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平成14年10月4日大臣会見の概要

平成14年10月4日
10時52分〜11時7分
文部科学省記者会見室

◎一般案件

記念貨幣の発行について(決定)
(財務省)

フィジー国特命全権大使ラトゥ・テヴィタ・モモエンドヌ外1名の接受について(決定)
(外務省)

イタリア国駐箚特命全権大使松原亘子外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使林  暘外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(同上)

スペイン国バルセロナ駐在総領事白川光徳に交付すべき委任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(同上)

◎政令

☆通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行令の一部を改正する政令  (決定)
(財務省)

◎人事

大臣)
 今日の閣議では、記念貨幣の発行について案件に上がりました。これは我が省にも若干関係があり、来年2月に青森県で開催される第5回アジア冬季競技大会を記念して1,000円の銀の貨幣を発行するということで、図柄等を定める政令が決定されました。発効枚数5万枚ということで、初めて彩色を施したカラーコインだそうです。それから人事の関係ですが、小泉改造内閣としての大臣政務官が決定されました。我が省の関係では、池坊保子議員は留任、大野松茂議員が新任ということでございます。
 閣議の後、都市再生本部の会合がありまして、都市再生緊急整備地域の指定などを内容とするものでしたが、都市再生に向けて、各地でいろいろなアイデアが出てきていて、日本の都市再生に向けての地域による努力が始まっているので、これをバックアップしていこうということでございます。

記者)
 COEの関係ですが、多分、大臣も新聞等を御覧になっていると思うのですが、これについてかなり厳しい評価がなされています。一番問題となっているのは、どのような選考基準があり、どのような選考の理由があって選ばれ、また逆にどういう理由で漏れたのか、ということについて明らかにしていないというところです。ノーベル賞も選考理由を明らかにしていないからいいといった大雑把な議論で終わらせていいものでしょうか。そのあたりの批判についてはどのように受け止め、今後どうされていくのかについてお聞かせてください。

大臣)
 今回の21世紀COEプログラムは、日本の大学に世界最高水準の研究、教育拠点を学問分野別に形成して、世界をリードするような創造的な研究を行い、優れた人材を養成してもらいたいということから始めたプロジェクトであります。今、厳しい評価とおっしゃいましたが、良い意味での競争力を持つということは非常に大事だという評価をいただいたと思っております。選定のプロセスや選定にあたってくださった委員についても、できるだけの公表をしたと聞いております。このようなCOEの選定にあたりましては、その選定にあたっての考え方、それについて携わった人の氏名などをできるだけ明らかにしていく、そして公正性を保つということは当然のことであります。
 今回、日本の大学にとって新しい1ページが開かれたのではないかと思っています。それと、優れた先生方の御協力をいただいて、また日本学術振興会にも事務的な労をとってもらって、非常に短い期間である結論を出していただいたということについて、私は大変に感謝をしたいと思っています。おそらく長い歴史で見ると、今回のことは、日本の大学を良くしていく方向性を示す、あるいは良い意味での競争を促していく、そういうことの皮切りになるのではないかと思っています。しっかりした評価機関が複数できてからこうしたことを始めればいいという考えがあるかも知れませんが、それでは何年経ってからできるのか分からないということで、ともかく取り組んでみたわけです。この結果を見まして、日本の中で非常に優れた研究の拠点というものが大変な努力をされていると思いました。
 また国立大学は結果的には多く選抜されたということですが、そもそも申請自体が国立大学からのものが多かったわけですし、博士課程の学生数も国立大学が全体の7割を超えていることにもよると思います。審査のプロセスを聞いてみましたところ、それぞれ分野ごとに全く別々に審査をやってみて、それを足してみたらたまたまそういう数になったということであります。大事なことは、非常に特色のある大学が選ばれていることですね。それから国立大学の中でも、このCOEを目指して大学の特色を出していくためにどのような努力をしたらいいかということで、大学の先生方が一生懸命に討議をされ、あるいは工夫をされ、さらにはお互いにどういった協力関係が成り立つかというようなことが論ぜられて、魅力ある大学にしていくための取組を、実は初めて本格的に始めたというところもあると聞いております。選に漏れたいくつかのグループの方々は、あれだけ一生懸命にやって自信を持って申請したのにということで、御不満もまだまだあるようでございます。もっと予算措置ができていれば、いろいろな所を拠点としてやることができたと思いますが、限られた時間、限られた予算、そしていろいろな制限がある中で、それぞれの分野で今後しっかりした研究拠点として発展するというものが選ばれたのではないかと思っています。

