平成20年9月5日大臣会見概要平成20年9月5日(金曜日) 大臣) 本日の閣議は予定通り終わりました。閣議後の閣僚懇談会では、「安心実現のための緊急総合対策」について、総理を含む関係閣僚から発言がありまして決定されました。 記者) 大阪府教育委員会は府内の市町村教育委員会に対し、学力調査の結果を公表するよう求めるということです。結果的に序列化につながりやすいとされる学力調査を悉皆でやることの意味、あるいは公表の在り方について、どういうふうにお考えかお願いします。 大臣) 悉皆を続けるかどうかについては、この前の閣議後記者会見で、その継続について理由を申し上げましたが、更に申し上げれば、全国的な状況との対比において、各教育委員会・学校が自らの状況を把握し、指導や施策の改善に取り組むため、と同時に、各学校においても、子ども一人一人への指導、あるいは学習状況の改善に役立てるためにデータを得て十分に活用をしてもらいたいということです。まだ2回目ですから、当分、悉皆調査は続けたいと考えています。もう一点の大阪府の橋下知事のお話ですが、「求める」と御質問がありましたが、私は「要請する」というふうに承知しています。橋下知事のお言葉を引用するまでもなく、これは大阪府全体で学力を上げなければならないというねらいからおっしゃったのだと思いますが、ただ、実施要領の趣旨から言えば、各市町村の結果の公表の判断は、あくまで市町村教育委員会に委ねられていることでして、都道府県教育委員会が公表しろなど、積極的に指示することはできないシステムになっています。また、市町村教育委員会が自らの判断で調査結果を公表する場合は、平均正答率だけではなく、教育活動の状況、あるいは調査結果の分析を踏まえた今後の改善方策等も併せて示すことも必要であると考えます。あくまでも、各市町村教育委員会自らの判断によって公表して頂くことになる。重ねて、このことは申し上げておきます。 記者) 仮に都道府県教育委員会が、自分では公表しないが、各市町村教育委員会に公表してほしいという意思を伝え、多くが公表する形になれば、結果として同じようなことになると思うのですが如何でしょうか。 大臣) その結果、多くの市町村教育委員会が公表すれば、同じような結果になることもあるかもしれませんね。 記者) それぞれの市町村教育委員会が、自ら公表することを判断することもあると思います、また、増えるのではないかという気もするのですが、例えばそれを、報道がとりまとめ、並べてでてくる可能性もあるのですが、それについて大臣のお考えをお願いします。 大臣) それをどう活かすかが問題です。ただ、学校間の序列化等につながるといけませんから、そこは十分注意して頂かないといけないと思います。子どもへの悪影響が一番心配されるべきことですから、やはり、判断基準を間違えて頂きたくないと思います。 記者) 大臣は、結果が色々発表されることで学力が向上したりするとお考えなのでしょうか。 大臣) これは、本当にすべて各市町村教育委員会の判断ですが、ただ私は、個人的には興味があります。この総評を見た一般市民が、どうこれを捉えて、場合によってはエンカレッジされることもあるでしょうし、良い方向に活かして頂きたいと思います。そのためにもやっているわけですから。 記者) 福田総理が、退陣表明後の内閣記者会のぶら下がり会見を事実上拒否してる状況です。一国の総理が二日間以上も記者の質問に応じないという状況について、新聞記者経験の大臣はどのようにお考えでしょうか。 大臣) 総理はそういうふうにすることが、どういう結果をもたらすかも考えて、自分で決断されたことですから、自分で甘んじてこの評価は受けられるでしょう。私がとやかく言うことではないと思います。 記者) 大分県の教員採用取消の件で、文部科学省としては話を聞いた上で、必要な指導を行っていくということでしたが、その検討状況をお願いします。 大臣) 以前申し上げたように情報は逐一取っています。態度未決定の方が6人いらっしゃいますから、この方々の最終的な御判断と、それを大分県教育委員会がどう受け止め、どうされるかの御報告を頂いてから、文部科学省としての判断をお示ししたいと思いますが、まだ残念ながら、途中経過ですので、何とも申し上げられません。これはお許し頂きたいと思います。9月7日日曜日に教育委員会をやるということですから、月曜日には何らかの形ではっきりすると思います。 記者) 学力調査の件ですが、大臣のお考えとしては、学校間の序列化が表に出るといけない、判断基準を間違えて頂きたくはないとおっしゃって、また、市町村教育委員会の判断で出るぶんに関しては、それを活かしてほしいと、頑張る気持ちになってほしいとおっしゃいましたが、たくさんの市町村教育委員会が、大阪府の号令で出てきたとしても、それは過度の競争を招くことにはならないとお考えですか。 大臣) 過度の競争にならないように活かして頂きたいと思います。そういう発想です。やはり、切磋琢磨ということだって当然市町村にあっても良いわけで、子どものためにも、皆緊張感を持ってやって頂かなければいけませんから、その材料に活かして頂くのなら良いのですが、妙なコンプレックスが広がったり、他の思惑が絡んだりしてはいけないという意味です。 記者) 大阪府の今回の要請ですが、元々最初は「指示」というふうに言っていたのが、要請に変わりました。さらに、もし教育委員会が要請に応じないのであれば、大阪府教育委員会の存在理由なんかないということまで、知事はおっしゃっていて、非常に、強制色の強い要請という感じがするのですが、それについてお願いいたします。 大臣) 橋下知事はそれだけショックが大きかったということでしょう。お子様もいらっしゃるし、やはり、家庭を持っている者からすると、困ったものだと、ショックが大きかったのでしょう。 記者) 結局、事実上の指示という形になるのでしょうか。 大臣) いえ。それは御当人が、弁護士さんですから、認識されて言葉を変えたわけで、法律その他、よくわかってくださっていると思います。強制するようなことはないと思います。 (了)
(大臣官房総務課広報室) |
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