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資料2

国際教育協力懇談会報告2006
「大学発 知のODA −知的国際貢献に向けて−」(概要)

 全体は3章構成。ポイントは、第3章で、開発途上国の課題・ニーズに対応して、大学の知的な援助リソース(研究成果や高度人材育成機能)を役立てていく、「大学発 知のODA」の促進を提唱。我が国として、開発途上国の課題の効果的解決に向けた知的な国際貢献を推進していくことを提案している。

1 議論の背景
 (国際教育協力をめぐる課題とそれに対する基本的な取組の方向性)

  教育協力を中心とした援助における課題
 貧困、感染症、災害、平和構築、エネルギー、環境等の地球的規模の課題解決
 我が国ODAにおける量から質への転換
 良好な外交関係の構築のためのODAの戦略的な実施
我が国の教育における課題
 教育全般を通じた国際化・グローバル化への対応
 アジア地域を中心とした高等教育需要への対応
 国際開発協力への参画を通じた我が国の教育改善・大学改革

 これらの課題に対する、基本的な取組の方向性として、
 
1   2章で、「我が国の特色が活きる戦略的な教育協力の推進」について、
2   3章で、「我が国の大学が有する『知』の活用」について、それぞれ提言。

2 我が国の特色が活きる戦略的な教育協力の推進
 (今後の教育協力の方針)
 我が国の知見・経験を活用し、途上国の基礎教育(注1)の質的向上・持続的発展に貢献する必要性。
 アジア中心に、高等教育・職業教育分野の協力を戦略的に展開する必要性。

  具体的方策
 基礎教育分野における質的向上・持続的発展の促進
 
 青年海外協力隊現職教員特別参加制度などによる教員の派遣の一層の促進
 理数科教育や教育行財政など我が国が比較優位を有する分野で、教育上の知見や経験のオープン・リソース化 など
 高等教育・職業教育分野における協力の拡充
 
 我が国の大学の国際展開と整合性を図り、大学関係者等による息の長い協力・交流を促進
 我が国教育関係者の連携の促進や国際理解教育の充実等
 
 NGO、援助機関、大学等の連携による国際開発協力に係る人材育成の強化
 NGO、援助機関、大学と学校現場、教育委員会の連携による国際理解教育等の取組みへの講師派遣やノウハウの提供
 ユネスコその他の国際機関との連携を推進 など

3 我が国の大学が有する「知」の活用
 (国際開発協力の質的向上と知的貢献)
  大学の「知」を活用した国際貢献のための「知的コミュニティ」(注2)構築の必要性。

  具体的方策
 「目利き人材」によるコンサルテーション
 
 大学の有する知的な援助リソースに関し専門的な見地から技術的なアドバイス等を実施。その際、援助機関や大学OBなどのシニア人材も活用。
 援助リソースの活用のための支援
 
 大学の援助リソースに関し、途上国のニーズに応じて研究成果等の改善や実証・実験を行うための資金の提供
 「知の見本市機能」の創設
 
 援助に役立つ大学の援助リソースに関する情報を一覧化し、援助機関等・大学が情報共有・意見交換できる場を整備
   「知的ネットワーク」の形成
   
 援助機関等と大学のネットワーク化を進め、我が国の大学が総体として開発途上国のニーズに柔軟かつ的確に応えられる「知的ネットワーク」を形成
   プロジェクト・コーディネーターの育成
   
 大学における国際協力活動の企画・実施を担当するプロジェクト・コーディネーターを発掘・育成

   大学の「知」を活用した組織的な国際開発協力の促進のための「サポートセンター」プロジェクト(注3)の強化

キーワード
(注1)  「基礎教育」イコール人々が生きるために必要な知識・技能を獲得するための教育活動を指す。具体的には、就学前教育、初等教育、前期中等教育、識字教育、地域社会教育などが含まれる。サブ・サハラ・アフリカ等における多くの貧困国では、開発の最優先課題となっている。
(注2)  「知的コミュニティ」イコール国際開発協力に活用可能な大学の多様な援助リソースに関する情報が提供され、これらのリソースと開発途上国のニーズとのマッチングが有効に行われ、国際開発協力に効果的に活用できる全体システム。
(注3)  「『サポートセンター』プロジェクト」イコール当初、大学の国際協力プロジェクト受託促進を目的として、大学と、国際援助機関等との間を結びつけることを目的として、平成15年から活動を開始。



概要(PDF:142KB)


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