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第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり

1 世界最先端のコンテンツ大国を実現する

1. デジタルコンテンツの流通を促進する法制度や契約ルールを整備する

(1) ビジネススキームを支える著作権制度を作る
同計画の重点編に掲載 1 デジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を整備する
 デジタル化・ネットワーク化の特質に応じて、著作権等の保護や利用の在り方に関する新たな法制度や契約ルール、国際的枠組みについて2007年度中に検討し、最先端のデジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を2年以内に整備することにより、クリエーターへの還元を進め、創作活動の活性化を図る。
(総務省、外務省、文部科学省、経済産業省)

2 IPマルチキャスト放送へのコンテンツ流通を促進する
 IPマルチキャスト放送に関する著作権法改正も踏まえ、地上デジタル放送の同時再送信を、計画されているスケジュールに沿って実施するために必要な措置を2007年度中速やかに講ずる。その際、放送番組に関する権利管理情報を放送事業者やIPマルチキャスト放送事業者など関係者が協力して整備するよう促す。
 IPマルチキャスト方式による自主放送について、諸外国の動向を踏まえつつ、著作権法上の取扱いの明確化、プロテクションを含む端末技術の標準化の促進、放送番組等のコンテンツ流通市場の整備を2007年度中に進める。
 また、クリエーターの新たな創作チャンスが増えるという視点も踏まえ、IPマルチキャスト放送事業者自らが魅力的な放送コンテンツを創るよう促すとともに、クリエーターとのビジネスマッチングの機会を2007年度中に充実する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

同計画の重点編に掲載 3 違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
 合法的な新しいビジネスの動きを支援するため、インターネット上の違法送信からの複製や海賊版CD・DVDからの複製を私的複製の許容範囲から除外することについて、個人の著作物の利用を過度に萎縮させることのないよう留意しながら検討を進め、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

同計画の重点編に掲載 4 権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
 我が国が蓄積してきた豊かなコンテンツを有効に活用するため、諸外国の動向も踏まえ、権利者の不明その他の理由により利用者が相当の努力を払っても権利者と連絡が取れない場合に、利用の円滑化を進める新たな方策について検討を進め、2007年度中に一定の結論を得る。
(総務省、文部科学省)

6 私的録音録画補償金制度の見直しについて結論を得る
 私的録音・録画について見直すとともに、補償金制度については廃止や骨組みの見直し、他の措置の導入も含め抜本的な検討を行い、2007年度中に結論を得る。その際、技術的保護手段の進展やコンテンツ流通の変化等を勘案するとともに、国際条約や国際的な動向との関連やユーザーの視点に留意する。また、技術的保護手段との関係等を踏まえた「私的複製の範囲の明確化」、使用料と複製対価との関係整理等、著作権契約の在り方の見直し等についての検討を進め、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省、経済産業省)

7 権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定を整備する
1  公表された著作物に聴覚障害者向けに手話や字幕による複製を実施できるようにするなど、障害者による著作物の利用の促進という観点から著作権法上の権利制限規定を整備することについて関係団体による具体的な提案に応じて、検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

2  eラーニング推進のため、第三者が作成した著作物を学校の授業の過程で公衆送信により利用することについて、権利者・教育関係者間での権利処理の在り方などに係る教育関係者による具体的な提案に応じて検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

3  関係者間での権利委託と許諾システムの整備状況に応じて、医薬品等の製造販売業者が医薬品等の適正使用に必要な情報を医薬関係者へ提供するために行う文献等の複製や頒布・提供行為について、著作権者等への影響も勘案した上で、権利制限規定を整備することに関し検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省、厚生労働省)

8 契約・利用の観点からライセンシーの保護などについて結論を得る
 著作物の「利用権」及びライセンシーの保護に係る制度整備等について検討を行うとともに、その関連で登録制度を見直すことなどに関して検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

