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資料5

諸外国の立法例

研究目的の権利制限

○ドイツ法(「外国著作権法令集(37)−ドイツ編−」2007年3月、社団法人著作権情報センター)

第52a条  授業及び研究のための公衆提供
  • (1)次の各号に掲げる行為は、その都度の目的上必要であって、かつ、商業的でない目的を追求するものとして正当とされるかぎり、許される。
    1.  (略)
    2. 公表された著作物の小部分、僅かな分量からなる著作物及び新聞又は雑誌に掲載された編集構成物の少量を、専ら明確に限定された範囲の者のためにその者自身の学術研究を目的として、公衆提供すること。
  • (2) (略)
  • (3)第1項の場合においては、公衆提供のために必要とされる複製も許される。
  • (4)第1項に基づく公衆提供については、相当なる報酬を支払うものとする。この請求権は、集中管理団体によってのみ行使することができる。
第53条  私的及びその他の自己の使用のための複製
  • (2)著作物の複製物の少量を製作し又は製作させることは、次の各号に掲げる目的に応じ、それぞれ当該各号に定める条件に従う場合には、許される。
    • 1.自己の学術的使用に供するため複製がその目的上必要と認められる場合にかぎる。

○イギリス法(事務局仮訳)

(研究及び私的学習)

第29条
  • (1)非営利目的の研究を目的とする文芸、演劇、音楽又は美術の著作物の公正利用は、十分な出所明示を伴うことを条件として、著作物のいずれの著作権をも侵害しない。
  • (1B)(1)の目的での公正利用に関し、現実的に又はその他の理由により出所の明示が不可能な場合は、これを要しない。

○オーストラリア法(「外国著作権法令集(33)−オーストラリア編−」1999年3月、社団法人著作権情報センター)

第40条  調査または研究のための公正利用
  • (1)調査または研究を目的とする言語、演劇、音楽もしくは美術著作物または言語、演劇もしくは音楽著作物の翻案物の公正利用は、当該著作物に対する著作権の侵害にあたらない。
  • (1A)言語著作物(講義録を除く)の公正利用は、教育機関に所属する外部学生による研究もしくは調査の認可課程の目的でまたはこれに関連して行われる場合には、当該著作物に対する著作権の侵害にあたらない。
  • (1B)第(1A)項において、講義録とは、講義または指導を行う者が研究もしくは調査においてまたはこれに関連して作成する言語著作物をいう。
  • (2)本法において、言語、演劇、音楽もしくは美術著作物または言語、演劇もしくは音楽著作物の翻案物の全部または一部を複製することによって行われる利用が、調査または研究のための当該著作物または翻案物の公正利用にあたるか否かを判断するにあたって検討すべき事項には、以下を含む。
    • (a)取引の目的および特徴
    • (b)著作物または翻案物の性質
    • (c)当該著作物または翻案物を通常の商業的価格で合理的な期間内に入手できる可能性
    • (d)当該取引が、当該著作物または翻案物の潜在的市場または価値に及ぼす影響
    • (e)当該著作物または翻案物の一部のみが複製される場合当該著作物または翻案物全体に対する、複製された部分の量および重要性
  • (3)第(2)項にかかわらず、調査または研究のための言語、演劇もしくは音楽著作物またはその翻案物の複製による利用においては、
    • (a)当該著作物または翻案物が定期刊行物中の記事である場合――当該著作物または翻案物の全部または一部が、
    • (b)その他の場合――当該著作物または翻案物の相当部分を超えない部分が、調査または研究のための著作物または翻案物の公正利用の対象とみなされる。
  • (4)第(3)項は、定期刊行物中の記事の全部または一部の複製による利用において、当該刊行物中の異なる主題を扱う別の記事も複製されている場合には適用しない。
第47B条  コンピュータ・プログラムの通常の使用または研究のための複製
  • (1)・(2) (略)
  • (3)第(4)項に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製により侵害されない。
    • (a)当該複製物が、当該プログラムの背後にあるアイディアおよび当該プログラムが機能する方法を研究する目的のために、当該プログラムのコピーを実行する技術的過程の一部として、付随的かつ自動的に作成され、かつ
    • (b)当該コピーの実行が、当該コピーの保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり行われる場合。
  • (4)第(3)項は、コンピュータ・プログラムの侵害コピーからの複製には適用しない。
  • (5) (略)

○カナダ法(「外国著作権法令集(26)−カナダ編−」1999年3月、社団法人著作権情報センター)

