平成15年1月31日 ◎一般案件
◎国会提出案件
◎法律案
(総務・財務省)
(公正取引委員会・内閣府本府・総務省)
(厚生労働・財務省)
◎政令
◎人事 ◎配付
(総務省)
(同上)
(同上)
大臣) 今日の閣議では、一般案件といたしまして、第156回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説のほか、外交演説、財政演説、経済演説が決定されました。今日の午後、衆議院と参議院でそれぞれの演説が読み上げられることになります。また、総務大臣から、労働力調査結果、就業希望状況調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果についての御報告があり、厚生労働大臣からは有効求人倍率についての御報告がありました。 閣僚懇談会では、「もんじゅ」の件に関して、経済産業大臣から、「これまでの最高裁判所の判例に反している点を含むことなどから、法務省などと内容を精査した結果、最高裁判所に上訴することとした。なお、原子力政策を進めるに当たっては、何よりも安全確保を図ることが第一であり、また、原子力施設の安全審査などについて、国民の皆様方の理解を得ることが必要であることは当然である。この考え方に基づき、今後とも努力していく。」との御発言がありました。続いて科学技術政策担当大臣から、「高速増殖原型炉『もんじゅ』については、原子力安全委員会において、昭和58年の設置許可に当たって、関連分野の専門家を結集し、当時の最高の知見を踏まえて、安全審査に最善を尽くしたと認識している。判決の中で指摘された技術的内容等については、許可を行った規制行政庁である経済産業省のみならず、原子力安全委員会の立場からも十分検討するよう指示している。安全確保を大前提に、高速増殖炉を含めた核燃料サイクル政策を進めてまいりたい。」との御発言がありました。私からも、「もんじゅ」の研究開発を所管している立場から、「引き続き関係府省と連携をとりながら、安全確保を大前提に、『もんじゅ』について、地元をはじめとした国民の理解が得られるよう努力していく。」と発言をいたしました。昨年12月に改造工事についての安全審査の了解を得、準備を進めていたところでありますが、この改造工事をどうしていくかということについては、地元の御理解や御了解を得られないと進まないわけでございますから、今後そういったことも含めて、我が省としてしっかり検討していく必要があると考えております。そのようなことから、昨日付けで、我が省内に、渡海副大臣を本部長とする「もんじゅプロジェクトチーム」を発足させました。本部長が渡海副大臣、本部長代理が大野大臣政務官、そして間宮文部科学審議官をはじめとする関係者によって構成されています。 次に、閣僚懇談会でも話をしたのですけれども、非常に良いニュースがございますので御披露したいと思います。今朝ほど、米国のエネルギー省長官の代行として、カード次官から私に電話がございまして、米国がITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)計画に復帰することを決めたということです。これまでも米国はITER(イーター)計画にいろいろな協力をしてきたのですが、1999年に脱退したわけです。私からは、米国がITER(イーター)計画に復帰することは非常に喜ばしいことであり、歓迎をしますとまず申し上げました。ITER(イーター)計画は世界の英知を結集して進めていくべき重要なプロジェクトでありまして、米国のこれまでのITER(イーター)計画での実績や核融合についての研究業績等も結集して、世界的な協力のもとに進めていくことが望ましいと考えており、その意味でも米国の参加は大変力強いわけでございます。そのようなことから、歓迎するという趣旨のお話をいたしました。 また、日本としましても、サイト候補地として青森県六ヶ所村を提案しているわけでして、カード次官は昨年の9月に六ヶ所村を訪問されたものですから、その話をいたしましたところ、六ヶ所村について良い印象を持たれたのでしょう、そうしたことについては認識をしているということでございました。私から、今、政府間協議は重要な段階に入っているので、米国ともよく連携をとって、ITER(イーター)計画の実現に向け、またサイトの選定について協力していきたいとお話しいたしました。カード次官も、日本国政府がITER(イーター)計画についてしっかりと対応していることについて、米国として大変評価しているという趣旨の御発言がありました。そのようなことを今日の閣僚懇談会でお話をいたしました。 その後でしょうか、細田科学技術政策担当大臣もカード次官からの電話を受けられたとのことで、電話でのやりとりについて御披露されました。