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平成18年11月17日大臣会見概要

平成18年11月17日
9時35分〜9時53分
参議院議員食堂

大臣)
 今日の閣議では、国立大学法人熊本大学の学長のさき元達郎先生の再任について、閣議のご了承を得ました。ほかには、閣僚の海外出張が非常に多いので、代理等の指名が総理からありました。文部科学省の関係の案件は特にありません。

記者)
 教育基本法の改正案が衆議院を通過した感想を改めてお願いします。また、参議院での審議日程が随分厳しくなってくると思いますが、その辺の見通しとお考えをお聞かせください。

大臣)
 衆議院では、審議拒否採決というか、現場が混乱せずに参議院に送ることができたのは、教育に関する法律ですから、強行採決というかたちよりは良かったと思います。民主党の現場の人も、その辺を配慮されて、良識を示されたと思います。ただ、国会は衆参両院で構成されていますし、与野党の勢力分野からいっても、参議院は非常に難しい状況ですから、心して、一生懸命ご説明をしたいと思います。特に法案の問題点について、特別委員会の採決日前日に、民主党の松原仁議員、前原誠司議員、藤村修議員からの質疑がありましたが、こちらも答えて、また民主党もこちらの考えについて、お考えを述べていただく、ああいう審議をするのが、内容的には一番いいと私は思います。民主党も対案を出しておられるのですから、参議院の現場でよく話し合っていただき、お互いの法案の長所短所を取り入れて、国民のためにいい法律にすることが、議会人としての一番の見識だと思います。

記者)
 閣議終了後、随分長い時間総理とお話になられていたようですが。

大臣)
 先にお話しになられている方がいたので遅くなりました。私は3、4分お話ししておりました。安倍内閣は国会対策について、内閣としてのコアのようなものが必ずしも確立されていませんので、各法案については、担当大臣が情報を収集等をしているものですから、それを総理と共有して参議院の本会議に臨みたいと思い、状況報告をしました。

記者)
 先ほど、お互いの法案の長所と短所を話し合ってと言っておられました。それは、法案の修正があるということですか。

大臣)
 衆議院における審議の段階でも、自民党というか、与党の筆頭理事からそういうことを申し入れていると聞いています。前国会では、その協議を始めようという機運があったと聞いていますが、何故か途中で突然打ち切りになったようです。内閣の一員として私が立ち入ることではないですが、一般論として、与党がそういう態度を示されて、野党もまたそれに乗ろうと一度はされたのだとすれば、国民のためには、そうしていただいた方が良いと思いますね。

記者)
 それは今の国会ではなく、前の国会ででしょうか。

大臣)
 そうです。筆頭理事は変わっていないですから。

記者)
 別の質問ですが、去年10月に埼玉県で自殺した12歳の女の子の両親が、北本市と文部科学省を相手取って提訴するとのことですが、それに対して大臣からコメントあればお願いいたします。

大臣)
 新聞報道は見ましたが、訴状の具体的な内容は手元に来ておりませんので、どのような法令的根拠で文部科学省を訴えておられるのかを確認しないと、コメントのしようもありません。法治国家においては、現法律のもとで瑕疵がなければ訴えることはできませんから、訴状の内容をしっかり拝見したいと思います。

記者)
 閣議後に総理とお話になったときに、総理からは何か仰いましたか。

大臣)
 私から「参議院では、衆議院以上に厳しい状況になりますよ。ですから、答弁その他についても、細心の注意を払ってやりましょう」と話しました。「それはもう、心に決めて行きましょう」というお返事でした。

記者)
 先ほど、「場合によっては民主党と与党の間で修正協議ができれば、国民にとっては望ましい」というお話でしたが。

大臣)
 それはもう、現場でやってもらうことですから。我々法案提出者としては、出している法案は最優先で議決をしてもらいたいというのが当たり前のことなんです。一番良いと思って提出しているわけですから。しかし、立法府という国権の最高機関で、前の国会の時にそういうお話をしておられる事実があるので、お話が進むのなら、立法府のご意見を尊重して、国民のためにいい法律を作っていただければ、それはそれで結構なことと申し上げているのです。

