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平成14年5月31日大臣会見の概要

平成14年5月31日
9時42分〜10時5分
文部科学省記者会見室

一般案件
ガーナ共和国における小児感染症予防計画の実施のための贈与に関する日本国政府と国際連合児童基金との間の書簡の交換について(決定)
  (外務省)
1. 平成13年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)
   
1. 平成13年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書
   
1. 平成13年度特別会計予算総則第14条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)
  を事後承諾を求めるため国会に提出することについて(決定)
  (財務省)
文仁親王同妃両殿下のモンゴル国御訪問について(了解)
  (宮内庁・外務省)
国際熱核融合実験炉(ITER)(イーター)計画について(了解)
  (文部科学省・内閣府本府)
フィジー国駐箚特命全権大使飯野建郎外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使村山比佐斗外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
  (外務省)
国会提出案件
1. 平成13年度観光の状況に関する年次報告
   
1. 平成14年度において講じようとする観光政策
  について
  (国土交通省)
衆議院議員岡田克也(民主)提出「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」等有事関連3法案に関する質問に対する答弁書について
  (内閣官房)
衆議院議員河村たかし(民主)提出小渕内閣総理大臣の平成11年6月10日衆議院地方行政委員会における住民基本台帳法の一部を改正する法律案の国会答弁に関する質問に対する答弁書について
  (総務省)
参議院議員櫻井充(民主)提出BSEで被害を被った和牛繁殖農家に対する施策に関する質問に対する答弁書について
  (農林水産省)
政令
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の施行期日を定める政令(決定)
  (総務省)
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律施行令(決定)
  (同上)
更生保護事業法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
  (法務省)
消費税法施行令の一部を改正する政令(決定)
  (財務省)
社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(決定)
  (厚生労働・総務・財務省)
国土交通省組織令の一部を改正する政令(決定)
  (国土交通省)
土地区画整理法施行令の一部を改正する政令(決定)
  (同上)
水先法施行令の一部を改正する政令(決定)
  (同上)
人事
配付
労働力調査報告
  (総務省)
消費者物価指数
  (同上)
家計調査報告
  (同上)
平成14年度予算等を国民に報告することについて
  (財務省)

大臣)
 今日の閣議では、我が省にとりましては大変重要な事が決まりました。それは、ITER(イーター)計画につきまして閣議了解が行われたという事でございます。閣議了解の中身につきましては追って、この会見終了後、皆さんに差し上げるわけでございますので、そこでお読み頂きたいと思います。
 まず総合科学技術会議の報告をまとめた尾身大臣から発言があった後、私から担当省大臣として発言を致しました。その中では、4点にわたって述べております。核融合というのは究極のエネルギー源として、その実現は日本及び世界にとって極めて重要な課題であります。我が国はこれまで核融合研究において世界最先端に位置する大きな成果を上げるとともに、優れた人材の育成を行ってまいりました。また、約12年間のITER(イーター)設計活動においても、国際的な設計拠点を置くなど主導的な役割を果たしてまいりました。こうした背景の下、我が国はITER(イーター)計画についての政府間協議を進めるとともに、国民の理解の促進に努め、ITER(イーター)の国内候補地に関する地方自治体からの提案についての専門家による技術的、客観的な評価を行うなど、同計画に参加するための諸準備を行ってまいりました。これは皆さん御存知の通りであります。3番目に同計画への我が国の参加については、この度の総合科学技術会議がまとめた「国際熱核融合実験炉計画について」を基に、国内誘致を視野に入れ、青森県上北郡六ヶ所村を国内候補地として、政府間協議に臨むこととしたいと考えております。今後政府全体として同計画に積極的に参加し、核融合の実現に向けて前進する段階に入ったと考えます。文部科学省としても最大限の努力を払う所存でありますので、関係閣僚におかれては御理解と御協力をよろしくお願いします。この発言について、川口外務大臣の方から、外務省としても外交の立場からITER(イーター)の共同実施協定策定にむけて文部科学省を支援するという発言がございました。長年にわたっていろいろ準備をしてきたITER(イーター)の計画について、日本も政府間協議に候補地を明確にして臨むということを今日了解されたわけでございます。
 その他につきましては、今日は観光白書ができあがりまして、観光白書の面では我が省は大いに関わりがあります。自然遺産でありますとか、文化遺産でありますとか、いろいろな施設についての事、特にワールドカップサッカー大会に訪日する旅行者に対して日本の文化を紹介する事という関連で記述がありまして、作成に協力したところでございます。
 今日から私は小泉総理とともに韓国に行きます。といっても、明日の昼には帰って来ます。滞在時間18時間でございます。不在の間の臨時代理は森山法務大臣です。今日からの出張と致しましては、中谷防衛庁長官が出張されます。これについて(臨時代理)は村井国家公安委員長。それから竹中大臣も韓国においでになり、IT関係の会議に、6月2日まで出席されますが、その間の臨時大臣は尾身沖縄・北方担当大臣でございます。

