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平成16年9月24日大臣会見の概要

平成16年9月24日
11時12分〜11時34分
文部科学省記者会見室

◎一般案件

平成12年三宅島噴火による東京都三宅村の区域に係る災害により被害を受けた中小企業者等及び医療関係施設の開設者に対する災害融資に関する特別措置の適用期間の延長について(決定)
(財務・厚生労働・経済産業省)
環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針について(決定)
(環境・文部科学省)
フィンランド共和国大統領タルヤ・カーリナ・ハネロン閣下及び同夫君の公式実務訪問賓客待遇について(了解)
(外務省)
2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会の日本開催について(了解)
(厚生労働省)
スロベニア国及びボスニア・ヘルツェゴビナ国駐箚特命全権大使梅津至外2名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使橋本宏外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(外務省)
恩赦について(決定)
(内閣官房)


◎国会提出案件

平成15年度公正取引委員会年次報告書の国会送付について(決定)
(公正取引委員会)


◎政令

内閣官房組織令の一部を改正する政令(決定)
(内閣官房)
構造改革特別区域法施行令の一部を改正する政令(決定)
(同上)
関税割当制度に関する政令の一部を改正する政令(決定)
(財務・農林水産・経済産業省)
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定)
(財務省)
国家公務員共済組合法施行令等の一部を改正する政令(決定)
(同上)
地方公務員等共済組合法施行令等の一部を改正する政令(決定)
(総務省・警察庁・文部科学省)
私立学校教職員共済法施行令等の一部を改正する政令(決定)
(文部科学省)
国民年金法施行令等の一部を改正する政令(決定)
(厚生労働・財務省)
平成16年度の国民年金制度及び厚生年金保険制度並びに国家公務員共済組合制度の改正に伴う厚生労働省関係法令に関する経過措置に関する政令(決定)
(同上)
厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の施行に伴う存続組合が支給する特例年金給付等に関する政令の一部を改正する等の政令(決定)
(農林水産・財務省)
国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律による特例障害農林年金及び特例遺族農林年金に関する経過措置に関する政令(決定)
(同上)
独立行政法人緑資源機構法施行令の一部を改正する政令(決定)
(農林水産省)
経済産業省組織令の一部を改正する政令(決定)
(経済産業省)
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(決定)
(国土交通・環境省)
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定)
(同上)
独立行政法人奄美群島振興開発基金の設立に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(決定)
(国土交通・財務省)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
(環境省)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定)
(同上)


◎人事

大臣)
 今日の閣議では、文部科学省関係の案件として「環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針について」環境大臣から説明がありました。それから、地方公務員等共済組合法施行令等の一部を改正する政令と私立学校教職員共済法施行令等の一部を改正する政令が決定されました。

記者)
 教育基本法の改正に関する与党の協議会が開かれて、一部条件付きながら文部科学省が法案作成の作業に入ることについて正式に了承されたと聞いたんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 与党の協議会で熱心に、そして真摯に御検討をいただいて、これから文部科学省に重心を移して、政府としての考え方を整理する等、法案の準備作業に入ることが合意されたと承知しておりまして、これまでの与党協議会の取り組みに心から敬意を表したいと思います。この動きを受けまして、昨年3月の中央教育審議会の答申や与党検討会における議論を踏まえた上で、新しい時代にふさわしい教育基本法のすみやかな改正に向けて必要な作業に取り組んでまいりたいと思います。特にその中で「国を愛する心」あるいは「大切にする心」など、さらに検討を要する事項が残っておりますので、現時点ではまだ法律案としてとりまとめている段階には至っていませんけれども、内閣法制局に対しても必要に応じて相談するなどしながら、政府としての考え方の整理等、法案作成に取り組んでまいりたいと思っております。

記者)
 三位一体の改革に関連して、高等学校以下の私学助成制度が地方6団体の提案で廃止のリストに入っているということで、水曜日に私学関係の団体が緊急集会を開いて、制度の堅持を求める決議を採択しました。大臣もその集会に行かれて挨拶されたと思うんですが、高校以下の私学助成制度を廃止して地方に税源移譲をせよというこの地方6団体の提案について、大臣はどのように考えているんでしょうか。

