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平成14年9月30日大臣会見の概要

平成14年9月30日
20時46分〜21時3分
文部科学省記者会見室

大臣)
 第二次小泉内閣の初めての閣議がございました。閣議は淡々と終わりました。つい先程、晴れ晴れした気分と言って去って、あれから9時間ですか、またお目にかかることができました。皆さんにはまた大変お世話になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

記者)
 これからも引き続きよろしくお願いします。さて、これまでの施策を含めて、お話を伺いしたいと思うのですが、まず1点目として、今回の留任というか再任に当たっては、構造改革を推進するためであるということが一応題目として掲げられているわけで、要するに再任されたということは、今までが、ある程度どんな形かで評価されているからこそ再任されたのだと思うのですが、どのような点を評価されたのだと思われますか。

大臣)
 それに対するの答として、一つの事実をお話ししたいと思います。実は今日の午後、総理から官邸に来るように言われ、伺いました。そしてお目にかかったところ、文部科学大臣を引き続きやってほしいということでございました。その際、総理から4点お話がございました。私の新たな任務と言いますか、これからもさらにやってほしいという意味でいただいたのだと思います。1つ目は「国民の信頼を集める教育の確立に意を用いていただきたい」、2つ目は「子どもたちの夢と希望を育む社会に向け、確かな学力の育成や心の教育の充実を図っていただきたい」、3つ目は「大学の構造改革を進めるとともに、国庫負担制度等義務教育の在り方についても意欲的な改革を行っていただきたい」、4つ目は「世界最高水準の科学技術創造立国の実現に向け、関係大臣と緊密に連携しつつ、産学連携の一層の強化に積極的に取り組んでいただきたい」という4点でございます。
 御指摘の点は、私自身が考えていることと正に合致いたしております。総理の御指名は謹んでお受けしますということを申し上げ、そしてこの4つの御指摘については私自身も非常に大事だと思っているということで、引き続きの御指導をお願いして、退出したわけでございます。総理からは、教育は大変大事であるということで、引き続きやってほしいというお話もありました。そのことから考えますと、小泉内閣の初めから就任して今日に至るまでの間、教育改革の大きな潮流を引き継ぎ、あるいはそれを発展させて教育改革に取り組んできたことについて、今後それをさらにしっかりやってほしいということだと受け取りました。
 それから先般8月末、経済財政諮問会議におきまして4つの宿題について説明いたしましたが、その4つについて、いずれもかなり前向きの改革姿勢を示したことも関係があるのかもしれません。いずれにいたしましても、私としましては、国民の信頼を集める教育の確立というものをしっかりやっていかなくてはならないと思いますし、大学の構造改革はもちろんのこと、義務教育につきましてもそのよう姿勢でやっていきたいと思います。また義務教育費国庫負担制度につきましては、見直せるものは見直しますが、日本の将来を考えて、義務教育として国の果たすべき責務もよく考えた上で、これからもしっかりやっていきたいと思っております。どこがどのように評価されて留任かと言うのはなかなか自分では言いにくいわけでございますけれど、改革の方向性の一致と、それから総理御自身が、教育は非常に大事なので今の勢いで引き続きやってほしいという趣旨でお話があったものと受け止めております。

記者)
 今、話の中で出た義務教育国庫負担制度の話ですけれど、総理の言葉で言えば、この制度の見直しについて、もっと意欲的に改革してほしいということであるとするならば、先日示したことでは足りないという受け止め方もできるということではありませんか。

大臣)
 もう一度申し上げますと、「国庫負担制度等義務教育の在り方について意欲的な改革を行うように」ということでありまして、私どもとしては考えられる限りの改革の方向性を出したわけでございます。これが最終的にどのようになっていくかは、今後さらに議論を深めた上で決まっていくと思いますけれども、その際にも大いに意欲的にやってほしいということでございまして、8月末の回答が良かったとか悪かったとかいうことではなく、意欲的な改革を、という趣旨であると、私としては受け止めております。

記者)
 確かな学力についての話ですが、いわゆる学力低下論というものが相変わらずあるわけでございます。これについては来年度予算で相当な学力向上策をとろうとしているわけですが、その点についての今後の施策の方向性についてはいかがですか。

