ここからサイトの主なメニューです
平成15年5月13日大臣会見の概要

平成15年5月13日
9時10分〜9時28分
文部科学省記者会見室

◎一般案件
チュニジア国駐箚特命全権大使小野安昭に交付すべき信任状及び前任特命全権大使甲斐紀武の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(外務省)

◎国会提出案件
衆議院議員長妻昭(民主)提出内閣提出の個人情報保護法案における報道の定義に関する質問に対する答弁書について
(内閣官房)
衆議院議員長妻昭(民主)提出交通安全に関する質問に対する答弁書について
(警察庁)
参議院議員福島瑞穂(社民)提出在日米海軍横須賀基地における米海軍原子力空母の母港化計画と日米合同委員会に関する質問に対する答弁書について
(外務省)

◎公布(法律)
港湾法等の一部を改正する法律(決定)
空港整備法の一部を改正する法律(決定)
独立行政法人環境再生保全機構法(決定)
日本環境安全事業株式会社法(決定)

◎法律案
著作権法の一部を改正する法律案(決定)
(文部科学省)

◎政令
経済産業省独立行政法人評価委員会令の一部を改正する政令(決定)
(経済産業省)
消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令(決定)
(同上)
港湾法施行令及び都市再生特別措置法施行令の一部を改正する政令(決定)
(国土交通・財務省)
空港整備法施行令の一部を改正する政令(決定)
(同上)

◎人事

大臣)
 今日の閣議では、我が省関係では著作権法の一部を改正する法律案が決定されました。また、私から、先般打上げが成功しましたM−V(ミューファイブ)ロケット5号機による第20号科学衛星「はやぶさ」(MUSES−C)(ミューゼスシー)の件について「我が省所管の宇宙科学研究所は予定どおり午後1時29分、M-Vロケット5号機により、第20号科学衛星『はやぶさ』(MUSES−C)を打ち上げた。同ロケットは、所定の飛行計画に従って順調に飛行し、『はやぶさ』を所定の軌道に投入した。『はやぶさ』は、地球と火星の間にある小惑星まで飛行し、表面の物質を採取して、約4年後に地球に帰還するという世界初の試みを行う衛星であり、太陽系誕生の謎の解明につながる科学的成果が国際的にも期待されている。本年度は、科学衛星については、M−Vロケット6号機による赤外線天文衛星の打上げが控えており、今後とも宇宙科学研究において、国際的に主導的な地位を確保できるよう努めるとともに、H−2A(エイチツーエー)ロケットについても引き続き確実な打上げを行っていきたい。」旨発言しました。中小型衛星を打ち上げるM-Vロケット、大型の衛星を打ち上げるH−2Aロケット、それぞれの打上げの成功は、我が国の高い技術力を表すものです。総理も大変興味を示され、「『はやぶさ』は小惑星からどのように物質を採取するのか。月よりもっと遠いところに飛んでいくんだろうね。」とおっしゃるので、「月は地球の周りを回ってますが、『はやぶさ』が対象とする小惑星は太陽の周りを回っています。」とお答えしました。また総理が一番関心を持たれた「これは他の国でやってないのか。」との御質問に対しまして、私から「真に日本人が独創的な発想で行っているユニークな計画です。」と説明いたしますと、総理は感銘を受けておられた御様子でした。また、私から「日本のエックス線天文学は非常に優れており、世界をリードしている研究分野です。」という説明もいたしました。総理は「ぜひ日本の子どもたちにもPRしてほしい。」とおっしゃいました。私としても大いにPRしたいと思います。そうした一連の話題を振り返ってみると、日本人が持つ独創性、それを実現する科学技術力によって、ロケット、科学衛星などのしっかりしたミッションを実行していくことは、大変な誇りであると思います。
 扇国土交通大臣から、「北朝鮮の工作船を、船の科学館で5月31日から9月30日まで公開する。子どもたちを含め、多くの皆様方に、この船が日本の周辺をどのように徘徊していたかという実情を知ってほしい。」旨の御発言がありました。

