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平成15年4月25日大臣会見の概要

平成15年4月25日
9時45分〜10時3分
文部科学省記者会見室

◎一般案件
第46回米州開発銀行(IDB)年次総会・第20回米州投資公社(IIC)年次総会の日本開催について(了解)
(財務省)
パキスタン国特命全権大使カムラン・ニアズ外1名の接受について(決定)
(外務省)
クロアチア国駐箚特命全権大使池田要外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使今西正次郎外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(同上)

◎国会提出案件
イラク難民救援国際平和協力業務の実施の結果を国会に報告することについて(決定)
(内閣府本府・防衛庁・外務省)
1. 平成10年度決算に関する衆議院の議決について講じた措置
1 平成11年度決算に関する衆議院の議決について講じた措置
1. 平成12年度決算に関する衆議院の議決について講じた措置
 
について(決定)
 
 
財務省・内閣官房・防衛庁・総務・
 外務・農林水産・国土交通省
 
1. 平成14年度水産の動向に関する年次報告
1. 平成15年度において講じようとする中小企業施策
 
について(決定)
 
(経済産業省)
衆議院議員長妻昭(民主)提出報道の自由に関する質問に対する答弁書について
(内閣官房)
衆議院議員保坂展人(社民)提出刑務官による受刑者暴行死傷事件に関する質問に対する答弁書について
(法務省)
参議院議員大脇雅子(社民)提出「難病対策見直し」に関する質問に対する答弁書について
(厚生労働省)

◎公布(法律)
酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律(決定)
防衛庁設置法等の一部を改正する法律(決定)
酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法(決定)

◎法律案
地方独立行政法人法案(決定)
(総務・文部科学省)
地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(決定)
(同上)


◎政令
障害者の雇用の促進等に関する法律施行令の一部を改正する政令
(厚生労働省)

◎人事

◎報告
平成14年度に締結された文化無償協力に係る取極について
(外務省)

◎配付
労働力調査報告
(総務省)
消費者物価指数
(同上)
家計調査報告
(同上)

大臣)
 本日の閣議では、「地方独立行政法人法案」が閣議決定されましたが、この中には公立大学の法人化に関する内容が含まれております。片山総務大臣から、「労働力調査報告」、「消費者物価指数」及び「家計調査報告」に関して、3月の完全失業率は季節調整値で前月比0.2ポイント上昇の5.4パーセント、また就業者数は前年同月比31万人減の6,266万人となった等の御発言がありました。坂口厚生労働大臣から、平成15年3月の有効求人倍率は季節調整値で0.60倍と前月の0.61倍を0.01ポイント下回った等の御発言がありました。
 川口外務大臣から、イラクの文化遺産の修復・保存に関して、国連教育科学文化機関(ユネスコ)文化遺産保存日本信託基金に対し100万ドルの緊急無償資金を行うこととした等の御発言がありました。これに関して閣僚懇談会で私から、「我が国の人材や経験を生かし、積極的に貢献してまいりたい」旨を発言いたしました。私は明日から海外出張しますが、パリでユネスコの松浦事務局長と会い、日本が持っている知識や経験を生かして協力、貢献できる事柄について、いろいろと議論をしたいと思っております。
 また、閣議前に、「若年者を中心とする人材対策強化へ向けた関係閣僚による会合」の初会合がございました。若年者を中心として、失業者やフリーターの増大などが深刻化しておりますので、そのような問題について関係閣僚で対策を検討するための会合で、平沼経済産業大臣が提案され、私も賛同し、文部科学大臣、坂口厚生労働大臣、平沼経済産業大臣、竹中経済財政政策担当大臣の4閣僚による会合を開催することとしたものです。若年者を中心とする人材対策について、関係省庁が連携して取り組むということで合意をいたしました。これまで我が省は、主として厚生労働省とは緊密に協力して取り組んできましたが、経済産業省等とも連携しながら進めないと解決できない問題でもございますので、今回の新たな関係閣僚による会議は、大変実のあるものであると思っております。

記者)
 イラク復興支援のためのプロジェクトチームの設置という御案内をいただきましたし、大臣は閣僚懇談会において人材・経験を生かした貢献をと発言され、また、昨日、国士舘大学の藤井秀夫名誉教授を文化庁の調査員に任命されたということもありました。今後、具体的なイラク復興支援はどのようなものとなるのかお伺いしたいのですが。

大臣)
 このことに関しては、文化財や教育といった分野を中心に様々な支援方策が考えられるわけですが、イラク復興支援の取組を具体的に検討するため、本日付で河村副大臣を本部長とする「イラク復興支援のためのプロジェクトチーム」を設置いたしました。今日第1回目の会議が開催されます。文化財に関しては、我が国が単独で行うというよりは、ユネスコと連携を取って進めた方が良いと思いますので、この度、パリでユネスコの松浦事務局長やユネスコ日本代表部の佐藤大使と会い、例えば、ユネスコが行う盗難文化財のデータベース作成への協力、専門家会合の開催など、日本の力が発揮できるようなプログラムについて相談したいと思っています。

