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初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第6回)議事概要

1.日時   平成17年6月15日(水曜日)10時〜12時

2.場所   経済産業省別館827号会議室

3.議題  
(1)  「情報教育」の内容の充実について
(2)  その他

4. 配付資料
資料1   「情報教育」と「IT活用」との相違について
資料2   中学校段階における「情報教育」の内容の充実 (大竹講師発表資料)
資料3   「『情報教育』の内容の充実について」各委員からの意見等の整理
資料4-1   情報教育の目標で分類した学習活動一覧(小学校段階)【堀田委員発表資料】
資料4-2   情報教育の目標で分類した学習活動(小学校段階)の修正方針について【堀田委員発表資料】
資料4-3   情報教育の目標で分類した学習活動一覧(中学校段階)【小泉委員発表資料】
資料4-4   情報教育の目標で分類した学習活動(中学校段階)について【小泉委員発表資料】
資料5   次回の予定
資料6   初等中等教育における教育の情報化に関する検討会(第5回)議事概要
参考資料1   情報教育の課題について(各都道府県等の情報教育を担当する指導主事の認識等)
参考資料2-1   情報教育の目標で分類した学習活動(小学校段階)一覧(第5回資料2-2)
参考資料2-2   情報教育の目標で分類した学習活動(中学校段階)一覧(第5回資料3-2)
参考資料2-3   情報教育の目標で分類した学習活動(高等学校段階)一覧(第5回資料3-3)
参考資料3   情報教育の指導内容の体系化のための指導項目(概ねの整理)

5. 出席者
  (委員)
 
  清水座長、大久保委員、岡本委員、小澤委員、久野委員、小泉委員、坂元委員、田村委員、永野委員、野間委員、平野委員、堀田委員、毛利委員、吉野委員、若井田委員、渡邉委員
  (文部科学省)
 
  小川生涯学習政策局参事官、中川初等中等教育局参事官、その他

6. 議事概要
 
  (1)「情報教育」の内容の充実について
 
1
 事務局が資料1〜3及び参考資料1〜3、堀田委員が資料4-1,4-2、小泉委員が資料4-3,4-4について説明。以後、以下の質疑応答があった。

 プログラミングをアルゴリズムに限定して取り上げすぎている。(情報教育において重要な)人間とコンピュータの分担がどうできるか、接点がどこにあるかを体験を通して学ぶ材料としてプログラミングを取り上げてほしい。そのような体験的な内容であれば小・中でも十分可能である。

 参考資料3について、情報科学、情報工学の側の人が見ると学術的におかしいのではないか。例えばコンピューティングとデバイスは違う。
 中学や高校では、原理そのものはともかく、コンセプト、概念は伝えられるはず。この資料は、現実の物を子どもが使う観点で触れられているようだが、情報の専門家の立場から言えば、見えない部分でも必要なものは説明すべき。そこが欠けている。

 最近の教員は、自分の守備範囲を狭く捉える。昔の教員のように広い観点で何でも試そうとせず、マニュアルがあればそれに従う傾向が強い。これに対して「総合的な学習の時間」ができたが、不得手とする「情報」を扱う教員は少なく、情報教育が進まない。これに対し本検討会での検討があると認識している。
 具体的なものを示すことで最低限の指導は確保できるが、将来子どもたちに役立つことは、自分で発見する喜び。両委員の作業により指導内容は明確になって良いが、これをベースとして、教員に創造的な手法で授業をやってもらう手法を与えてはどうか。
 特別支援教育については、本資料に準ずるということでよい。これに加え、方法論としての特殊性や理念が入れば十分。

 こういう作業の仕方は整理学的な方法なので、きれいに分類整理してしまうが、逆に全体として意図するところが見えなくなる恐れもある。しかし、整理枠を超えた部分が捨象されてしまう危険がある。
 (参考資料3について)現時点でかなり整理されていてクリアであると思う。以前これらのもとの資料を作成したときには、学年や発達段階に応じて、体験レベル、知識レベルで整理した記憶がある。この表の指導項目の右にさらに欄があって、体験、知識等、身につけることが分けられているとよい。また、空白の部分があって、学年が進むにつれて埋まっていくと、流れが見える。
 3要素の定義文は、微妙な表現で文章としてまとめてあるはず。例えば情報活用の実践力では「情報手段を適切に活用すること」を含めて、「必要な情報を主体的に情報処理できる能力」と「主体的に情報処理できる」の条件のように「情報手段の活用」が指定されているし、情報社会に参画する態度では、「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」は、独立しているのではなく、前の2つのまとめとして使われている。3要素それぞれについて「全体」をトータルに扱う項目があり、それに向かって学力が進んでいるイメージがほしい。
 (資料について)教科の中での扱いなので、目標そのものが情報教育の目標となっているものと、教科の目標実現の手段となっているものが混在している。これらを表の欄だけで整理するのは難しいので、今回の完成表はカラーで配布することを前提に制作し、積極的に色情報に意味をもたせてまとめることにしてはどうか。
 (中学校向けの資料について)研修等を通してダイレクトに伝えられる形にするため、中学校向けの資料について教科別にしてはどうか。

 資料1については、自分も含め多くの人が混同しがちだった部分が明らかになった。
 資料4-1では、青字の「総合的な学習の時間」を入れると、「総合的な学習の時間でITを使えばよい」と思われるかもしれない。そう思わせないためにも、各教科等で行うことを上手く取り入れればよい。
 資料4-3では、事例が入っていてよい。私案の部分もよいが、ここが、資料1の2の部分になるのか。

