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平成18年1月17日大臣会見概要

平成18年1月17日
11時13分〜11時30分
文部科学省記者会見室

◎一般案件
平成18年度税制改正の要綱について(決定)
(財務省)

マウライ国特命全権大使ルーズベルト・ラストン・ゴンドゥエ外1名の接受のついて(決定)
(外務省)

◎政令
郵政民営化法第187条第1項の規定により日本郵政株式会社の設立委員がする準備行為に関する政令及び国家公務員退職手当法施行令の一部を改正する政令(決定)
(内閣官房・金融庁・財務省)

◎人事

大臣)
 本日の閣議について、特に私からの発言はございません。また閣議後の閣僚懇談会におきまして、各省において豪雪地帯の視察等をしていただいておりますので、そのことに関連いたしまして、各省のご努力に感謝申し上げるとともに、豪雪地帯の意見の一つを申し上げました。豪雪というのは降った時だけではなくて、それを除雪する上での大きな負担、そして、このように大量に降りますと、今から考えなければいけないのは、残雪の被害ということでございます。農地等における農産物被害というものをはじめとして、残雪災害が起こります。また融雪の時期になりますと、今度はこの融雪による傾斜地の災害というものが起こります。こういった豪雪特有の災害について、ご理解をいただけるように発言をいたしました。また、気象庁の公式の計測地での積雪は、例えば長野県飯山市で言えば2メートル70センチ、栄村では3メートル90センチというような数字になりますけれども、人家がかなりございます飯山市の羽広山という地域は、現在時点でもうすでに4メートル70センチを越しております。こういった降雪の経年変化を観測するポストの計測地と、実際に市町村が参考にしている人家のある計測地との間には大きな乖離がございます。これについて国土交通大臣や気象庁等のご理解を得るようにお願いをしますと同時に、総務大臣には、交付税等の交付等を行う際の検討事項として、そういった豪雪地帯特有の状況についてのご理解をいただくようお願いをいたしました。

 また、閣議後に第10回若者自立・挑戦戦略会議が開催されました。この会議におきましては、平成18年度の関係府省の取組をとりまとめたほか、若者自立・挑戦のためのアクションプランの改訂版のとりまとめを行いました。私からは同プランの改訂版に盛り込んだ、文部科学省における平成18年度の取組につきまして、各学校段階を通じてしっかりとした勤労観、職業観を身に付けた若者を育成するための体系的なキャリア教育、職業教育等を引き続き進めるとともに、新たに、ニート等に対する学び直しの機会の提供、取組などについて説明を申し上げたところでございます。今後とも関係府省や産業界等との連携を一層強化いたしまして、人材育成、若者の雇用対策について取り組んでまいりたいと存じます。

