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国立大学法人等会計基準に関する実務指針「諸論点関係」(試案)
資料6

1.会計ルールの変更により発生した利益の今後の取り扱い(案)
【追加】
Q26−5−1 国から承継される物品のうち、診療機器等の取り扱いはどうなるのか。

A
1  国から承継される物品のうち、診療機器等についても貸借対照表能力を有する範囲で資産計上し、資産見返物品受贈額を貸記する取り扱いとしている。診療機器等については、教育研究診療に供するため、診療の範囲で獲得が見込まれる減価に見合う収益と資産見返物品受贈額戻入による収益とが重複すると考えられる。

2  国から承継される物品は、国立大学法人の成立に際して国から譲与されたものであり、企業会計原則においては譲与時点で全額受贈益を計上する取り扱いとなるところ、国立大学法人においては、減価償却処理との関係で、資産見返物品受贈額を計上する処理を行ったものである。

(案の1)受贈額全額を収益化
   しかしながら、診療機器等に係るこうした取り扱いは、相当の間、損益計算に影響するため、財務諸表が運営状況を適正に反映することができないのではないかと国民各般からの意見をいただいている。ついては、平成17年4月1日をもって資産見返物品受贈額全額を取り崩しのうえ、収益化する取り扱いとする。

(案の4)資産見返物品受贈額を資本剰余金へ振り替え
   しかしながら、診療機器等は国立大学法人の業務運営に係る財産的基礎を構成すると考えられることから、先行する独立行政法人においては、承継時に資本金を構成する取り扱いとされたこと等を勘案し、平成17年4月1日をもって資産見返物品受贈額を資本剰余金へ振り替える取り扱いとする。
(会計基準上の手当ての要否)


3  なお、この場合、平成16年度中における会計処理は有効であり、事後、当該機器等に係る減価償却費は、損益計算に直接反映されることとなる。


2.セグメント情報の取り扱い(案)
【Aの一部改】
Q75−1 附属明細書における各明細の様式又は記載内容は、具体的にどのようなものか。


A
(18)開示すべきセグメント情報
 
  ・様式中、「業務費用」の内訳を損益計算書の中項目の区分に即して開示する。
・人件費の範囲を特定し、また、必要に応じ、「診療経費」の内訳を開示する。
 
 


(旧)   (新)
区分 附属病院
業務費用  
業務収益
 運営費交付金収益
 学生納付金収益
 附属病院収益
 外部資金
 その他
 
業務損益
帰属資産
 
変更後
区分 附属病院
業務費
 教育経費
 研究経費
 診療経費
 教育研究支援経費
 受託事業費等
 人件費
一般管理費
財務費用
雑損
 
小計  
業務収益
 運営費交付金収益
 学生納付金収益
 附属病院収益
 外部資金
 その他
 
小計  
業務損益  
帰属資産  
(記載上の注意)
 人件費の範囲は、附属病院等への帰属によることを原則とする。


3.一般管理費の取り扱い(案)
【Aの一部改】
Q62−2 業務費を教育経費、研究経費等に区分する基準は何か。


A
3  業務費及び一般管理費の各区分における対象経費は以下のとおりである。
  「一般管理費:事務局等の国立大学法人等全体の管理運営を行うために要する経費を対象とする。次の各号に該当することが明らかな経費は、これを管理経費とし、それ以外の経費については主たる使途に従って区分する。1役員の行う業務執行のために要する経費及び役員会、経営協議会及び教育研究評議会のために要する経費、2総務、人事、財務、経理その他これに準ずる業務に要する経費、3教職員の福利厚生費、4教育研究診療活動以外に供する施設、設備の修繕、維持、保全に要する経費、5教職員用の食堂、売店のために要する経費、6附属病院業務のうち教育研究診療以外の業務に要する経費。また、その他、他の区分に属さない業務経費は本区分に属することとする。」
基準としての明確性、事務負担の軽重、継続性等
寄宿舎事業の取り扱い


4.キャッシュ・フロー計算書における科学研究費補助金等の取り扱い(案)【関連】
【追加】
Q63−2 キャッシュ・フロー計算書において科学研究費補助金等の直接経費については、どう取り扱うのが適当か。


A
 預り金については、純額表示することが原則であるが、科学研究費補助金収入については、法人が経費の機関経理を行うことが義務付けられているため、法人の長期にわたる預り金と考えられること、また、こうした業務自体が国立大学法人の業務そのものとも考えられることから、総額をもってキャッシュ・フロー計算書に反映させることとする。

