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平成20年7月22日大臣会見概要

大臣会見概要平成20年7月22日(火曜日)
10時48分〜11時7分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議ですが、大田経済財政政策大臣から「平成20年度年次経済財政報告」について、舛添厚生労働大臣から「平成20年版労働経済の分析」について、額賀財務大臣から「アラブ首長国連邦・クウェート・ウズベキスタン出張」について発言がありました。閣議後の閣僚懇談会では、増田地方再生担当大臣から「環境モデル都市の選定」について、加えて総理からも発言がありました。閣僚懇談会終了後、経済分析について、日本は今為替レート、石油の高騰等の関係で、統計上、輸入量が増え輸出量が減っているということなので、より円建ての契約をこれから促進していくような政策をとる必要がある、といったことに関してのやりとりがありました。
 私から一つ報告させて頂きますが、7月17日の世界スカウト会議におきまして、2015年の「第23回世界スカウトジャンボリー」の開催国が日本と決定されました。これは韓国の済州島で行われそういう決定がなされました。我が国での開催は1971年以来、44年ぶりでして、我が国におけるボーイスカウト運動の普及・発展はもとより、青少年教育にとって大変意義深いものであると考えます。この決定は、財団法人ボーイスカウト日本連盟を中心にして、関係議員の先生方、財界、官界、在外大使館等を上げての熱心な招致活動の賜でありまして、関係各位の御努力に心より感謝を申し上げたいと思います。なお日本での開催は2015年7月27日から8月8日、山口県山口市のきらら浜にて開催を予定しています。

記者)

 大分県教育委員会の教員採用等汚職事件に関連して、文部科学省は先週、具体的な点検項目を示して25日までの回答を求めました。これは実質的には実態調査と思いますが、その回答を早急に求めた理由について教えてください。

大臣)

 本件については、7月10日付けで局長通知を出していまして、その中で、信頼を確保するためにしっかりと点検をしてくれということをお願いしたわけです。この通知を受けて、各都道府県及び政令指定都市教育委員会においては、既にこういった取り組みをして頂いていると思います。折しも、ちょうど各県で採用試験が行われている時期でもありますし、そういったことも含めて、しっかりと対応して頂いているものと考えていますが、前回の閣議後記者会見で申し上げたように、いずれの時期かにおいて、この報告も求めたいと考えていましたが、大分の事件がその後、色々な事実がより明らかになってまいりまして、ある意味、より広がりを見ているというふうな事態を受けて、今までやって頂いていることについて、報告を求めることにしました。その際、ばらばらであっても問題が見極めにくいという考えもありまして、17日付けで点検項目及び回答について、より詳細に文部科学省より指示をさせて頂いたものです。今、この問題に関して国民の皆さん、特に保護者の皆さんに非常に不安が広がっている状況であろうと思いますから、しっかりとその状況を把握して、我々としてもこの問題に対応していきたいと考え、25日を一応の締めとしてこの報告を求めているというのが現在の状況です。

記者)

 この調査結果についての公表の時期はいつ頃をお考えでしょうか。

大臣)

 今月25日に一応締め切りを考えています。この公表については、月末頃を目処に早急にとりまとめをしまして、公表させて頂きたいと考えています。

記者)

 月末に公表をされるということですか。

大臣)

 はい、その通りです。

記者)

 金曜日に日本弁護士連合会(以下、「日弁連」という。)が「法曹人口問題に関する緊急提言」をまとめられました。町村官房長官が日弁連の見識を疑っていると発言されていましたが、大臣はこの提言についてどのようにお考えですか。

大臣)

