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平成17年6月23日

 教職員配置等の在り方に関する
 調査研究協力者会議
 座長 高倉 翔 様

全国養護教諭連絡協議会
会長 安藤 節子

教職員配置及び定数の在り方について−養護教諭の配置について−
(発表資料)

養護教諭の配置について
現状と課題
 社会環境の急激な変化は、児童生徒の心身の健康に大きな影響を与え、いじめ、不登校、喫煙・飲酒・薬物乱用、性の問題行動、生活習慣の乱れ、事件・事故等によるPTSD、虐待、アレルギー等の心身の健康問題が深刻化している。そのため、保健室へ来室する児童生徒の心身の健康問題が多様化し、一人当たりの対応時間が増加しているため、多数の来室者に対し養護教諭一人では児童生徒一人一人に十分な対応を図ることが困難な状況にある。
 また、養護教諭は、救急処置をはじめとする保健管理や保健指導はもとより、多岐にわたった健康問題に対し、関係機関等との連携を含めた対応を図ることが求められている。そのため、児童生徒一人一人にきめ細やかな対応が図れるよう養護教諭の複数配置を望むものである。

(1) 多様化する心身の健康問題への対応
 保健室に来室する児童生徒の抱えている問題の複雑・多様化や保健室登校の増加により、一人当たりの対応に従来より多くの時間が必要となっている。
 また、身体的な症状とともにストレスや不安、悩み、その他の多様な心の健康問題を抱えている児童生徒が増加している現状の中で、心と体の両面へのケアを行うヘルスカウンセリング(健康相談活動)がより重要になり、これに要する時間が増加している。さらに、校内のみならず関係機関等との連携が必要となっている。

<保健室利用調査結果>
保健室に来室する児童生徒数(平成13年 1日平均利用者数・中学校)
 小規模校(400人未満)25.3人
 中規模校(400〜700人)36.3人
 大規模校(700人以上)51.9人1
「保健室登校」がある中学校 37.1パーセント(平成8年)→45.5パーセント(平成13年)
心身の健康問題があった学校の割合(平成13年 小、中、高合計)
 いじめ・友人関係48.9パーセント
 精神疾患・心身症40.2パーセント
 摂食障害25.4パーセント
 虐待13.0パーセント
養護教諭が継続的なヘルスカウンセリングを行っている学校(平成13年・中学校)
 小規模校(400人未満)79.5パーセント
 中規模校(400〜700人)85.8パーセント
 大規模校(700人以上)94.6パーセント

(2) 深刻化する問題行動や健康課題への対応
 喫煙・飲酒・薬物乱用、性の問題行動、生活習慣の乱れ、自傷行為など深刻化する児童生徒の問題行動や健康課題が増加している。
問題のある者への個別指導及びTT等による健康教育等への参画
生活指導・生徒指導プロジェクトチム等への参画

(3) 学校における危機管理への対応
 自然災害や事件・事故の増加に伴い、危機管理における養護教諭の果たす役割が増大している。
緊急時・平常時の救急体制の整備
自然災害や事件・事故における「子どもの心のケア」の体制づくり


以上の現状から児童生徒一人一人にきめ細やかな対応が求められている。

養護教諭の複数配置の拡充が必要
心身ともに健やかな児童生徒を育むため、養護教諭の複数配置により、深刻化する健康課題へあ対応の充実を図る。




参考資料
 複数配置

複数配置のメリット
 <複数配置学校からの報告>
児童生徒一人一人心身の問題にゆとりを持った対応ができるようになった。
事故発生など、緊急時の対応が迅速かつ的確にできるようになった。
担任との情報交換や連携が密にでき、問題の早期発見や早期対応ができるようになった。
保護者の相談が増加する中、児童生徒の健康問題で悩む保護者の相談に対応できるようになった。
他機関(病院・相談機関・保健所・カウンセラー等)との連携が今まで以上に取れるようになり、問題の早期解決が可能になってきた。
心の問題については、支援計画を作成し、複数で対応することにより、多様な支援が可能になった。

 保健室利用について
 図1 児童生徒の来室理由と対応時間との関連
児童生徒の来室理由と対応時間との関連のグラフ

 児童生徒の1人あたり対応時間が20分以上の割合は、「心の問題や心の悩み」の方が「体の問題や体の悩み」に比べ・小学率で1.5倍、中学校で2.0倍、高等学校で1.8倍となっている。


<保健室登校への対応> (図2・3、表1・2 平成16年度悉皆調査報告)
全国養護教諭連絡協議会調査
 表1 保健室登校の児童生徒がいた学校数
保健室登校の児童生徒がいた学校数の表

 図2 校種別保健室登校の児童生徒がいた学校の割合
校種別保健室登校の児童生徒がいた学校の割合のグラフ

 過去1年間に「保健室登校」をしている児童生徒がいた学校数は、小学校・中 学校・高等学校の順に多くなっている。しかし、校種別の割合をみると、小李校25.5パーセント、中学校43.9パーセント、高等学校38.0パーセント、特殊教育諸学校14.1パーセント、その他13.2パーセントであり、中学校・高等学校・小学校の順に多かった。

 表2 保健室登校の児童生徒で養護教諭がかかわって教室へ復帰した事例
保健室登校の児童生徒で養護教諭がかかわって教室へ復帰した事例の表

 図3 校種別教室へ復帰した児童生徒の割合
校種別教室へ復帰した児童生徒の割合のグラフ

 過去1年間に養護教諭がかかわって教室へ復帰した事例を校種別の割合で見ると、小学校51.4パーセント、中学校36.2パーセント、高等学校49.8パーセントで、平均44.0パーセントが教室へ復帰したとの回答であった。


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