記者)
 大臣としては、特にこの部分がこうなれば良いというようなご意見はありますか。

大臣)
 それは私の立場としては申し上げにくいですね。

記者)
 以前は、修正には否定的で、全く考えられないという感じだったと思いますが、それは参議院の審議が厳しいから、ということですか。

大臣)
 それは一切無関係です。衆議院における審議の段階でも、そういう話が出れば、それはそれで良かったと思います。あくまでこれは現場で検討されることですから。その時には当然法案提出者である私の意見も聞いてもらわなければ困ります。そしてその時に、現場でこうした方がいいと思うことがあれば、法案を出した後、委員会の場で色々議論されているように、国の責任をどう担保するか等、ご判断があるという気がします。

記者)
 先ほどの総理とのお話では、法案の修正について話されましたか。

大臣)
 そのような話は全くありません。参議院の現在の状況と、参議院の委員会の構成案についてお話をしておりました。まだ名簿すら出てきておりません。特別委員会の委員長は委員の互選で決まり、委員長の指名で理事が決まるので、委員会の構成ができていないわけです。

記者)
 会期の延長論がありますが、そのあたりはいかがですか。

大臣)
 それは私が云々すべきことではありません。参議院の審議の状況を見ながら、党の執行部と総理がご判断されることです。私の立場からすれば、会期内にきちんと決めていただきたい。遅れれば遅れるほど、今の諸問題に対応する各法律の整備が遅れていくわけですから。

記者)
 文部科学省が抱えるいくつかの問題について、参議院の審議ではまだ説明がされていないと思うのですが。未履修やいじめの件数の再修正等の問題について、いずれも早い段階できちんと説明されるのでしょうか。

大臣)
 説明がされていないというのは分かりませんが、どういうことを言っておられるのですか。

記者)
 例えば、民主党議員からの質問の中で、履修漏れがあった学校数について、新聞で報道されている数字の方が先行していると言われていましたが。

大臣)
 それは、「説明ができていない」ということではありません。何故こういうことが起こったか等については、きちんと説明しているつもりです。ただ、データの整備については、各学校への強制的な調査権はなく、私立学校については都道府県知事、公立については地方の教育委員会を通じて調査しているわけです。その教育委員会が、学校が報告した数字をそのまま提出してきていたのが、「違いました」というので、今こちらは困っているわけです。今年の分については、数字をまだ報告していない県が若干ありますが、来週中には数字が整うと思います。それから、過去に遡って調査をしている分については、何とか今月いっぱいを目処に作業をしたいし、その方向で地方にお願いの文章を出しています。

記者)
 先日、日本記者クラブで会見をされた時に、解決策として、センター試験を改革しようとお話しされていましたが。

大臣)
 解決策として考えられるものが色々あります。一番私がまずいと思うのは、大学入試の現状がこうだから、それにあわせて高校の学習指導要領を変えるということです。高校卒業生としての最低限の教養と学習の到達度を示しているものを、受験科目にないからやめてしまうというのは、一番悪い解決方法だと思います。今のところ、学習の到達度の認定権は、法律上、高等学校の校長先生にあります。これが全く機能しなかったことが、今回のことで分かったので、どこかで到達度を判断していかなければなりません。これは今後の問題として考えなければいけませんが、必修科目についての試験を、昔のように各大学で行ってもらうというやり方もあります。それから、大学入試センターの試験の中に、到達度をチェックする機能を入れていくというやり方。色々なやり方があると思います。ただこれを実現していくためには、少し時間がかかります。現に今、2年生や1年生も半ばまで終わっている生徒がいるので。ですから、少し、どのやり方がいいのか考えてみなければいけません。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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