ここからサイトの主なメニューです

参考資料1

IT政策パッケージ−2005
―世界最先端のIT国家の実現に向けて―
(抜粋)

平成17年2月24日
IT戦略本部決定

 「我が国が5年以内(2005年)に世界最先端のIT国家となる」(「e-Japan戦略」、2001年1月) ―― この目標を掲げて以来、4年余、IT戦略本部を中心とし官民の総力を挙げ、通信インフラや電子商取引市場の整備など、さまざまな取組を実施してきた。その結果、我が国のIT化は大いに進展した。今や我が国のインターネットは世界で最も速く、安くなり、また電子商取引市場は米国に次いで世界第2位の規模となるなど、目覚ましい成果を上げた。その一方で、電子政府、医療、教育分野などITの利用面においては、国民が安心して真にITの利便性を実感できるための課題が残されている。
 目標の年を迎えた今、取組を緩めることなく、利用者の視点でラストスパートをかけるとともに、引き続き世界最先端であり続けるための取組を行ってゆく必要がある。このため、ここに「IT政策パッケージ-2005」を策定し、行政サービス、医療、教育など国民に身近な分野を中心として取組をさらに強化するとともに、ITがもたらす問題点を克服する。「e-Japan重点計画-2004」の確実な実施に加え、この政策パッケージを早急に実行することにより、IT利用・活用を一層進め、国民がITによる変化と恩恵を実感できる社会の実現に向けて取り組んでゆく。

 (中略)

3. 教育・人材

(1)  学校教育の情報化の推進
1)  学校のIT環境の整備の推進(内閣官房、文部科学省、総務省、経済産業省)
 2005年度中に、ITを活用した効果的な教育の実現に不可欠な学校のIT環境の整備を加速するため、地方自治体、民間企業・団体、ボランティア等の連携による「教室のネットワーク化運動(ネットデイ)」に対する支援や、普通教室のネットワーク化に活用可能な各種技術の開発・普及の促進のほか、活用可能な様々な制度・事業を利用するなど、校内LANの整備等学校の情報化を積極的に推進する。
2)  情報モラル教育の推進(文部科学省)
 子どもたちが情報社会に主体的に対応できるよう、2005年度中に、情報モラルやマナーについての効果的な指導手法を検討し、その指導手法を実際にモデル校で実施するとともに、教員向けの指導資料の作成・配布等により指導手法の普及を図る。
3)  教育用コンテンツの整備と活用(文部科学省)
 教育情報ナショナルセンターにおける各種の教育用コンテンツや教育支援情報について、2005年度においても、その情報数を2万件増加するとともに、利用者の利便性向上のため、その機能の高度化と、運用の強化を図る。また、教育用コンテンツ活用の推進に向けた実践研究を実施する。
4)  教員の評価に関しIT活用能力の観点の導入(文部科学省)
 情報に関する指導の充実を図るため、公立学校の教員の評価に関しIT活用能力を観点としてとり入れる工夫をすることについて、地方公共団体の検討を促す。
5)  大学入試試験における情報科目の導入促進(文部科学省)
 各大学の入学者選抜において、それぞれの特性に応じ、「情報」科目を導入することを促進するとともに、センター試験への「情報」科目の導入について、2005年度中に高等学校の履修状況や各大学の入試の実態等を踏まえつつ、その導入条件の明確化について検討する。