大臣)
 この問題もですね、義務教育費国庫負担制度と似たような部分もありまして、非常に政策的な補助金です。私立学校振興助成法に基づいて、各都道府県が私学助成をするように誘導する制度でして、これによって地方公共団体間における格差というのが非常に縮小しておりますし、公財政支出の公私の格差の是正のために実施しております。高等学校においては約3割の生徒が私学に通っていますが、公立学校に比べると、私立学校に対する公財政支出は3分の1しかありません。地方公共団体の支出する教育費は、公立高校には生徒一人当たり約100万円支出されてますが、それに対して私立高校には約33万しか支出されておりません。こういう格差もあって、額は少なくても補助金というかたちでやってまいりました。これを一般財源化するということになりますと、まさに地方の財源でやるわけですが、しかし、それに見合う全額を税源移譲される都道府県というのはほとんどない状況の中で、交付税に頼ることとなります。交付税は削減する方向ですから、自治体が私学助成を削減する可能性が高くなります。これは各知事の私学助成、私学振興に対する考え方にお任せするということになるわけですが、その熱意はあるとしても財源が足りないということになった時に、私学助成を削減される心配というのがあります。そうすると次には、学費値上げという問題につながっていきます。そして、公私間の格差はさらに拡大するということになります。それから、私立学校選択の機会を失うということにもなりかねません。私学経営面から十分な給与が出せないため、教員の人材確保ができないで教育の質の低下というような問題に波及する心配というのもあります。こういったことから、文部科学省としては、引き続き国庫補助を行っていくことが必要不可欠であり、補助の充実が必要であると考えております。このように私立高等学校への国庫補助の堅持についても義務教育国庫負担制度と同様に議論しなくてはなりませんし、その他にも文部科学省関係で15ほどの事項が対象候補として提案されておりますので、一つ一つこれを精査する必要があります。閣議決定までして決めた大きな課題もあります。特に私立学校は知事が認可することになっており、各都道府県の私学助成に対する誘導措置として国庫補助を行っているわけですが、これを廃止し税源移譲した場合に、地方の財源の中でどれほどやっていただけるのか。私は地方の熱意を決して信用しないわけではありませんけれども、現実問題として予算編成の時に優先順位はどうなるのか。また、そういったことは知事の政策と密接に連動していますから、知事が交代し次の知事になった時にどこまで保障してくれるのかわからない。削減する場合もあるかもしれない。そういう心配というのは、地方から言わせたら急に変わらないとおっしゃるかもしれないけれど、その点がちょっと心配です。確かに財源が全額保障されれば裁量は大いに増すのだと思うのですが、しかし、一方で削減する裁量も増すことになります。おそらく私学団体の皆さんもその点を心配されるから、あれだけの大きな集会となって、国の私学振興に対する責任を明確にすることを強く求められたのだと思います。私学というのは大学だけではなく、小・中・高等学校もありますし、幼稚園では8割が私立です。私学振興ということをよく考えて国が教育の観点からきちんと支えていくことが大事なことだと思います。

記者)
 プロ野球の合併問題なんですけれども、新規参入を認めて従来どおりセパ6球団ずつということで、一応労使の交渉が妥結して合意にいたりストが回避されましたけれども、これについての大臣のご感想と、それと、今回この近鉄とオリックスの合併に端を発してプロ野球に対して国民の関心が集まりましたけれども、こうした一連の動きについて何かご感想があればお聞かせください。

