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資料1

著作権等管理事業法の見直しに関する検討課題

1. 規制の対象となる事業の範囲
 
(1) 規制対象を拡大する必要はあるか。(非一任型の規制について)

 現行法は、「許諾するかどうかを含め使用料その他の許諾条件の決定が委託者に留保されている非一任型の管理については、自己管理と同視しうるので、規制の必要はないと考えられる」(著作権審議会権利の集中管理小委員会報告書)とする考え方に基づき、許諾条件の中で最も重要な「使用料の額」に着目して制定されているところであるが、この考え方を変更すべき状況の変化が認められるか。

(2) 参入制限を設ける必要はあるのか。(出版物の複写や音楽の演奏等の分野における管理事業者の一元化について)

 現行法では、「前記のような分野(注)については、少なくとも現状においては、単一又はごく少数の団体により管理される方が効率的な管理が実現でき、著作者及び利用者双方にとって有益であるとも考えることができるが、これをもって法律上一般の分野に対する規制より厳しい規制をもって参入規制することまでは必要ないと考える。」(著作権審議会権利の集中管理小委員会報告)とする考え方に基づき制定されているが、これを変更すべき状況の変化が認められるか。

(注) 音楽に関する演奏、上映、放送及び貸与、論文等の複写などの分野
   
2. 登録手続と指導監督(適格性を欠くと思われる管理事業者への対応)
 
(1) 登録要件を強化する必要はあるのか。

 登録制度(形式審査)を維持する限り、申請者の実態に踏み込んだ審査はできないと考えるがどうか。
   
 登録時又は登録から一定期間内の管理委託契約約款及び使用料規程の届出を義務化すべきとの意見があるがどうか。
管理委託契約約款及び使用料規程の届出がなければ管理事業を実施できないのだから、問題は生じないのではないか。
登録後一年以上管理事業を実施していなければ、文化庁長官は登録を取消すことができるが、その運用の厳格化で対応できないか。
   
 現行制度を維持するとして、その他登録拒否要件として追加又は改善すべき事項はあるか。

(2) 指導監督の強化についてどのように考えるのか。

 文化庁は、報告徴収、立入検査、業務改善命令、登録の取消し等の権限を適切に行使することにより、適格性を欠くと思われる管理事業者への指導監督を強化する必要があるとの意見が多いがどうか。
   
3. 管理事業者に対する規制
 
(1) 管理事業者が、非一任型の管理事業を営むことを制限する必要はあるのか。

 管理事業者が非一任型事業を営むことは、管理事業法制定以前からある実態であるが、これを制限すべき状況の変化が認められるのか。

(2) 管理事業者の兼業や役員の兼職を規制する必要はあるのか。

 現行法は、「兼職・兼業の制限については、(中略)著作者については委託契約約款に関する各種の義務づけ、また利用者についても著作権管理団体に応諾義務を課し、使用料の設定について利用者団体等の関与を認める制度を採用するなどの措置により、著作権管理団体の不当な権利行使には一定の歯止めがかけられていることを考慮すれば、前述のような著作権管理の実態又は可能性(注)を積極的に否定する根拠に乏しいと考えられるので、これを法令上制限することは適当でないと考える。」(著作権審議会権利の集中管理小委員会報告)とする考え方に基づき制定されているが、これを変更すべき状況の変化が認められるか。

(注)例: 出版社が出版を行う一方で、二次利用について一任型の管理事業を行う(兼業)。別の法人を作って管理事業を行わせる(兼職)。

(3) 届出事項の変更があった場合の変更届出の期限を延長する必要はあるのか。

 法令の解釈の見直しによって対応できないのか。
例えば、登録事項の変更届の添付書類を定めた施行規則第8条第2項第2号の解釈を改め、「登記等の謄本又は抄本」ではなく「これに代わる書面」(例:総会の議事録)により届出を可能とすることでどうか。

(4) 管理事業に際し得た利用者からの情報に対する守秘義務を定める必要はあるのか。

 不正競争防止法上の「営業秘密の保護」など他の法律により対応できないのか。

(5) 管理している著作物等に関する情報等の提供について、努力義務から(罰則の伴う)義務とする必要はあるのか。

 現行法が努力義務規定となっているのは、特に新規事業者のような人的・物的資源に欠ける事業者に提供義務を課すのは負担が大きいこと、また既存の管理事業者によっては、作品毎に委託する方法を採用しておらず、管理している著作物等を具体的に把握していない場合もあることなどからであるが、これを変更すべき状況の変化が認められるか。
   
 仮に法改正の必要がないとしても、本規定により、管理事業者のあるべき姿が示されていることから、文化庁の指導も含め、情報提供の促進を図る必要があるという意見が多いと考えるがどうか。

(6) 著作物等の管理権限に関する情報の提供について、義務化する必要はあるのか。

 管理事業に関らず、顧客の疑問に答えて説明や資料提供を行うことは事業者として当然のことであり(通常は顧客が納得しなければ契約は成立しない)、管理権限についても同様と考えられるが、これを制度上義務付けなければならないような状況の変化が認められるか。

(7) 委託契約約款、使用料規程の公示について、インターネットによる公示を義務づける必要はあるのか。

 特に小規模な管理事業者に過度の負担を強いることにならないか。
   
 文化庁では、委託契約約款や使用料規程をインターネット公示していない事業者については、文化庁ホームページの管理事業者情報の中で提供することを予定しているが、これで解決できると考えるがどうか。
   
4. 使用料規程関係、協議・裁定制度
 
(1) 使用料規程の制定又は変更時における利用者からの意見聴取を、努力義務ではなく、(罰則を伴う)義務とする必要はあるのか。

 現行法が努力義務となっているのは、管理事業者の中には小規模で利用者への影響が極めて小さい事業者もいることが想定されることや、使用料規程の内容に対する意見を申し述べることができる利用者又は利用者団体が存在しない場合も想定されること等を踏まえてのものであるが、これを変更すべき状況の変化が認められるか。
なお、仮に義務化するとした場合、潜在的な者を含むあらゆる利用者からの意見聴取(パブリックコメント)や意見の公開などについても、義務化する必要があるのか。
   
 「意見聴取」より更に一歩進めて、事業規模の大小に関らず、全管理事業者に使用料規程の協議に応じる義務を課する必要はあるのか

(2) 使用料規程に係る協議・裁定制度について改善すべき点はあるか。

 使用料規程に係る利用区分の見直しについては、法第23条第1項(文化庁長官が指定管理事業者を定める場合、管理事業者の使用料規程に定める利用区分より、細分化した利用区分で指定できる制度)の運用で対応可能と考えるがどうか。
   
 その他運用上配慮すべき点はあるか。

(3) 包括使用料のあり方について

 同一分野に複数の管理事業者が存在する場合における包括使用料のあるべき姿についてどう考えるか。
   
5. その他
 
(1) その他制度上、運用上見直すべき点はあるか。


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