資料5−2

小規模な機関等における体制整備状況の確認及び指導助言等について(案)

1.検討の趣旨

<参考1>

「なお、文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から競争的資金等の配分を受ける限り、企業、財団法人、NPO、外国の研究機関等も本ガイドラインの適用対象となる。ただし、小規模な企業、財団法人又はNPO、あるいは我が国の原則を強制することが無理な外国の研究機関等、ガイドラインに掲げたすべての項目を実施することが困難な団体については、資金配分機関においてチェックを強化するなどの措置によって代替する場合がある。また、企業等において、会社法に基づく内部統制システムの整備の一環等として、規程等がすでに設けられている場合はこれを準用することを可能とする。」

「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成19年2月15日 文部科学大臣決定)(抄)

<参考2>

(会社法における内部統制)

  • 大会社について、内部統制システム(取締役の職務執行が法令・定款に適合すること等、会社の業務の適性を確保するための体制)の構築の基本方針の決定を義務付け。
    (大会社イコール資本金5億円以上または負債額200億円以上。)
  • 一方、中小会社については内部統制の義務付けについて明文規定なし。

2.検討事項

(1)「小規模な機関」とは何か。どのような指標により判断すべきか。

  • 1 機関の種別、組織規模
  • 2 公的資金の配分規模(配分額、件数、制度数)

(2)「小規模な機関」に対する指導助言の基本的な考え方

  • 「必須事項」については小規模な機関においても対応が必要。
  • ただし形式主義に陥らず、実質的な機能が担保されているかが重要であるとの趣旨を周知徹底する(小規模であるので対応不要ということではない。)。実効的な体制整備が促進されるような形でのアドバイスなどを積極的に行う。

(具体例)

  • 1責任体制の明確化
    • → 小規模な機関であったとしても必須
  • 2相談窓口の設置
    • → 機関に所属する研究者及び事務職員がルールを理解し、統一的な運用が図られるかが重要。研究者数、事務職員数が少数で勤務場所が近接であるような場合、形式的に「相談窓口」を置く必要はない。
  • 3不正防止推進部署の設置
    • → 機関全体のリスクを把握し、対応策を講じることが可能であることが重要。研究者数、事務職員数が少数で最高管理責任者が日常的に研究現場の実態把握が可能である場合などにあっては、形式的に「不正防止推進部署」という名前の部署を置く必要はない。既存の部署を充てる、又は既存の部署の職員であっても可である点に留意。
  • 4発注・検収業務について当事者以外によるチェックが有効に機能するシステムの構築・運営
    • → 小規模機関であっても、特段の牽制措置を講じない中で、発注した研究者本人のみが検収を行うことがないよう留意。
  • 5告発窓口の設置
    • → 最高管理責任者に適切に情報が伝わる体制は小規模機関であったとしても必須。形式的に「告発窓口」を置く必要はない。
  • 6モニタリング体制の整備
    • → 機関全体の視点からのモニタリング及び監査制度の整備は小規模機関であったとしても必須。ただし、専属の内部監査部門をかならずしも置く必要はない。

(3)小規模な研究機関への資金配分にかかるリスク管理

  • 1 資金配分機関におけるチェックの強化
    • 実地検査、額の確定調査時におけるチェック
      (ガイドライン・報告書に示された内容を踏まえたヒアリング等の実施など)
  • 2 不正事案が発生等が発生した場合の措置
    • 不正の背景として、機関管理上の問題が確認された場合は、通常の機関に対する場合と同等の改善指導等を行う。

3.その他(留意事項など)