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参考資料12

スクールカウンセラーについて



趣旨

 児童生徒の不登校や問題行動等の対応に当たっては,学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図ることが重要な課題となっている。このため,各都道府県・指定都市において、児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を有する「スクールカウンセラー」を中学校を中心に配置し、それらを活用する際の諸課題についての調査研究を行うために必要な経費の補助を行う。

内容

(1)

平成17年度予算額 4,222百万円(平成16年度:4,200百万円)
(2)

配置校数 約1万校(平成16年度:8,500校)
(3)

補助率 1/2
(4) スクールカウンセラーの職務内容
児童生徒へのカウンセリング
教職員に対する助言・援助
保護者に対する助言・援助

(5) スクールカウンセラーの資格要件
財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
精神科医
心理学系の大学教授,助教授,講師(非常勤を除く)
このほか、スクールカウンセラーに準ずる者(心理臨床業務又は児童生徒を対象とした相談業務について一定の経験を有するもの)を配置することも可

(6) 勤務形態
非常勤で週8〜12時間(特に必要な場合は30時間までの勤務も可)


(参考) スクールカウンセラー活用調査研究委託事業(平成7〜12年度)国の全額委託事業
  スクールカウンセラー活用事業補助(平成13年度〜)
  平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
派遣校数 154校 506校 1,000校 1,506校 1,554校 1,643校 3,750校 5,500校 7,000校 8,500校
予算額 3億円 11億円 22億円 33億円 34億円 36億円 40億円 45億円 40億円 42億円
※配置校数は、予算上の積算校数



スクールカウンセラーの効果について
  スクールカウンセラーに関する提言等



 不登校児童生徒数の推移
不登校児童生徒数の推移のグラフ


  平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
区分小学校 16,569数 19,498数 20,765数 26,017数 26,047数 26,373数 26,511数 25,869数 24,077数
区分中学校 65,022数 74,853数 84,701数 101,675数 104,180数 107,913数 112,211数 105,383数 102,149数
81,591数 94,351数 105,466数 127,692数 130,227数 134,286数 138,722数 131,252数 126,226数
(注)  「不登校」(平成9年度までは「学校ぎらい」)を理由として年間30日以上欠席した国公私立小・中学校児童生徒数。


スクールカウンセラー派遣校数の推移
スクールカウンセラー派遣校数の推移のグラフ


  平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
派遣校数
(単位:校)
154校 553校 1,065校 1,661校 2,015校 2,250校 4,406校 6,572校 6,941校 8,485校
スクールカウンセラー活用調査研究委託事業(平成7年度〜12年度)−国の全額委託事業
  スクールカウンセラー活用事業補助(平成13年度〜)−都道府県・指定都市に対する補助金
  平成17年度は配置計画上の校数





スクールカウンセラーの効果について


【学校全体からみた効果】
 スクールカウンセラーの助言により,家庭,関係機関との連携の下,学校全体で生徒指導に取り組めるようになった。
   スクールカウンセラーが校内研修の企画・立案について,専門的な見地から助言を行うなど,学校全体として児童生徒の問題行動等への対応能力の向上を図るための取組が進んだ。
   教員全員が不登校など生徒指導上の問題に対し,専門的な知識をもとに共通理解を持って連携しながら対応するようになった。
   保護者と学校との間の連携役をスクールカウンセラーが果たし,三者が一体となった対応を行うことにより,児童生徒の問題行動が発見されやすくなった。
   学校が他機関(適応指導教室,その他の関係機関)と連携を図る上でスクールカウンセラーの専門的助言が効果的だった。

【児童生徒・保護者から見た効果】
 スクールカウンセラーが,教員とは異なり,成績の評価などを行わない第三者的存在であるため,児童生徒が気兼ねなくカウンセリングを受けることができた。
   カウンセリングを受けることによって,児童生徒が自らを振り返り,自己を解決しようとする努力が行われ,それがきっかけとなって,ものごとへの意欲が高まり,不登校が解消された。
   校内暴力など問題行動を起こしていた児童生徒に対し,スクールカウンセラーがカウンセリングを通じて人間関係を築いたことなどにより,問題行動が解消された。
   保護者が気兼ねなく相談できることにより,自分の子どもの不登校に対する態度と受容が深まり,精神的にも余裕を持って対応できるようになった。
   学校に教員以外にも相談できる人が確保されたことにより,保護者の安心感が増加した。

【教員から見た効果】
 スクールカウンセラーの助言を受けることにより,児童生徒と接する際の意識が変わるとともに,児童生徒の様々な悩みに関し,適切な対応をとることができるようになった。
   教員が児童生徒を表面的に理解するのではなく,一人一人の背景をよく把握した上で理解しようと努め,その結果,教員が教育相談を積極的に実施するようになった。
   教員が精神的な余裕と自信を持って児童生徒に対応することができるようになった。
   教員が児童生徒の不登校や不適応などの兆候について早めにスクールカウンセラーに相談することにより,問題が深刻化する前に解決できるようになった。
   
