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平成18年6月30日大臣会見概要

平成18年6月30日
11時13分〜11時25分
文部科学省記者会見室

大臣)
 本日の閣議におきましては、私のから、6月21日から29日までの間、ユネスコ無形文化遺産保護条約第1回締約国総会及びOECD教育大臣会合への出席並びに、FIFAワールドカップドイツ大会の視察などのために、ドイツ、フランス及びギリシャを訪問して参りましたことを報告させていただきました。
 フランスでは、本年4月に発効したユネスコ無形文化遺産保護条約の第1回締約国総会に出席させていただきました。我が国は、今回の会議で本条約の政府間委員会の委員国の選挙に立候補しております。それに関して、私は総会の冒頭で演説を行いました。我が国が有する無形文化遺産保護に関する経験と知見を生かして、条約参加国と協調して、今後とも世界に貢献することを表明し、またその選挙に関する理解を求めたところでございます。結果として総会の中で我が国は選挙で選出され、委員国となりました。
 またギリシャにおきましては、OECD教育大臣会合に出席いたしまして、今回の主要議題であります高等教育について、全体会合のリードスピーカーとして、英語でパソコンのプレゼンテーションソフトを使いまして、プレゼンテーションを行いました。各参加大臣からは、日本が提案した問題は各国共通の高等教育の問題であるとのことで、高等教育の多様化、および財源の問題等について非常に共感を得る意見が出ました。会合は約30名の教育大臣が参加をしており、またそれ以外のユネスコその他の教育関係者、各国の大臣代理等が出席しておりました。大変活発な会議でございまして、会合の成果は今後我が国の高等教育政策に生かして参りたいと存じます。
 またドイツでは、FIFAワールドカップの日本対ブラジル戦の応援を行いました。財団法人日本サッカー協会の名誉総裁でいらっしゃる高円宮妃久子殿下、川淵キャプテン等、皆さんとともに応援して参りました。国民の皆さんと一緒になって応援したつもりでございますが、残念な結果でございました。今後一層の奮起を期待したいと思います。
 このほかフランスにおきまして、国際熱核融合実験炉(ITER(イーター))の建設予定地を視察いたしまして、フランス原子力庁カダラッシュ研究所関係者およびITER(イーター)参加国関係者と懇談を行い、また池田ITER(イーター)機構長予定者を激励し、各国の皆さんに支えていただくようにお願いもしてきたところでございます。さらにその他訪問国における当省の関係機関を視察して参りました。以上の報告を閣議でさせていただきました。

記者)
 早稲田大学の松本教授の研究費不正受給について、論文の捏造の疑いが指摘されており、関連の研究に対して国等から8億円を超す研究費が出されているということですが、このことについて現時点で対応等についてお考えがありましたらお聞かせください。

大臣)
 早稲田大学の松本教授によります研究費の不正受給問題につきましては、早稲田大学からの報告を受けておりますが、引き続きまだ調査を行っているということでございます。早稲田大学による詳細な調査結果が出ましたところで、私どもとしては、研究費の返還を求める等の適切な対応を行ってまいりたいと考えております。また、論文のデータ捏造について報道されていますが、この問題につきましては、日本化学会が調査を行うということを表明されておられます。データの捏造かどうかという問題については、専門的な知見を元に実験等を行うなど、必要な期間を要する調査だと思います。日本化学会の調査をしっかり見守らせていただき、その報告に基づいて適切な対応をして参りたいと考えております。

記者)
 松本教授に対して、国の研究費の応募資格を5年間停止する処分をするという情報も出ていますが、現時点でこのことについてお考えがありましたらお願いします。

大臣)
 国民感情からすれば、研究費を私的流用するような研究者に対しては、今後一切研究費の交付等をしないでほしいというのが基本的な感情だと思います。私どもの制度では不正経理を行った場合の応募資格停止は最長5年ということになります。今後、詳細な報告に基づいて私どもとして返還請求する等の対応を全て行った後に、停止の期間を決定するわけでございますので、現時点でどのくらいの期間ということは申し上げられないわけでございますが、最長期間が5年であるということは事実でございます。また、世論による影響や社会的な制裁も受けるわけでございます。そういった中で、国民の皆さんの世論に従って、ひとつの流れの中で、対応がなされることになってくると思います。すなわち、そういった世論を踏まえた上での適切な対応をしていきたいということです。

記者)
 基本的に応募資格を停止するという方針は決めたということですか。

大臣)
 不正受給をされたような場合には、必ず資格停止することになっております。したがってそういった対応になるだろうと思います。

記者)
 今回のケースはかなり悪質なものですから、最長の5年になる可能性は高いということですか。

大臣)
 基本的に競争的資金への応募は研究機関を通じて申請することになっていますから、例えば大学の教授を辞められた場合には、申請する窓口すら今後はなくなってくるという状況になるだろうと思います。
 いずれにいたしましても、研究費の不正受給等が行われるということ、また論文の疑惑が持たれることはやはり日本国内のみならず、国際的な学会における信頼の問題にも関わりますので、私どもとしても、慎重に適正化を図っていかなければならない。再発の防止に向けて、私どもの省内の態勢も含めて、しっかりとやって参りたいと考えております。

記者)
 早稲田大学の在り方についてですが、問題が浮上して調査委員会が設置されていたにもかかわらず、事実関係がはっきりしないという態度を取り、文部科学省に対しても報告をしていなかったとのことです。先ほど大臣は国民感情とおっしゃいましたが、文部科学省に対する報告もなく、国から巨額の研究費の補助を受ける大学として調査委員会が発足した時点で国民に対して公表することもなかったわけですが、こうした態度についてどのように思われますか。

大臣)
 調査というのは、ひとつの結論が出てから発表するということだと思います。私どもの調査は別ですが、それぞれの学内の調査とは、その学校がどういう調査体制をとるかということを決めるわけです。私どもはその結果報告を受けて、その調査の仕方も含めて全体的に評価をさせていただくわけでございます。ですから報告をきちんと受けないうちには、その調査のやり方について、私どもは申し述べる立場にはないと思っております。

記者)
 今日、早稲田大学では総長選があるのですが、こうした混乱を招いている中で、総長選が行われ、投票の結果が明らかになります。こうした状況の中でさえ、今日、記者会見を設けられる予定がないという早稲田大学の体質について、疑問を持っておりますが、大臣はどう思われますか。

大臣)
 それはマスコミの皆さんと大学との間の取り組みの話でございますから、この場でのコメントは控えさせていただきます。

記者)
 ワールドカップで日本は敗退しましたが、オリンピックの場合はメダルの目標などを掲げられていると思います。今回の惨敗を受けて、ワールドカップに向けて何か対策を打ち出していくお考えはありますか。

大臣)
 対策は日本サッカー協会の方で考えていただく話でございますので、その中で私どもに何か要請があれば対応して参りたいと考えております。

−了−


(大臣官房総務課広報室)

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