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資料2

教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議の主な意見

少人数教育について
【少人数学級・少人数指導等の評価について】
第7次改善により少人数指導の加配が進み、成果が上がっている。

習熟度別指導は定着し、効果を上げつつある。

子どもたち、保護者も少人数指導を高く評価し、安心感を得ている。チームを組んだ教育への教師の意識改革が授業の改善、指導力の向上に結びついている。

少人数学級にすれば目が届きやすいのは事実だが、少人数学級に合った指導方法についても工夫・検討の余地がある。

少人数学級でも指導方法の改善は必要だが、指導方法さえ改善すればよいということではない。

40人の学級集団は多すぎる。小学校1、2年で35人学級を実施している一方、中学校3年時点で35人、30人学級にして、きめ細かい進路指導をすることなども大事ではないかという意見もある。多様な方法を研究し、実践しながらよりよい姿を求めていきたい。

少人数学級の実施状況は千差万別(39人学級や一部の学年での実施、研究指定校における実施など)であり、その意義は様々であることに注意が必要。

少人数学級・少人数指導は効果があるようだが、(まるまる人学級など)一律に数字の固定をしない方がよいのではないか。

学習集団も生活集団も何人の規模での指導が効果的があるのかはっきりとしない。まずは少人数指導の改善を図り、その上で生活集団の規模について議論するのがよい。

学校における生活集団と学習集団は一体不可分。生活集団を少人数化すれば、学習集団も質的に変化する。学級が増えれば教員が増え、課題別学習が可能となるなど、子どもにとってはよいこと。

少人数教育の評価だけでなく、学校評価というフィルタを通して成果を確かめていくことが必要。少人数が生む波及的な効果などの検証が重要。

小さな集団で問題を抱えるところもあり、必ずしも少人数がいいとは言えないのではないか。結局は教員の姿勢の問題ではないか。

  【少人数教育等の実施に伴う非常勤講師の配置について】
非常勤講師対応が増えている。学校は生活全般を通して人格形成をする場所であり、非常勤講師にはそれだけの余裕がない。正規教員を計画的に増加させ、少人数学級を編制していくべき。

少人数学級を実施するために非常勤講師を配置しているところがあるが、正規の教員がいる学級と格差が生じている。

現場では非常勤ではなく、学級担任もできる常勤の教員が求められている。退職者の傾向も視野に入れて、どのように対応するか検討する必要がある。

非常勤講師の質の低下を懸念する声があるが、採用が厳しい中、経験を積んでおり必ずしも質が低いとは言えない。研修等に本務者に限らず参加させるなど、指導力向上の努力が行われている。

常勤を減らすようなことがあってはならないが、現在の行財政事情の中では非常勤講師の活用も効果的である。

正規教員の採用が難しい場合、非常勤講師に対する十分な研修を行い、学校全体で成長させていく必要がある。

  【今後の学級編制、少人数教育の在り方について】
(少人数教育の在り方)
少人数学級を導入することにより、少人数指導、習熟度別指導のための人員が減ってしまうようでは困る。まだまだ少人数指導の指導方法は研究段階。

第8次改善計画は第6次・第7次を発展的に継承すべき。

少人数学級にすれば効果が上がるものではなく、少人数学級導入を機会に学級・学校経営の改善、指導方法の改善を図ることが効果を上げるポイントである。

少人数学級、少人数指導の実施は各学校に丸投げするだけでは成果が出ない。都道府県や市町村がリードして、自覚的に実践に取り組む必要がある。

山形県や犬山市の少人数教育への取組をみると、生活集団と学習集団を一致させて、いろいろな能力の子どもが学び合い教え合うという共同学習を通して効果を上げており、小学校低学年は特にこの点に配慮する必要がある。

子どもへの教育課程の定着と、いじめや不登校の問題にどのように対応するかという課題がある。これらに対応するため、各都道府県は持ち出しで少人数学級・指導を実施している状況。これを国でしっかり負担するべき。画一的に40人学級とせず、校長の裁量でバラエティに富んだ学級規模にできるようにすべき。

地方財政も厳しい中、努力して少人数学級をやっている。少人数学級と少人数指導が両方必要だということを強く打ち出していくべき。

効果が上がったから少人数学級をやるのではなく、効果を出すことを目指して少人数学級を行うのではないか。PISA調査等では日本の学力水準は高いとの結果があるが、塾での勉強も含めての結果。まだまだ分かる授業を進める必要がある。国の財政は厳しいが、英米も政府が教育を推進している。日本も政策選択をして8次改善計画を実施するべき。