(2) クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みの下で、円滑な利用を進める

同計画の重点編に掲載 1 マルチユースを前提とした契約ルールづくりを進める
 新たなコンテンツの流通を進めることにより、関係者全体が潤うコンテンツ大国を目指すため、関係者間で契約ルールに関する検討の場を作るなど、マルチユースを前提とした契約ルールづくりを促すため、以下の取組を進める。
  a)  映像コンテンツに関する関係者間で、ネット配信や国際展開などのマルチユースに係る具体的な課題について、関係者への公正な利益の配分や新たなコンテンツ創作の機会の増大にも留意した取組を2007年度中に進めるよう支援する。この中で、放送番組のマルチユースに際し、一般人など連絡先を把握できない出演者からの問い合わせを受ける窓口機関を作り、利用者によって運営する民間の自主的な取組を促す。
b)  放送番組のマルチユースを促進することにより関係者全体が潤うよう、『放送番組の制作委託に係る契約見本』や『番組制作委託取引に関する自主基準』の取組を踏まえ、2007年度中に放送事業者と番組制作会社との間でのより具体的な契約モデルの作成を促進するなど、窓口管理業務に関する公正な協議・契約の締結を進め、放送番組の制作委託に係る課題を解決する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

3 権利の集中管理を進める
 マルチユースに際し、クリエーターに適正な報酬がもたらされる仕組みとして権利の集中管理や権利管理情報の整備を促進するとともに、著作権法上の実演家の著作隣接権の共有に関する解釈を明確にし、利用に関しほとんどの権利者の合意が得られるコンテンツの流通を促進するための方策について検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

4 コンテンツ業界における契約締結を促進する
 関係者間で合意された「放送番組における出演契約ガイドライン」の周知徹底を図るとともに、コンテンツ業界において契約締結の促進に向けた気運を醸成し、必要に応じその法的な環境の整備を進めるための検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

6 利用とのバランスに留意しつつ適正な保護を行う国内制度を整備する
1  コンテンツの流通形態の変化を踏まえ、著作権の間接侵害について検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

2  法定賠償制度の創設等を含めて、著作権侵害に係る損害賠償請求や不当利得返還請求等の役割・機能等に関して総合的に検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(文部科学省)

3  著作物の保護期間の延長や戦時加算の取扱いなど保護期間の在り方について、保護と利用のバランスに留意した検討を行い、2007年度中に一定の結論を得る。
(文部科学省)

4  いわゆる放送新条約の検討状況を踏まえ、放送事業者への放送前信号に係る権利、譲渡権の付与等に関して検討を行い、2007年度中に結論を得る。
(総務省、文部科学省)

7 国際的な著作権制度の調和を推進する
 2007年度も引き続き、現在検討されている視聴覚的実演や放送機関に関する新条約の早期採択に向けて、積極的に議論に貢献する。また、アジア諸国を中心に、「著作権に関する世界知的所有権機関条約」や「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約」への早期加入を働きかけるとともに、途上国における著作権制度の普及・整備を支援する。
(総務省、外務省、文部科学省)

(3) 一般ユーザーがコンテンツを利用する環境を充実する

同計画の重点編に掲載 1 ネット検索サービス等に係る課題を解決する
 情報化時代におけるネット検索サービスが、国民生活の利便性の向上のみならず、産業政策や文化政策上重要であることにかんがみ、ネット上での検索サービス等に伴うサーバーへの複製・編集等や検索結果の表示に関する著作権法上の課題を明確にし、所要の法整備の検討を行い、2007年度中に結論を得る。また、新たなコンテンツへの検索・解析技術の開発・国際標準化や適切な保護ルールの検討などを2007年度から開始する。
(文部科学省、経済産業省)

2 アーカイブ化を促進し、その活用を図る
1  公共的なデジタルアーカイブにおける著作物の収集・保存や絶版等に至った著作物で一般ユーザーが入手困難なものの提供など非営利目的や商業的利用と競合しない利用について、クリエーターへの補償措置も考慮しながら、コンテンツの保存・収集・利用を円滑に進められる方策を検討し、2007年度中に一定の結論を得る。
(文部科学省)

2  2008年中にNHKアーカイブスのネット配信サービスが行えるよう、必要な法整備を進めるとともに、関係者間の合意や過去の放送番組の二次利用に関する権利処理に係る取組を促し、民間放送事業者や放送番組センターの保有する番組を含め放送番組アーカイブの円滑な利用を促進する。
(総務省、文部科学省)