記者)
 小泉内閣が発足して2周年となりますが、大臣のこの2年間に対する御感想や今後の抱負などについてお聞かせください。

大臣)
 2年と言われますと、もう2年も経ったのかなという感じもいたします。毎日毎日が全力投球で過ぎ去っているわけで、2年の間に本当にいろいろなことがあったという感じがいたします。初等中等教育の改革、また大学改革と、同時期に戦後最大の改革が進んでいるわけでございまして、教育政策の観点からも今は画期的な時期でございますが、加えて構造改革内閣ということで、各方面からいろいろな問題提起がなされ、いわば改革の時期であり、本当に気の抜けない毎日を過ごしてきました。これからも、国立大学法人化法案の審議がございますし、さらには教育基本法の改正という問題も控えておりますし、まだまだいくつもの山がありそうです。2年ということで振り返りますと、私としては非常に厳粛な思いにとらわれます。一生懸命行っておりますが、日々省みてこれで十分であったか自らに毎日問い直している状況であります。大変困難なこともありましたけれども、良いことも時折ありまして、その意味では非常に充実した日々であったと思っております。

記者)
 この2年を振り返り、教育の分野について、改革も含めて実際に活動してこられた大臣としてどのように2年間を評価されますか。

大臣)
 2年間を評価するという観点とは少し違うかもしれませんが、今は、教育をめぐる価値観の大きな転換期にあると思います。20世紀型の、知識を詰め込んで、あるいは知識を受身で学び様々な問題に対処していくという教育観から、非常に不透明で何が起きるかわからない時代に入っておりますので、そのような時代に本当に生きる力を持った子どもたちを育成していくことが必要であり、その意味では学力なり人間力なりについて価値観の大転換をしないといけないと思っています。そのようなことから、初等中等教育の改革や大学改革に取り組んでおります。これまでも、小学校はこうあったらいい、中学校はこうあったらいいということで、真摯に政策を展開してきたと思いますけれども、これからの21世紀を生き抜く心身ともにたくましい日本人をどう育てるかという観点から政策を総合化して、教育に携わる人たちが皆同じような気持ちで取り組んでいただきたいというのが私の気持ちです。そういう観点に立って政策を再編成したり、あるいはそういう視点の重要性について強調したり、気付いていただくことが大きな役割だと思っています。日本は大きな転換期にありますが、学校教育もこれまでと同じということではいけない。一人ひとりの能力を最大限に生かしていくには、学校はどうあるべきか、家庭はどうあるべきかという観点から、自分自身の問題として考えていただきたい。そして、価値観の転換を図り、将来に向けての動きを強めていただきたいと考えております。この2年間に、「人間力戦略ビジョン」や「学びのすすめ」を出したりと、そういう方向性について発信を行い、少しずつ手応えが出てきたかなと感じています。教育は、今日言って明日変わるというものではないわけですが、共に大きな目標を掲げながら歩んでいく時期だと思っておりまして、その意味で、私の役割は、日常的な対応にも追われておりますけれども、そういう視点だけは失いたくないという気持ちで今も取り組んでいるところです。

記者)
 雇用対策に関してですが、文部科学省としてこういうことを考えているという、もう少し具体的なことを伺いたいのですが。

大臣)
 当省として推進したい施策が大きく4点あります。1点目は小・中学校、高校あるいは大学も含めて、学校教育の中で職業観・勤労観をしっかり身に付けてもらうため、キャリア教育に本格的に取り組みたいと思っています。昨年から専門家会議を開催しておりますが、その結論が近々中間まとめとして取りまとめられる予定です。当省として対応する政策を掲げようとしているわけであります。これまでもキャリア教育を個別に進めてきましたが、今回の専門家会議による提言に基づき、将来を生き抜いていく子どもたちに、仕事をすることの大切さ、あるいは仕事を通じて得る生き甲斐や手応えを味わってもらえるようにしたいと思っています。
 2点目は、大学等がしっかりした高度の専門知識を持った人材を育成していく必要があるということで、専門職大学院等を充実していきたいと考えています。法科大学院、ビジネススクール、公共政策など様々な分野で工夫がなされようとしていますので、そういったものを支援すること等を通じて、大学教育を実質化していきたいと考えています。
 3点目は、リカレント教育の推進で、一度社会に出た人たちが新たな知識・技術を身に付けるために大学を利用したい、あるいは専門学校でもう一回学び直したいというようなニーズが非常に高いので、それに対応できるように、各大学等が社会人に門戸をより一層開く、学校で学ぶ意欲を持つ人たちにその機会を与えるという支援を進めるため、厚生労働省とも連携をとっていきたいと思います。
 4点目は、ベンチャービジネスの促進や産学官連携によって新たな雇用創出の機会を増やしていくことについて、我が省としても各関係省と連絡をとって貢献していきたいと思っています。
 若者に希望や職業の手応えを与えたいというのが各大臣の共通した願いでありまして、企業なり産業界がしっかりしていただいて、雇用機会をできるだけ作ってもらうというのが第一の先決問題ですが、産業界だけの問題としないで当省もできるだけ協力していきたいと思います。今日の会議では、産業界も人材を使い捨てにするのではなく、大事な人材として育てるという姿勢で進めてもらいたいといったことなど、産業界への希望をいくつか述べました。今後、各省それぞれ施策を充実させていくわけですが、関係省庁でよく連携をとりながら、本当に効果のある政策に結実させていく取組がいよいよ始まったと思っています。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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