具体的な効果の実証が大きなポイント。教員だけでなく、子どもや保護者のアンケートでも高い評価が出るのではないか。少人数学級にしていく線は打ち出しつつ、少人数指導も続けていく体制が必要ではないか。

  (生活集団の適切な規模について)
少人数学級の実施に当たっては、下限の設定が必要。実際の配置は各学校の実態に応じ、校長権限によって選択することも考えていくべき。

生活集団、学習集団という概念をやめてはどうか。算定基礎は教員1人に対する子どもの比率にして、集団の編成は学校に任せてはどうか。

生活集団の人数を決めるのは無意味ではないか。大都市以外は少人数になっており、学校現場で判断すればよい。指導の目的によって編成する集団の人数は異なるものであり、大規模校、小規模校にかかわらず与えられた条件をどう活かすかが現場の問題。

1学級の下限上限の問題も重要だが、1学年の学級数によって状況が異なる。最低学年に3学級あれば、様々な取組をしたいという学校の思いが学級編制に活かされる。

少人数指導と少人数学級について、学校長に裁量を与え、両方を組み合わせて行うのがよい。学校現場に裁量を与えつつ、学校評価、教員評価、学力評価をして検証していくべき。一般論として何人学級が良いという人数を決めるのは難しい。

国民の関心は、現行の40人学級を維持するか、30人程度の学級に踏み出すのかである。30人学級に踏み込んで、なおかつ少人数指導も継続するべき。すでに42道府県が少人数学級を実施しているが、そのために増員されている教員のほとんどは常勤講師で、常勤の教諭ではないだろう。教諭の採用につなげるためには、文部科学省が30人程度の学級に踏み込むべき。現状維持では国民が納得しないのではないか。

多くの道府県が少人数学級をやっているからといって、国として30人程度の学級に踏み出すのはあまりに拙速ではないか。これまでの研究でも明確な成果は出ていない。少人数学級を推進しようとするのは、学級を固定的に考えすぎだからではないか。中学校は全ての教科で集団が同じである必要はない。

教職員配置について
【現場の諸課題に対応する教職員配置の在り方について】
職種を超えた定数崩しが可能となるとよい。

総合的な学習の時間や、少人数指導などをうまく進めるためのカリキュラムコーディネーターの導入や、スクールカウンセラーの配置なども検討してはどうか。

小学校も中学校並の教職員配置があるときめ細かい指導ができる。

学校栄養職員は、食の指導の重要性からも全ての学校にきちんと置くべきである。

読書活動の重要性が叫ばれる中、司書教諭の配置について検討すべきである。

事務の共同実施では、複数校で経験の浅い人も深い人もフォローしあいながら実施するなど学校運営を円滑に実施する工夫をしている。

機能的な学校事務、警備員の配置、外国籍の子どものための教育など、多様なニーズがある。定数として確保する職種等についても抜本的に見直すなど検討が必要。財政の問題に阻まれる前に、あるべき姿をきちんと示す必要がある。

中教審の教育制度分科会地方教育行政部会のまとめ「地方分権時代における教育委員会の在り方について」において、教育委員会事務局の体制強化として指導主事の配置の重要性が述べられているが、市町村合併が進んでも小規模市町村では配置が難しい。こういったことについても検討していくべきではないか。

そもそも教頭の職務分担の在り方を見直す必要があるのではないか。

教頭の職務は多岐に亘っており、複数配置があれば良いとは思うが、その資質の問題もある。

教頭が長時間勤務している実態は承知しているが、それが本当に忙しいかどうかを実証するのは難しい。校長や事務職員との役割分担が適切かどうか。改善するべき事務はないのかなどについて検証してみないと分からない。

義務教育は国として保障するべきコアな部分の在り方を議論すべき。自治体の裁量による上乗せ分とは切り離して考える必要がある。

新しい仕事が増えているのであれば、定数を増やすのか、その他の職種を増やすのかという点を検討すべき。

長期研修については、教職大学院での研修に対応した代替定数についても考えておく必要がある。

事務職員、学校警備員などの配置により、教員が職務に専念できるようにする必要がある。

スクールカウンセラーや外国人子女のカウンセリングの問題、特別支援教育の問題など、財政的に厳しいが、学校現場にどのような職種が必要なのかを考えた上で、定数を検討する必要がある。