記者)
 ITER(イーター)計画についてですけれども。誘致が実現した場合、政府の負担金が最大で7,000億円という数字で、これについて値下げ交渉などをしていくような動きを聞いていますが、どのような対応をしていくのでしょうか、限られた科学技術関係の予算で行うのでしょうか。

大臣)
 これにつきましては2点留意しなければいけないと思います。
 1点はですね、所要経費につきましては、第2期の科学技術基本計画というのがございまして、24兆をめざして予算の充実の計画がございますから、それを踏まえながら他の科学技術の重要政策に影響を及ぼす事がないように、重点化、効率化を図った上で、原子力分野の予算の範囲内で確保することとしております。これは総合科学技術会議のまとめた報告書の中の12点の第一にあげられておりますが、この点につきましては我が省としましても、しっかりといろいろな案づくりに参画して参りまして、ITER(イーター)計画については政府全体で推進に取り組むということがそこには明記されております。今申しましたような全体の調整の際に、核融合につきましてもいろいろな研究があり、ヘリカル方式でありますとか、レーザー方式とかで、そのような研究に影響を及ぼす事のないように調整していくというのが第1点でございます。
 もう1点はですね、参加極間でその経費を負担していくわけですけれども、この経費分担につきましては、すべての参加極が一定規模以上の貢献を行う中で、経済規模を反映したものとすべきであると考えておりまして、この事についても総合科学技術会議の報告書の本文の中に含まれております。したがいまして今後、候補地について手を挙げるのと同時に費用負担につきましても政府間協議でしっかりと協議をしていくという事になると思います。それで費用負担と成果の活用という面では、リンクしておりますので、その辺は非常によくバランスのとれた考え方で臨まなくてはいけないと考えているところでございます。

記者)
 ワールドカップの関係で、一部チケットが届かないという事があり、先日大臣が書簡を出されたのですが、今後の対応についてお伺いします。

大臣)
 国内販売分のチケットのうち、日本に到着したチケットについてはJAWOCはすべて発送済みでございます。ただ、本人が不在などによって実際に届かなかったような人については一部返ってきているものもありますが、それについては個別に連絡をして現地で渡すという対応をすると聞いております。全体で百数十枚程度でございます。特に大事なのは第1戦、第2戦のあたりです。ここをクリアできればその後は順調にいくと思います。現地手渡しは何枚ぐらいでしたか、そこのところを事務局から説明してもらえますか。

事務局)
 一般販売分で宅配したうちの戻り分が、まだ全て来てはいませんので、全体の数は確定しておりませんけれども、車椅子分1日1会場当り30枚から50枚程度、一般販売分が数十枚としても合計で百数十枚程度だと思います。

大臣)
 6月1日から6月4日ぐらいの試合が順調にいくという事がすごく大事でございますが、いずれにしましても枚数としては今報告があったようなことです。ただ、車椅子分につきましてはやはり大変心配でございます。これはまだ到着していないのです。全体として約3,000枚でありますけれども、6月1日から4日までの間につきましては、1試合30枚から50枚程度と聞いておりまして、手渡しにつきましては、本人確認ができれば入場を可能とする方法で検討していると聞いております。いずれにしましても、これは特に車椅子の関係者につきましては十分配慮して、混乱に巻き込まれないように、それぞれの会場でしっかり対応する必要があろうと思っております。それから海外販売分ですが、これがなかなかフォローできておりません。バイロム社が担当しているわけでございますが、海外販売分のうち、未着のものにつきましても現地で渡すと聞いていますが、そこのところがどうなっているのかという事で、今日ブラッター会長へ私からも手紙を出しましたところ、自分たちとしても十分対応するとの返事が返って来ております。これは是非きちんとやってもらいたいと思っております。
 我が省と致しましては、JAWOCに対して、これらについて混乱を防ぐための適切な誘導に努めるよう指導したところでございまして、明日から行われます国内での試合の状況を注視しながら、必要に応じ更にきちんと指導していきたいと思っています。最初の何日間かが非常に大事だと思います。

記者)
 一昨日総合科学技術会議で出ました知的特区について、文部科学省としてはどのようなイメージを描いていらっしゃるのでしょうか。

大臣)
 会議の中で、農業特区とか医療に関する特区とかいろいろある中で、知的な特区もいいのではないかと総理の発言がありまして、それぞれの委員もどんなイメージで受けたか、まだわからないところでございます。これについては総合科学技術会議の井村議員が、自分たちとしても考えてみるという事でありました。その議論と流れからいきますと、大学を中心として知の拠点が集合する地域において特区を作って、税制上の優遇措置でありますとか、特に地方財政再建促進特別措置法の見直しといいますか、今は地方公共団体から国の施設に対する寄付ができないけれども、そのような事も可能にしていく事も含めた特区というのを考えてみようではないかという事も流れの中にはあったようでございます。しかし、これはまだこれからどのような構想にしていくかという事で、今言いましたのは情報でございまして、決定したものではございません。私どもとしてもこの問題については総合科学技術会議の議員とも連携を取りながらアイデアを出していきたいなと思っているところです。