記者)
 COEに関してですが、選考過程で選に漏れた大学についてのCOEプログラム委員会における情報公開という面での対応については、特段問題はないということでしょうか。

大臣)
 不採択の拠点につきましては、当事者に対して不採択となった理由を開示する予定です。それから採択拠点の当事者に対しては、事業実施にあたっての意見等を連絡する予定となっております。研究という少々難しい分野でありますから、それぞれのテーマについて数値的なデータだけではなかなか比較できないわけです。しかも専門分野が異なりますし、正にアイデアを盛り込んだプログラムであるわけですから、それらについて数量的な結果からだけ選ぶということは困難だと思いますし、それなりの専門的な判断がいるわけであります。その意味では、この一連の作業の中で取り組もうとしている、不採択であった人たちに対してその理由を説明するということは、このプロセスの公平さというものを保っていく方法だと思います。

記者)
 もともとは30大学を選ぶという遠山プランの構想だったと思うのですけど。途中から名前が変わったりという変遷がありましたが、結果として当初の昨年6月に打ち出した方針、あるいはもくろみ自体は、今回は十分達成できていると考えておられますか。

大臣)
 日本の大学に国際的な競争力を持ってもらうこと、そして本気になって優れた研究教育成果を上げてもらいたいということから、大学の3つの構造改革の柱の一つとして考えたわけです。やり方とか、手法とかというものは考えながら行なうということで、これはどこかの新聞で書いていただいたと思いますが、トップ30といっても30という数字は象徴的なものだったのですれども、そういう誤解を生むより、むしろ研究拠点COEというものを作っていく方が日本の大学にとって努力のしがいがあるといいますか、本当に優れたものに目を向けていくことにつながるのではないかということで、予算が取れた段階で、名称を21世紀COEプログラムと変更して、事業を実施し始めたわけでございます。また今回の5分野だけではなくて、来年度は次の5分野もやろうと思っておりますし、大学の教育機能も大事だと思っておりますので、教育に関しても今後考えていこうと思っております。
 日本ではそういう「いいもの」をバックアップするという精神が個人にも組織にもなかなか無いのですね。「出る杭は打たれる」というようなことから脱して、むしろ優れたものをみんなで押し上げて、もっと発展してもらおうと、そういうふうになっていけばいいと思っております。今回のCOEプログラムだけが大学の競争力を持ってもらうための方法とは思っておりません。もちろん研究費そのものが競争的研究資金でありまして、それぞれ競って行なっていただいておりまして、今回のCOEの182億より10倍近い研究費が既に出されているわけでございます。
 いろいろなものを駆使しながら日本の研究者の知力を高め、相互に刺激し合っていただいて、研究の未到達であった分野を開拓してもらうだけではなくて、世界に貢献してもらたいと思っております。その意味で私といたしましては、非常に高い理想を持った考え方の一つのトライアルだと思っているわけでございます。ただ、新しいことをやるというのはなかなか勇気のいることでございまして、今回第一歩踏み出したわけですけれども、よりよい方法があれば、それは柔軟に改善をしていったらいいと思いますし、多くの方が希望を持って自分の研究分野に取り組んでもらえるよう、そしていい人材養成に取り組んでもらえるよう、私どもとしても大いに努力していきたいと思っております。(了)


(大臣官房総務課広報室)

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