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参考資料2−2

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教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議に対する意見書(その2)の提出について

全教委連発111号
平成17年8月4日

教職員配置等の在り方に関する調査協力会議
座長 高倉 翔 様

全国都道府県教育長協議会
会長 中村 正彦

 平成17年6月9日付けで依頼のありました標記の件については、平成17年6月30日付全教委第80号で提出いたしましたが、追加意見を別添のとおり提出いたします。

 教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議に対する意見書(その2)


教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議に対する意見書(その2)

全国都道府県教育長協議会

1. はじめに

 教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議に対する当協議会からの意見については、同協力者会議座長からの依頼を受け、平成17年6月30日付け全教委連発80号にて提出したところであるが、その後、当協議会としても次期教職員定数改善計画の策定に要望すべく、独自に教職員配置の在り方や学級編制及び学習集団の在り方について全国調査を実施し、ここにとりわけ緊急を要すると考えられる項目についてとりまとめたので、報告する。

2. 全国調査

 全国都道府県教育委員会に対し、直面している重点教育課題について小学校・中学校・高等学校・盲聾養護学校(小・中学部)・同(高等部)ごとに調査を行った。
 併せて、特にその中で定数改善に反映することにより、解決が期待できる課題について、上位3つを選択するようお願いした。
 集計は、一番解決が期待できると選んだ項目を3ポイント、二番目を2ポイント、三番目を1ポイントとして加算し、全国的に見て現在最も定数改善に反映することが求められている項目を探っている。

3. 集計結果

(1) 小学校
 小学校については、「基礎学力の定着・向上と個に応じた指導の充実」への対応が最も求められており、続いて、「通常の学級に在籍する軽度発達障害、特別な支援を要する児童への対応」、「低学年における児童の生活習慣・学習習慣の定着」、「指導方法の工夫改善と教職員の指導力の向上」が求められている。
 全体的な傾向を見ると、特に学習指導に関する課題について、定数改善計画に反映することを求める傾向が強いが、特別支援教育への対応も緊急を要する課題と捉えていることが分かる。

 
【図1】
小学校の集計結果のグラフ
 図には15ポイント以上の項目のみを記載(以下同様)

(2) 中学校
 中学校については、「指導方法の工夫改善と教職員の指導力の向上」への対応が最も求められており、続いて、「第1学年における小・中の接続を円滑にするための学習指導の充実」、「不登校等心身の健康に問題を持つ生徒への適切な対応」が求められている。
 全体的な傾向を見ると、学習指導に関する課題について、小学校と同様に定数改善計画への反映を求める傾向が強く、生徒指導に関する課題の比重は小学校と比べ高くなっている。

 
【図2】
中学校の集計結果のグラフ

(3) 高等学校
 高等学校については、「習熟度別授業、少人数指導等学科や教科の特性に応じた指導の充実」への対応が最も求められており、続いて、「個々の生徒の学力に応じた、きめ細かい指導の実現」、「指導方法の工夫改善と教職員の指導力の向上」が求められている。
 全体的な傾向を見ると、高等学校でも学習指導に関する課題について、定数改善計画への反映を求める傾向が強いが、キャリア教育の推進など進路指導に関する課題の重要度が増していることが分かる。

 
【図3】
高等学校の集計結果のグラフ

(4) 盲聾養護学校(小・中学部)
 盲聾養護学校の小・中学部については、「特殊教育学校のセンター的機能が有効に発揮されるための体制整備」が最も求められており、続いて、「自立活動における教員以外の他職種の配置」、「医療的ケア対象児童生徒の体制整備」が求められている。
 全体的な傾向を見ると、特別支援教育の実現に向け、小・中学校等を支援するなどの盲聾養護学校のセンター的機能が発揮されるための教職員体制の整備について、各都道府県が緊急を要する課題であると捉えていることが明らかになった。

 
【図4】
盲聾養護学校(小・中学部)の集計結果のグラフ

(5) 盲聾養護学校(高等部)
 盲聾養護学校の高等部についても、「特殊教育学校のセンター的機能が有効に発揮されるための体制整備」が最も求められており、続いて、「関係機関(福祉的就労先及び民間企業)との連携強化」、「生徒数の増加に対応した指導の充実」が求められている。
 全体的な傾向を見ると2番目以下は、あまり差異はないが、小・中学部と同様にセンター的機能が発揮されるための教職員体制の整備については、格段に要望が多い。

 
【図5】
盲聾養護学校(高等部)の集計結果のグラフ

4. 次期定数改善において求められる内容

 次期定数改善計画を策定するにあたり、地方が喫緊の課題解決に向け教職員配置の充実を求める内容は、集計結果から以下のとおりである。
 小・中学校では、第7次改善の取り組みを発展・継承し、少人数指導のさらなる充実や、地方の実情に応じて少人数学級編制の弾力的な運用が可能となるよう教職員配置の充実を行うとともに、加配定数の基礎定数化を実現し、さらには、国において定めた学級編制標準の一律適用ではなく、市町村教育委員会や学校が判断し、選択できるような制度の構築が求められる。
 加えて、新たに、通常の学級に在籍して学習する軽度発達障害など、特別な支援を必要とする児童生徒に対して的確に対応できる教員や特別支援教育コーディネーターのほか、中学校における問題行動・不登校問題などの生徒指導上の課題に対応する専任の教職員に対する加配制度等の創設が強く求められる。
 高等学校においては、第6次改善に引き続き、習熟度別授業等教科の特性や個々の生徒の学力に応じたきめの細かな授業を実施できる配置基準の見直しや加配制度の充実等が求められる。
 盲聾養護学校については、地域の特別支援教育のセンター的機能を有効に発揮すべく、高い専門性と連絡調整に係る能力を有する教職員に対する加配制度等の創設が最も喫緊の課題として求められる。
 このほかに、都道府県から寄せられた要望・意見としては、教頭の複数配置の充実、司書教諭の定数化、盲聾養護学校における看護師、理学療法士等の標準法への位置づけなどがあった。
 なお、次期定数改善計画の策定にあたっては、県費負担教職員制度の在り方との整合性を図りつつ十分に検討されることが必要であると考える。

5. まとめ

 今回の調査により、次期定数改善策定にあたり、全国の都道府県が喫緊の課題として捉え、改善を求める項目についてその概要が明らかになった。
 当協議会としては、今後もより詳細な調査研究を進め、集計結果をもとに要望を行うなどにより、真に地方のニーズに合致した次期定数改善計画の策定を求めていくこととしているが、調査研究協力者会議等においても、これら地方の声を踏まえ、学校教育水準の維持・向上を図るとともに、山積する教育課題に的確に対応できる教職員配置等の在り方に関する提言がなされるよう切に期待する。


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