ITER(イーター)計画も、本格的な国際共同研究になっていく道が開けたと思います。中国も参加するでしょうし、韓国も参加したいとの意向もあるようでございまして、ITER(イーター)計画もいよいよ本格的に動き始めたという感じがいたします。 記者) ITER(イーター)計画に米国が参加をするようですが、隣国で国境の接するカナダがサイトの招致について立候補していますし、米国の参加は、日本にとってどうなのか気になるのですが、そのあたりはいかがでしょうか。 大臣) 米国がどのように振る舞われるか、まだ定かでないところがございますが、少なくとも近々開かれるロシアでの政府間協議から米国が参加してくることになりましょうから、そこでの状況を見て判断していこうと思っております。いずれにしましても、ITER(イーター)計画をしっかりと進めていく上で、米国の参加は非常に意義があると思っています。また、米国大統領も「米国は英国や他のEU諸国、ロシア、中国、日本、カナダとITER(イーター)建設に向けて作業をすることになるだろう。ITER(イーター)計画は、今世紀中頃までにクリーンで安全で、再生可能で、なおかつ商業化可能な核融合エネルギーを作り出すための努力を促進することになるだろう。核融合の商業化は、公害や温暖化ガスの排出を十分に減らしながら、米国のエネルギーの安全保障を劇的に改善する可能性を秘めている。」との談話を発表しております。米国としても、おそらく地球温暖化に伴うCO2(二酸化炭素)の排出問題に対して、核融合のエネルギー源を使えば有効だという判断もあったと思います。これは、サイトの関係者やプロジェクトの参加国にとって、非常に良いニュースであるばかりではなく、米国にとっても非常に意義があるのではないか、とのお話もしました。 記者) 「もんじゅ」について、省内にプロジェクトチームを立ち上げたということですが、これはいつ付けでしょうか。 大臣) 昨日付けです。 記者) 敗訴判決が出たからプロジェクトチームを立ち上げたのでしょうか、あるいはもともと立ち上げるつもりだったのでしょうか。また、判決を受けてのプロジェクトチームであれば、安全対策の問題が判決文で指摘されてますが、特にどの問題が中心になっていくのか、もっと詳しくお伺いしたいのですが。 大臣) 今まで順調に改造工事の話が進んでいたわけでありますけれども、今回の判決という新たな状況が生じたわけでして、そういう状況の中で上訴をすることになりました。我が省として「もんじゅ」の推進に向けて対応の仕方を十分考えていく、あるいはそういう姿勢を一層強化するためにプロジェクトチームを作ったわけです。また、国民に対しての説明責任をどのように果たしていくのかということも検討してもらいます。 記者) 構造改革特区の関係ですけれども、各提案について文部科学省の判断がなされたわけですが、その中で株式会社の学校参入についての問題点で指摘されているのは私学審議会のことです。総合規制改革会議が昨年12月に見直しみたいなものを出したと思うのですが、現実に出てきたのは、要約すると、方針として容認をしても、現行では私学経営者が審議会委員の大多数を占めているために、結局株式会社であれ学校法人であれ、学校の新設はできないのではないかと危惧する声があったと思うのです。私学審議会の在り方について、「特区」との絡みにおいて大臣はどのようにお考えでしょうか。 大臣) 「特区」の各提案に対しては、まだ我が省から内閣官房に対しては正式に回答をしていない段階です。したがいまして、「特区」において株式会社をどのように扱うのか、それとの関連で審議会をどうするかというお話だと思いますが、それらにつきましては、これから内閣官房に回答を提出して、その上で今日の11時半から我が省としての対処方針を御説明することになっているようですので、それをお聞ききいただければ今の御質問についてのお答えになると思います。具体的な個々の提案への対応につきましては、内閣官房とも調整した上で最終的に決定ということになっています。「特区」は地方公共団体や民間の創意を活かす試みであり、それが単に経済活性化ということではなく、教育の活性化につながるものであれば、できるだけこれを認めていこうというのが私どもの姿勢でありますので、「特区」で開いた制度については地方公共団体にも十分に御理解いただき、その制度を活用してもらいたいと思っています。 記者) 「もんじゅ」の件ですが、上告は今日行うのですか。 大臣) 今日、上訴するということですが、後ほど確認してみたいと思います。 (了)
(大臣官房総務課広報室)
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