 基本的に町村官房長官がおっしゃったことと同じような認識を持っています。従来から法曹界の人材育成ということは様々な議論がなされてきたわけですが、閣議決定もあります。そういった中で私はやはり、この弁護士という職種からして、一番大事なことは質の問題であると考えていますし、また色々なところで、そのように私は答えてきたわけです。まず数を目指すということはあって良いと思いますが、基本的に大事なことは、この試験を受けられる方、しっかりとその内容をチェックして頂いて質の管理をやって頂くことが大事だろうと思います。文部科学省は法科大学院の問題を所管しているわけですが、今そういった意味で質をいかに維持するかということで、中央教育審議会でも議論が行われているところです。9月には中間取りまとめをすると聞いていますし、緊急提言か何かをやるというふうにも報告を受けているところですが、この報告等も踏まえて、来年度に間に合うよう一層の改善も図っていかなければいけないと思います。なお年度末にこの議論は取りまとめをすると聞いていますが、いずれにしても、要はその数を制限するという考え方というのも従来から私は疑問を感じていましたし、やはり質をどうやって保っていくか、またどういう基準で試験を行っていくかということは、まだまだ問題があるというふうにも考えていますが、基本的には町村官房長官もおっしゃったようですが、私は二つあると思います。一つは、やはり、参入規制というのが正しいかわかりませんが、そういった考え方に立つのはおかしいということですし、二つ目は、我が方も、新しくできた大学院を守らなければいけないという発想に立ってこの問題を処理すべきではないと。大学院の質を上げていくというのが、我が方の役割であると考えているところです。

記者)

 日本相撲協会(以下、「相撲協会」という。)の改革について伺いますが、20日の理事会で外部の理事の登用は見合わせる方向になったようですが、これについて文部科学省としてはどのようにお考えでしょうか。

文科)

 本件については、監事のみならず理事についても外部有識者を登用する方針であると相撲協会より報告を受けています。

記者)

 監事ならば、それで良いと文部科学省は見ているということでしょうか。

文科)

 いえ、20日の理事会につきましては、当省が3月に行った定期実地検査の対応について協議したものであると相撲協会より伺っておりまして、併せて、役員に外部有識者を登用する件については、監事のみならず理事にも登用するという従前の方針に変更はない旨報告を受けています。

大臣)

 これまで、理事についても監事についても、外部有識者を登用するという報告を相撲協会からは受けていましたから、しっかりとそれは見守っていきたいと思います。

記者)

 内閣改造の件ですが、与党内から改造を求める声がじわじわ高まっているようですが、大臣はその改造について、今現在どういうお考えをお持ちかお願いします。

大臣)

 私に聞かれても困るのですが、それは総理がお考えになることでして、私はとにかく、そのことについてどう言いますか、関心があると言いますか、そういった気持ちは持っていません。むしろ、こちらの方がお聞きしたいというのが正直な実感でして、今日の閣議でも隣に座っていた石破防衛大臣とやるのかなあというような会話をしていたというのが、今の実態です。それ以上のことは私の方から、申し上げたくても何もわかりません。

記者)

 大分県の汚職事件に関してですが、調査をまとめて我々としての対応を検討していくという御発言だったのですが、これまで文部科学省としては、その採用権者が都道府県であり、地方分権の時代でもあるので、あまり積極的にタッチしていこうという姿勢がなかったような感じを受けているのですが、今後は法的に、積極的に関与していこうというお考えでいらっしゃるのでしょうか。

大臣)

 一週間前の記者会見で私は、必要があればとお答えをしたと思います。ただ、この問題はこれだけ大きな広がりを見せている、また国民の中で大きな不安が出ていると私は判断をいたします。ですから、やはり報告を待たないと今の段階では何とも言えないということだと思いますが、その報告をしっかりと聞いた上で、不十分な点があればしっかりと指導をしていくと。教員採用試験に関わる指導等ということも、文部科学省設置法(以下、「設置法」という。)の中にもきっちり書いてあると承知をいたしています。そういったことも踏まえて、我が省として果たすべき責任を果たすと。ただし、従来から申し上げていますように、基本的に、地方が今取り組んでおられることをしっかりと我々は確認させて頂く。その前提としての点検を、しっかりとやって頂いたわけですから、その報告を求めるということです。あえてスタンスが変わったかと言われれば、まったく変わってないとは言えないと思いますが、基本はやはり都道府県でしっかり取り組んで頂いている状況を、我々は把握した上で、必要なことをやっていくことになろうかと思います。

記者)

 今の関係ですが、たぶん設置法は「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(以下、「地教行法」という。)だと思うのですが、その中に是正とか指示の権限は文部科学省にあると思うのですが、その条文の中には、確か子どもが教育を受ける権利を失う状況とか、教育を受けられない状況とか、生命に危険がある状況に限って是正指示ができるというふうに確か書いてあったと思うのですが、今の状況はそこまで行っているとお考えなのか、それともあくまで従来の通知とか指導の範囲でとどめるべき状況なのか、お考えをお願いします。

大臣)

