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平成19年5月8日大臣会見概要

平成19年5月8日
10時7分〜10時28分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議は特段のことはありません。海外出張の報告がありました。最後に安部総理から、連休も明け、国会も残り一ヶ月少しになり、重要法案も残っていますので、全員気を引き締めて、法案成立その他国民への説明等に遺憾無きを期してもらいたいというお話がありました。

記者)
 昨日の教育再生に関する特別委員会で、高校野球の特待生問題をめぐり、「生徒に被害が及ばないように話をしたい」という答弁をされておりましたが、もう少し具体的に今のお考えをお話し頂けますでしょうか。

大臣)
 特待生制度というのは、学業やスポーツに秀でた人にあるわけですが、高校野球の場合は、日本高校野球連盟(以下「高野連」)の日本学生野球憲章(以下「憲章」)に反するということで、今回の問題になっているわけですが、一般の高校生からすると、例えばサッカーとか水泳とか陸上では許されているという感覚もあったのではないかと思います。特待生制度の内容にもよると思いますが、未成年の児童生徒が、このことによってお金が無く退学をしなければならないとか、夢にしていた夏の大会(甲子園)の予選に出られないということには、ならないようにしてやりたいというのが私の考えです。というのは、このことの原因は、私はむしろ大人のサイドにあると思います。野球に拘らず、他の団体スポーツにおいても若干同じような癖があるように思いますが、お金をかけて、運動能力のある子どもを集めて、テレビや活字を通じて、その学校を売り出すという大人の考えの犠牲者のような気もします。具体的には、今、スポーツ・青少年局長が高野連と話をしているようです。授業料免除というのが普通の特待生の在り方だと思いますが、寮の費用や生活費まで丸抱えというのもあるようですので、高野連もはっきりと基準を決められて、ここまでなら他のスポーツと同じように、特待生制度はお認めになるということをやって頂ければ良いのかと思います。ともかく、これは政府である文部科学省がアマチュア団体である高野連の内容に立ち入ることではありません。文部科学省として申し上げなければならないことは、未成年である、教育を受けている子ども達の立場にたっての発言です。今後の基準をどうするのか、今までの高野連の憲章に反していた人達をどうするのかについては、政治家である私がいちいち口を出すべきことではありませんので、行政であるスポーツ・青少年局長が、今、高野連の事務局と話しているようですので、話が詰まれば、今週中にでも高野連の脇村会長とお目にかかりたいと思っています。

記者)
 今の脇村会長とお会いするという話は、具体的な内容を高野連側が決めた後に、その報告を聞きたいという意味ですか。

大臣)
 お互いにまったく意見が違うのに会っても仕方がありませんので、すりあわせをしてからになると思います。細かなことを私が指示する立場にはありません。アマチュアの学生の野球団体ですから、そんなことが許されるような国だったら、えらい国になってしまいます。ただ、児童生徒のことを考えて、こういうことをして頂きたいという私の気持ちを受け入れて頂けるような状況を、予め協議をしておいてもらうということです。例えば、八重山の高校からロッテに入団した大嶺というピッチャーは八重山の生まれでしょ。そして、八重山の高校へ行って、必ずしも有名選手はいませんでしたが、そこで彼は一所懸命やったわけです。そして、プロにも評価されて、高校生ドラフトの1位指名を受けたわけです。私はアマチュアスポーツというのは、本来そういうものではないかと思います。しかし、高校において、運動能力が非常にある人を特待生にするというのは、別に悪いことではないのではないでしょうか。ただ、金にまかせて全国から特待生を何十人も集めてチームを組むというのが本来の高校教育の在り方なのかな、という気はします。

記者)
 大臣としては、その学費が払えなくなって退学とかいうことにならないように、何らかの救済策を取ってほしいということでしょうか。

大臣)
 高野連にはそこまでお願いはできません。高野連に対してお願いをすることは、特待生というものの基準というのか、どこまでを特別待遇にするのか、それを越えれば高野連の憲章に反すると。しかしここまでなら、高野連としては他のスポーツ団体と同じように認められる。それはもう認めないというご判断なら、認めないというご判断で、仕方ないのです。文部科学省が介入してどうこうという話ではありませんから。そこは明確にされたほうが良いのではないかな、ということと、今まで自分が内容をあまり知らないまま特待生制度を受けていた児童生徒の救済をどうするのか。特に、対外試合に出られないなどということは、高野連が判断をすればできることです。あと、生活費や授業料等を免除することをどうするか、つまり、それが免除されないなら、もう学校にいることはできないという子どもが出たときに、どうするかということについては、当該学校もある程度の配慮をされないといけないことですから、その辺はよく高野連の意見も聞いてみたいと思います。

