|
柔軟な学級編制というが、現在の40人の基準を下回る議論をするときの根拠は何なのか。力の均衡の問題で決めていくのか。根拠を持って検討するべきである。30人とか35人学級が各地で広がってきているから認めるのではなく、何をもとにその人数にするのかを検討する必要がある。少人数にするのはよいが、その教育効果については議論がなされていない。また、教育効果を高める教職員配置を検討する必要がある。
厳しい財政状況下であるからこそ、しっかり議論をして何のための学級編制なのか、教職員配置なのか明確にする必要がある。国が義務教育の水準を維持するのか、教育を受ける権利については地方に任せていくのかを踏まえて検討する必要がある。
|
|
公立学校を私立学校並にすることはできないが、個々の学校が自主性を発揮し、経営的な発想ができるようにできないか。例えば、財政措置としては、30人1クラスで教員を算定して学校に定数を貼り付け、クラスを2つに分けるのか1つのままにするのかは学校の経営判断に任せることができないか。
|
|
校長に人事や予算の権限を急に与えても対応できないだろう。そういう方向性にするのであれば、教員養成の在り方を見直し、財務面にも精通した教員養成をしていかないと各学校の自立性の向上は難しいだろう。それよりも市町村教育委員会と学校の連携をスムーズに行うとか自治体と学校の距離感を短くしていくことが必要ではないか。
|
|
財政の枠がある中で、今後の教職員配置等の検討を進めていく必要がある。その中でどの職種をどのくらい増やす必要があるかについては、各学校によって状況が違う。定数は増やすが、校長裁量で少人数学級にするのか、少人数指導にするのか判断することができるようになると、より効率的な運営ができるのではないか。
|
|
「地方分権時代における」とあるが、地方分権における学級編制を考えるときに、地方分権を義務教育の中で殊更に強調するのは如何なものか。義務教育は国の責任で一定の教育水準を保障するものであり、地方分権といっても自ずと限界がある。同様に学校長に学級編制権という実権まで任せることが本当に良いことなのかどうか。国が新しい施策を打ち出していく場合は、まず研究指定校で研究をした後、全国展開してきている状況である。学校長まで学級編制権を任せるのは、義務教育であるがゆえに危険なのではないか。
また、2層式の話と絡めると、地方自治体は様々な業務をやっており、首長が国基準を超えて社会保障を充実している例があるが、教育も同じで国が義務教育のコアを保障し、各都道府県が上乗せするものについて、学校長に裁量があるということであれば、話は分かる。コアの部分は国が責任を持って決めていく必要があるし、そういう論理でないと義務教育費国庫負担制度は瓦解するのではないか。
|
|
7次改善までの姿を1段目としてコアにするのは良いのではないか。ただ、8次改善の部分については、校長裁量まで下ろしていかないと定数の有効活用ができないのではないか。
|
|
TTの例を見てみると、自主性がどれだけ発揮されているのかは分かりにくい。結局加配があるから少人数指導を行うなどといった状況が多い。校長裁量を増やしてくれという声が強いが、教員を配置して後は丸投げにするのではなく教育効果をチェックする必要がある。学校に教育効果を出してもらう必要があるのではないか。
|
|
原則は国が決めていくべき。ただし、40人を超えると20人と21人の学級に切り分けるような取扱いは問題だろう。教科によって弾力的な活用ができるようにして授業の効果をあげていくことができないか。それは地方分権ではなく学校の裁量である。権限は自治体にあり、それとは別な発想でよいのではないか。学習効果を上げるため学校の裁量を高めていく必要がある。
|
|
現在は、市町村教育委員会の存在感がない。市町村教育委員会と都道府県教育委員会の事前協議による同意という関係を見直して、市町村教育委員会の判断が出てくるような対応が必要ではないか。各学校の自主性自発性を生み出すような運用が必要。そのためには、市町村教育委員会が実権を持つ必要がある。
また、地域運営学校というものが存在し始めており、こういったものを進めていくためにも市町村教育委員会をテコ入れしていく必要がある。
|
|
現場として考えると、20人と21人では、事務量がそもそも違う。事故の発生率も高いし、保護者への対応も多い。単純に40人を超えたら20人と21人に分けるような仕組みではなく、うまく弾力的にできないか。それを市町村教育委員会がやるのか学校がやるのかは難しい判断だが、どのように弾力的にやるかが重要。
また、TT加配が少人数指導に変わって、TTではダメ、少人数指導にすべきと縛りをかけて、さらに専科教員も活用するよう強く指導する県もある。これは、現場の実態にそぐわない状況であり、そういう配置は校長に委ねても良いのではないか、単元や学年に応じて学校の自由度がある仕組みができないか。学級編制の問題を校長に任せることには問題があるかもしれないが、加配の配置については校長に任せる方策もあるのではないか。
|
|
現在の校長に人事や財務の権限が下りてくるとさらに責任が重くなる。特色ある学校作りや、子どもの実態を考えると現在の定数よりも増員が必要。例えば、TTを実施する教科については学校に弾力的に任せて欲しい。校長に全て任せて欲しいと言うことではなく、地方分権を進めていくと、義務教育の根幹が揺らぐことにもなるので、国が根幹を維持しながら、各都道府県が責任を持って行う柔軟な制度が必要であり、限りある財源の中でどのようにうまく教職員配置を行っていくかが課題。
|
|
東京都の場合、加配はメニュー化したリストを各区市町村が各学校に示し、各学校から申請があるものを措置しており、押しつけることはしていない。そういう意味で、既に校長裁量はある。また、特に中学校の場合、教科を弾力的できないかといっても、正規教員であれば、教員採用と関わってくる問題であり、実務上難しくもある。もともと校長が発信源であり、裁量がないと言うことはない。
|
|
発信源は校長であるとは思うが、その発信は前年度であり、実際の配置は4月になっており、そこにはタイムラグがあり、人事権を校長に欲しいというのもこういった状況があるからではないか。
|
|
いずれにしても、地方分権をどう捉えるかという共通認識を持つ必要がある。地方と校長の棲み分け、どの事項に関連して裁量を増やしていくのか今後詰めていく必要がある。
|