調査又は私的研究

29. 調査又は私的研究を目的とした公正使用は、著作権を侵害しない。

○アメリカ法(「外国著作権法令集(29)−アメリカ編−」2007年7月、社団法人著作権情報センター)

第107条  排他的権利の制限:フェア・ユース
 第106条および第106A条の規定にかかわらず、批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユース(コピーまたはレコードへの複製その他第106条に定める手段による使用を含む)は、著作権の侵害とならない。著作物の使用がフェア・ユースとなるか否かを判断する場合に考慮すべき要素は、以下のものを含む。
  • (1)使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)。
  • (2)著作権のある著作物の性質。
  • (3)著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性。
  • (4)著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響。
上記の全ての要素を考慮してフェア・ユースが認定された場合、著作物が未発行であるという事実自体は、かかる認定を妨げない。

リバースエンジニアリング関係の権利制限

○ドイツ法(「外国著作権法令集(37)−ドイツ編−」2007年3月、社団法人著作権情報センター)

第69d条  同意を要する行為の例外
  • (1)契約上の特則が存しないかぎり、前条第1号及び第2号にいう行為は、それらの行為が、プログラムの複製物の使用につき権限を有する者による欠陥修正を含め、コンピュータ・プログラムの所定の使用のために不可欠であるときは、権利保有者の同意を要しないものとする。
  • (2)プログラムの使用につき権限を有する者による保存用コピーの作成は、それが将来の使用を確かなものとするために必要である場合には、契約によって妨げてはならない。
  • (3)プログラムの複製物の使用につき権限を有する者は、プログラムの要素の基礎に存する思想及び原則を解析することを目的とする場合には、権利保有者の同意なく、プログラムの作用を、プログラムについてその者が権限を有するロード、表示、実行、転送又は蓄積の行為によって、観察し、調査し又は試行することができる。
第69条e  逆コンパイル
  • (1)第69c条第1号及び第2号の意味においてコードを複製し又はコード形式を翻訳することが、独立して作成されたコンピュータ・プログラムと他のプログラムとの互換性の確立に必要な情報を取得するうえで不可欠である場合には、次の各号に掲げる条件が充たされるものと認められるときは、権利保有者の同意は要しない。
    1. その行為が、ライセンスの取得者その他プログラムの複製物の使用につき権限を有する者、又はそれらの者の名においてこれにつき権限を与えられた者によって行われること。
    2. 互換性の確立に不可欠な情報が、前号にいう者にとって未だ容易に使用可能なものとなっていないこと。
    3. その行為が、元のプログラムの部分で互換性の確立に不可欠なものに限定されていること。
  • (2)前項に基づく行為によって得られた情報は、次の各号に掲げる行為の対象としてはならない。
    1. 独立して作成されたプログラムの互換性を確立することとは異なる目的のために使用すること。
    2. 第三者に提供すること。ただし、そのことが独立して作成されたプログラムの互換性にとって不可欠である場合は、このかぎりではない。
    3. 実質的に類似の表現形式からなるプログラムを開発し、製作し、若しくは商品化するために、又はその他何らかの著作権を侵害する行為のために使用すること。
  • (3)前二項は、その適用が著作物の通常の利用を妨げずかつ権利保有者の正当な利益を不当に害しないよう、解釈するものとする。
第69g条  その他の法規定の適用・契約法
  • (1) (略)
  • (2)契約上の規定で、第69d条第2項及び第3項並びに第69e条に抵触するものは、無効とする。

○フランス法(「外国著作権法令集(30)−フランス編−」2001年3月、社団法人著作権情報センター)

