126ページ 第7章 第5節 1 対象機器・記録媒体の範囲
私的録音録画をしない消費者も負担しなければならない、というシステムには問題点もありますが、対象機器・媒体については、例外を作らず、全てのデジタル機器・媒体としなければ、著作権侵害が回避できないのも明らかです。
対象機器・媒体を不当に少なくすることは、権利者軽視であり、コンテンツのクオリティ低下を促します。近年のリメイク作品増加などからは、創作意欲の減衰が始まっているようにも見えます。
機器や媒体の基幹となるのは、そこにかかる音楽や映像といった様々なコンテンツであり、その不足や魅力喪失は、消費者、権利者、そしてメーカーを含めた全ての者にとっての損失となります。
長期的視野に立ち、全てのデジタル機器・媒体を私的録音録画補償金の対象とするのが最善の道ではないかと思われます。
尚、デジタル機器における著作権保護技術向上により著作権侵害を防止できるようになるとの観測は、一定の説得力はありますが、その正確性には未だ疑問符が付きます。