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平成18年12月8日大臣会見概要

平成18年12月8日
9時40分〜9時55分
文部科学省記者会見室

大臣)
 本日の閣議は文部科学省関係では特に申し上げることありません。イラクの人道復興支援特別措置法に基づく対応に関する基本計画の変更について、外務大臣臨時代理、防衛庁長官からご発言がありました。

記者)
 大臣は国会の答弁などで教育再生会議が何らかの結論を出してきた場合に、できることとできないことを判断されるということを言っていますが、仮に法律にかかわる事項が出てきた場合には、あらためて中央教育審議会に諮るという考えはありますか。

大臣)
 教育再生会議で何かこの結論を出したとか、あるいは安倍総理の総裁就任前の「美しい国」という本に何が書いてあったとかということによって教育がみんな決まってしまうような報道や質問をされたりするから、僕はあのような答弁をしました。教育再生会議は、閣議決定によって設置された、みんなで教育を考えようというアドホックな会議で、総理も官房長官も私も、そのメンバーになっています。この前の教育再生会議でも、いろいろ議論があり、従来の閣議決定や法律の枠を超えられないのかという質問が委員の中からあって、私は、法律を改正するべきこと、あるいは閣議決定を超えることでも、どんどん自由にご意見を言われてアドバイスをされたらいいと思います。ただ、議院内閣制という制度でわが国は動いていますから、その提言をまず安倍総理が100パーセントそのまま受け入れるのか、あるいは連続性や、いろいろな過去の流れの中から、やれるもの、無理なものというのは総理が当然判断をされるでしょう。私も行政権を持っている内閣の一員ですから、当然、総理としてはご相談になると思います。ただ、総理も私も、だいたい同じような考えというか、理念を共有しながらやっているわけですから、そう私と総理の間には違いはないと思います。その中で、最終的に内閣として判断をしたものについて、中央教育審議会に諮る必要があるものは諮るし、あるいは諮らなくても法改正ができるという判断があれば、それはそういうことになるのではないですか。だからケースバイケースだと思います。日本の統治システムというのは、憲法のもとで、立法府の議決を経て、行政権を掌握している内閣が動くんだという、そのそもそも論を私は話したということです。

記者)
 教育振興基本計画が教育基本法が成立した後に策定されるということですが、その中で、地方の役割で、条文上、地方公共団体という文言になっていますけども、この地方公共団体というのは、どの辺のことを文部科学省としては想定されているのでしょうか。

大臣)
 教育振興基本計画ですから、地方公共団体の一部である教育委員会でしょう。役割を分担して行うと、教育基本法に書いてあるわけですから。ただ、地方教育行政法という教育委員会に関する法令をこれから直していく可能性がありますから、どういう形になるかは、将来のことはいろいろあると思いますが、現時点においては、やはり教育委員会を持っている地方自治体という理解ではないですか。

記者)
 それは都道府県レベルではなくて市町村レベルですか。

大臣)
 都道府県レベルも当然教育委員会は持っているわけです。

記者)
 教育振興基本計画は、国の計画を作りまして、それを公表した後に、都道府県もそれに沿って作ってもらうと。さらにその市町村も作っていく。そういう多層的なイメージなのでしょうか。

大臣)
 今、市町村には教育委員会の必置義務をはずしてくれというような話もあるし、それから人事権は都道府県が持っていて、市町村に学校の設置管理権を渡しているという状態で、果たしてうまくできるのかという批判もいろいろあるわけです。だから将来どういう形で教育行政が文部科学省から学校まで降りていくかということは、この法律の成立を待って、みんなで議論をしないといけないでしょう。会期末を控えて、胸突き八丁ですね。

記者)
 国会は会期末まできてますけれども、今後の、教育基本法改正後の動きとして、学習指導要領は早ければ今年度中という話をされていますけれども、何か変更点等がありますでしょうか。

大臣)
 教育基本法改正を受けた学習指導要領の変更を今年度中に出すというのは、なかなか難しいと思います。時間的余裕がないのではないのかな。

記者)
 そうしますと、できるところを先にやって、教育基本法関連のものはまた翌年にやるということでしょうか。

大臣)
 例えば、英語教育とかいうことをいっているわけでしょう。そういうところを直すなら、直すというか。学校教育法では、「郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと」と書いてあります。英語教育とは一言も書いてないのです。例えばの話であって、それをやるという意味ではないです。教育基本法の改正を受けずに直すということになるのなら、そういうこともひとつの例ではないかという程度です。今年度中に直すということを誰かが言ったり、決まったりしているのですか。

記者)
 もともと公式見解として、学習指導要領の改訂を早ければ今年度中に行うと。

大臣)
 教育基本法が変わってきているわけで、教育基本法の改正を受けて学校教育法等も変えようと言っているわけですから、今変えてしまったら、また直さないといけないのではないでしょうか。

記者)
 学習指導要領の中で、今大臣がおっしゃったのは、どの辺を想定されて基本法関連と仰っているのでしょうか。

大臣)
 学習指導要領というのは、この旭川の判決、あるいは東京都の教育委員会が訴えられたことに対する、文部科学省のこれまでのコメントからすると、法律を構成する一部だという見解で、ずっときているわけです。教育基本法が変わるというときに、その基本法がこの国会で議決されたにもかかわらず、現在の基本法の前提で一部を変えるということは、法論理としておかしいのではないでしょうか。

記者)
 大学入学を9月という提言があって、これもそもそも安倍総理が言っていて、そのとおりすべて決まるというわけではないと思うのですが、ずっと今まで4月入学という、ある種の伝統的というのかわかんないですが、大臣自身は、その9月入学について個人的にはどのようにお考えですか。

大臣)
 皆の意見を聞いて、検討してみないといけないでしょう。9月入学というのがどういうイメージなのか、まだよくわかりません。高校は3月に終わって、9月まで奉仕活動や体験活動をして、9月に大学に入るということになると、卒業は8月になるのかとか、いろいろなことがあるわけです。国の予算制度その他は、3月、10月でできあがっています。会社もだいたい決算は割に多いですよね、歴年より3月10月、採用もそうしているし。いろんなことを考えなければいけないと思います。にわかにどれがいい、これがいいということは、単に教育の問題だけではなく、日本社会の今までの慣例みたいなものがありますから、ちょっと今言えないです。

記者)
 学習指導要領の見直しの件ですけれども、これはその改正後となると、世界史、日本史、地理等、地歴科の扱いというのは、伝統文化の尊重とかいうことになりますと、やっぱり改正の影響が出てくるというふうにお考えでしょうか。

大臣)
 どこまでどういうふうに直るのかというのは、僕は今、自分なりのイメージはありません。教育基本法を前提にして、いろいろなことを直していった中で、伝統文化を、今だって学習指導要領の中に書いてあるわけですから、それをもう少し、細やかに書くのかどうなのか、だと思います。

以上

(大臣官房総務課広報室)


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