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平成20年9月24日大臣会見概要

平成20年9月24日(水曜日)
9時35分〜9時53分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 本日の閣議は予定通り終わりまして、内閣総辞職の署名をしてまいりました。福田総理からは、内閣総辞職にあたっての内閣総理大臣談話をお読みになられました。他に中山少子化対策・男女共同参画担当大臣から「米国訪問」についての報告等があり、また、二人の閣僚から総理の御苦労をねぎらうと同時に、当面の選挙に勝利することが大事だという意味の発言がありました。総理から終わりに、これからも色々長い間閣僚には御活躍を願いたい、というお話もありました。談話等については町村官房長官が発表されると思います。

記者)

 本日をもって、福田内閣が一年あまりの任期で終了となるわけですが、福田内閣下での文部科学行政の総括と、今日までの大臣としての文部科学行政に関する所感をお願いいたします。

大臣)

 福田内閣の一年間、文部科学行政は様々な問題に直面して、課題の多さを痛感しました。教育振興基本計画や概算要求等色々ありましたが、それらを、前大臣も滞りなく処理をしてくださったし、私も五十数日間でありますが、私なりに全力をあげて課題に取り組んできたつもりです。その評価は皆様にお任せをする以外にありません。

記者)

 本日決定すると見られる新内閣に、文部科学行政を含めて期待されることがあればお願いいたします。

大臣)

 私が当選一、二回の頃の政治改革の議論の時にも申し上げて来たのですが、政治が改革を進めていくには、やはりパワフルな内閣が必要だということです。そのためには、一内閣一大臣制度というものを取り入れるべきではないかということです。これは後藤田正晴さん等も主張されていたことですが、主要閣僚のうちでも、財務担当の大蔵大臣、外交担当の外務大臣、そして教育担当の文部大臣、この三大臣については、その総理大臣の就任から退任まで一貫して就き、政策の継続性を維持して、思うような財政、外交、教育政策を進めるべきと思って、主張してきました。そういう意味では、やはりこれから先特に必要になってくるのは、麻生内閣が今日おそらくスタートするわけで、総理の今日の談話の中にも一言ありまして、内閣の課題に対峙すると、今何よりも大切なことは政治の安定ですとおっしゃっていましたが、もう少し言葉を付ければ、やはり安定という言葉の後に、安定した力の発揮と言いますか、つまり、国民が今一番望んでいるのは安心と安全だとすれば、それを確保するための安定したパワーが政治に望まれる。政治には、その難関を切り開いていくパワーが、国民のために必要だということです。党のため、内閣のためということではありません。日本の国の未来のためのパワーが政治に望まれるということです。とりわけ国会のねじれ現象の中で、そのねじれ現象を生んだのも国民の投票ですが、国民の皆さんから見れば、やはり人口減少の時代、それから国際的な競争激化の時代、あるいは科学技術の進歩、環境問題等、様々な面で非常に大事な時期にある日本を、与野党の壁を乗り越えて安定したパワーを政治が持つことが大切で、それは改革あるいは守るべきものを守る、ということでしょう。ぜひ、麻生内閣を中心に、国会があげて、国民のための政治を創造して頂きたいと、私は今期で勇退しますのであえて申し上げるのですが、期待したいと思います。

記者)

 大臣の任期は2ヶ月弱でしたが、これだけはやることができたというものと、これはもっと取り組みたかったというものを、それぞれあげて頂けますでしょうか。

大臣)

 誇らしげに言うようなものはありません。まじめにテーマに取り組んできたつもりですが、その評価は、先程申し上げたように皆様にお任せします。ただ、就任したときの一つのテーマとして、例えば、環境という教科を設置するための入り口を開きたいということを申し上げましたが、この作業は実は人選等も始め、環境省にも私の人脈であたりを始めており私的懇談会を作ろうとしたのですが、福田総理が辞任を表明された段階で、後任の方にオブリゲーションを残すのもどうかと思いましたので、作業は止めました。ただ、そういう気持ちを持っていることは、引き継ぎをさせて頂きたいと思います。先程閣議の後、官邸を退出するときに斉藤環境大臣から、環境の教科化については、引き続き私もテーマとして追究していきますので、また御指導頂きたい、というお話が個人的にありましたので御報告しておきます。人生は色々ですから、申し上げたいことはありますが、自分の理想としてきた、品格ある政治、つまり国民の皆さんから見ても信頼に足る品性度の高い政治は、私の選挙のキャッチフレーズである「品格ある社会、たゆまぬ改革」であり、私の気持ちは、以前から申し上げていますが「日本の美風」の蘇生、新生であります。少し言葉が過ぎたところがあるかもしれませんが、自分とすれば平均点かなと思っています。

記者)

 関連して、逆に、その環境の教科化もひとつと思うのですが、これはやり残した、やっておきたかったという思いでいらっしゃることはありますか。

大臣)

 そうですね。色々やりたかったことはあります。教員の問題、大学の入試の問題、法科大学院の問題とかありますが、いかんせん、これでは時間がどうにもありませんでしたが、それについて不満を言うつもりはありません。

記者)

 教員の問題と、今おっしゃったのですが。

大臣)

 大分県の事件もありましたから、教員の質の問題として、やはりもう少し現場の人たちとも話をして対応していきたかったです。それからあと、家庭の問題です。昨日も教育再生懇談会で、真正面から取り上げるのは難しいですが、もう少しこの問題をお願いしたいと申し上げたのです。やはり昨今の事件を見ても、家庭というものの大事さは、皆さんも痛切に感じられると思いますので、これは国民あげて考えなければいけない、そしてそのようにしたかった。皆さんも御異論はないと思います。幼児教育の前に家庭教育です。そこは少し残念です。しかし、問題点は皆さんわかっていることだと思いますから、それこそ安定した内閣でそういう議論をして頂きたい。麻生さんは御存知のとおり、スタートは文部政務次官ですから期待したいと思います。

記者)

 組閣を終えると、いずれは総選挙が行われると思いますが、仮に政権交代があった場合、文部科学行政に何か変化が生じるとお考えでしょうか。

大臣)

 そこは、結果を見ないとわからないです。どういう選挙結果になるか、第一党の座をどの政党が取ってどういう政権を作るか。願わくば申し上げたように、政治全体に安定した改革のパワーが発揮されるように、それが選挙結果を生んだ国民の願望だと受け止めるべきでして、もう、混迷、混乱、カオス状態というのはこの選挙をもって終えて、新しい日本の歴史的な曲がり角を、政治がパワフルに突っ切ってほしいと本当に思います。もう権力争いとか、にらみ合いとか、駆け引きとか、そんな段階ではない、これはいつも申し上げているように、既に文明の危機だと私は思いますので、そこを期待したいです。演説会になってしまいすみません。お世話になりました。皆さんの御健闘を期待いたします。ありがとうございました。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)