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平成18年11月7日大臣会見概要

平成18年11月7日
9時24分〜9時44分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議については、文部科学省関係の案件はございません。他の閣僚からの発言も、法務大臣から犯罪白書が出たことについてのコメントがあったのみでございます。

記者)
 教育基本法ですが、衆議院のときに一般論として70〜80時間の審議で充分だということを仰っていたと思いますが、審議時間が76時間を越え、この辺りで審議は煮詰まってきたとお考えになっていらっしゃいますか。

大臣)
 あの時も「この法律」とは言わなかったと思いますが随分そのことで、「審議権を侵した」等と教育基本法に関する特別委員会で追及されましたので、少し慎重にお答えさせていただきたいと思います。特別委員会の理事のお話を伺っていると、公聴会をもう一度やるかやらないかという話に収斂してきているように思います。この程度にさせていただきたいと思います。

記者)
 昨夜公表された自殺予告の関係ですが、手紙を読まれたご感想をお聞かせください。また、ちょっと矛盾しているかもしれませんが、いたずらの可能性についてどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 率直に言って、色々な可能性があると思います。しかし、特に命に関することですので、各教育委員会や学校の教師に、隠したり放置しておいたりしてはいけないということを、連絡・指導している文部科学省としては、率先して姿勢を示さねばならないということで、昨夜事実関係を公表いたしました。私が手紙を読んでみた感じでは、漢字や字が非常にしっかりしており、担任の先生、学校の校長や教育委員会にも訴えたというくだりがあって、教育行政についての知識もこれだけしっかりあるということですから、直感的には、中学校の高学年から高等学校以上の方の書かれたものではないかという気がいたしました。

記者)
 内容を公開しないという選択肢もあったと思います。マスコミの人に見せてほしいというくだりがあったということですが、そのあたりはどのような判断だったのでしょうか。

大臣)
 私は理解するのが難しいと思うのですが、「水曜日までに変化がなければ土曜日に自殺をする」と書いてあります。報道機関に取り上げていただいたこともひとつの変化ですし、各教育委員会が臨場感をもって対応してくれればそれも変化だと思います。もちろん手紙を公表しないやり方もあると思いますが、もしこれが真実で、土曜日に自殺をしたということがあったら、まったく逆のご質問が出てくるのではないでしょうか。現象が出てから、あるいは当事者でない立場からはどちらの批判もできると思います。両方の批判を常に受けながら、行政というのは進んでいるわけです。

記者)
 今の段階で、教育委員会あるいは学校から、なんらかの反応はあったのでしょうか。

大臣)
 昨日、消印に「豊」という字があると報告があったので、「豊」という字のついている都市、集配局をすぐ調べさせました。そうしたら昨日初等中等教育局長からご報告したように、それだけの集配局があるということが、郵政公社から聞いて分かったので、その集配局のある都道府県の教育委員会に連絡をさせました。なにぶん連絡したのが昨日の夜ですから、今朝から連絡が来ると思います。「豊」の下の字がまったく読めないのですが、複数の専門家に専門的な調査を依頼した結果、「島」ではないか、「豊島」の可能性が非常に高いと言っておられます。ですから、特に東京都の教育委員会にはもう一度重点的に、可能性について念を押しておきたいと思います。

記者)
 改めてこの差出人に呼びかける言葉はありますでしょうか。

大臣)
 ご自分で名前を書いておられないので差出人はわかりませんが、文章の中には「担任の先生に訴えた」、「学校長や教育委員会にも申し出たにもかかわらず」というくだりがありますから、少なくとも教育委員会と学校にはすべて連絡が行っているので思い当たる先生がいれば、必ず反応があると思います。