第122の5条  著作物が公表された場合には、著作者は、次の各号に掲げることを禁止することができない。
  • (1) (略)
  • (2)複写する者の私的使用に厳密に当てられる複写又は複製であって、集団的使用を意図されないもの。ただし、原著作物が創作された目的と同一の目的のために使用されることを意図される美術の著作物の複写及び第122の6の1条第3項に規定する条件において作成される保全コピー以外のソフトウェアの複写並びに電子データベースの複写又は複製を除く。
  • (3)〜(5) (略)
第122の6の1条
  • 1 第122の6条第1号及び第2号に規定する行為は、ソフトウェアの用途に従い、そのソフトウェアの使用権を有する者によるそのソフトウェアの使用を可能とするため(エラーを訂正するためを含む。)にそれらの行為が必要である場合には、著作者の許諾に従わない。ただし、著作者は、エラーを訂正する権利並びに、ソフトウェアの用途に従い、そのソフトウェアの使用権を有する者によるそのソフトウェアの使用を可能とするために必要とされる第122の6条第1号及び第2号に規定する行為が従う特定の手続を決定する権利を、契約によって保持する権利を有する。
  • 2 ソフトウェアの使用権を有する者は、ソフトウェアの使用を保全するために必要な場合には、保全コピーを作成することができる。
  • 3 ソフトウェアの使用権を有する者は、その者が行う権利を有するソフトウェアのいずれかの組み込み、表示、実施、送信又は蓄積のいずれかの操作をその者が行う場合には、そのソフトウェアのいずれかの要素の基礎にある概念及び原理を決定するために、著作者の許諾なしに、そのソフトウェアの機能を観察し、研究し、又は検査することができる。
  • 4 ソフトウェアのコードの複製又はこのコードの形式の翻訳は、第122の6条第1号又は第2号に規定する複製又は翻訳が、他のソフトウェアとは独立して創作されたソフトウェアの相互利用に必要な情報を取得するために不可欠である場合には、著作者の許諾に従わない。ただし、次の各号に掲げるすべての条件が満たされることを条件とする。
    • (1)それらの行為が、ソフトウェアの複製物の使用権を有する者によって、又はその者のためにそのための権利を有する者によって、行われること。
    • (2)相互利用に必要な情報が、第1号にいう者に容易にかつ急速にアクセス可能とされていないこと。
    • (3)それらの行為が、この相互利用に必要な元のソフトウェアの部分のみに限定されること。
    • 2 このようにして取得された情報は、次の各号に掲げる行為の対象とすることができない。
      • (1)独立して創作されたソフトウェアの相互利用の実現以外の目的のために使用すること。
      • (2)独立して創作されたソフトウェアの相互利用に必要な場合以外に第三者に伝達すること。
      • (3)その表現が実質的に類似するソフトウェアの開発、製作若しくは商品化のため、又は著作権を害する他のいずれかの行為のために使用すること。
  • 5 この条は、ソフトウェアの通常の利用を害すること、又は著作者の正当な利益を不当に害することができるものと解することはできない。

○スイス著作権法(「外国著作権法令集(15)−スイス編−」1994年3月、社団法人著作権情報センター)

第19条  (私的使用)
  • 1 公表された著作物は自己使用のために利用することができる。自己使用には次のものがある。
    • a〜c (略)
  • 2・3 (略)
  • 4 本条はコンピュータ・プログラムには適用しない。
第21条  (コンピュータ・プログラムの解析)
  • 1 コンピュータ・プログラムを使用する権利を有する者は、独立に開発するプログラムへのインターフェイスに関する必要な情報を、プログラムコードの解析により入手し、又は第三者に入手させることができる。
  • 2 プログラムのコードを解析によって得られたインタフェース情報は、プログラムの通常の利用も、権利者の正当な利益も不当に害されない限り、相互に運用できるコンピュータ・プログラムの開発、保守及び使用のためにのみ利用することができる。
第24条  (保存用コピー及び補充用コピー)
  • 1 (略)
  • 2 コンピュータ・プログラムを使用する権利を有する者は、その補充用コピーを作成することができる。この権利は契約によって制限することはできない。

○イギリス法(第50条のB及び第50条のc:「外国著作権法令集(34)−英国編−」2004年7月、社団法人著作権情報センター、第50条のBA:事務局仮訳)

(逆コンパイル)

第50条のB
  • (1)低い水準の言語で表現されたコンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、次の行為を行うことは、著作権の侵害ではない。
    • (a)それをより高い水準の言語で表現されたバージョンに変換すること。
    • (b)第2項の条件が満たされることを条件として、プログラムをそのように変換する過程に付随して、それを複製する(すなわち、それを「逆コンパイルする」)こと。
  • (2)条件は、次のとおりである。
    • (a)逆コンパイルされたプログラム又は他のプログラムとともに作動することができる独立したプログラムを創作する上で必要な情報を得るためにプログラムを逆コンパイルすることが必要であること(「許される目的」)。
    • (b)そのように得られた情報が、許される目的以外のいずれの目的のためにも使用されないこと。
  • (3)特に、適法な使用者が次のいずれかに該当する場合には、条件は、満たされない。
    • (a)許される目的を達成するために必要な情報を容易に入手することができる場合
    • (b)許される目的を達成するために必要な行為のみに逆コンパイルすることを限定しない場合
    • (c)逆コンパイルすることによって得られた情報を、許される目的を達成するためにそれを提供する必要のないいずれの者にも提供する場合
    • (d)逆コンパイルされたプログラムにその表現が実質的に類似するプログラムを創作するため、又は著作権により制限されるいずれかの行為を行うために、その情報を使用する場合
  • (4)ある行為がこの条に基づいて許される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意味する協定にいずれかの条件(このような条件は、第296条のAに基づいて、無効である。)が存在するか否かは、重要ではない。

