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第3章 キャリア教育の進め方具体例

B高等学校「3年間の指導計画」実施に当たっての留意点

1年生
 
【1】  先輩の講話
 
卒業生の大学生を招き、高校生活全般について話を聞く。できるだけ、部活動等の様々な経験があったり、また、進路の異なる複数の人数を確保し、高校生活への適応に役立てる。

【2】  作文「未来予想図」
 
自分の将来について、10年後、20年後、30年後、どのような職業生活、家庭生活を送っていたいかをイメージし、文章にまとめさせる。

【3】  自己紹介ゲーム
 
客観的に自己をとらえるために、他人から見た自分像を聞く。他の意見に耳を傾けることで様々な考え方、とらえ方があること、また、意見を出し合うことによって、自己理解、他者理解が深まることを理解させる。
自己理解のための、自分の性格を選ばせる選択肢には自己肯定感を高める項目を設定し、自分を前向きにとらえさせる。

【4】  自己理解「職業レディネステスト」
 
職業意識、職業への視点及び知識等を高めるためのツールとして活用する。さらに、他者との関係の中で自己理解を深めることによって、高校生活への適応に生かす。

【5】  職業人インタビュー
 
夏休みの課題として、聞き取り調査を行う。対象は保護者や親戚、知人など身近な人ととし、職業に対する理解だけでなく、「働くこと」を通して互いの理解を深めさせる。

【6】  職業研究
 
産業の動向、就業構造の変化、労働に関する法律、生涯賃金等については公民科の授業と連携を図り進める。

【7】  志望別グループ編成
 
生徒の作文「未来予想図」や進路希望調査により、同じ志望を持つ者でグループを編成し、この志望別グループを調べ学習や体験活動の基礎的活動単位とする。
この選択は最終決定ではない。志望別グループを仮に選択させることで、自分の志向を知り、仮に所属し活動してみることによって、自らの適性を知る材料とさせる。なお、グループの所属は固定せずに、随時、他のグループへ移動できるようにさせる。
志望別グループごとに、その志望進路にできるだけ詳しい担当者を設け、進路相談等を受けさせる。

【8】  職業ガイダンスセミナー
 
各分野の一線で活躍する職業人を招いて、講話を聞き、質疑応答することによって、その職業の特性を理解し、進路選択の一助とする。
複数の分野の職業人の話を聞くことができるようにする。
卒業生や地域の経済団体、行政機関、人材バンク等を活用する。

【9】  大学シラバス研究12
 
大学のシラバスを読むことにより、大学の講義の内容を知り、その中に出てくるキーワードや現代社会の問題点、産業社会との関連などについて理解させる。研究1はシラバスについて基本的な理解を図り、研究2は進路先決定のための参考としてシラバスを活用させる。

2年生
 
【10】  学部学科研究
 
志望別グループごとに、自分たちの志望を実現するための学部・学科はどこなのかを探す。その過程で、学部・学科の教育内容のみならず、社会で果たしている役割、学科間の細かな違い、資格取得、就職の関係、将来性などを理解させる。
複数の大学の同じ学部学科を比較検討し、それぞれの大学・学部の特色を理解させる。

【11】  研究所・キャンパス訪問
 
夏季休業等を活用し、各大学のオープンキャンパス等を利用して、実際に自分が志望する大学を訪問し、説明や模擬授業、質疑などで実地に確かめさせる。
大学訪問と併せて、大学附属の研究所や、独立した研究機関、企業の研究所を訪問することによって、産学連携、研究生活、社会的役割等について理解させる。

【12】  学問案内セミナー
 
志望別グループごとに、大学の学問分野についての入門講座を聞き、進路選択の一助とさせる。
大学の出前授業や出張講義リストを活用させる。
入試に関する情報ではなく、学問の内容、その学部・学科に進むとどんなことが学べるのかについて聞くとともに、質疑応答等で具体的イメージを持たせる。
その分野が直面している問題点等について挙げてもらい、自分たちがその学部や分野に進んだ後、学ぶべきこと、解決すべき課題について理解させる。
産学連携の状況などについて挙げてもらい、産業と学問の関係について理解を深めさせる。

【13】  進路経済講座
 
進学に関わる諸費用について、具体的な数字を用いて理解させる。
奨学金制度について、その趣旨、仕組み等を具体的に理解させる。

3年生
 
【14】  進路プランニング
 
自分の10年後、20年後、30年後の将来を考えさせることで、将来設計能力の向上を図る。
1、2年生の活動をもとに、将来の職業の選択、そのための学部選び、そのための大学選びの順で考え、自分の大学・学部選択の理由を明確にさせる。
個々の生徒の状況に応じて指導を行う。大まかな選択でも良いことを理解させる。

【15】  志望理由書作成
 
「この分野に進む」という題で志望理由書を書き、自分の進む方向、その動機などについて確認させる。さらに、今後努力すべきことがらについても自覚させる。

【16】  課題研究「社会と学問・論点整理」
 
志望別グループごとに、新聞や論文から、自分が進もうと考えている産業分野について、何が課題となっているか、また、阻害要因は何であるのかなど、その論点を整理し、解決に向けての討論をする中で、自分の将来を見つめさせる。
整理した論点について、自分の考えをまとめ、レポートを作成させる。

【17】  企業人の講話「学問と産業社会」
 
大学進学の意味や卒業後の自分を考えさせるため、企業人を招いて話を聞かせる。

【18】  大学生の講話「大学生活とは」
 
大学1、2年生を招き、大学入学という環境の変化に対して、適応の準備をさせる。
(注) 3年生では、2年次に足りなかったと思う学部研究、研究所・キャンパス訪問などを体験させる。

【19】  志望別活動
 
全学年を通して、校外における、自らの将来の職業生活に役立ちそうな体験活動、進路選択の参考となる企画には、積極的に参加する(一日看護体験、医師体験、模擬裁判、市民講座・公開講座、講演会等)。活動単位は志望別グループが効果的である。

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