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資料2

第9回中教審義務教育特別部会の主な概要(5月10日開催)


議題:これからの教職員配置等の在り方について

 鳥取県では、小学校1−2年、中学1年における少人数学級を実施している。この取組には、129人の追加的教員が必要で、10億円かかった。その財源は、県職員の一律5パーセントカットである。ただ、当初は職員給与カット分については、国からもお金が出なくなり、県として活用できなかった。しかし、総額裁量制の導入により、このような取組にも義務教育費国庫負担金が使えるようになり、時宜に適った制度変更であった。少人数学級は、不登校数の減少、学力の向上、子どもに落ち着きが生まれたなど定性的な効果があった。学力結果を見ると、少人数学級の方が結果がよい。少人数学級のデメリットなどもあると思うが一つの参考としてお示しした。

  第8次定数改善計画に進むべき。少人数学級を推進する際には、都道府県や市町村の裁量で行うことは無理があり、国が財政的負担を含めて主導的に導入すべき。地方単独での少人数学級導入の実施においては、財政的状況が厳しいところは非常勤講師を採用しており、その講師の研修や適材確保など問題が多い。

 イギリス・アメリカでは、小学校低学年での少人数学級で効果を上げており、財政的な制約を考えれば、まず小学校低学年を優先すべき。

 現場の意見としては、40人学級より30人程度の学級の方がやりやすい。一方、15・16人の学級が生活集団としては不十分ではないかと思う。上限だけでなく、20人以上の学級というような下限も定めて欲しい。そうした幅の中で、校長に裁量を持たせ、少人数指導、TT、教科担任、習熟別指導など、実情にあった取組を可能にして欲しい。

 子どもがわかる授業が大切であり、そのための教育条件整備が必要。国際的にも学級規模が大きいが、地方財政も厳しいので、小学校低学年25人学級、高学年30人学級というような工夫も必要ではないか。

 学力問題への対処として、指導内容や方法の改善だけでは不十分。学級編制を大胆に改善すべき。県単独で実施している場合、非常勤講師で賄っているところが多く、指導力と子どもの学力問題は看過できない。国としてしっかり取り組むべき。

  少人数学級導入により、総合的学習に必要な子どもとのふれあう時間が増えたという重要な効果が出ている。
 2003年に校内暴力件数が増え、教職員の休職者数も増えた。このことについて、少人数学級でケアすべき。

 財政論として、どこを削ったら、定数改善の財源が出るかも議論すべき。

 次回の定数改善で、学級規模がOECD平均程度になるようにすべき。これまで、日本の教育は現場の情熱によって成果を上げてきた。安上がりで学校をやっていこうという発想は捨てるべき。
 生徒が編制基準を一人超えたら学級を分割するのではなく、柔軟な工夫も考えるべき。行事など集団性のよさにも着目すべき。

  少人数学級における指導上の新たな工夫の検討が必要。特別支援教育の対応でも少人数学級は欠かせない。小学校低学年では、学習上のしつけ指導を行っており、非常に重要。

  少人数35人学級を目指してもらいたい。その際、機械的でなく、校長の裁量を入れた運用を考えていただきたい。

 少人数による問題もある。少人数の学級で、問題児が完全に学級を制圧し、学級崩壊に結びついた例もある。下限をつくっていただくととてもありがたい。
 次期定数改善計画では、図書司書の専任化も是非考えていただきたい。

 改善計画で休む年がこれまであったが、義務教育の内容の変革期にある今、それと連動して、休まず改善計画を進めていただくことをこの部会で確認できればと思う。

 次期改善計画の議論の際には、第7次改善計画の際の平成12年の提言を原点に議論いただきたい。その提言では、今後の学級の在り方は、生活集団の機能を重視するとされていた。

  少人数学級は効果があり、第8次改善計画の実施を要望したい。その際には、小中全体で改善していただきたい。加配は、教員の持ち時間数を減らすために使えるようにするなど、弾力的に運用できるようにして欲しい。

  学級編制の最低限も必要。子どもと接する時間を増やすべき。教員の書類提出など管理的業務が多い。

 少人数学級にすれば、1学年1学級が解消でき、教員の切磋琢磨につながる。少人数学級導入による教員の負担の影響も検討すべき。

 少人数学級をしたときに教室が足りるのかという問題も議論すべき。


鳥居部会長
 教職員定数を改善すべきであり、その際、もっと柔軟で新しい次期改善計画を策定すべきという意見が大勢であったように思う。この議題についてこれ以上部会で議論することは難しいので、文部科学省において早急に具体的・専門的に検討いただき、その結果を当部会に報告していただくことを部会としてお願いする。



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