(コンピュータプログラムの観察、学習、テスト)

第50条のBA
  • (1)コンピュータプログラムの複製物の適法な使用者が、そのプログラムの読み込み、表示、実行、送信、蓄積のいずれの行為を行う権限も有する場合には、そのプログラムの要素の基礎となるアイディアや原理を明らかにするために、プログラムの機能の観察、学習又はテストを行うことは、著作権侵害ではない。
  • (2)ある行為がこの条により許容される場合には、その行為を禁止し、又は制限することを意図する条項又は条件が契約に含まれるか否かは、無意味である(そのような条件は、第296条のAに基づいて無効である。)。

(適法な使用者に許される他の行為)

第50条のc
  • (1)コンピュータ・プログラムの複製物の適法な使用者が、それを複製し、又は翻案することは、次の2つの条件を満たす場合には、著作権の侵害ではない。
    • (a)複製又は翻案が、その者の適法な使用のために必要であること。
    • (b)その者の使用が適法であるという状況を規制する協定のいずれの条件に基づいても、複製又は翻案が禁止されないこと。
  • (2)特に、その中の誤りを訂正する目的のためにそれを複製し、又は翻案することは、コンピュータ・プログラムの適法な使用のために必要であるかもしれない。
  • (3)この条の規定は、第50条のA又は第50条のBに基づいて許されるいずれの複製又は翻案にも適用されない。

○オーストラリア法(「外国著作権法令集(33)−オーストラリア編−」1999年3月、社団法人著作権情報センター)