記者)
 政治資金規正法の関係なんですけれども、昨日、自民党が与党案として5万円以上の人件費を除く経費について、領収書の添付を義務付けるということで、本国会に提出するという方針を決めましたけれども、これについての大臣の受け止めをお願いいたします。

大臣)
 私は、安倍総理と話しているときは、これはつけたほうが良いので指示をされたほうが良いということは申し上げておりました。また、私の派の総会でもそういうことを申し上げております。ただ、公平の見地から考えておいてもらわないといけないのは、今、総務省が政治資金規正法の収支報告をするときに送ってくる記載要領において、例えば、人件費というところの説明がどう書いてあるかというと、当該団体の職員の給与、社会保険料、通勤費と、こう書いてあるわけです。そうすると、臨時に忙しいときに雇った職員、あるいは私のケースで言うと、週末、京都に帰れるときは車の運転手が要りますが、それを常時雇っておくだけの余裕はありませんから、個人タクシーに頼んで週末の運転だけに来てもらうという場合は、当該団体の職員ではなく、臨時の借り上げ労賃です。こういうのは、政治資金収支報告の記載要領から見ると、当該団体職員ではありませんから人件費に入らないのです。当方では、どこへ入れるのかを総務省(旧自治省)にずっと聞いているわけです。最後は会計責任者のご判断ですというので、当方は事務所費に臨時職員の人件費を入れています。他方、人件費については、何故領収書を付さないかというと、その人のプライバシーに着目しているからです。そうしますと、臨時雇いの人達の扱いをどうするのか。当該団体の職員以外の全ての賃金給与を人件費に記入してもいいという記載要領に変えてもらえるのであれば、良いのですが、変えないまま、事務所費を5万円以上すべて領収書を添付しろということになりますと、この臨時雇いの職員がいくら稼いでいるかというのが皆表に出てしまう、という問題がひとつあります。ただそれは、石原党改革実行本部長にも話してありますから、彼のほうで色々考えているでしょう。
 率直に言って、記載要領というのは、どうでも解釈できるのです。例えば、郵便切手代は、私のところで毎月約2万5千の国会報告の葉書を出しており、50円として3万通出せば150万円です。これをどこに入れるのかも旧自治省に聞いてあります。それは政治活動費の中の組織活動費に入れて下さいということを言っていますから、当方は組織活動費の中に入れているわけです。けれども、当方の事務所ほど頻繁に総務省(旧自治省)に記載要領を聞いていないところは、切手代は郵送費だから事務所費に入っている可能性がある、という問題がひとつあります。
 それから、これは私も政党人ですから党の決めたことに従わないといけないと思っていますが、日本共産党が赤旗でこの問題を取り上げて、朝日新聞が大きく私のこととかを書きましまが、結局、今回の領収書を添付するというのは資金管理団体ということになっているのです。そうしますと、日本共産党は、一人一人の政治家に資金管理団体を持つことを許してないのです。ところが、私の地元で言えば、私以上に穀田氏のポスターは選挙区内に貼ってあります。私と同じ程度に穀田氏のビラは入ってきます。これは皆、日本共産党の何とか委員会で経理されていると思うのです。京都の何とか委員会の事務所費は、年間1億3千万円あります。これは領収書を公開しないということになるのですね。これは真に僕はアンフェアな話だと思うのです。ただ、自民党本部も日本共産党本部も、本部で事務所費の5万円以上を全て公表していくと、事務の対応が大変だと思うのです。ですから、この制度は、あくまで当該収支報告を出す人の、その人間としてのプライドと言うのか、その人の自由によって担保されている制度なのです。私は18年の報告書を出したときには、要求されていませんが、事務所費では例えば、事務所の借料は大体これぐらいですと、賃金職員の借り上げはこれぐらいですと、皆横に注記して出しました。私は、今までのものを見せてくれと言われれば、いつでも見せたいのですけど、疑惑があるから見せろというなら見せないということです。それだけのことはないという自信をもってますから。だから今回の取り上げ方は、資金管理団体を持っていないものの政党機関紙に端を発して、色々な政治的思惑もあったのでしょうが、こういう報道になってしまったということが、かえってアンフェアな結果にならないことを私は願ってますけど。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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