記者)
 最終的に大臣が公表を決断された時間は、大体何時頃だったのですか。

大臣)
 昨日教育基本法に関する特別委員会から帰ってきて、そういう手紙が来ていることを聞きました。ただ、文部科学省としては、何もしないまま公表してはいけない、「豊」という字が付いているのなら、その集配局はどこか、という話をしました。一般の人を大騒ぎさせてはいけないので、まず、「豊」という字を手がかりにしてどの集配局から出されたものかを調べさせました。もちろん、批判する立場から、「自分の住んでいるところ以外へ行って投函したのでは」と言い出せば、きりがありません。しかし、大体自分の住んでいる地域から手紙を出すのが普通だとすれば、まず消印に「豊」の字のついている市町村の集配局はいくつあるのか、郵政公社に聞けばすぐわかるのではないかと思い、調べました。それから、できれば範囲を絞って調べたかったので、さらに「豊」の後の字を特定できないかということをいくつかの機関に伺いました。それが大体揃ってきたので現状を公表した方がいいのではないかと判断しました。マスコミにも公表してくださいということを、普通遺書に書くものかどうかということも若干迷いましたが、しかし、もしこれが真実であれば、批判を受けますから。隠したり、来たものを手元に留めておいたりして自分を繕うという事例は沢山あり、そういう事例について、困ると言っている文部科学省が公にせずに放置しておいたということでは、これが本当であったときに大変な批判をされるでしょうね。

記者)
 今後同じような手紙が来る可能性があると思いますが、その場合にも基本的には全て公表していくということでしょうか。

大臣)
 自分の名前がきちんと書いてある場合は公表する必要はありませんし、手紙の内容によると思います。

記者)
 消印が11月4日で豊島区だとすると、7日に届くというのは若干時間がかかりすぎているように思いますが。

大臣)
 普通だと翌日に届くと思いますが、よくわかりません。ただ、連休でしたからね。

記者)
 警察には何らかのご相談をされたのでしょうか。

大臣)
 私も国家公安委員長をしていた経験からすると、警察というものは、犯罪行為でないとなかなか対応が難しいですね。本来あらゆることについての相談を交番などで受けて親切に対応すべきだというのが当然のことですが、全てに対応することによって、本来の犯罪の暴発に対して手抜かりになるということを非常に気にする役所ですから、少し結果を見てからと考えています。

記者)
 安倍総理には昨日の段階で既に報告されていたのでしょうか。

大臣)
 こういう手紙が来ましたが、社会部的感覚からいうと関心のあることだと思いますが、色々な可能性があることなので、文部科学省で責任をもって処理しますと申し上げました。総理からは、どうぞよろしくお願いしますとのことでした。

記者)
 今仰った総理とのやりとりは、今日の閣議後のお話ですか。

大臣)
 閣議後の立ち話のようなものです。大体のことは昨日塩崎官房長官に話しておきました。

記者)
 昨日の銭谷初等中等教育局長の言葉に重なるかもしれませんが、差出人に対して、大臣からメッセージというか、呼びかけをしていただけますか。

大臣)
 「命というのはひとつしかないものだし、自分の命だけではなく、君が生まれたときは、お父さんとお母さんは、君の命を腕の中に抱き取ってくれたわけだから、いろいろ言いにくいこともあると思うけれども、誰かに必ず君の気持ちを正確に伝えてください。学校の先生が何もしないということがあるのなら、文部科学省がマスコミの皆さんにご協力をいただいてこれだけのことをしているのだから、世の中は君を放っているわけじゃないことを理解してほしい」ということです。

記者)
 今朝の自殺総合対策会議では、大臣からのご発言はあったのでしょうか。

大臣)
 特段このことについての話はしていません。児童生徒の自殺というのは、全体の3万いくらの数から見れば少ないかもしれませんが、精神的にも肉体的にも発育途上の問題ですので、文部科学省としては、将来のある子どもたちの命を大切にしていくので、数が少なくても、いじめによる児童生徒の自殺の問題にも関心を十分払ってもらいたいということを言っておきました。

記者)
 青森県八戸市での教育改革タウンミーティングにおいて、質問をやらせたという話がありましたが、今の時点でどうお考えになっておられますか。

大臣)
 やらせたというのかどうなのか、これは内閣府によく聞いてみないとわかりません。私の聞いている範囲では、最初どのような質問をされるのか、内閣府の方で事前に質問を集めたようです。しかし、教育基本法に関する質問がほとんど入っていなかったということです。教育基本法の改正に関するタウンミーティングなので、例えば、もう少し教育基本法に関する質問を入れてもらえないか、ということを示唆したというふうに私は聞いております。

(了)

(大臣官房総務課広報室)

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