記者)
 チケット問題のことでお聞きしたいのですが、先日書簡を出されましたが、FIFAに対して今現在はどのような思いでいらっしゃるか、感想をお聞きしたいのですが。

大臣)
 私はワールドカップサッカー大会というのは、世界の人々が注目している大変大事な競技大会でございます。そのチケットが購入希望者に、事前にきちんと手に渡らないのは大変な問題だと思っております。FIFAから印刷依頼をうけたバイロム社の、そこにおける仕事が遅滞した事が原因でして、私としてはこの点につきましては、きちんと対応してもらいたいと思っております。まだ、結局わかっておりませんので、明確な事は言うべきではないと思いますけれども。これから開会直前まで、きちんと対処してもらいたいと思っています。

記者)
 宇宙開発事業団について、昨日、警視庁から発表がありまして、NASDA(ナスダ)のコンピュータを舞台に逮捕者が3人出るという事態になったのですが、宇宙事業はハイテクであり、その情報管理が非常に甘く、海外からの衛星の受注等を考えると、信用を失墜するような事態だと思われます。政府も知的財産を非常に大事にしようという事で今、対策本部などを作っている中でこのような逮捕者が出たという事ですが、大臣は今後どのように対応されていくのでしょうか。

大臣)
 事件が発生した直後に我が省としましては、NASDA(ナスダ)に対しまして、その原因究明と再発防止策の検討を直ちに指示致しました。これを受けてNASDA(ナスダ)におきまして直ちに調査チームを編成して、全システムのパスワードの適正化等の再発防止策をとりまとめまして、3月11日に我が省は報告を受けたところでございます。現在その報告書に基づく対策が早急に打たれているところでございます。ですからそれをきっちりと実施してもらいまして、特に情報セキュリティー、情報システムセキュリティー対策の総合的・体系的な整理と監視態勢の強化という面、それからより高度な情報セキュリティーの実現に向けての特別チームをと、セキュリティーの実現に向けての努力など、さまざまにやるべき事がございますので、それの実現をしっかりやってもらいたいと思っています。そして私どもとしましては、このような事が二度と起きないように、まずは担当者の意識を十分に高めるとともに、セキュリティーに関わる人達の人数・組織の強化と担当者の知見の高度化、技術の高度化という事が大変大事だと思っています。その意味では対応に直ちに手を打っています。今後ともそういう事を徹底して信頼回復に努めたいと思っています。

記者)
 私は文部科学省では長くないのですけれども、気がついた事を申し上げたいのですが、今日の資料それから発表資料等が非常にカタカナ語といいますか、外来語といいますか英語の文字が非常に多いというか、一般にわかりにくい言葉が多く使われているのはいかがなものかというのが一つございます。もう一つはですね、タイトルが長くてですね、よく理解できないというようなものがいくつかありまして、例えば資料の中でですね、「農林水産業に関連する文化的景観の保存・整備・活用に関する検討委員会の開催について」というのがありましてですね、このまま原稿書くわけにはいかないのですよ。

大臣)
 ほんとですね、我が省の関係ではないのではないかというようにも見えますね。

記者)
 我々はこちらの文科省の意向を、国民に伝えていこうと思っているのですけれども、難しい用語や長いタイトルに閉口するわけで、国民に伝えたい事をもっとわかりやすい用語、あるいは言葉を使っていただきたいと思うのですけれども、大臣はどのようにお考えですか。
大臣)
 いい御意見ですね。是非取り入れていきたいと思います。そういうのはいろいろな場面でも指摘されておりまして、昨日も、経済財政諮問会議でいろいろな資料が出まして、その発表者及び総理との間で横文字、カタカナを使う事について議論があったり致しましたけれど、文部科学省は国語についてですね、美しい日本語の普及にも努めているのが役割の一つでございます。できるだけ日本語へ、置換えられるようなら日本語にと。しかしサイエンスの最先端部分はですね、日本語に訳してしまうとかえって分からないというのもございますから、その辺も上手にバランスを取りながら対処する必要があると思います。タイトルが長いのは最近流行っていますね。本でも「常識で知っておきたい日本語」とか、本自体の名前が長いですし、それから法案の名前の長さも随分長くてですね、昨日も私が本会議で答弁にたちましたのは、建設基準法ですが、一部改正と一緒に出た法律などは非常に長くてですね、ハートビル法という略称が使われたりと、政治なり、行政の立場から言うと、正確を期するのがいいのか、それともわかりやすく理解したものがいいのかというような事も含めて考えていきたいと思っております。またこれは我が省だけの問題でございませんで、日本のメディアをはじめ各省あるいは立法に関わる人たち、すべてに関わる事であろうかと思います。貴重な御意見として拝聴したいと思います。(了)


(大臣官房総務課広報室)

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