記者)
 昨日、学力調査の詳細な分析結果が発表されましたが、これを受けての大臣のご感想と、文部科学省としての今後の対応をお聞かせ願いたいのですが。

大臣)
 今回の教科別報告書では、教育課程の実施状況について指導上の改善点を明らかにするために、各教科別に結果分析委員会を設けて詳細な分析を行いました。この調査は、新学習指導要領実施前に行ったものですので、新学習指導要領ではなく、旧学習指導要領の目標内容に照らした学習状況の分析です。設定通過率との比較で見ますと、ほとんどの教科・学年においてこれを上回る、または同程度と考えられるものが半数以上を占めているものの、児童生徒がつまずきがちな点や誤りやすい点など、様々な指導上の改善を要する点も明らかになりました。ここで指摘された指導上の改善点は、新学習指導要領の下でも留意すべきものであると思っています。我が省としては、来年1、2月に、新学習指導要領の下での学力調査を実施することとしており、その結果等も踏まえて、学習指導要領の在り方について不断の見直しを行ってまいりたいと思っています。中央教育審議会におきまして、教育課程部会の下に教科別専門部会を設置し、新学習指導要領のねらいをよりよく実現するための指導上の工夫改善などについて審議していただくこととしております。

記者)
 昨日、与党3党の教育基本法に関する協議会の初会合が行われ、昨日の段階ではまだ平行線で終わったということですが、これを受けての大臣のご感想と、文部科学省としての教育基本法への取組はどうでしょうか。

大臣)
 昨日の午後、「与党教育基本法に関する協議会」が初めて開催されたと聞いております。与党内の協議の枠組みができ、教育基本法の見直しに向けた本格的な取組が始まったということで、国民の関心をより高めることにもつながると思いますし、大変ありがたいと思っています。我が省としては、今月の17日から全国5カ所において開催される「教育改革フォーラム」等を通じ、教育基本法の改正に対する国民的議論を深めながら、今後の与党協議にしっかり対応してまいりたいと思います。

記者)
 学力調査の関係で、今回の結果は指導の改善の参考にして欲しいといったようなことだと思いますが、今回問題となった点は、今の学習指導要領等の下で現場で改善すれば何とかなるものなのか、それとも抜本的に考えなければいけないという問題としてとらえるべきなのか、どうお考えですか。

大臣)
 「教科別専門部会」で、新学習指導要領のねらいをよりよく実現するための指導の工夫改善についてご審議いただきます。今回の調査結果は、その議論の参考に供するということです。今回の結果は、例えば、国語についていえば、設定通過率との比較では上回る、または同程度と考えられるものが半数以上でありますが、相手や目的などに応じて自分の考えを明確にして構成しながら文章を書く力を育成することが必要である等の改善点が明らかになりました。「自分の考えをまとめ表現する力」は、各教科の基本にもなるものだと思います。今回、指導上の改善点として明らかになったものは、今後とも参考になるものだと思っていますし、それをしっかりやっていくため必要ならば、補充授業等も行ってもらいたいと思います。

記者)
 昨日福岡でひどい事件があったようですが、通学途中ということもあり、安全について非常に問題だと思うのですけれども。

大臣)
 小学生が通学の途上で、見知らぬ人から液体をかけられて火をつけられ大火傷を負うというようなことは、私は本当に憤りを感じますし、許せません。そのようなことをする大人の存在というものを許す社会であってはならないと思います。今、子どもたちがいろいろと問題を起こすということで、社会的に学校教育の問題、家庭教育の問題というように言われておりますが、大人自身が、倫理観、社会的なモラルという面で問題となる態度をあまりにも見せ続けすぎているのではないかと思います。特に、弱い立場の幼い子どもたちの命に関わるような悲惨な事件を起こしたり、その存在を許す社会であってはならないと思います。是非とも総力を挙げて、そのようなことをした人を早期に捕まえて、しっかりと対応策を考えてもらいたいと思います。学校としては、登下校に際してできるだけ安全が保たれるような対策は今までも行ってきていると思いますが、さらに気を引き締めて徹底して欲しいと思います。また、今日は近所の方が、駆け込んできた子どもにしっかりと対応してくれました。良識ある大人もたくさんいらしゃるという意味で少しほっとしたという気持ちもあります。地域の教育力をしっかり高めて、地域全体で子どもを守っていくという姿勢、子どもが駆け込んできたらいつでも大人がしっかりと受けとめていく、そういう社会であってほしいものです。そして、何よりもあのような犯罪を犯す大人を許さない社会でありたいと思います。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