ここからサイトの主なメニューです
資料1
教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議(第1〜3回)の主な意見

◆少人数教育について
  【少人数学級・少人数指導等の評価について】
  第7次改善により少人数指導の加配が進み、成果が上がっている。

習熟度別指導は定着し、効果を上げつつある。

子どもたち、保護者も少人数指導を高く評価し、安心感を得ている。チームを組んだ教育への教師の意識改革が授業の改善、指導力の向上に結びついている。

少人数学級にすれば目が届きやすいのは事実だが、少人数学級に合った指導方法についても工夫・検討の余地がある。

少人数学級でも指導方法の改善は必要だが、指導方法さえ改善すればよいということではない。

40人の学級集団は多すぎる。小学校1、2年で35人学級を実施している一方、中学校3年時点で35人、30人学級にして、きめ細かい進路指導をすることなども大事ではないかという意見もある。多様な方法を研究し、実践しながらよりよい姿を求めていきたい。

少人数学級の実施状況は千差万別(39人学級や一部の学年での実施、研究指定校における実施など)であり、その意義は様々であることに注意が必要。

少人数学級・少人数指導は効果があるようだが、(まるまる人学級など)一律に数字の固定をしない方がよいのではないか。

学習集団も生活集団も何人の規模での指導が効果的があるのかはっきりとしない。まずは少人数指導の改善を図り、その上で生活集団の規模について議論するのがよい。

学校における生活集団と学習集団は一体不可分。生活集団を少人数化すれば、学習集団も質的に変化する。学級が増えれば教員が増え、課題別学習が可能となるなど、子どもにとってはよいこと。

少人数教育の評価だけでなく、学校評価というフィルタを通して成果を確かめていくことが必要。少人数が生む波及的な効果などの検証が重要。

小さな集団で問題を抱えるところもあり、必ずしも少人数がいいとは言えないのではないか。結局は教員の姿勢の問題ではないか。

  【少人数教育等の実施に伴う非常勤講師の配置について】
  非常勤講師対応が増えている。学校は生活全般を通して人格形成をする場所であり、非常勤講師にはそれだけの余裕がない。正規教員を計画的に増加させ、少人数学級を編制していくべき。

少人数学級を実施するために非常勤講師を配置しているところがあるが、正規の教員がいる学級と格差が生じている。

現場では非常勤ではなく、学級担任もできる常勤の教員が求められている。退職者の傾向も視野に入れて、どのように対応するか検討する必要がある。

非常勤講師の質の低下を懸念する声があるが、採用が厳しい中、経験を積んでおり必ずしも質が低いとは言えない。研修等に本務者に限らず参加させるなど、指導力向上の努力が行われている。

常勤を減らすようなことがあってはならないが、現在の行財政事情の中では非常勤講師の活用も効果的である。

正規教員の採用が難しい場合、非常勤講師に対する十分な研修を行い、学校全体で成長させていく必要がある。


  【今後の学級編制、少人数教育の在り方について】
(少人数教育の在り方)
  少人数学級を導入することにより、少人数指導、習熟度別指導のための人員が減ってしまうようでは困る。まだまだ少人数指導の指導方法は研究段階。

第8次改善計画は第6次・第7次を発展的に継承すべき。

少人数学級にすれば効果が上がるものではなく、少人数学級導入を機会に学級・学校経営の改善、指導方法の改善を図ることが効果を上げるポイントである。

少人数学級、少人数指導の実施は各学校に丸投げするだけでは成果が出ない。都道府県や市町村がリードして、自覚的に実践に取り組む必要がある。

義務教育における課題として、子どもへの教育課程の定着と、いじめや不登校の問題に見られるような学校が楽しくない子どもの増加がある。これらに対応するため、各都道府県は持ち出しで少人数学級・指導を実施している状況。これを国でしっかり負担するべき。画一的に40人学級とせず、校長の裁量でバラエティに富んだ学級規模にできるようにすべき。

地方財政も厳しい中、努力して少人数学級をやっている。少人数学級と少人数指導が両方必要だということを強く打ち出していくべき。

効果が上がったから少人数学級をやるのではなく、効果を出すことを目指して少人数学級を行うのではないか。PISA調査等では日本の学力水準は高いとの結果があるが、塾での勉強も含めての結果。まだまだ分かる授業を進める必要がある。国の財政は厳しいが、英米も政府が教育を推進している。日本も政策選択をして8次改善計画を実施するべき。

具体的な効果の実証が大きなポイント。教員だけでなく、子どもや保護者のアンケートでも高い評価が出るのではないか。少人数学級にしていく線は打ち出しつつ、少人数指導も続けていく体制が必要。

  (生活集団の適切な規模について)
  少人数学級の実施に当たっては、下限の設定が必要。実際の配置は各学校の実態に応じ、校長権限によって選択することも考えていくべき。

生活集団、学級集団という概念をやめてはどうか。算定基礎は教員1人に対する子どもの比率にして、集団の編成は学校に任せてはどうか。

生活集団の人数を決めるのは無意味ではないか。大都市以外は少人数になっており、学校現場で判断すればよい。指導の目的によって編成する集団の人数は異なるものであり、大規模校、小規模校にかかわらず与えられた条件をどう活かすかが現場の問題。

1学級の下限上限の問題も重要だが、1学年の学級がどうなっているかが問題。最低学年に3学級あれば、様々な取組をしたいという学校の思いが学級編制に活かされる。

少人数指導と少人数学級について、学校長に裁量を与え、両方を組み合わせて行うのがよい。学校現場に裁量を与えつつ、学校評価、教員評価、学力評価をして検証していくべき。一般論として何人学級が良いという人数を決めるのは難しい。