第47B条  コンピュータ・プログラムの通常の使用または研究のための複製
  • (1)第(2)項に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製により侵害されない。
    • (a)当該複製物が、当該プログラムが作成された目的のために、当該プログラムのコピーを実行する技術的過程の一部として、付随的かつ自動的に作成され、かつ
    • (b)当該コピーの実行が、当該コピーの保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり行われる場合。
  • (2)第(1)項は、以下の場合にはコンピュータ・プログラムの複製には適用しない。
    • (a)当該コンピュータ・プログラムの侵害コピーから複製する場合、または
    • (b)当該コンピュータ・プログラムの著作権者によりまたはこれに代わり当該コピーの保有者または被許諾者に対して行われた明示の指示または許諾に反して、当該保有者または被許諾者が当該コピーを取得した時に行われる場合。
  • (3)第(4)項に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製により侵害されない。
    • (a)当該複製物が、当該プログラムの背後にあるアイディアおよび当該プログラムが機能する方法を研究する目的のために、当該プログラムのコピーを実行する技術的過程の一部として、付随的かつ自動的に作成され、かつ
    • (b)当該コピーの実行が、当該コピーの保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり行われる場合。
  • (4)第(3)項は、コンピュータ・プログラムの侵害コピーからの複製には適用しない。
  • (5)本条において、
     複製物とは、コンピュータ・プログラムに関しては、第21条(5)(b)にいう種のプログラムの版を含まない。
第47C条  コンピュータ・プログラムのバックアップ・コピー
  • (1)第(4)項に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製により侵害されない。
    • (a)当該複製物が、複製元となるコピー(原コピー)の保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり作成され、
    • (b)当該複製物が、原コピーの保有者または被許諾者によるまたはこれに代わり行われる使用のためにのみ作成され、かつ
    • (c)当該複製物が、以下のいずれかの目的のために作成される場合。
      • 1)原コピーの保有者または被許諾者が原コピーの代わりに複製物を使用し原コピーを保管できるようにすること。
      • 2)原コピーの保有者または被許諾者が、原コピーが紛失し、破棄されまたは使用不能となった場合に原コピーの代わりに使用できる複製物を保管できるようにすること。
      • 3)原コピーの保有者または被許諾者が、原コピーが紛失し、破棄されまたは使用不能となった場合に、原コピーまたは本項に基づき作成された複製物の代わりに別の複製物を使用できるようにすること。
  • (2)第(4)項に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物および同一のコンピュータ・システム上に当該プログラムと共に保存される著作物または他の権利対象物に対する著作権は、以下の場合には、当該プログラムまたは著作物もしくは他の権利対象物の複製により侵害されない。
    • (a)当該複製物が、複製元となるコピー(原コピー)の保有者または被許諾者によりまたはそのために作成され、かつ
    • (b)当該複製が、保存のためのデータの通常のバックアップの過程で行われる場合
  • (3)第(1)項は、同項(c)(3)に定める目的のために作成された著作物の複製に関して、当該著作物の他の複製物が同一のコピーから同一の目的のために以前に作成されたか否かを問わず適用する。
  • (4)第(1)項および第(2)項は、以下の場合には、コンピュータ・プログラムの複製には適用しない。
    • (a)コンピュータ・プログラムの侵害コピーから複製する場合、または
    • (b)当該コンピュータ・プログラムの著作権者が、当該プログラムを改変することなくコピーを作成できないように当該プログラムを設計した場合、または
    • (c)当該コンピュータ・プログラムの著作権者によりもしくはこれに代わり、原コピーの保有者が原コピーを取得した時に付与された原コピーの使用許諾が終了しもしくは解除された場合。
  • (5)本条において、コンピュータ・プログラムのコピーとは、当該コンピュータ・プログラムが有形的形式にて複製された物品を指すものとする。
  • (6)本条において、
     複製物とは、コンピュータ・プログラムに関しては、第21条(5)(b)に定める類のプログラムの版を含まない。
第47D条  互換製品を作成するためのコンピュータ・プログラムの複製
  • (1)本節に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製物または翻案物の作成により侵害されない。
    • (a)当該複製物または翻案物が、その作成のために使用したプログラム(原プログラム)のコピーの保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり作成され、
    • (b)当該複製物または翻案物が、原プログラムまたは他のプログラムに接続して共に使用され、またはその他の方法で互換するために、別のプログラム(新プログラム)または物品を独自に作成することを、原プログラムの保有者もしくは被許諾者またはこれに代わり行為する者ができるようにするために必要な情報を取得するために作成され、
    • (c)当該複製物または翻案物が、第(b)号に定める情報を取得するために合理的に必要な範囲に限って作成され、
    • (d)新プログラムが原プログラムを複製または翻案する限りにおいて、新プログラムが原プログラムまたは他のプログラムと接続して共に使用されまたはその他の方法で互換することができるために必要な範囲に限って複製または翻案され、かつ
    • (e)当該複製物または翻案物が作成された時に、第(b)号にいう情報を他の手段で保有者または被許諾者が容易に取得できない場合。
  • (2)第(1)項は、コンピュータ・プログラムの侵害コピーからの複製または翻案には適用しない。
第47E条  エラー修正のためのコンピュータ・プログラムの複製
  • (1)本節に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、1999年2月23日以後に行われた複製または翻案によって侵害されない。
    • (a)当該複製物または翻案物が、これを作成するために使用したプログラムのコピー(原コピー)の保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり作成され、
    • (b)当該複製物または翻案物が、原コピーの以下の動作(他のプログラムまたはハードウェアとともに使用する場合を含む)を妨げるエラーを修正するために作成され、
      • 1)著作者が意図した動作、または
      • 2)原コピーと共に提供される仕様書もしくはその他の文書に従った動作
    • (c)当該複製物または翻案物が、第(b)号に定めるエラーを修正するために合理的に必要な範囲に限って作成され、かつ
    • (d)当該複製物または翻案物が作成された時に、保有者または被許諾者が、第(b)号に定めるとおり動作するプログラムの他のコピーを、合理的な期間内に通常の商業的価格にて入手できない場合。
  • (2)第(1)項は、コンピュータ・プログラムの侵害コピーからの複製または翻案には適用しない。
第47F条  セキュリティ・テストのためのコンピュータ・プログラムの複製
  • (1)本節に従い、コンピュータ・プログラムである言語著作物に対する著作権は、以下の場合には、当該著作物の複製または翻案によって侵害されない。
    • (a)当該複製物または翻案物が、これを作成するために使用したプログラムのコピー(原コピー)の保有者または被許諾者によりまたはこれに代わり作成され、
    • (b)当該複製物または翻案物が、以下のいずれかの目的のために作成され、
      • 1)原コピーまたは原コピーを含むコンピュータ・システムもしくはネットワークのセキュリティを善意にてテストすること
      • 2)原コピーまたは原コピーを含むコンピュータ・システムもしくはネットワークのセキュリティの問題または無許諾アクセスに対する脆弱性を、善意にて調査しまたは修正すること
    • (c)当該複製物または翻案物が、第(b)号に定める目的を達成するために合理的に必要な範囲に限って作成され、かつ
    • (e)当該複製物または翻案物が作成された時に、これらにより得られた情報を他の手段で保有者または被許諾者が容易に入手できない場合。
  • (2)第(1)項は、コンピュータ・プログラムの侵害コピーからの複製または翻案には適用しない。
第47G条  コピーまたは情報の無許諾使用
  • (1)もし、
    • (a)コンピュータ・プログラムである言語著作物の複製物または翻案物が、所定の規定に基づき作成され、かつ
    • (b)当該複製物もしくは翻案物またはそれらから得られた情報が、当該コンピュータ・プログラムの著作権者の承諾なく、当該規定に定める目的以外のために使用されまたは他者に販売もしくはその他の方法で提供された場合には、当該複製または翻案の作成には当該規定を適用せず、また、適用されなかったものとみなす。
  • (2)本条においては、第47B条、第47C条、第47D条、第47E条および第47F条を所定の規定とする。
第47H条