(2)  高度なIT人材の育成
1)  産学官連携による高度IT人材育成の推進と体制整備
 (内閣官房、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
 我が国産業の国際競争力を強化するため、産業界で必要とする高度IT人材が質・量ともに確実に育成できるよう、2005年度末までに、産学官連携による体制を整備し、達成すべき政策目標、スケジュール等のロードマップ等を検討し、基本的な方向性を明らかにするとともに、以下の施策を推進する。
ア)  産学連携による大学での教育訓練の拡大と成果の活用(経済産業省)
 産業界が教育の充実の検討・実践に協力する産学協同実践的IT教育支援事業による大学の教育訓練を20件以上とするとともに、この経験を踏まえたスキルやカリキュラム等の育成手法の開発を推進し、大学等の自主的な取組に資する。
イ)  高度IT人材の育成手法の検討・開発(総務省、経済産業省)
 戦略的情報化を担える人材育成のため、そのカリキュラム等の育成手法の検討を行うとともに、モデル教材を開発する。
ウ)  スキルの標準化(経済産業省)
 ITを調達する側における調達能力の強化を図るため、ITスキル標準を基盤とした調達のためのスキルを体系化した「調達スキル標準」(仮称)を2005年度中に策定する。
エ)  高度なIT社会構築をリードする人材育成のための職業訓練の展開(厚生労働省)
 ITとものづくりを融合した分野における高度な技術・技能者、高度な情報通信技術者やeビジネスに従事するホワイトカラー等の高度な人材育成を図る先導的な職業訓練を2005年度も引き続き展開する。
オ)  産学連携による人材育成モデルの構築とその成果の活用(文部科学省)
 大学間、産学間の組織的な枠を超えて連携する、高度な人材育成を行うための大学を核とした有用な人材育成モデルの構築を検討する。
2)  オープンソースソフトウェアを活用したIT人材の育成
 (内閣官房、文部科学省、総務省、経済産業省)
 オープンソースソフトウェアの教育効果に鑑み、各大学等において、オープンソースソフトウェアを積極的に活用することを推進し、IT人材の育成を図る。

(3) 生涯学習の推進
1)  誰でもいつでも能力向上を行う機会の提供(経済産業省、文部科学省、厚生労働省)
 2005年度中に、フリーター等が、いつでもどこでも手軽に職業能力の向上ができるeラーニングを活用した学習支援システムの仕組みの構築を目指し、実証的なモデル事業を行うとともに、eラーニングに関する情報を提供する仕組みの整備等を通じ、eラーニング活用促進のための環境整備を図る。
2)  地域の情報拠点としての図書館機能の検討(文部科学省)
 住民に身近な地域の情報拠点として、医療・法律・ビジネスに関する情報提供等の多様な図書館サービスの促進を図るため、2005年度中に今後の図書館の在り方についての検討を行うとともに、引き続き図書館司書の能力の向上を図る。

 (中略)

 以上の施策のほか、重点的に取り組むべき施策を別紙に取りまとめた。


別紙

3.教育・人材

(1) 学校教育の情報化の推進
1)  学校における校務処理のIT化の推進(経済産業省、文部科学省)
 2005年度末までに校務処理におけるIT化の効果を明らかにするとともに、教員のIT環境整備について検討を行う。
2)  学校でのIT活用高度化のための外部人材の登用拡大(文部科学省)
 IT環境および教育用コンテンツの高度化と、それらを活用し教育効果を向上させるため、学校における外部人材の登用拡大について、2005年度中にその促進を図る。
3)  初等中等教育へのオープンソースソフトウェアの導入(経済産業省)
 初等中等教育におけるIT環境の選択肢の拡大を図るため、2005年度において、初等中等教育の現場へのオープンソースソフトウェアの適応性及び有効性を検証し、1,000名以上の児童・生徒が利用した成果をもとに、オープンソースソフトウェアベースのITの利用・活用環境の更なる改善を図る。

(2) 高度なIT人材の育成
1)  「プロフェッショナル・コミュニティ」の設置(経済産業省)
 プロジェクトマネージャー、ITアーキテクトなどの分野で卓越したスキルを有する人材が業界横断的に後進の指導育成を行う「プロフェッショナル・コミュニティ」を、2005年度末までに5つの職種について設置する。
2)  高度IT人材の早期育成(経済産業省)
 ソフトウェアの仕組み等を深く理解した高度なIT人材を育成するため、2005年度中において、主として20歳未満の若手人材を対象に、オープンソースをベースとした高度IT教育を行うとともに、実践的な情報セキュリティ教育を実施する。
3)  高度専門職の継続的な知識向上のための環境整備の促進(関係府省)
 弁護士、公認会計士、弁理士、医師、司法書士、税理士等の高度で専門な知識を必要とする職業において継続的に知識の向上を図れるよう、ITを活用した遠隔教育等の環境整備の促進を図る。


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