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平成19年2月20日大臣会見概要

平成19年2月20日
8時40分〜8時53分
衆議院議員食堂前

大臣)
 本日の閣議は特段のことはありません。

記者)
 週末の中川幹事長の「閣議で総理が入室したときに私語を慎まない政治家は去らなければならない。閣僚には、絶対的な忠誠心を求められる」という発言について、大臣の所見をお願いします。

大臣)
 中川幹事長の発言の全文を聞いたわけではないですが、報道されている範囲で私の印象を言うと、閣僚はお互いに関係のある仕事を持っていることがほとんどですが、国会と自分の役所に縛られて、なかなか他の役所の大臣と話す機会がありません。ですから、閣議の前に色々話をするのが悪いということではないと私は思います。総理とも談笑しているわけですから。問題は、本来の閣議です。ここは、国権の最高機関である国会に対してお願いすることを決める、行政府の最高の意思決定の場ですから、極めて厳粛に運営されていると私は思います。中川幹事長の仰ったことを私なりに理解すると、議院内閣制で日本の統治システムは動いているので、安倍総理は内閣の長であると同時に、最大与党の総裁です。ですから、党を預かっている幹事長と内閣の各部局の考え、立場をお互いに連絡調整というか、一体となって、例えば選挙対策や立法の場における対応をきちんとしてほしいという気持ちを言ったのではないでしょうか。もうひとつには、私はそういうところは常に注意しながらやっていますが、安倍総理・総裁の決定や発言があれば、それによってきちんと文部科学行政が動いているという姿勢を、しっかりと持ってないといけないと思います。閣僚である限りは、スタンドプレーや個人の立場・意見をできるだけ抑えて、内閣一体となってやってもらいたいという気持ちを言われたのではないでしょうか。ごくまっとうなお話だと思いますが、閣議には中川幹事長も入れないので、閣議のことはわからないと思います。閣議は極めてきちんと安倍総理のもとで、官房長官の司会で行われています。

記者)
 福岡の筑前町でのいじめについて、昨日、生徒が書類送検されましたが、大臣はどう見てらっしゃいますか。

大臣)
 率直に言えば、これはもう教育行政の枠の外のことですから、あとは警察と検察の対応でしょう。教育行政としては、この前通知を出したように、大勢の児童生徒がきちんと勉学ができないような状態というのは困るので、それは毅然として対応してもらいたい。ただし、毅然として対応した場合に、子どもの人権等で反対が起きたときには、校長先生を中心とした学校、教育委員会、地方議会が一糸乱れず対応してもらわないと、結果的に毅然とした態度を取った者が悪者になったり、地域からいじめられる立場になると、なかなか毅然とした対応が取れないので、そこは注意してやってくださいと申し上げました。今回のことは、警察の判断、それから検察の判断ですから、私が口をさしはさむことではないと思います。

記者)
 文部科学省が私立学校をめぐる行政に教育委員会を関与させる方針を固めたと一部で報道されていますが、事実関係と大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 私の理解では、事務局が中央教育審議会に、教育委員会制度について補足的に審議をお願いしたいという趣旨で出したペーパーの中に何か書いてあったようです。未履修が私立学校で多く起こっているという事実がありますので。建学の精神は大切にしていかなければなりませんが、昭和50年に私立学校振興助成法ができ、それ以前から国民の血税により私学助成という形で補助金の交付をしているわけですから、文部科学省の統制を強くしたいとか、教育委員会が建学の精神に介入するとかいうことではまったくありません。地方教育行政の法案、教育委員会の法案についても同じで、日本の国は誰が主権者かと言えば、国民が主権者なので、国民の意思で動かさなければなりません。国民の意思で動かす仕組みを日本は選挙という形でとっています。ですから、国会が国民の意思の集積の場所なのです。国民の意思の集積の場所で作られた法律を守っている教育委員会と、守らない教育委員会があるとか、守っている私立学校と、守らない私立学校があるというときは、国民の負担を使ってやっている限りは、国民が守って欲しいと言ったことをどういう形で守るかを皆で議論して欲しいとお願いしたんだと思います。

記者)
 大学入試の関係ですが、国立大学の教員養成学部の志願倍率が下がっており、大学関係者は、去年の秋からのいじめ問題や教育再生会議での議論などの影響ではないかという見方をしているのですが。

大臣)
 色々な原因があるから一概にそう言えるかどうかわかりません。先日、優秀教員の表彰があったときに安倍総理は自ら出席されました。皆さんにしっかりと受け止めてもらいたいのは、いじめ等の事件は特異だから報道されますが、実はそういうものがほとんど表に出ないように未然に防いだり、しっかり子どもを教えてくれている何万倍の立派な教員がいるという事実です。駄目な教師と言われる人たちはしっかり直さないと納税者に申し訳ないですが、報道されないところで黙々と努力をしている多くの教員に、私がどう向かい合って報いてあげるかによって、良き教師ができてきます。アメと鞭という言葉は不適切だと思いますが、一方的に厳しいことを言うだけでは駄目なのではないかと思いますので、教員のなり手が多くなるように、そこのところもよく報道してもらいたいと思います。

記者)
 規制改革会議が、教育再生会議が提言した文部科学相の教育委員会に対する是正の勧告や指示の権限について、公開討論を文部科学省にお願いしたいということですが。

大臣)
 教育再生会議は文部科学省ではなく内閣にあるわけですから、山谷首相補佐官あるいは教育再生会議の事務局と規制改革会議とでご議論をいただいたらいいのではないでしょうか。

記者)
 ただ、文部科学省としてもこれから法案を提出なさるわけですから。

大臣)
 どういう形で法案を提出するかは、国会答弁でも申し上げたように、教育再生会議が何か言ったから提出するということはありません。教育再生会議の議論を受けて、安倍総理が行政の長として私に指示されること、指示された方向を大切にしながら、今、中央教育審議会のご意見を伺っているところですから、伺っている者である私がその方向をあまり明確に打ち出したりしたら、何のための中央教育審議会かわかりません。教育再生会議は既にご意見を出しておられるわけですから、そのことについては教育再生会議とご議論なさったらいいのではないですか。

記者)
 規制改革会議は法律に基づく総理の諮問機関なので、総理が最後は自分で判断なさると仰る以上、そこまでは広く議論があってもいいというお考えですか。

大臣)
 それは広く議論をされたらいいと思います。

記者)
 そうなったら文部科学省は関係ないということですか。

大臣)
 いや、それは中央教育審議会のご意見が出てきたら、文部科学省はそれを尊重しながら、文部科学省としての立法の方向をきちんと要綱に作らなければいけません。今、私がこうだとかああだとか言い出したら、中央教育審議会に失礼でしょう。

記者)
 中央教育審議会の議論ですが、25日に日程を取られていて、その後にも予備日があるようですが、できれば25日には何らかの結論を得たいとお考えですか。

大臣)
 いや、それは分かりません。私の方であまりいついつまでと言うわけではないですが、国会日程や内閣法制局の審査などについて事務的なことをお伝えしてありますので、それを前提に中央教育審議会が賢明なご判断をなさるということではないかと思います。審議会にいちいち、諮問している大臣がああしろこうしろとか、こんな方向だとか、そんな失礼なことは言えません。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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