 一定の規定の適用を排除する合意

第47B条(3)または第47C条、第47D条、第47E条もしくは第47F条の適用を排除もしくは制限し、または排除もしくは制限する効果を有する合意またはその規定は、効力を有しない。

○アメリカ法(「外国著作権法令集(29)−アメリカ編−」2007年7月、社団法人著作権情報センター

第107条  排他的権利の制限:フェア・ユース
 第106条および第106A条の規定にかかわらず、批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユース(コピーまたはレコードへの複製その他第106条に定める手段による使用を含む)は、著作権の侵害とならない。著作物の使用がフェア・ユースとなるか否かを判断する場合に考慮すべき要素は、以下のものを含む。
  • (1)使用の目的および性質(使用が商業性を有するかまたは非営利的教育目的かを含む)。
  • (2)著作権のある著作物の性質。
  • (3)著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性。
  • (4)著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響。

 上記の全ての要素を考慮してフェア・ユースが認定された場合、著作物が未発行であるという事実自体は、かかる認定を妨げない。

117条  排他的権利の制限:コンピュータ・プログラム
  • (a)コピーの所有者による追加的コピーまたは翻案物の作成
     106条の規定にかかわらず、コンピュータ・プログラムのコピーの所有者が、当該コンピュータ・プログラムの新たなコピーまたは翻案物を作成しまたはこれを許諾することは、以下の場合には侵害とならない。
    • (1)かかる新たなコピーもしくは翻案物が、機械によるコンピュータ・プログラムの利用に不可欠な段階として作成され、かつ、他の方法では一切使用されない場合、または
    • (2)かかる新たなコピーもしくは翻案物が、資料保存目的のみのものであり、かつ、コンピュータ・プログラムの占有を継続することが適法でなくなった場合には全ての保存用コピーが廃棄される場合。
  • (b)〜(d)(略)
第1201条  著作権保護システムの回避
  • (a)〜(e)(略)
  • (f)リバース・エンジニアリング
    • (1)第(a)節(1)(A)の規定にかかわらず、コンピュータ・プログラムのコピーを使用する権利を適法に取得した者は、独自に創作したコンピュータ・プログラムとその他のプログラムとの互換性を達成するために必要なプログラムの要素であって、回避を行う者にとってそれまで容易に入手することができなかったプログラムの要素を特定し解析する目的のみのために、かかる特定および解析の行為が本編に基づく侵害を構成しない範囲において、当該プログラムの特定の部分へのアクセスを効果的にコントロールする技術的手段を回避することができる。
    • (2)第(a)節(2)および第(b)節の規定にかかわらず、互換性の達成のために必要である場合は、第(1)項に基づく特定および解析を可能にするために、または、独自に創作されたコンピュータ・プログラムとその他のプログラムとの互換性を達成するために、本編に基づく侵害を構成しない範囲において、技術的手段を回避する技術的手段、または技術的手段により施される保護を回避する技術的手段を、開発し使用することができる。
    • (3)第(1)項に基づき許容される行為によって得られた情報および第(2)項に基づき許容される手段は、第(1)項または第(2)項にそれぞれ掲げる者が当該情報または手段を、独自に創作されたコンピュータ・プログラムとその他のプログラムとの互換性を達成するためのみに提供する場合には、本編に基づく侵害を構成せず、また本条以外の適用法に違反しない範囲において他者に提供することができる。
    • (4)本項において、「互換性」とは、コンピュータ・プログラムが情報を交換し、交換された情報を相互に使用できる機能をいう。
  • (g)〜(k)(略)