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平成19年8月7日大臣会見概要

平成19年8月7日
9時48分〜10時2分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議は、平成19年度年次経済財政報告について、経済財政政策担当大臣からご発言がありました。長期化する景気回復の仕組みとその持続性、生産性の向上、労働市場の構造変化等が書かれております。それから、両陛下が8日から新潟県へお見舞いのために行かれるようです。それから、中越沖地震について激甚災害の指定がありました。文部科学省の関係も含まれております。

記者)
 予算についてお伺いします。大臣は先日、小・中学校の耐震化などに使う施設整備費についての概算要求を2倍にしたいとおっしゃっていましたが、省としての概算要求の方針を教えていただけますでしょうか。

大臣)
 形式的に言えば、内閣としての概算要求基準が決まっておりませんので、先走ったことは言わない方が良いと思いますが、例年であれば、人件費を除いて20パーセント増の概算要求枠は設定されますから、その中に収まる程度で十分要求が出来る内容になると思います。具体的に言えば、教育基本法と教育三法を国会で審議した際に、国民の代表である国会議員がおっしゃったことで、教師が子どもと向かい合える時間を十分確保させる。そして、良き教師については処遇を改善する。それから、日本の成長戦略の基本である科学技術の振興、そしてそれを支えている良き人材、これは小学校、中学校、高等学校の良い人材があって初めて大学の良い人材があり、大学では基礎の素養を十分身につけることによって初めて応用の力が出てくると。こういう色々な論点があったと思いますので、国会での与野党のご議論や附帯決議、そして中央教育審議会、教育再生会議等のおっしゃっていることを盛り込んでいくということでしょうね。従来は20パーセント増の要求、風船を20パーセント膨らませて財務省へ持って行ったのが、12月にはぺちゃんこになって帰ってきたということですが、20年度予算については、そういうことにならないように努力をしたいと。先週の木曜日に総理とお会いをして、今お話ししたようなことを申し上げて、総理も自分は茨の道を歩むとおっしゃって、第一にやるべきこととして教育の再生を挙げておられるわけですから、年末の安倍内閣としての予算編成においては、十分配慮をして頂きたいと申し上げておきました。

記者)
 先週おっしゃっていた明日の全国高校野球選手権大会開会式への出席ですが、これは決定でしょうか。

大臣)
 今日、官房長官と話をしようと思ったのですが、その暇がありませんでしたので、これから電話でそういうことになるだろうと言うつもりです。国会は今日、衆議院の議席指定等がありますが、明日は特段のことはないと思いますから。

記者)
 先般より、大学の合格者の水増し問題が、色々報道されていますが、高校が受験料を負担して大学の合格実績を加算するという現状について、どうお考えでしょうか。

大臣)
 高等学校・大学を含めて私学というのは、教育機関であるという建前論と、継続的に教育を提供していかなければならないという、ゴーイングコンサーンとしての宿命みたいなものがありますから、建前論だけで人を非難しても現実は動かないという面があるだろうと思いますので、私学の経営というのはどういうことなのかを、大学・高校以下も、少し実態的な勉強をしてみると良いのではないかと、一度担当者に話してみたいと思っています。報道各社のニュース番組的に言うとけしからんという話になるのでしょうね。私も特待生の問題や水増しの問題、それから大学で言えば法科大学院の司法試験の問題と類似の演習をしたという問題も含めて、野球や運動の有名校であるとか、進学者数が大変多い高等学校であるとか、司法試験の合格率が非常に高い法科大学院であるという、要するに「売り」を作らないと生徒が集まってこないという中で起こっていることではないのでしょうか。ですから、本来、教育機関としてもう少し考えて欲しいという意見もあるでしょうし、そういう建前だけでは経営が成り立たないという現状があるのかどうなのかということもあるでしょうからね。行政の担当者として、実態を良く把握をしてみる必要があると思いますが、本来はルールを守り、ルールの中で良い学校だという評価を受けるのが私は一番だと思いますね。

記者)
 その関連ですが、大阪の高校で、1人で73学部・学科を受かった生徒がいたということで、現行の大学入試センター試験(以下「センター試験」)のセンター試験利用入試を使うと、大臣も今学生でしたら100校くらい受かるのが可能だということなのですが、センター試験を利用して、センター試験の点が良ければいくらでも合格できるという現在の私大の制度について何かお考えはありますか。

大臣)
 これは難しいですね。高等学校の学力評価をやらせるとなると、多くの人が80点くらい取れる問題を作らないといけないでしょう。で、大学は自分の大学の教育レベルを担保していく人を取りたいという選抜制があるわけでしょう。この二つをどう調和しながらやっていくのかということは、非常に難しいですよね。ですから、私学と言えども、公教育の一端を担っているということだけは忘れないでおいてもらいたいですね。建学の精神ということとルールを守るということは、両立することでなければならないのでしょうね。

記者)
 先程、行政として実態を把握する必要があるのではないかというお話を一番最後にされていましたが、それは要するに水増しの関係について実態調査をするということでしょうか。

大臣)
 いや、水増しの実態調査をするということを言っているのではありません。ここまでやらなければ経営が成り立たないほど数が多いのか、経営の実態が大変なのかということを、良く把握しないといけないのではないかと。そういうことを全く別にして、正義というか、倫理だけを振り回しても、学校当局者も困るだろうということになっては困りますからね。

記者)
 それは特待生や司法試験を含めて把握するということですか。

大臣)
 いや、特待生とか司法試験とか、そういうことを言っているのではありません。ややアンフェアというか、ルールを守らずに、私学としての「売り」を作らないと学生が集められずに経営ができないという状態なのかどうかということ。これはどこの民間会社でも同じですよね。自分の会社でも、他の社より抜きん出たいと思って、色々なことをやるわけですが、その中で失敗したり、行き過ぎたり、色々なことがあるでしょう。ですから、そこまでやらないと競争してゆけない事態の中で、けしからんけしからんだけでは、物事の解決にはなりませんよね。

記者)
 多くの学校が経営が厳しい状況に置かれているということになりますと、例えば私学助成の増額とか、そういうことも検討されるのですか。

大臣)
 私学助成の増額で済むのか、学校の絶対数が多すぎるのか、少子化時代になってきているわけですから、色々なことがあるでしょうね。ですから、今出てきている問題というのは、私学が抱えている構造的な問題なのではないかということですよ。

(了)

本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)


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