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平成20年6月24日大臣会見概要

平成20年6月24日(火曜日)
10時40分〜10時55分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議ですが特に報告することはありません。閣議後の町村官房長官の発言で、今年の通常国会の法案の状況について説明がありました。法律案80件、条約13件が提出され、法律63件、条約13件が成立しています。成立率は78.8パーセントということです。なお、議員提出法律案として「宇宙基本法」など17件が成立しています。閣僚懇談会で、総理大臣から先週の社会保障国民会議で取りまとめられました中間報告の報告がありました。社会保障に対する国民の不安や不満を考えると、今やるべきことに早急に着手し、実行に移すことが必要であり、5つの課題について、緊急の対策として安心プランを取りまとめるため関係大臣の協力を得たいというお願いがありました。7月中に具体的な方策と工程は取りまとめることになっています。簡単に読み上げますが、一つ目は、高齢者が活力を持って安心して暮らせる社会。二つ目が、健康に心配があれば誰もが医療を受けられる社会。三つ目に、未来を担う子どもたちを守り育てる社会。四つ目が、派遣やパートなどで働く者が将来に希望を持てる社会。五つ目が、厚生労働行政に対する信頼の回復。以上の五つについて、先ほど言いましたように、5つの安心プランを取りまとめるということです。また、閣僚懇談会で、昨日の記者会見のお話が総理からありました。消費税についてですが、記者会見どおりであります。とにかく今大事なことは、政府がやっている無駄ゼロ作戦をきっちりとやることが大事であるといった主旨の発言でした。その後、閣僚間で、政府の広報について若干やりとりがありまして、政府がしっかりと広報をやらないと、良いことをやっていても、なかなか国民の皆さんには伝わっていないという発言が石破防衛大臣からあったわけですが、今後、政府の広報について、十分注意を払いながら、わかりやすい政策の説明を心がける必要があろうという発言がありました。

記者)

 昨日、いわゆる「骨太の方針2008」の原案が示されましたが、その中での課題であった教育振興基本計画の状況及び現状についてお願いします。

大臣)

 何度も同じ質問を頂き恐縮ですが、「骨太の方針2008」については今朝も自民党内で長時間議論があったと聞いています。明日も再度行われることが決まったようです。これは来年度の経済財政に関する運営方針になりますが、私どもは、十年先の教育を見越した今後5年間の具体的な計画としての教育振興基本計画を作らさせて頂いていまして、従来からずっと折衝を進めてきました。論点はかなり整理されてきたと思っていますので、最終的な政府内の調整を近日中に終わらせるため現在精力的に努力をさせて頂いているところです。皆さんにもお待たせして大変申し訳ありませんが、残された論点について、最後の詰めを行っていきたいと考えています。

記者)

 幼児教育の無償化の検討という文言が盛り込まれていますが、文部科学省として今後の具体的なスケジュールがありましたらお願いいたします。

大臣)

 「骨太の方針2008」に盛り込まれた表現は、2007、2006等に盛り込まれた表現と同じでありまして、「幼児教育の将来の無償化について、歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど、幼児教育の振興を図る」ということです。ここに、「歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ」となっていまして、この議論が行われるときどういうふうに進めていくかをあらかじめ検討しておくことが大事だろうと考え、5月に「今後の幼児教育の振興方策に関する研究会」をすでに立ち上げています。この中で、一つの例としては、諸外国の取り組み状況をより詳しく検証する必要があるだろうということで、既にフランス、ドイツ、イギリス等ある程度わかっている部分がありますが、さらに詳しく状況を調査すること。制度も色々なやり方があると思いますが、例えば就園奨励費のような形の保護者負担軽減といった措置もとられています。無償化になると、保育料等が形が全然変わってくるわけですから、財源にあわせてということではありますが、検討し、この無償化がより促進される段階に向けて準備を整えたいと考えています。

記者)

 関連ですが、昨日の記者会見で総理は、5つの柱の中でどちらかというと保育の重要性を主張されていたと思います。幼児教育の無償化もさることながら、保育の充実が求められている、これこそ喫緊の課題だと言う声がかなりございますが、それと幼児教育の無償化の検討はどのように折り合いをつけていくのでしょうか。

大臣)

 折り合いというより、双方の連携を図りながらやっていかなければいけないと思っています。例えば幼稚園は4時間ですが、これだけで社会の保育ニーズに対応できるかということがあります。認定こども園の問題もありますが、例えば労働人口が減っていく中で、女性がもっと社会で活躍をされる時代を作っていかなければいけないという喫緊の課題もありますし、経済財政諮問会議でも、今大きなテーマとして取り上げられています。要は長時間にわたって子どもが過ごせる施設を考えなければいけないわけです。年齢の問題もありますし、保育と教育の機能についてより完全に一元化するのか、一元的に運用するのかという課題はありますが、総合的に判断をしていかなければいけないと思います。総理の発言を正確には聞いていませんが、もし、今お尋ねになったような主旨の発言をされたとしたら、そういうことを念頭に置いて発言をされたのではないかと思います。

記者)

 幼児教育の無償化で約7,700億円という数字がありますが、一方で保育、例えば待機児童をなくすためには何兆円単位と言われています。そちらの方が明らかにお金が掛かる中で、幼児教育の無償化を先に進めることには、どうしてという疑問の声が社会にもあると思うのですがその点はいかがでしょうか。

大臣)

 これも総合的に考える必要があると思います。我々が今いちばん考えなければいけないのは、保育園だとか、幼稚園だとかいった従来の制度、また従来の所管官庁といった考え方から脱して、より社会のニーズに応じた預かり機能、また、就学前教育という機能を制度設計としてどのように仕上げていくのかということだと思います。現在は法律もまったく違いますし、お金の出方もまったく違います。このようなことについて、一括交付金にするなどして認定こども園の制度を当面進めることとなっています。このような運用を通じて、より制度が改善され、要は幼稚園、保育園とか、やりやすい側からではなく、子どもにとって何が必要なのかという観点から聖域を設けることなく改善していかなければいけないと考えています。

記者)

 幼児教育の無償化については財務省より、いわゆる義務教育との関連をきちんと整理して議論をすべきだという指摘があったと思いますが、色々な意見、外国の例等もあると思いますけれども、無償化と義務化との関係についてお考えをお願いします。

大臣)

 それについても少し議論が必要だと思います。今、こちらの方が良いだろうとはっきりと申し上げるだけの考えを持ち合わせていません。ただ、教育という幼稚園が持っている機能があります。幼稚園教育要領も作っています。ただ単に子どもを預かるのではなく、幼児教育という観点からの議論をしっかりとしていきたいと思います。

記者)

 「骨太の方針2008」の関係で、素案の段階では「6月まる日」という表現が、昨日の段階で「新たに」という表現になりました。これは6月中の閣議決定は難しいとお考えですか。

大臣)

 いや、必ずしもそうは考えていません。あくまで案ですから。

記者)

 チャンスは1回ですけれど。

大臣)

 そうですね。今日の閣議決定は終わったわけですから。町村官房長官からは、教育振興基本計画が「骨太の方針2008」と同時決着ということはあり得ても、遅れることはないようにと厳しく言われていますから、冒頭に申し上げたようにこれから精力的に詰めていきたいと思っています。

記者)

 まさに近日中ですね。

大臣)

 今日、敢えて近日中と申し上げたのは、そういう私の強い意欲と言いますか、心意気と言いますか、そういうつもりで申し上げました。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)