大臣)
 私は、子どもたちが、21世紀を切り拓くたくましい日本人に育ってほしいと思っています。知力においても、豊かな心の面でも、また健やかな体という面でもたくましい日本人に育てていきたいという信念を持っております。そのことを結集したのが、先般お話ししました「人間力戦略」であります。その中で一番目に書いたのが確かな学力の向上ということです。これは、新指導要領がねらいとしていることでもありまして、すなわち基礎・基本を徹底した上で自ら考え、自ら行動する、そういう本物の力をつけさせることであって、その意味では、確かな学力を身につけさせることが、本人の将来にとって一番の力になるだろうと考えています。
 そのために様々な学力向上プランを打ち立てて、予算要求もいたしております。予算もしっかりと取っていかなくてはいけないと思いますが、まず大事なのは、各学校の先生方の意識を確かな学力の向上にも焦点を当てていただき、そしてそれを支える教育委員会、地域社会、特に保護者の方への御理解もいただきたいと思っております。日本の誇れるものの一つが、学校教育の在り方やその内容、成果でありまして、親御さんたちに、日本の教育は大丈夫だと思ってもらえるように、これからも精一杯やっていこうと考えています。
 そのことが、総理が言われた、「子どもたちの夢と希望を育む社会」を実現するのに不可欠だと思っております。一人一人がいきいきと、自分の力を信じ、あるいは自分の力を練磨して、そしてしっかりと生きていくことができる、そういう力を持ってくれることが非常に大事でございまして、公教育への信頼をしっかり得ていきたいと考えております。

記者)
 今日、中教審の総会があったのですが、教育基本法改正に向けた作業が続いておりますけれども、スケジュールを含めて、今後の進め方についていかがですか。

大臣)
 今日も中教審で議論していただいたと聞いております。非常に大事な問題でございますので、今後、できるだけ議論を集中していただき、大いに英知を集めて、中教審としてのお考えをお取りまとめいただきたいと思っております。できれば秋を目途にして中間報告を得たいと思っております。そしてさらに広く、いろいろな方々、特に国民の皆様の御意見も聞きながら、結論をおまとめいただきたいというように考えております。

記者)
 科学関係なのですが、ITER(イーター)計画について、今後の進め方というか、国際協議が進んでいますけれども、どのように進めて行くのでしょうか。

大臣)
 御存知のように、ITER(イーター)は世界で4箇所から手が挙がっておりまして、ヨーロッパから2箇所、カナダ、そして日本なのですが、これについて政府間協議も行われておりますし、順次それぞれのサイトについて専門家が評価するというプロセスに入っております。具体的には10月29日から30日までの間、青森におきまして第6回の政府間協議がありまして、青森県六ヶ所村につきましては、今月にサイト共同評価が行われる予定です。その後、12月にEU提案のサイトについてのサイト共同評価があるということで、来年の初めまでサイトについての共同評価が行われる手順が国際的に決まっております。我が国としましては、青森県六ヶ所村を候補地にということで閣議決定をしていますので、閣議了解の精神に従って、しっかりと対応していきたいと考えています。

記者)
 宇宙三機関の統合、ロケットの民営化等、この間は打上げに成功しましたけれども、今後の宇宙開発について、どう進めていかれるかということを伺いたいのですが。

大臣)
 宇宙開発は、本当に大事な仕事だと思っております。人類の知的なフロンティアを拓くという意味もありますし、子どもたちに夢と希望を与えるというすばらしいプロジェクトでもありますし、また宇宙開発研究、あるいは利用というものが、周辺のいろいろな産業にも活力を与えていく裾野の広い仕事であるわけです。そのようなことから力を尽くしてまいりましたが、現在宇宙関係の三機関を統合するということについて、真剣な議論が行われております。また、それを具体化するための案も出来上がっているわけです。次期臨時国会に新機関「宇宙航空研究開発機構(仮称)」を設立するための法案を提出する予定であります。この新しい機関が、産学官連携を含めて宇宙開発を強力に進めいく拠点になると思います。これまで3機関バラバラであったものが一つにまとまることによって、日本の宇宙開発研究をしっかりした足取りで進めることができるようになるのではないかと思っています。
 また、H−2Aロケットは3回打ち上げに成功いたしましたが、今後も成功し続けてほしいと思っております。そのようなことから、民営化も視野に入れながら、今後民間移行を行って、効率的また迅速な経営手法によってコスト低減、あるいは品質の向上を図っていきたいと思っております。同時に、このプロジェクトは民間移管ももちろん大事ではございますけれども、国としても維持すべき技術でありますので、そのあたりをうまくバランスをとって、この問題を国家戦略という角度から十分な体制で臨んでいくように、私としてはしっかりと見守り、かつ責任を持って対応したいと考えています。(了)


(大臣官房総務課広報室)

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