(各都道府県教育委員会からの事業報告書より集約)





スクールカウンセラーに関する提言等


教育改革国民会議報告(平成12年12月22日)

新しい時代に新しい学校づくりを
学校や教育委員会に組織マネジメントの発想を取り入れる
提言(2) 質の高いスクールカウンセラーの配置を含めて、専門家に相談できる体制をとる。

21世紀教育新生プラン(平成13年1月25日)

新しい時代に新しい学校づくりを
13 学校や教育委員会に組織マネジメントの発想を取り入れる
質の高いスクールカウンセラーなどの配置の促進
  (スクールカウンセラーの配置の拡充40億円)

少年の問題行動等に関する調査研究協力者会議(平成13年4月)
  「心と行動のネットワーク
−心のサインを見逃すな、「情報連携」から『行動連携」へ−」

 具体的な対応方策
2 養護教諭の複数配置やスクールカウンセラーの配置の拡充
・・・スクールカウンセラーを活用して学校の教育相談体制を充実させることも重要であり、国や地方公共団体においては、今後、スクールカウンセラーの配置を拡充し、すべての児童生徒がスクールカウンセラーに相談できる体制を早期に整備していくことが必要である。その際には、教職員とスクールカウンセラーが相互に理解を深め、協力して児童生徒に対応するようにするとともに、学校における児童生徒へのカウンセリング等を行うスクールカウンセラーの職責と専門性に応じた資質の向上について配慮する必要がある。

3 教職員がチームを組み、児童生徒の心の相談・指導を行う体制づくり
 これまでも、全教職員による一致協力した生徒指導体制の整備が必要とされてきたところであるが、特に心の問題については、数の目によって児童生徒の発する兆候をとらえ適切な対応を図る必要がある。このため、学校の教職員、特に、生徒指導の中心となる学級担任、生徒指導担当教員、教育相談担当教員、保健主事、養護教諭、スクールカウンセラーなどがチームを組み、相談や指導に当たることにより問題解決を図る体制作りが必要である。

不登校問題に関する調査研究協力者会議(平成15年3月)
  「今後の不登校への対応の在り方について(報告)」
第4章 学校の取組
魅力あるよりよい学校づくりのための一般的な取組
(6) 児童生徒の発達段階に応じたきめ細かい配慮
 不登校の未然防止の観点から、例えば、小学校では家庭との連携の下、基本的な生活習慣を身に付けることや、中学校では思春期の問題への対応をきめ細かく出来るようにする等、各学校種と児童生徒の発達段階に応じた配慮を行なうことが重要である。
 特に小学校においては、不登校は中学校生活への不満や思春期の問題等に限られるものと考えるのではなく、小学校における学校生活上の問題や基本的な生活習慣が身に付いていないこと等が背景となっている場合もあることや、早期の段階での対応が効果的であることを認識し、対応することが必要である。
 (中略)また、中学校で不登校が大幅に増加することから、小・中学校間の接続の改善を図る観点から、小・中連携を推進する等の配慮が重要である。
きめ細かく柔軟な個別・具体的な取組
(1)  校内の指導体制及び教職員等の役割
 スクールカウンセラーや心の教室相談員等との連携協力
 特にスクールカウンセラーについては「心の専門家」としての専門性と学校外の人材であることによる外部性とにより、不登校児童生徒等へのカウンセリングや教職員、保護者等への専門的助言・援助において効果を上げているスクールカウンセラーが配置された学校関係者は、その効果を高く評価しており、養護教諭、教師、保護者等からの相談活動へのニーズは高い。また、スクールカウンセラーの配置校と他の学校を比較すると、不登校の増加を抑止するといった効果も示されている。
 (中略)不登校への対応をはじめ、総じてその成果は大きく、出来るだけ早期にすべての児童生徒がスクールカウンセラーに相談できる機会を設けていくことが適当であると考えている。国に対しては、引き続きスクールカウンセラーの効果的な活用方法について調査研究を進めつつ、必要な条件整備の在り方を検討していくことを望みたい。

学校と関係機関等との行動連携に関する研究会(平成16年3月)
  「学校と関係機関等との行動連携を一層推進するために」
第1 日ごろからの連携
校内における連携体制の整備
 児童生徒の訴えや内面的な葛藤に向けた生徒指導を進める。
 その際、スクールカウンセラー等の効果的な関わりが可能となるよう配慮する。
 スクールカウンセラーは、児童生徒本人へのカウンセリングや保護者への専門的助言・援助において効果が上がっており、例えば、児童生徒の問題行動等の背景にいじめや児童虐待があるなど心理的背景に目を向ける必要がある場合に有用である。
 配置校では、スクールカウンセラーを校内の相談体制に適切に位置付けるだけでなく、スクールカウンセラーが生徒指導主事等と連携を図り、生徒指導全般に効果的に関わるようにすることが求められる。
 また、児童生徒やその保護者からの相談に対応する学校や地域における相談員等についても、生徒指導に効果的に活用することが望まれる。


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