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平成19年3月9日大臣会見概要

平成19年3月9日
9時40分〜10時4分
文部科学省記者会見室

大臣)
 本日の閣議では、文部科学省関係はありません。エネルギー基本計画の変更について、甘利経済産業大臣その他関係大臣からご発言がありました。それから、地方財政の状況と、日本郵政公社の中期経営目標及び中期経営計画の認可に関する国会報告について閣議決定がありました。あとは、循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の点検結果について、若林環境大臣からご報告がありました。閣僚懇談会では、官製談合について、本日、国で初めて官製談合防止法に基づく改善措置を受けたことについて、冬柴国土交通大臣から防止策その他についてお話があり、塩崎官房長官から、各省においても今後このようなことがないように関係職員に十分周知徹底をしてもらいたいというご注意がありました。

記者)
 文部科学省と厚生労働省で、来年度から実施する「放課後子どもプラン」について、今週開かれた教育再生会議の分科会で、学校現場への周知が足りないのではないかという指摘がされました。当初、2万箇所、全小学校でやるという予定から1万箇所に減ったということで、あまり前向きに取り組んでいない自治体もあるのではないかと言われているのですが、大臣のお考えと今後の進め方について聞かせてください。

大臣)
 教育再生会議は具体的にどういうことを仰ったのですか。

記者)
 ただ1校だけのお話ではありますが、教育再生会議で栃木県の学校現場を視察された際に、「放課後子どもプラン」の制度自体がどういうものなのかを、学校の方々がよく知らなかったと仰っていました。

大臣)
 今の日本の社会状況では、核家族、共働きが増えていますから、厚生労働省と一緒に、子どもの放課後の居場所づくりを地域の方々のご協力を得てやっていくということで、発足当初なのであまり形式的にかちっとやるのも無理ですから、若干、弾力的に適用したらいいという前提でやっていると思います。
 教育再生会議で見に行った栃木県の学校では、きちんとやらなければいけないと考えすぎていたのか、それとも、あまりにもルーズにしすぎているという、どちらの周知徹底が足りなかったのでしょうか。

記者)
 なぜ、子どもたちを放課後まで縛って、活動させなければいけないのかということでした。

大臣)
 しかし、義務として必ず参加しなければいけないとは言っていませんので。

記者)
 その辺の周知が十分ではないということです。

大臣)
 これは授業ではないので、自分の家庭事情によって参加しない人もいます。ですが、本来の制度の周知徹底が足りないというご批判があるのなら、もう一度厚生労働省とよく話をして、周知徹底をしたらいいと思います。しかしながら、文部科学省をお預かりしている限りは、私は、一つ二つの現場を見て全体だと誤解しないということは、自戒しております。特に東京都は、財政上非常に手厚い自治体であり、文部科学省の職員が大臣に見せるときには割に整った学校を見せますので、騙されないように注意をしております。

記者)
 中央教育審議会の関係で、明日答申され、その後週明けにも総理にお会いになると大臣は仰っていましたが、スケジュール等がお決まりでしたら教えてください。

大臣)
 中央教育審議会の分科会その他では、かなり自由に皆さんからご発言をいただいているようです。今日はまだ詳細な報告を受けていませんが、いずれにしろ、国会で決まった法律等について、守る地方自治体あるいは学校と、守らない地方自治体あるいは学校が一部あるというような状況を放置すべきではないということは、多くの賛同を得ていると思います。具体的な手法というか、それを担保するやり方については、いくつかの意見があると伺っておりますので、最終的にはその状況を総理にご報告をして、法案を提出するのは内閣ですから、総理の最終的な決断をもらわないといけないと思っています。
 答申案については、山崎会長にご一任されているというところまでは報告を受けていますが、山崎会長も一つの案にまとめてくださるのか、方向は決まっているが手段についてはいくつかの考えを書き分けてくださるのか、そのあたりは、内申書を受ける立場なので、どのような内申書が出てくるのかはまだ分かりません。今夕、新旧の中央教育審議会委員の皆さんが顔合わせをされるのですが、旧委員の方へ謝恩を申し上げて、同時に、新委員の方にはこれからよろしくという一応のけじめを付けないといけないので、私はそこへ行ってご挨拶をする予定です。そのときに、明日の答申に向けてどうなっているのか、山崎会長や梶田分科会長によく聞いてみようと思っています。
 答申が出れば、総理にご報告しないといけませんし、総理は、教育再生会議の提言も念頭に置かれていると思いますが、中央教育審議会の答申を読まれると思います。できるだけ早く総理に答申を読んでもらい、どうするかを伺いたいので、まずは模様をご報告するということと、答申を読まれてから総理のお考えを教えていただくということの、二つをやらないといけないと思っています。総理の日程がまだ全然分かりませんが、中央教育審議会をお預かりしている私の立場としては、そのような段取りを踏まないといけないと思っています。

記者)
 今の話ですが、まずは、中央教育審議会の答申を総理に報告されるということですが、来週早々には総理の判断をいただけるのでしょうか。

大臣)
 報告をすれば、総理は「最優先の課題」と言っているのですから、どれぐらいの枚数になるか分かりませんが、一時間くらいかけて、きちんと読まれると思います。ですから、「持ってきましたので決断してください」というわけにはいきません。まだ総理も中身を知らないのですから。総理にはきちんと読んでいただいた上でご指示をいただく、総理は当然そういうお気持ちだと思います。