 本検討会での議論は、中教審での議論にどう反映されるのか。
 プログラミングは、英語の文法と同じようなものだが、英語と違い入試科目でないので、多くの人がそこから遠ざかり、特殊な人、できる人が使えばいいんだという認識になっている。

 参考資料3の実践力のところで、収集〜伝達の各要素が分断されている。小学校では、一連の情報伝達過程をまとめて扱う学習活動がある。先に別の委員から出された「トータル」に扱う項目についての意見と重なるが、総合的に扱う項目を設けるかは考えるべき。実践力の一番上に記されている基礎知識などが該当するかと考える。

 プログラミングについては、自分でやる必要がないという意識の人が多い。
 高校から突然教えるのではなく、早い段階から、プログラミングがどういうものかに触れさせ、きちんと学びたい子どもが高校から学べるようにすべき。
 小学校段階では科学的理解の部分がほとんどないというが、「文字」等の身の回りのものが全て情報であるという視点に立てば、科学的理解を早い段階から入れられる。

 「現行学習指導要領の範囲内」が前提となっている。しかし、(不断の見直しの中で)総則の見直しがすぐに行われた。小学校に情報科を設置することは無理としても、総合的な学習の時間の指導内容例として掲げられる「情報」に「情報モラル教育を含む。」といった程度の文言を加えるような見直しに向けた提言はできないか。学習指導要領改訂との関係如何。

 本検討会で、現在直接検討しているものは、「現行学習指導要領の範囲内」でのものである。しかし、学習指導要領の見直しに資する意見もきちんとノートしている。従来から申し上げているように、本検討会の検討は、中教審での検討の状況を踏まえて適宜対応していくように考えている。

 理数系の教員から見れば、不満なところも多いかもしれない。情報教育は「総合的な学習の時間でやっておけばよい」といった認識では不十分。少なくとも中,高では、教科をつくるべき。諸外国でもそうなっている。各教科等への分配型のカリキュラムだから無理があり、「総合的な学習の時間」でやれという話になってしまう。

 情報教育の研究者としては同感。長期的に見れば、情報教育を扱う科目があってよい。
 しかし、例えば理科で、天気のことを学ぶのにインターネットを活用して学習することもできるが、学習指導要領では手段について明確に書かれていない。このため、手段について「どうすべき」とはいえない状況にあると考える。

 現場の教員が納得する書き方をする必要がある。このため、学習指導要領で各教科等の指導内容として書かれていないことは書けないという整理をした。他は、「総合的な学習の時間」となる。
 例えば、インターネットを使って検索等を行うことは各教科等でも行われて良いと思うが、調べ方について詳しくアプローチしていくと各教科等の時間を費やすこととなるから、別途、総合的な学習の時間で扱うこととなる。しかし、総合的な学習の時間で学んだことは、いずれ各教科等に返ってくる。「総合的な学習の時間」でもよいので、教えたことはこれである、ということを示すべき。
 一方、「教えても良い」ものは「教えなくても良い」と解されることも多いので、スキル差を生まない手段を考えるべき。

 「例えば、天気の学習の手段としてインターネットを活用すること」のように、学習の手段について例示することは、理科の学習内容を拡大しているわけではないので、学習指導要領の範囲を逸脱しているとは思えない。問題ないと考える。

 学習指導要領の作成に携わった立場から。「技術・家庭」の「情報とコンピュータ」については、最大で35時間プラス17.5時間までは時間が取れる。17.5時間分が、学校の裁量。ただ、問題は時間数ありきで内容を組み込んだ経緯があり、当時の子どもたちのレベルを勘案して、プログラムのような、難しい、発展的な内容はあとに回され、アルゴリズムのような考え方が中心となった。
 総合的な学習の時間については、具体的な内容が示されなかったことで、各教員の授業の組み立てに負担がかかり、はじめはなかなか効果が出なかった。総合的な学習の時間では、各教科等で学んだことを一元化し、そこから逆に各教科等にフィードバックされるもの。「情報」も正にそのような性格のもの。
 教員が創意工夫し、発想が豊かになってきて、ようやくここまで定着してきた。ここで、情報教育の内容を総合的な学習の時間に盛り込むと、再び教員に負担を課すことにならないか。

 中学の教員は各教科等のスペシャリスト。括弧書きの形でも、各教科等の指導内容に情報からのアプローチの観点が書かれれば、各教科等で創造的に情報教育に取り組むと考える。

 資料4は、「現行の学習指導要領の範囲内」でいかに現場に分かりやすく伝えるかという観点で整理。横軸については、中,高は各教科等別にした方がよいという意見等があった。縦軸については、現行の学習指導要領と、それを作る過程での議論を踏まえた整理をしたもの。もう少し意見いただき、議論する必要がある。
 今回も、事務局から改めて意見等を募集するが、意見提出に当たっては観点を分けて考えてほしい。

 
  1  現行の学習指導要領の中で、(総合的な学習の時間に入れる形の適否については別に議論するとして)できる限り理想的な情報教育の在り方についての意見
 (現場の先生に分かりやすく取り組んでもらうための意見、縦軸についての意見等)
  2  いずれ学習指導要領の改訂があることも念頭に置き、今後の情報教育の在り方についての意見
  3  これから作成に取りかかる、高校の学習活動一覧についての意見
 情報教育を中心に考えると、各教科等の妨げともなりかねない。強制力を持った形で示すことは難しく、「参考」として示すする形になると思われる。


(以上)



(初等中等教育局参事官付)

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