  【特別支援教育における教職員配置の在り方について】
特別支援教育の充実に関する議論では、理念はいいが、相当数の教員配置が前提となっている。特殊学級については、一定の免許の保有が義務付けられておらず、担当教員の専門性も大きな問題である。

特別支援教育の観点から1特別支援学校の機能として、地域における特別支援教育のセンター的機能を発揮するための教職員配置の充実、2特殊学級や通級による指導に替わる新たな制度に対応した教職員配置の改善。当面、現行制度を維持するとしても、LD・ADHDを新たに通級による指導の対象とすることが必要。3盲・聾・養護学校において、非常勤講師等として参画している看護士、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士や、小中学校における介助員等の支援人材の配置について考慮すべき。

京都市では、4つの総合養護学校に「育みセンター」を設置し、各学校に市単独で介助員を派遣している。育みセンターでは年間1000件を超える相談があり、ボランティアで対応しているが、専門家を置く体制が必要。国の支援が望まれる。

欧米に比べて日本の特別支援教育はまだまだ遅れている。今後コーディネーターとしての職務が増加することから、教職員定数の改善が必要。

定時制高校には障害のある子が入学することが多い。しかし、高等学校段階では、特殊教育の免許を持つ教員がいないし、その対応のための予算措置もなく、制度的には不十分である。

地方における柔軟な学級編制や教職員配置の在り方について
国から地方への権限はだいぶ移ってきているが、市町村、学校の裁量が広がっていない。実際、県に教科、学年、持ち時数を縛られている。県費負担教職員制度が一つのネックになっているのではないか。

学級編制の基準は校長ではなく、国がきちんと定めるべき。

低学年を少人数学級にするなど一律に定めるのではなく、学校ごとの課題に応じて教職員定数を活用するため学校に裁量が必要。そのための教員を増やすべき。

義務教育の学級編制の基準は、国や教育委員会で最低レベルをそろえて定めるべきである。

教育効果を高める教職員配置を検討する必要がある。厳しい財政状況下であるからこそ、しっかり議論をして何のための学級編制なのか、教職員配置なのか明確にする必要がある。

どの職種をどのくらい増やす必要があるかについては、各学校によって状況が違う。定数は増やすが、校長裁量で少人数学級にするのか、少人数指導にするのか判断することができるようになると、より効率的な運営ができるのではないか。

義務教育は国の責任で一定の教育水準を保障するものであり、地方分権といっても自ずと限界がある。同様に学校長に学級編制権まで任せることが本当に良いことなのかどうか。

原則は国が決めていくべき。ただし、40人を超えると20人と21人の学級に切り分けるような取扱いは問題だろう。教科によって弾力的な活用ができるようにして授業の効果をあげていくことができないか。それは地方分権ではなく学校の裁量である。

現在は、市町村教育委員会の存在感がない。市町村教育委員会と都道府県教育委員会の事前協議による同意という関係を見直して、市町村教育委員会の判断が出てくるような対応が必要ではないか。

高等学校における教職員配置の在り方について
高校は選抜されて入学するため、学校ごとに進学指向、生活に問題が多いなど、課題が様々。学校によって、少人数指導や習熟度別指導の加配の活用の仕方が変わってくる。クラスの編制については上限と下限をある程度明示し、その範囲で学校に任せることで個別課題に対応できる。

高等学校について、公教育の信頼回復のためには、高等学校が重要。公立高校が頑張る必要がある。何もかも単純に増やせばいいと言うものではないが、教職員定数の改善は重要。

教員算定式について、小中は40人から引き下げれば学級数が増え、教職員数も増えるが、高校は収容定員なので教職員数が減る現象が起きてくる。定数算定方式について収容定員の総数を基本としながら、学級数も考慮するべき。加配については、学校長の経営計画にのっとって加配が多く確保できるような形が必要。柔軟性が持てるような形が必要。

高等学校は20人学級と言っている。学力格差の問題が言われているが、子どもたちに分かる授業をするために、非常に困難な状況になっていることが見受けられる。日本の学校は総じて創意工夫をしてもそれに対する財政的支援がない。真剣に考えていかないと将来の子どもたちの育成に問題が生じてくる。

義務のシステムと高校のシステムは違っている。高校は設置者がポリシーを明確に打ち出して対応する話がまずあるべき話。高校は30人とか20人と同じレベルではない。設置者の教育政策上の問題。これを義務と同様に検討していくのはいかがなものか。


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