記者)
 与党協議も本格化したばかりですが、そうしますと、当初の目標であった3月13日火曜日の法案提出期限はどうなりますか。

大臣)
 13日に法案を出すのは無理です。当初から申し上げているように、異事異例のスピードで中央教育審議会にご無理をお願いしているので、中央教育審議会の答申が出て総理が決断をされないうちから立法作業をやるというのは、役人の独善になるので、私はさせておりません。ですから、今度は、初等中等教育局を中心として、内閣法制局の審査が徹夜徹夜で行われることになると思います。与党には、中央教育審議会のこの流れをご報告をしながら、与党協議を進めてもらっています。これも本来の流れからすると異事異例のことです。普通は、中央教育審議会のお考えが出て、それを法律の要綱のようなものにまとめて、与党に諮って、今度は与党の判断をもらうという流れですが、13日は無理としても、4月か5月というわけにもいきませんから、与党協議も並行して、中央教育審議会の模様をご報告しながらやっています。大島さんが座長の会(与党・教育再生に関する検討会)も今日明日に大体の考えをまとめられるのではないかと思います。

記者)
 そうすると、4月5月というわけにもいかないということですから、3月中が目安になりますか。

大臣)
 まあなんとか、担当者には体力の限界を超える作業をさせているわけですが。私も、今日は今お話した中央教育審議会の新旧委員の懇談会があり、明日は人の応援を頼まれているので地方へ行きますが、夕方はまたこちらへ戻って来て、答申を頂けるなら、頂きます。また日曜日は出かけます。私もそんなスケジュールになっています。ですから、ちょっと慌しいですが、総理の指示は大切ですから、努力をして守ってほしい、作業は大変ですが一つよろしく頼むということは、文部科学省の職員も心得て努力をしてくれています。

記者)
 教育再生会議の関係で、山谷首相補佐官が、大局的な方向性は教育再生会議で決めて、その後の制度設計は中央教育審議会が行うというような役割分担ではないかと仰っていましたが、「放課後子どもプラン」について、視察に行った結果の指摘をされるというのは、アフターケアみたいなことだと思うのですが、教育再生会議は、そういうアフターケアをするような組織なのかどうかについてお考えを聞かせてください。

大臣)
 教育再生会議は別に、法律で決まっている組織ではないから、自由闊達に議論してしていただいたら良いのではないですか。率直に言えば、「放課後子どもプラン」は教育再生会議の設置より前に創設された施策ですが、運用について、お考えを仰るのは自由ではないですか。中央教育審議会や税制調査会のように、国家行政組織法上の組織として設置され、各省設置法によって所掌が決まっているものではないですから。教育についてお気づきのことは、自由にご発言になっていいと思います。それで、教育再生会議は大枠を決めるというよりも、大きな流れについて色々と提言をされて、それを内閣が受け止めて中央教育審議会にお諮りをするわけです。教育再生会議が決めるわけではありません。

記者)
 国会の関係ですが、松岡農林水産大臣の政治資金収支報告書について、平成17年の光熱水費が507万円となっており、これはおかしいのではないかという指摘を予算委員会でされて、松岡大臣は20数回にわたって、「適切に処理している」と仰ったのですが、説明責任を果たされていないのではないか、野党側からは証人喚問が必要ではないかという声が出ていますが、これについてはどのようにお考えですか。

大臣)
 松岡大臣の光熱水費の中身については私が伺い知る立場ではないですから、適切かどうかは、私が言及することではないと思います。疑惑だとか不適切だとか言う場合は、根拠を明確に示さないといけないと思います。一部の政党の機関紙が、なんとなく多いとか、情緒的なことを言って、それを一部のマスコミがあげつらうということになると、特定政党や特定政治家を陥れることが可能になってしまいます。事務所費についても、光熱水費についても、内容開示してはいけないということはありません。しかし法治国家ですから、開示することを強制することもできません。例えば、民間の企業でも売り上げや活動はそれぞれ違うのと同じように、政治家や政党も、政治活動の対応は違い、経理の仕方も違ってきます。その違ってきた経理の仕方を総合的に見極めて、公平に公開をするというルールを作るのであれば、公開したらいいと思います。疑惑だとか不適切だとかいう雰囲気がなければ、喜んで公開するという人もいると思います。私も平成18年の収支報告は、内容開示しなくていいものも、主要なものは皆、摘要欄の横に記載して出すように指示をして、既に提出しております。いずれ、10月か11月に公表になると思います。人の経費の中身については分かりませんので、憶測で発言することは差し控えたいと思います。

記者)
 制度論をわきまえた上で、1年間で507万円という光熱水費はいかがなものかという指摘は、なるほどというところもあって、これは制度の信頼性に関わるという人もいるのですが。

大臣)
 制度の信頼性と同時に、その政治家に対する評価にも関わってくることで、それは有権者が最終的に判断することです。民間の企業でも、損益計算書や貸借対照表を公表するときは、一切、帳簿や領収書を公表する義務はありません。ただ、領収書や帳簿の保存義務を課しているのは、守秘義務を課されている国税と地方税職員に対してです。ですから、このところはよくわきまえてやらないといけません。所管をしている総務省に、そういう実質的調査権を与えるかどうかという制度論はひとつあります。ところが、議院内閣制ですので、与党議員が大臣になっている総務省に実質的調査権を与えた場合の怖さというものがあります。ですから、政治家の会計責任者の自主判断に委ねられています。そして、収支報告をつくるときに、各選挙管理委員会から、こういう項目にはこれを入れてくれという記入要領みたいなものが来ます。しかし記入要領をいくら読んでも、どの項目に入れるかわからない経費がたくさんあるわけです。私は再三、答弁として申し上げていますが、私は昭和59年から収支報告を出しているので、そういう疑問があるときは、当時の自治省に、こういうものはどちらに入れるのかと聞きながら積み上げています。松岡大臣のところはどうしておられるか、私には分からないので、軽々に人の名誉に関わることについてコメントをすることは、差し控えたいと思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)

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