大臣)
 やはり、プロ野球というのは、ファンあってのものだと思います。ファンの大きな後押しがあったということ、そしてストまで行きましたけれども、これ以上ファンを失望させてはいけないということ、それから、次の世代の高校野球の盛り上がりとか、野球を愛するたくさん少年の夢ということを考えていただいたのだと思います。ストを回避するために球団側も選手側も精一杯の努力をして、真摯な話し合いをされたことに心から敬意を表したいと思います。これからはプロ野球のさらなる発展のため新規参入の検討も急いでいただきたいと思います。次のシーズンに間に合わせようとすれば預かり保証金の制度やその管理の検討も急がなければなりません。社団法人日本野球機構から定款変更等の相談があった場合には、文部科学省としてもすぐに対応できるよう準備をするように事務方に指示しております。球団の新規参入については、早急に手続きをはじめて円滑に進めてもらうことを期待しています。合併の件については、経営権の問題ですから、私の方から何かを言う立場ではありません。また、選手の移籍や新しいチームについての課題もあると思います。新規の球団が参入するのだから魅力あるチームが生まれてほしいという期待もあります。今、二つの会社が手をあげられているようですが、ファンの皆さんはプロ野球振興として非常に良い方向だと思っておられる。もっともっといろんな球団が参入してプロ野球を面白くしたいという方がでてくることを期待しているのではないでしょうか。アメリカのプロ野球が隆盛しておりますが、さらに夢として日本のプロ野球だってワールドシリーズの一角だといわれたいという思いがあるんじゃないでしょうか。総理も、ニューヨークで、日本のプロ野球がもっと発展するような方針をとれないのかといった趣旨のことをいわれましたが、私もまったく同じ思いです。

記者)
 先般、天文学会において、太陽が地球の周りを回っていると考えていたり、日が西に沈むとかいうことを知らない子供が4割を占めたという発表があって話題になりましたが、大臣のご感想をお聞かせください。

大臣)
 子供の頃に地球の自転、公転といった天文学的な学習をいつしたのか定かではありませんが、天動説や地動説といったものは本を読んで知識を得たように思います。事務次官も記者会見でこの件についての見解を述べられたようですが、学習指導要領では義務教育全体の中のどの段階でどうきちんと教えていくかということを考えています。今回の調査結果は、平成14年度実施の新学習指導要領の影響とは結びつかないのではないかと思ってます。しかし、学習指導要領は、その時々の時代の要請を踏まえ不断の見直しが必要です。朝、お日様が出て夕方に沈むと、何で暗くなったりするんだという疑問を子どもたちは持つでしょうから、家庭でも地動説といったものを教えているのだと思っていましたが、今回の調査結果を見るとあまり教えていないんだと感じました。しかし、宇宙に対して関心も高まっておりますし、小学校段階で科学的な理解を深めるような指導が大事であると考えております。特に最近は理科離れなんてことも一方では言われており、理科教育の充実は大きな目標になっていますから、その在り方については学習指導要領の不断の見直しの一環として、現在、中央教育審議会教育課程部会理科専門部会でいろいろご検討いただいているところです。今後とも理科教育に関する様々なご意見を踏まえながら検討をする課題だろうと思います。

記者)
 ITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)の件なんですけれども、数日前のフランスの新聞において、場合によってはEU単独で建設を検討するというような現地の報道があったようなんですが、この件について大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 それは、公式のものではないと思います。関係6カ国が、これまで協議して積み上げてきたものを大事にしたいということは、各国の共通の認識だと思います。EUが単独でITER(イーター)を建設するということを言われたのだとしたら他の国の反発を買うことになってしまうだろうと思います。先般、IAEA(国際原子力機関)の会議に茂木科学技術担当大臣が出席された際のロシアとの会談でも、関係6カ国で取り組んでいこうということを確認してきております。韓国もアメリカも基本的には関係6カ国の合意を尊重しなければならないという認識です。

記者)
 現段階でEUがそういう考えを持っていることは、日本政府として把握されていることではないんですか。

大臣)
 早い時期にEUの関係者が、そんな話をしたということは覚えてます。それから逆に、アメリカ側から「もたもたしているのだったら、もう、日米韓で組んで建設したらどうだ」という話もありましたけれども、しかし、地球全体、人類の福祉に関わる問題だから、関係6カ国の枠組みは大事にしようというのが基本認識です。これは小泉内閣の方針でもあります。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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