国民の関心は、現行の40人学級を維持するか、30人程度の学級に踏み出すのかである。30人学級に踏み込んで、なおかつ少人数指導も継続するべき。すでに42道府県が少人数学級を実施しているが、常勤講師で、常勤の教諭ではないだろう。正規教員の採用につなげるためには、文部科学省が30人程度の学級に踏み込むべき。現状維持では国民が納得しないのではないか。

多くの道府県が少人数学級をやっているからといって、30人程度の学級に踏み出すことは暴論。これまでの研究でも明確な成果は出ていない。学級を固定的に考えすぎではないか。中学校は全ての教科で集団が同じである必要があるのか。

◆教職員配置について
  【現場の諸課題に対応する教職員配置の在り方について】
  職種を超えた定数崩しが可能となるとよい。

総合的な学習の時間や、少人数指導などをうまく進めるためのカリキュラムコーディネーターの導入や、スクールカウンセラーの配置なども検討してはどうか。

カリキュラムコーディネイトをする人を置くことは重要だが、養成や人材確保が問題。

小学校も中学校並の教職員配置があるときめ細かい指導ができる。

学校栄養職員は、食の指導の重要性からも全ての学校にきちんと置くべきである。

読書活動の重要性が叫ばれる中、司書教諭の配置について検討すべきである。

事務の共同実施では、複数校で経験の浅い人も深い人もフォローしあいながら実施するなど学校運営を円滑に実施する工夫をしている。

機能的な学校事務、警備員の配置、外国籍の子どものための教育など、多様なニーズがある。定数として確保する職種等についても抜本的に見直し、検討してほしい。財政の問題に阻まれる前に、あるべき姿をきちんと示す必要がある。

中教審の教育制度分科会地方教育行政部会のまとめ「地方分権時代における教育委員会の在り方について」において、教育委員会事務局の体制強化として指導主事の配置の重要性が述べられている。市町村合併が進んでも小規模市町村では対応が難しい。こういったことについても検討していくべきではないか。

  【特殊教育諸学校における教職員配置の在り方について】
  特別支援教育の議論では、理念はいいが、相当数の教員配置が前提となっている。特殊学級については、一定の免許の保有が義務付けられておらず、担当教員の専門性も大きな問題である。

特別支援教育に関しては、盲・聾・養護学校の教員免許を一つにすることにより、教職員定数が削減されるのではないかとの懸念もある。

今後の教職員配置の在り方の検討に当たり、特別支援教育の観点から考慮すべき点は次の3点である。1特別支援学校の機能として、地域における特別支援教育のセンター的機能を発揮するための教職員配置の充実、2特殊学級や通級による指導に替わる新たな制度について引き続き検討が必要であるが、その実施のための教職員配置の改善。仮に当面、特殊学級制度を維持するとしても、少なくともLD・ADHDを新たに通級による指導の対象とすることが早急に必要であり、その場合の教職員配置の検討が必要。3盲・聾・養護学校において、非常勤講師等として参画している看護士、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士といった専門家や、小中学校における介助員等の支援人材の配置の検討。

40人のクラスにLDの子がいるときの大変さ、多忙感などで、途中退職者が多くなっているのではないか。通常の学級の中に障害者を入れるというインテグレーションの方向から考えても、教員の負担を考慮すれば1学級40人では多いのではないか。

特別支援教育の理念はよいが、財政負担を踏まえ、条件整備をどうするかが問題。

京都市では、4つの総合養護学校に「育みセンター」を設置し、各学校に市単独で介助員を派遣している。育みセンターでは年間1000件を超える相談があり、ボランティアで対応しているが、専門家を置く体制が必要。国の支援が望まれる。

欧米に比べて日本の特別支援教育はまだまだ遅れている。教員以外の職種も必要だが、コーディネーターとしての職務が増加することから、教職員定数の改善が必要。また、複数障害に対応した新しい免許を別に取る必要があり、これを取得した教員には、それなりの待遇を考えていく必要がある。

定時制高校には障害のある子が入学することが多い。しかし、高等学校段階では、特殊教育の免許を持つ教員がまずいないし、その対応のための予算措置もなく、制度的には不十分である。単位認定も難しい。義務教育の中で条件整備が進めば、高校段階にもよい意味での波及効果があると思う。

◆地方分権時代における柔軟な学級編制や教職員配置の在り方について
 
  国から地方への権限はだいぶ移ってきているが、市町村、学校の裁量が広がっていない。実際、県に教科、学年、持ち時数を縛られている。県費負担教職員制度が一つのネックになっているのではないか。

学級編制は校長権限ではなく、国がきちんと定めるべき。

低学年を少人数学級にするなど一律に定めるのではなく、学校ごとの課題に応じて活用できるよう学校に裁量が必要。そのための教員を増やすべき。

学級編制の基準は、義務教育では最低レベルをきちんとそろえるべきであり、国なり教育委員会なりがきちんと定めるべきである。

◆高等学校における教職員配置の在り方について
 
  高校は選抜されて入学するため、学校ごとに進学指向、生活に問題が多いなど、課題が様々。学校によって、少人数指導や習熟度別指導の加配の活用の仕方が変わってくる。クラスの編制については上限と下限をある程度明示し、その範囲で学校に任せることで個別課題に対応できる。


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