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平成14年9月6日大臣会見の概要

平成14年9月6日
9時43分〜9時53分
文部科学省記者会見室

◎一般案件

清子内親王殿下のルーマニア国及びクロアチア国御訪問について(了解)
(宮内庁・外務省)
ルクセンブルグ国特命全権大使ミッシェル・プランシェール・トマシーニの接受について(決定)
(外務省)

◎国会提出案件

衆議院議員長妻昭(民主)提出防衛庁のほか,内閣官房,警察庁,総務省,法務省,資源エネルギー庁及び会計検査院が,情報公開法に基づく行政文書開示請求書記載以外の個人情報をリスト化している件に関する質問に対する答弁書について
(総務省)
衆議院議員保坂展人(社民)提出情報公開請求者の「応接記録」に関する質問に対する答弁書について
(同上)
参議院議員井上美代(共)外1名提出米軍横田基地に関する質問に対する答弁書について
(外務省・防衛庁)
参議院議員齋藤勁(民主)提出納税者の権利利益の保護のための国税通則法の改正に関する質問に対する答弁書について
(財務省)
参議院議員齋藤勁(民主)提出給与所得者の納税制度の見直しに関する質問に対する答弁書について
(財務・総務省)

◎人事

大臣)
 本日の閣議では私からH−2Aロケット3号機の打上げについて発言しました。宇宙開発事業団は9月10日、我が国の基幹ロケットであるH−2Aロケットの3号機を打ち上げる予定であります。今回の打上げは、昨年8月及び本年2月の2機の試験機の打上げ成功に続き、初めて本格運用の段階として大型衛星2機を打ち上げるものです。世界最高水準の信頼性の確立に向けた重要な一歩であることから、現在、打上げに万全を期すべく、念には念を入れて最終段階の準備に当たっております。
 私から衛星の中身についても若干の説明をしておきました。一つはデータ中継技術衛星で「DRTS」と言われております。地球観測の衛星からの地球環境データ等の大容量の情報を、高速で地球に伝達するための衛星でありまして、この技術が確立して衛星が軌道上を旋回するようになりますと、日本に間断なく大量の情報が送信されるわけです。現在のところ、日本に向けてデータが発信される時だけにしか情報をキャッチできないわけですが、この衛星が成功すれば、そのような情報を常に日本に集積することができるわけでして、環境問題とか、いろいろな意味で役に立つわけであります。
 それから、もう一つは次世代型無人宇宙実験システム「USERS」といわれておりまして、これは経済産業省で発注した衛星であります。目的は宇宙空間で無人実験を行う技術を確立するためのもので、これは次の時代を担うような材料、超電導材料の実験をするためのものです。いずれも大変大事なものだと思っています。打上げを成功させることによって日本のロケット技術の国際競争力の確保を図るとともに、情報収集、通信・放送・測位、地球観測等の宇宙開発利用を促進して、国民の期待に応えてまいりたいと報告をしておきました。
 その他の閣議案件としましては、総務大臣から平成15年度機構・定員等の要求についての話がありました。これは毎年のことではございますけれども、既存の機構及び定員について根本的な見直しを行って、国の行政組織等の減量・効率化を図るということで方針が示されました。機構については既存組織の合理的再編成に沿って措置するということでその肥大化を来さないように対処し、定員につきましては10年で25パーセント純減を目指した定員削減に最大限努力するという姿勢でいるということです。その閣議決定に基づいてメリハリのある定員配置を実現するとともに、政府全体のスリム化を一層進めていくということで、具体的な15年度要求の内容も付した資料の説明がされました。

記者)
 求人の話ですけれども。高校生で求人倍率0.5倍であったりと、過去最低となっています。これについてはどのように思われますか。文部科学省としては経済状況も深刻で対策等は難しいと思いますけれども、これからどのように政策を進めていかれるのですか。

大臣)
 高校新卒者求人の倍率が0.5倍ということで、昨年の同期と比べて0.11ポイント減ということを聞きました。人生の第一歩を踏み出そうとしている高校生達が職を得たいと思っているのになかなか得られないということは、大変な状況だと思いますし、人材を大事にしなければならない我が国にとっても大変大きな損失だと思っています。これは高等学校の努力、文部科学省自体の努力だけではなんともならないところもございますが、私としては大変憂慮いたしております。
 昨日も坂口厚生労働大臣と会いまして、この問題について議論いたしました。両省で連携を取りながら、対策をできるだけ打っていこうということで合意したところでございます。
 我が省としましては、これまでもいろいろな手立てを講じているところでありますが、特に高等学校における望ましい職業観、勤労観を生むための取組をしっかりやっていく必要があると思っています。このためにはインターンシップ。現在やっておりますものをもっと推進していく、あるいは体験活動をもっと推進し、そして高校生達が高校の時代にいろいろな職業の実態を見たり体験をしたりして、意欲的な職業観を持ってもらうようにするということが一つございます。
 もう一つは学校における進路指導を充実していくということがございます。これにつきましては、キャリア教育の在り方に関して総合的な調査研究を、今年の10月に発足する予定であります。これによりまして、これまで少し手薄だった日本の高校におけるキャリア教育というものを充実していきたいと思っております。
 さらに、私どもとしましても、引き続き経済団体に対する要請をやっていこうと思っております。その他、職を得たいと思っていながら得られなかった高校生たちの卒業後の対応の在り方につきまして、厚生労働省とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。例えば、ハローワークと学校がもっと緊密に連携をしていく、そして、できれば職を得られない期間にもう少し知識や技術を身につけてもらうことについても援助をしていく方法を探るとか、いくつかのことを考えていかなくてはいけないと思っております。
 いずれにしましても、この問題について、さらにいろいろな知恵を絞りながら、厚生労働省とも連携して対処していきたいと思っています。しかし根本は日本の経済の建て直しでございます。雇用を生み出す方策というものがしっかり立てられないといけません。高校生をはじめとして、社会人さえも職を求めているわけでございますので、そういうところの重要性というものを、政府全体としても、それから特に産業界でも、自覚を持って頑張ってもらいたいと思っております。

記者)
 H−2Aロケットですけれども、初打ち上げから1年経過して、その間に宇宙3機関統合の準備、民間移管等いろいろと変革に当たるプランが出されましたが、その中で今回衛星を打ち上げるということの感想などがございましたらお聞かせ願えますでしょうか。

大臣)
 これは当初からの計画でして、これ以降の計画も立っております。きちんと重要な衛星を打ち上げて、そして使命を果たしていくことによって信頼を確立することと、宇宙3機関を統合して更に足腰の強い機構にしていくということは、そういったロケットの技術の確立、それから信頼性の確保に更に貢献するのではないかと思っています。いずれにしましても来週の打ち上げが是非とも成功してもらいたいと思っております。特に、その後いくつかの衛星の打ち上げ計画がありますので、各国からの信頼を得るということも国際競争力を増す上でも大変大事だと思っておりまして、皆さんと一緒に朗報を待ちたいと願っています。

記者)
 1号機、2号機と比べて緊張感というのには違いはありますか。

大臣)
 それはあります。大型の衛星を打ち上げるわけで、これまでの試験機とは違い本格的な始動を始めるわけですから。さらに気を引き締め、準備怠りなくやってくれていると思っております。


(大臣官房総務課広報室)

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