○ |
2つのことを徹底すべき。
1つは、情報モラル、情報化の影の部分への対応を拡充、徹底すること。これは、子どもが小さい頃から行うことが大切。「実践力」よりも先に「参画する態度」を学習させる位でよい。身の危険への認識や、人に迷惑をかけないことについては、どんなに急いでいても道を渡るときに左右確認するのと同様に、自然と身に付けられているべきもの。
もう1つは、PC等中心のリテラシー教育のみならず、マスメディアのメッセージを鵜呑みにしないで冷静に対応する力を身に付けさせること。
マスメディアにおける情報作成者のように、映像などを用いてメッセージを巧みに作成し、伝達できる能力についての学習も必要。
これらを入れた情報教育とすべき。
|
○ |
(学校教育の情報化についての話となるが)教員のIT活用能力が低い。学校ごとに、先生が不得意分野をカバーすることが必要。「この分野はこの先生」というように、学校ごとにスキルが確保されるようにすべき。
また、情報教育についても、一人は体系的に指導できる先生がいるようにするべき。手引きも、それにより活用が進むと考える。
|
○ |
小、中、高において情報教育の指針は示されたが、指導要領からはいかようにも指導できるような形になっている。現状では、情報機器操作に関する生徒のスキル、能力、認識にもばらつきがあるが、2,3年後は、高校に入ってくる生徒のスキルも一定の水準が確保されるようになろう。その段階でどうするか、学校としても迷うはず。高校の教科情報では、情報A,B,Cがあるが、情報Aの必要性が減っていくことが考えられる。小,中,高の間の連携が欠けていることが問題。
もう1点。大学も初等中等教育段階での情報教育の内容に大きな関心を寄せている。こどもの発達段階において何を目指し、どこをクリアすべきかを明確にする必要がある。資料の別紙3の図があるが、小,中,高のレベル分けが必要。参画する態度は小中高全体を通して指導すべきであり、科学的な理解については、一定の基礎学力が前提となろう。それぞれ、発達段階に応じて示さないと、教育現場が困る。
情報教育の3本柱の区分には、余りこだわっていない。
|
○ |
小学校では、「この学年でこんな力が必要」ということが分からないのが問題。また、情報を扱う専門の教科がなく、各教科の中に情報教育が入ってきているため、情報教育の位置付けが難しい。小,中,高の各段階で、何を指導したらよいかを示すべき。
|
○ |
教員がITを活用するようになるのは、教室に電子ボードが入ってから。自分の経験から言うと、教室に電子ボードが常設されるというのが一番早道だった。子どもに使わせるようにもなる。かつて、教室にプロジェクターが入るという話があったが、教員は簡単なものでなければ使われない。このように(情報活用能力の育成は)IT環境の整備とも絡む話であり、このような実態も考える必要あがある。
情報モラルについては、教員の意識が低いのではなく、教員が情報モラルが必要となる事態を体験していないことが問題。かといって、実際体験してもらう訳にもいかない。研修プログラムの充実が必要。
|
○ |
(問題点として)3つあると認識しており、1つ目が、教育委員会として、情報教育のビジョン、理念が欠けていること、2つ目が、教員の意識が低いこと、3つ目が、予算の制約を考えている。教員は、ITにより教育がいかに変わるかを知らない。研修の在り方を考える必要がある。予算の制約については、耐震基準が上がり、その都度補強に予算が必要となる現状がある。しかし、教育委員会としてのビジョン、理念があれば、教育の情報化に関する予算確保について、財政当局も納得させられると考えている。
|
○ |
「情報教育の内容が不明瞭」というが、内容の明確化はデメリットも含んでいる。体系化、明確化が進めば、教員は、それのみを行えばよいと考えるようになり、教育現場での発展的な教育が阻害されることもあることを念頭に置くべき。
情報モラルについては、教員が体験していないものを指導するというところに無理があることを念頭に置くべき。
携帯の普及のように、子どもをとりまくIT環境は急速に進んでいる。携帯等、全てのIT機器を包括した形で情報教育を進めるべき。
|
○ |
小,中,高の各学校段階での指導内容の重複は避けていきたい。情報教育の体系化という話があったが、学習内容が重複することは、生徒たちからすれば(授業が)新鮮みのない、つまらない内容になってしまう。
(IT環境整備については)インフラ整備の「高速回線接続」の「高速」のレベルが不明瞭。整備されたIT環境では回線速度が遅く、自分たちが作ったコンテンツも見られない現状がある。これらは、教育委員会レベルではなく、全国レベルで考えて欲しいこと。
|
○ |
(IT環境整備については)自治体の長の責任もあると考える。どの程度情報化に意識を持ってもらえているかが大切。一般の政策が多数ある中での教育の情報化を考える必要がある。
情報モラル教育については、社会の現象を追ってやっても効果がない。不適切なサイトに対応した情報モラル教育などと言っても、子どもは家に帰れば不適切なサイトにアクセスしてしまう。社会全体から見て教育を考えるべき。有害サイトの取り締まりなどを放置して学校教育で、というのは無理がある。
「手引き」については、よく書かれている。まずは、これを実践している現場の先生に渡し、その現場の意見を聴取すべき。 |