 状況としては、今も申し上げたように指導と言いますか、そういったことはしていかなければいけない状況であろうと思います。ただし、勧告までする状況かどうかは実際に報告を頂かないといけないわけですが、我々はやはり教員採用の在り方等について、少なくとも業務として、これは設置法にも書いてありますが、具体的にどういうことをどういうレベルでやっていくかは、今おっしゃった地教行法の中にも指導の在り方、それから勧告をするといったことについて規定されていると思います。いずれにしても、現状として要請しています調査の報告を頂くこと、しっかりまず見極める、その俎上で我々として不適切なことがあれば、それも併せて報告を頂くことをお願いしていますから、その状況をよく見た上で判断させて頂きたいと思っています。

記者)

 大分県に対して何か今の時点でお考えになっていることはあるのでしょうか。

大臣)

 大分県はあのような形で今、大分県自身が色々と取り組んで頂いているわけですから、その状況をまず、しっかりと見ていく必要があると思います。それからもう一点、これは教育委員会自身もおっしゃっていることですが、捜査が入っていますから、そういった意味で、実態があれで100パーセント解明されたのかどうか、ここのところも見なければいけないわけですから、そういった状況を見た上で判断をしていきたいと思います。いずれにしても我々は、こういったことに関して、教育行政の責任を背負っているわけですから、様々な出来事に対して適切な助言なり指導なり、場合によっては勧告ということも含めて考えていかなければいけないということだと思います。

記者)

 直接関連性があるかはわからないのですが、大分県は本質的には組合がすごく強い地域だと思うのですが、それについての大臣のお考え、お感じになったことはありますか。

大臣)

 そこのところは正直わかりません。少なくとも私は、まだ報告を頂いていません。職員組合との関係でこういうことが起こっていたとかいう話は、マスコミの記事にも出ていなかったと思いますが。

記者)

 事実関係としてはないですが、そういうことがあるのではないかという推測したような記事は一つありました。

大臣)

 少なくとも私のもとには、そういった報告はまだ届いていません。

記者)

 埼玉県川口市で15歳の女子中学生が父親を殺害する事件が起きましたが、これについての大臣の受け止めをお願いします。

大臣)

 報道されていた以上の情報を持っていませんが、受け止めという意味では、何でこんなことが起こるのだろうということです。それも青少年が関係した様々な出来事が色々と起こっています。事柄は違っていても、バスジャックもありました。このことはやはり、教育の問題の一つというふうに、我々は捉える必要があるのだろうと。このような事件が、より多く起こる背景に、教育として何かしなければいけないことがあるのではないかという意識を我々は常に持って、これは少し種類が違うのかも知れませんが、いじめの問題等もあります。また、これは大きな話題になっていますが、例えば犯罪に関係した、携帯電話を使った様々な問題もあります。そういったことについて、私たちは今も真剣に検討をしていますが、こういった事件が起こる度に、より一層そのことを心してかからなければいけないというふうに、今さぼっているという意味ではありません、やはりそういうことをどうやったら防げるのかということを常に教育の問題として我々は考えていかなければいけないと思います。教育とは関係ないということではいけないと思います。

記者)

 平成20年度予算の概算要求基準(以下、「シーリング」という。)について、報道ベースですが、運営費交付金と私学助成の1パーセント削減を引き続き続けると額賀財務大臣がおっしゃったようですが、これについての受け止めをお願いします。

大臣)

 全体的な歳出削減という問題の中で、例えば大きいのは、この運営費交付金1パーセント、公共事業3パーセント、ODAの3〜4パーセントの削減といったものがあります。社会保障の2,200億円はいわゆる骨太2006ですが、こういった基本的な方針は現内閣で今回の骨太2008でも、堅持されていると受け取っています。その上に立って、財源をどうやって生み出していくのか、またその財源に対してどういう枠を設けていくかという作業に、シーリングはなってくるのであろうと思っています。どういうふうに受け止めているかと言ったら、我々としては大変きついシーリングではありますが、こういった国全体のルールの中で、我々の主張を生かしていける概算要求をこれから組んでいかなければいけないということになると思います。なお特別枠もあります。特に運営費交付金とは関係ないですが、今年は成長力強化、安全・安心などの特別枠を設けるわけです。これは科学技術ですが、こういった部分についてはしっかりと必要な予算を概算で要求していきたいと考えています。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)