4  2007年度も引き続き、国立国会図書館において行われている貴重な図書等のデジタル化やインターネット情報資源等を収集保存し、ネット上で一般ユーザーの利用に供する取組について、その促進が図られるよう一層の連携を進める。
(文部科学省、関係府省)

同計画の重点編に掲載 3 インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
 インターネット上における著作物の自由な創作・発信を促すため、2007年度中に、著作物等のネットワーク上での利用条件を意思表示するシステムの構築を目指し、著作者が予め意思表示する際の利用条件の類型化や本人の意思に基づく権利放棄の取扱い等のルールの法的課題等の研究を行うとともに、民間における自由利用促進のための取組を奨励・支援する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

6 安心してコンテンツを利用するための取組を奨励・支援する

3  権利者団体や通信キャリア事業者等によるモバイル向け著作権侵害コンテンツ配信の根絶に向けた取組を奨励する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

2. 海外展開を促進する

(1) 日本のコンテンツの強みを世界的に発揮する

3 企業の海外展開を支援する
1  事業者が海外展開を戦略的に進めることができるよう、2007年度中に、日本貿易振興機構(JETRO)等を通じて、海外の市場動向、政策動向、法制度、商慣習、海賊版被害実態、ビジネスの成功事例等の有用な情報を提供するとともに、JETRO等において海外拠点にコンテンツ担当者を配置するなど、情報収集機能や相談対応等の体制を強化する。また、官民挙げて輸出入データや国別市場規模等の統計を整備する。
(総務省、外務省、文部科学省、経済産業省)

8 音楽レコードの還流防止措置制度を活用するとともに輸出を拡大する
 2007年度も引き続き、音楽レコードの還流防止措置の運用状況や海外における邦楽レコードの販売・ライセンス状況を検証し、輸出の拡大を促す。
(財務省、文部科学省、経済産業省)

(2) 日本をクリエーションの拠点とするとともに、魅力を世界に伝える

3 コンテンツ・ポータルサイトを支援する
 地域発や中小コンテンツ事業者が創造するコンテンツを含め、幅広いコンテンツが備えられ、国内外の利用者が我が国のコンテンツに関する情報に円滑にアクセスできるよう、2007年度も引き続き、日本のコンテンツの情報発信基地であるコンテンツ・ポータルサイトの運用の拡大やその国際化を支援する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

3. コンテンツ人材の育成を図る

(2) エンターテインメント・ロイヤーを育成する
 2007年度も引き続き、国内のエンターテインメント・ロイヤーがビジネス戦略に係る助言や交渉を行うことができるよう、コンテンツ事業者との交流を深めることなどにより、現場の実践を踏まえた専門能力の向上を図ることを支援する。また、世界的に用いられている映像コンテンツの海外販売における基本契約書の日本語翻訳版を普及することにより、海外展開のための法務サービスを強化するよう促す。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

4. コンテンツに関する研究開発を推進する

(3) バランスのとれたプロテクションシステムを採用する
 コンテンツの流通を促進するに当たり、技術革新のメリット・利便性を国民が最大限に享受できるようにするとの観点も踏まえ、視聴者利便の確保と著作権の適切な保護を図り、あわせてコンテンツビジネスが拡大するよう、バランスのとれたプロテクションシステムの策定・採用を促進するため、以下の取組を進める。
  a)  地上デジタル放送に関わる、いわゆる「コピーワンス」ルールの見直しに代表されるように、一定の枠組みにおける電波利用方式の設定・実施、放送関連機器・システムの規格・運用に関わるプロテクションシステムの設定は、事実上利用に当たっての制約になる可能性がある。したがって、こうしたプロテクションシステムの設定について、行政としても引き続き、視聴者、メーカー、関係事業者等幅広い関係者の参加を得て、その検討プロセスを公開し、その透明化を図ることによりシステム間の競争を促進するとともに、あわせて、その透明、競争的かつ継続的な見直しプロセスの在り方についても検討し、これまでの成果を踏まえ2007年度中の早期に結論を得る。
b)  民間事業者において動画配信サービス等のプロテクションシステムを検討する場合は、権利者が安心してコンテンツを提供できる環境を作るとともに過去の失敗例に学び、ユーザーの使いやすさに配慮したルールの採用を奨励する。
(総務省、文部科学省、経済産業省)

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