小・中学校等への就学について

修学時間内の就労等に対する就学事務上の適切な対処について(通知)(平成24年10月)

                                                    24初初企第45号
                                                    平成24年10月26日

  各都道府県教育委員会教育長
  各指定都市教育委員会教育長
  各都道府県知事
  附属学校を置く各国立大学法人の長            殿
  義務教育諸学校を設置する学校設置会社を所轄する
  構造改革特別区域法第12条第1項の
  認定を受けた  各地方公共団体の長


          文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長
                                                山下和茂
(印影印刷)


    修学時間内の就労等に対する就学事務上の適切な対処について(通知)


  学齢児童生徒の就学に関する事務については、従来より、適切な取扱いに努めていただいているところですが、このたび、中学校の生徒が修学時間内に授業時数の多くを欠席して就労することについて、当該中学校が、当該就労による賃金を受け取らせないこととすることにより、「職場体験」と称して認めていたという不適切な事例がありました。
    「学齢児童生徒の就労に係る労働基準関係法令の周知について(依頼)」(平成24年10月26日付け24文科初第819号文部科学省初等中等教育局長通知)においてお知らせしているとおり、使用者が、満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまでの者を、修学時間内に使用することは、労働基準法(昭和22年法律第49号)において例外なく禁止されており、学校教育法(昭和22年法律第26号)第20条においても、学齢児童生徒を使用する者は、その使用によって、当該学齢児童生徒が、義務教育を受けることを妨げてはならないものとしています。また、同法施行令(昭和28年政令第340号)では、保護者が正当な事由なく学齢児童生徒を就学させない場合について、校長から市(特別区を含む。以下同じ。)町村教育委員会への通知、市町村教育委員会から保護者への督促等の手続を規定しています。
  ついては、貴職におかれては、修学時間内における就労をはじめとする就学の機会を妨げる活動について、関係法令を踏まえつつ、下記の事項に御留意の上、所管又は所轄の義務教育諸学校における適切な対処がなされるよう、改めての御指導をお願いします。
  なお、各都道府県教育委員会教育長におかれては、このことについて、域内の市町村教育委員会への御周知・御指導を頂きますよう、重ねてお願いします。



1 学校の管理下で、学校の教育課程の一部に位置付けて行う職場体験活動や不登校児童生徒が学校復帰に向けて行う学校外の学習活動等と、修学時間内の就労のような義務教育を受ける機会を妨げる活動とは、明確に区別されるべきものであること。就学の機会を妨げる労働への従事は、賃金を受け取るか否か等にかかわらず、容認され得ないこと。

2 就労等は、保護者が学齢児童生徒を就学させないことについての「正当な事由」となり得ないこと。学齢児童生徒が就労等のために欠席を続け、義務教育を受ける機会を妨げられることになる場合には、義務教育諸学校及び市町村教育委員会は、これを放置せず、出席するよう促す必要があること。


 

【参照条文】
○学校教育法(昭和22年法律第26号)
  第十六条 保護者(子に対して親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。以下同じ。)は、次条に定めるところにより、子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
  第十七条 保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
  (2) 保護者は、子が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。
  (3) 前二項の義務の履行の督促その他これらの義務の履行に関し必要な事項は、政令で定める。
  第二十条 学齢児童又は学齢生徒を使用する者は、その使用によつて、当該学齢児童又は学齢生徒が、義務教育を受けることを妨げてはならない。

○学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)
    (校長の義務)
  第十九条 小学校、中学校、中等教育学校及び特別支援学校の校長は、常に、その学校に在学する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない。
  第二十条 小学校、中学校、中等教育学校及び特別支援学校の校長は、当該学校に在学する学齢児童又は学齢生徒が、休業日を除き引き続き七日間出席せず、その他その出席状況が良好でない場合において、その出席させないことについて保護者に正当な事由がないと認められるときは、速やかに、その旨を当該学齢児童又は学齢生徒の住所の存する市町村の教育委員会に通知しなければならない。
    (教育委員会の行う出席の督促等)
  第二十一条 市町村の教育委員会は、前条の通知を受けたときその他当該市町村に住所を有する学齢児童又は学齢生徒の保護者が法第十七条第一項又は第二項に規定する義務を怠つていると認められるときは、その保護者に対して、当該学齢児童又は学齢生徒の出席を督促しなければならない。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成25年03月 --