 また本日は特に私のほうから「教育改革のための重点行動計画」を発表いたします。昨年の10月に中央教育審議会の答申、また、11月30日の政府・与党合意を踏まえまして、私が10月31日に就任以来、今後の教育改革の進め方について検討してまいりました。その中で、「国際社会の中で活躍できる心豊かでたくましい人づくり」を目指して、「どの子に対しても豊かな教育を」与えられるようにすることを理念といたしまして、今後とも重点的に取り組むべき関連施策を重点行動計画としてとりまとめたものでございます。就任以来、いろいろな視察をしたり、またいろいろな関係者のご意見を賜ってきたことを元にいたしまして、具体的な取組のスケジュールと、そしてこの政策的な法案の提出、制度的な改正等、これを全体的に見た上での事業の推進を図っていく基礎にしたいと思っております。まず、「活力ある人材を育てるための教育の充実」について説明させていただきたいと思います。1点目として、学習指導要領の見直しなどを通じ、子どもたちの学ぶ意欲や好奇心を育成し、確かな学力の向上を図っていきたいと思います。また、近年、大きな問題となっております、いわゆる「キレる」言動など、子どもの情動面や心の問題に対応するための方策の検討を科学的な知見も受けた上で具体的な対策等を検討してまいります。また学校・家庭・関係機関の連携による不登校への対応など、豊かな心の育成というものを2点目にあげております。3点目に子どもたちの体力の向上や食育の推進など、健やかな体の育成といった点をあげております。また4点目には、キャリア教育やニート等を対象とした学び直しの機会の提供など自立し挑戦する若者の育成、この4点に重点をおいて取り組んでまいりたいと存じます。次に「充実した教育を支える環境の整備」について、説明をさせていただきます。安全・安心な学校・地域づくり、ICT(Information and Communication Technology)利活用による教育・学習の推進、教育費負担のあり方の検討の3点に重点的に取り組みたいと考えております。安全・安心な学校・地域づくりについては、学校や通学路において大変痛ましい事件が続発したことを重く受け止めまして、「子ども安心プロジェクト」を推進し、安全・安心の確保に全力を尽くしてまいりたいと考えております。またICTの利活用による教育・学習の推進につきましては、世界最高水準のICT国家を支える人づくりという観点から、学校におけるICT、情報通信環境の整備等を加速化させるために、地方公共団体に働きかけるほか、本年3月を教育の情報化月間といたしまして、ICT利活用促進キャンペーン等を実施してまいりたいと考えております。この点につきましては、先日の英国におきます「学校における情報通信技術及びeラーニングに関する教育大臣世界セミナー」や「英国教育技術展」の視察を通じまして、最新鋭の機器に対する認識を深め、また英国における教育現場のICTの利活用の状況等も見てまいりました。そういった点から日本全体の情報通信環境としては先端的な環境が整備されてまいりましたけれども、教育現場における利活用という点については、まだまだ取り組まなければならないという認識がございます。また、当初のe−Japan戦略で取り組んでまいりました教育環境の部分で遅れをとっておりますので、総務大臣とも十分打ち合わせをする中で、加速化するプログラムを組んでまいりたいと考えております。更に教育負担のあり方の検討につきましては、少子化対策の観点を含め、就学前から社会人になるまでの各段階における教育費負担の実態を、社会全体の状況等を踏まえて詳細に把握いたしまして、課題を明らかにした上で、その対策について検討を進めてまいりたいと考えております。更に家庭・地域の教育力の向上につきましては、子どもの基本的生活習慣の育成支援を行うため、PTA等民間団体と連携して、「早寝早起き朝ごはん」運動を全国展開をするとともに、地域における子どもの居場所づくり等をさらに推進していくことといたしております。子ども居場所づくり等では、集団登下校等の環境の整備など安全・安心な環境づくりに配慮してまいりたいと思っております。なおこれらの具体的な取組とあわせまして、「公共の精神」や「生涯学習」など、新しい時代の教育理念の明確化と、その実現に向けた施策の体系化をはかるため、教育基本法の改正と教育振興基本計画の策定に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。本重点行動計画の概要は以上でございますけども、教育改革は地方公共団体、学校、教育関係団体をはじめとする関係者の皆様方や、国民の皆様方のご理解ご協力が不可欠でございます。改革の趣旨をご理解頂きました上で、ご協力を賜りますように切にお願い申し上げる次第でございます。

記者)
 今、発表されました重点行動計画ですけれども、今回は1月半ばの発表ということで、この時期に出された意味というのがあればお聞かせください。

大臣)
 私が就任して3ヶ月、そして新たな年を迎えたということが一つです。そして昨年10月の中央教育審議会答申において、義務教育の構造改革の方向性についてご提言をいただきました。また、11月30日には三位一体改革についての政府・与党の合意がなされました。今回の行動計画はこれらの状況を踏まえた上で、関連する制度改正に係る法案や、平成18年度予算案をご審議いただく通常国会開会前のこの時期に、義務教育の構造改革をはじめとした、今後特に重点的に取り組むべき関連施策について取りまとめたものでありまして、具体的なスケジュールについても、この機会にとりまとめをしたところでございます。また、都道府県・市町村教育委員会や各学校が、新年度の各種計画を立案する際に参考にしていただけるように、この時期にさせていただいたところでございます。また、本日の午後に全国都道府県教育委員会連合会の総会がございます。私から本計画についてスピーチを行うほか、関係の各種会議においても、今後説明を行ってまいる予定でございます。

記者)
 明後日19日のH−ツーAロケットの打上げの延期がないということで打ち上げられるということですけれども、文部科学大臣として期待される点があればお聞かせください。

大臣)
 天候が概ね良いのではないかということですが、打上げの環境が整うことをまず第一に期待をしております。宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))が、19日に我が国の基幹ロケットでありますH−ツーAロケットの第8号機によりまして、略号ALOS(エイロス)という陸域観測技術衛星を打ち上げる予定です。陸域観測を行うことから、「だいち」という愛称を持っております。この「だいち」におきましては、地図の作成、災害状況の把握といった重要な役割を担う衛星でございますし、国民の期待も大きいと考えておりまして、現在、JAXA(ジャクサ)において、打上げに万全を期すべく、入念に最終段階の準備に当たっていると聞いております。私といたしましては、国民の皆様の期待に応えられるように、打上げが成功すること、そして観測等の機器が正常に作動するということを期待しているところでございます。

記者)
 重点行動計画の件ですが、主な政策等が記載されておりますけれども、教育基本法の改正や教育振興基本計画の策定に、どのように結びつけていきたいと考えていらっしゃるのかお聞かせください。

大臣)
 これは、一つの総合的な行動計画をとりまとめたものでございます。これに教育基本法についての与党における議論や中教審答申等を重ね合わせて、そして環境が整い次第、改正法案の提出に向けていくという関係になっていると思います。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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