【追加】
Q75−1(附属明細書)

(23)科学研究費補助金の明細 (単位:千円)
区分 当期受入 件数 当期支出額 期末残高
 
 
 
 
 
 
 
 
 
合計
 
 


  (記載上の注意)
1 当該年度において受け入れした科学研究費補助金の明細を記載すること。
2 区分は、上記(18)のセグメント区分に従い記入すること。当期受入額が70%になるまで金額が多い順に記載し、それ以外のセグメント区分についてはその他として一括して記載すること。セグメント情報の開示を行っていない場合は、区分の必要はない。
3 間接経費相当額を記載し、直接経費相当額については、外数として()内に記載すること。


5.リース資産の取り扱い(案)
【Aの一部追加】
Q29−2 民間企業で実施されているファイナンス・リース契約と実質的に同様のリース契約(たとえばコンピュータ機器)が、国の機関等では、単年度契約方式をとっているケースが多くあり、かつ契約解除等の制約条項も記載されていない。仮にこのような契約が国立大学法人等移行後もとられた場合においては、実質判断でファイナンス・リース契約として処理することになるのか。

A
1  ファイナンス・リース取引とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借り手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的便益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引」(注解20第1項)をいい、また、「これに準ずる取引」とは、形式上は解約可能であるとしても、解約に際し、相当の違約金を支払わなければならない等の理由から事実上解約不能と認められるリース取引をいう(「リース取引に係る会計基準注解」平成5年6月17日企業会計審議会第一部会参照)。
2  国立大学法人等におけるファイナンス・リース取引は、実質的に上記1の要件に該当するリース取引か否かで判断すべきである。例えば、契約が単年度契約であっても、契約の当初から当該物件の耐用年数期間等相当の間に亘り賃借することを予定し、かつ、そのことを契約の相手方が了知し、契約が継続されることを信頼するに足る相当の理由がある場合等については、実質判断によりファイナンス・リース取引に該当するものと解される。
3  なお、国立大学法人等においては、その責任において、中期計画期間を跨ぐリース契約も可能となる。


6.診療報酬債権の取り扱い(案)
【Aの一部追加】
Q13−8 附属病院における診療報酬債権の発生はいつ認識するのか。また、社会保険診療報酬支払基金等からの減額査定があったときの会計処理はどうするのか。


A
1  診療報酬債権の発生は、実現主義の原則から原則として診療行為を行ったときに認識することとすになる。社会保険診療報酬支払基金等への請求は月毎にとりまとめることから、基本的には月を単位として診療報酬債権の発生を認識することになるが、当分の間、その他の合理的な会計処理によることも妨げるものではない。

2  また、社会保険診療報酬支払基金等からの減額査定があったときは、当該減額査定の通知を受けた時に附属病院収入の減少として処理することとする。
 なお、減額査定は、附属病院が認識した診療報酬債権額が保険者により修正されるものであり、減額査定額について債権の発生自体が取り消されるものである。したがって、確定した債権が徴収不能となるものではないので、徴収不能引当金の計上の対象とはならない。


7ソフトウエアの取り扱い(案)
【Aの一部追加】
Q28−5 法人内合理化のためのソフトウエアは、注解19第2項に該当し、無形固定資産として計上することになるのか。


A
1  無形固定資産に計上されるべきソフトウエアとして、注解19には二つの類型があると定めている。一つは外部に業務処理等のサービスを提供するためのソフトウエア(同第1項参照)であり、もう一つは法人内利用のためのソフトウエア(同第2項参照)である。
2  外部に業務処理等のサービスを提供するためのソフトウエアは収益獲得が確実であると認められるときに、法人内利用のソフトウエアは収益獲得又は費用削減が確実であると認められるときに無形固定資産に計上される。国立大学法人において利用されるソフトウエアには、法人の効率的な運営等に資する目的で利用する事務用ソフトウエアと教育研究の質的向上等を目的に利用する教育・研究用ソフトウエアがあるが、教育・研究用ソフトウエアについては、その利用に伴い、相当額の利用料を徴収するなどの例外的なものを除き、無形固定資産にはあたらないことに留意が必要である。
3  なお、収益獲得又は費用削減が確実であると認められる時点より以前に発生した原価は費用として損益計算書に計上される。


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