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参考資料

自民党著作権WGヒアリング資料
<保護期間の満了した写真著作権の保護復活について>

2003年12月3日
〒102-0082 東京都千代田区一番町25 JCIIビル3階
電話: 03-3221-6655
FAX: 03-3265-7460
有限責任中間法人
日本写真著作権協会(JPCA)
会長 田沼 武能

 写真の著作物は旧著作権法下で、長い期間、公表後10年という非常に短い保護期間が規定されていました。それが昭和46年(1971)の改正著作権法まで、一部の改正はありましたが、継続してきたのです。平成8年の著作権法改正により、写真も現在では死後50年という保護期間を持つに至りましたが、旧著作権法での規定により、生存している写真家の持つ著作権の保護が、満了しているという問題が生じてきております。つまり、生存している写真家の著作物が、許諾なしに使われてしまう、という、著作権の原則から大きく外れた状況となっているのです。この問題を解消することは、写真家全体の強い要望となっております。
 しかしながら、この問題は利用者にも影響を及ぼす事項であり、利用者団体などとの密接な協議の上に解消すべき問題だと考えます。そのため、現在、解決に向けて、次の各団体と折衝中です。

日本放送協会
社団法人 日本民間放送連盟
社団法人 日本書籍出版協会
社団法人 日本雑誌協会
社団法人 日本新聞協会

以上をふまえて、この問題の現状と、生存している写真家で、著作権の保護が満了している時期は、どのような期間であると推定されるかについて、ご説明いたします。

<保護期間満了の状況>
   昭和46年(1971)の新著作権法施行に先立ち、昭和42年(1967)、昭和44年(1969)の暫定措置を経て、合計3年の延長がなされている。
 つまり、昭和42年12月31日の時点で著作権が存続していた写真は、昭和42年(1967)の暫定措置によって、著作権が2年間延長され、さらに、昭和44年(1969)の暫定措置によって著作権が1年延長され、結局新著作権法において公表後50年へと延長を受けることになった。
 このように暫定措置による保護期間延長を受けられた写真は、もともと昭和42年(1967)12月31日までの保護期間を持っていた写真である。これは言い換えれば、
 昭和33年(1958)1月1日を起算点とした10年間の保護期間を持っていた写真であり、昭和32年(1957)1月1日から12月31日までに公表された写真である。よって、旧著作権法施行時から、昭和31年(1956)12月31日までに公表された写真の著作権は保護期間の延長を受けられず、著作権が満了してしまっている。((PDF:13KB)参照)

<生存している写真家の推定>
   厚生労働省が公表した「平成14年簡易生命表」による平均寿命は男性78.32歳、女性85.23歳である。日本写真家協会が1995年に行った「大正生まれの写真家たち」展は、当時活躍していた写真家と作品の集大成であったが、出品者は男性74名、女性1名である。この割合で平均寿命を計算すると、当時の写真家の平均寿命は78.41歳と考えられる。この期間を平成15年(2003)より逆算すると、大正14年(1925)生まれの写真家が現在、存命の可能性が高い写真家の最年長であると推定される。この写真家の就業年齢を成人(20歳)とすれば、写真の公表の開始は昭和20年(1945)と推定される。

<生存している写真家の保護期間が満了した写真著作権>
   上記2項から、現在生存の可能性が高い写真家の公表開始時は昭和20年(1945)と推定され、写真著作権が満了しているのは昭和31年(1956)12月31日までに公表された写真である。つまり、大正14年(1925)生まれの写真家は昭和20年(1945)に20歳で写真撮影に従事してから、31歳になる昭和31年(1956)12月31日までに公表した写真について保護期間が満了し、昭和32年(1957)1月1日以降に発表した写真は改正著作権法の公表後50年、平成8年(1996)の死後50年の改正を経て、保護期間中にある、ということになる。


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