3、4年に1度、全学校を評価)
各種支援機関による支援プログラムの提供
[参照資料 窪田眞二・木岡一明編著『学校評価のしくみをどう創るか』(学陽書房)等]



イギリス教育水準局(OfSTED)の学校監査の概要

1. 英国教育水準局(OfSTED)について
 
 英国教育水準局(OfSTED:Office for Standards in Education)は、教育技能省から独立した政府機関(non-ministerial government department)であり、1教育機関の監査(学校監査及び地方教育部局監査)及び、2教育技能大臣への助言、の2つを大きな役割としている。
 教育(学校)法改正により1992年に設立され、現在は2005年に制定された教育法に、設立根拠がある。

(注1)2003-04年度
(注2)1ポンドイコール200円換算
項目 概要
年間予算(注1) 約417億円(注2)
職員数(注1) 正規職員数 2,550人
正規職員数うち勅任監査官 約200人
登録監査官 755人
チーム監査官 4,943人
一般監査官 338人

2. OfSTEDの学校監査について
 
 OfSTEDは、イギリス(イングランド)の全学校(小中学校では合計約2万2千校)を、概ね6年サイクルで監査。(現在は3巡目を実施中。)
  2003-04年度の監査実績は、4,147件である。(同年度に、地方教育部局監査は30件実施している。)
 一人の登録監査官及び数名のチーム監査官や一般監査官で監査チームを構成し、規模の小さい学校では2名が3日ほど、規模の大きい学校では15人程度が4日ほど、各学校を訪問する。
 訪問前に情報入手に努めつつ十分な分析を行い、訪問時に効果的な情報入手・分析ができるように準備することとされている。
 監査の実施後、6週間以内に報告書がまとめられる。学校は、報告書受領後40日以内に監査官の勧告を如何に実施するかをまとめたアクションプランを公表する。
 勅任監査官は、学校がアクションプラン通りに改善に向けた取組がなされているかどうかをフォローするとともに、問題が解決されそうにない場合には、学校に特別措置(閉校措置)が必要かどうかを判断する。
  特別措置が必要というOfSTEDの報告を受けて、教育技能大臣は、2年以内に改善が見込まれない場合は閉校を命じることができる。

3. OfSTEDの学校監査の見直し
 
 2005年9月より、学校の自己評価結果を重視した学校監査に見直しが行われた。
 その他の改善点として、訪問監査期間の短縮(1週間から2日程度)、監査周期を6年から3年に短縮するなどの見直しも同時に行われている。


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