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平成19年8月15日大臣会見概要

平成19年8月15日
10時20分〜10時32分
参議院議員食堂

大臣)
 今日の閣議は特段のことはありません。当省関係では、大阪大学、北海道教育大学、山形大学、東京外国語大学の各学長人事について、任命の閣議了解を頂きました。それから、厚生労働大臣からILOアジア地域フォーラム出席のご報告と、防衛大臣から米国出張のご報告がありました。それから、数名の大臣が海外出張をされるようで、私も国土交通大臣の臨時代理を命じられたということです。

記者)
 横綱朝青龍関の問題で、財団法人日本相撲協会(以下「相撲協会」)から遠藤副大臣へご説明等があったようですが、監督官庁の大臣として、どういう解決を望まれますか。

大臣)
 相撲協会から遠藤副大臣には状況の報告があったようですが、今後どうするというお考えを述べられたわけではないようです。公益法人としての所管は文部科学省ですが、基本的には、団体の内部運営に対し、逐一所管官庁が口を出すということは、最もやってはいけないことです。公益法人であるということからも、早く良い方向に向かっていくことを期待しています。なお、個人としての感想を言いますと、朝青龍関という横綱に対して、日本の文化を理解させることも含めて、相撲協会が日頃から十分指導することが大切だと思います。したがって、朝青龍関をヒール(悪役)のように扱って、非難をしているだけでは問題の解決にならないのではないでしょうか。相撲協会は、日本の伝統文化である相撲道を根幹として、公益法人という一般の民間法人以上の資格を持っておられるわけですから、それだけの義務も出てきます。そのため、現役の最高位である横綱に対して、日本文化への理解、最高位としての立場の重さを良く教育しておくことも非常に大切なことだと思います。今回の件は、朝青龍関という横綱の立ち居振る舞いよりも、むしろその立ち居振る舞いに至った相撲協会の在り方が問われているのではないでしょうか。率直に言いますと、朝青龍関は横綱になってはいますが、まだ25歳くらいであって、異文化の土地へ来て、一人横綱として大変な重荷を背負いながらやってきたわけですから、相撲協会も腫れ物に触るような気持ちだったのではないかと思います。私達でもなかなか違う国の違う文化を理解するのは難しいわけですから、朝青龍だけが悪い、会見しないからけしからん、とか言うのではなくて、相撲協会がもう少し表に出ていった方が良いのではないかと私としては思います。

記者)
 今月27日に安倍総理が内閣改造を行うということなのですが、総理を支える閣僚のひとりとして、安倍総理はどういう気構えで当たるべきだとお考えでしょうか。

大臣)
 これは人事権者がお考えになることです。閣僚人事ということではなく組織を動かすということで一般論として言えば、知識が無ければ駄目だということはその通りですが、知識を持っていても、それを実現していく知恵が無ければ駄目なのです。この絶妙なバランスを考えて、人事権者である総理が、奇を衒わずに、良い人をお選びになるというのが良いのではないですか。

記者)
 前回お聞きしたことですが、改めて、今日は終戦記念日ですが、靖国神社に参拝する予定はありますか。

大臣)
 前回申し上げたように、私は宗務行政の責任者という立場に立ってからは、どのような宗教団体にも等距離で接するという矜持は守っているつもりです。ですから、昔から親しくしていた宗教団体等から、大切な節目節目で祝電等のご依頼を受けた場合も、文部科学大臣という肩書きは一切つけておりません。これが私の行政に対する姿勢です。

記者)
 安倍総理は参拝する参拝しないを言明していないのですが、こうした総理の姿勢についてどう思われますか。

大臣)
 信仰とか宗教というのは心の問題です。その方がどういうお気持ちであるかを強制する、或いは、その心の中を白日の下に晒せと強制することは、私は難しいと思います。安倍総理は安倍総理のご判断でおやりになっていることですから、それを国民がご判断をされると。それは政治家や国会議員という立場の者は、常にそういう対象になっているわけです。

記者)
 27日に予定通りに内閣改造の人事が行われれば、大臣もお替わりになる可能性もありますが、改めて、11ヶ月、ざっくばらんなご感想をお聞かせください。

大臣)
 いや、それは今話すことではないでしょう。貴方の誘導尋問に乗ってそんなことを話したら、それこそ囲み記事になってしまいますよ。

記者)
 私立高校の大学合格者実績の水増し問題で、事実が発覚した6府県のうち5府県で、県なり私学協会なりが、自主的な調査を始めているのですが、埼玉県だけそういう動きがありません。やはりこれは行政が乗り出すべきものなのでしょうか。

大臣)
 埼玉県は今、知事選挙の真っ最中ですから、トップの判断がなかなか下ろし難いということではないですか。私学行政の所管は教育委員会ではなく知事部局ですから。ただ、合格実績の水増しということが良いことではないということは、皆共通の認識を持っているわけですから、やはり正さなければいけないでしょう。ただ、先程の朝青龍関の話もそうですが、現象、事象だけでけしからんと言って、その人をやりこめて問題が解決するのかどうかは、行政にある者は、少し落ち着いて考えないといけない。というのは、何か「売り」を作らないと私学の経営が出来ないのかどうなのかということです。合格実績で名を売る、野球やスポーツで有名校になる、一部の法科大学院で司法試験の合格率が高いという売りを作る、そういう現象が、かなり出てきていることについて、私学というのは随分色々な面で困っているということであれば、その困っていることを取り除いてあげるのが行政なのであって、誰かを悪者にしていじめて溜飲を下げるということだけをやっていては、問題の解決になりませんよね。

記者)
 としますと、先程の相撲協会と一緒で、私学協会なりが自浄作用を働かせるということでしょうか。

大臣)
 ということよりも、経営実態等も、一度根本的に良く見てみないといけないのではないでしょうか。

(了)

本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)


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