第1章 科学技術の振興の成果

第1節■科学技術の振興の意義

2 科学技術基本計画と政府研究開発投資

 明治以来の我が国の近代化に科学技術の果たした役割は計り知れない。また、戦後の復興と経済成長の過程においても、科学技術は我が国の発展の原動力となり、近年においては科学技術創造立国を目指して、官民一体となった科学技術の振興を図ってきた。
 平成7年に科学技術基本法が制定された後は、第1期(平成8〜12年度)、第2期(平成13〜17年度)、第3期(平成18〜22年度)の科学技術基本計画が閣議決定され、政府全体として科学技術の振興施策が推進されてきた。
 これに伴い、科学技術振興のための政府研究開発投資の充実が図られ、第1期、第2期の合計で38.7兆円が投入されてきたところである(第1-1-1図)
 第3期においても、第2期までの科学技術振興の努力を継続していく観点から、政府研究開発投資について、第3期基本計画期間中も対GDP比率で欧米主要国の水準を確保することが求められており、この場合、期間中の総額の規模を約25兆円とする必要があるとされている(第3期基本計画期間中に政府研究開発投資の対GDP比率が1パーセント、同期間中のGDPの名目成長率が平均3.1パーセントを前提としている)。
 また、第3期基本計画においては、基本計画を遂行するに当たっての基本姿勢の第1として、「社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術」を挙げ、研究開発投資の一層効果的な実施、知的・文化的価値の創出、研究開発の成果を社会・国民に還元する努力の強化とともに、科学技術政策やその成果を分かりやすく説明するなど説明責任の遂行を強化することによって、国民の理解と支持を得ることを基本とするとしている。

第1-1-1図 科学技術関係経費の推移

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