令和4年度における免許状更新講習の開設予定調査結果を踏まえた教員免許更新制に係る留意事項について(通知)

3教教人第37号
令和4年2月25日



各国公私立大学長
各指定教員養成機関の長
各都道府県・指定都市・中核市教育委員会教育長
各大学共同利用機関法人機構長
文部科学省が所管する各独立行政法人の長
免許状更新講習の開設者の指定を受けた各法人の長
 

文部科学省総合教育政策局教育人材政策課長
小幡 泰弘

 

令和4年度における免許状更新講習の開設予定調査結果を踏まえた教員免許更新制に係る留意事項について(通知)


 本日、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」が閣議決定されたところです。同法律案において、その施行日は令和4年7月1日(教育公務員特例法改正部分は令和5年4月1日)とされていることから、仮に今通常国会で法改正が実現した場合、本年7月1日以降に免許状の修了確認期限又は有効期間の満了の日(以下、「修了確認期限等」という。)を迎える者は、免許状更新講習の受講や免許の更新手続の必要がなくなることとなります。
 こうした状況を踏まえ、令和3年11月29日に各都道府県教育委員会等に対し依頼させていただいた令和4年度における免許状更新講習の開設予定調査(以下、「開設予定調査」という。)においては、別紙のとおり、令和4年度における免許状更新講習の受入れ予定人数が31,657人(30時間換算)となり、受講対象者数(修了確認期限又は有効期間満了の日が令和5年3月31日の者:104,745人、同令和6年3月31日の者:106,765人)を大幅に下回る結果となっております。
 また、令和4年2月以降は、当初予定されていた講習の中止が起こることも想定されます。
 このことから、令和4年4月から6月までの間に修了確認期限等を迎える者の免許状更新講習の修了確認期限の延期又は教員免許状の有効期間の延長(以下「延期又は延長」という。)の考え方やこれにかかる手続等事務の取扱いについて、下記に示しますので、十分にご留意いただき、事務処理上遺漏のないよう願います。

1.免許状更新講習開設数の不足等に関連した修了確認期限等の延期又は延長に係る取扱いについて 

(1)延期又は延長を行う場合の考え方について
 現職教員が引き続き教壇に立つためには、免許状更新講習を受講・修了することで免許状の有効期間等の更新をすることが原則です。これは、教員免許更新制の目的が、教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることを目指すものであるためです。
 一方で、開設予定調査において、令和4年度における免許状更新講習の受入れ予定人数が受講対象者数を大幅に下回る結果となったこと等から、令和4年4月から6月までの間に修了確認期限等を迎える者においては、教師本人のニーズに合致した免許状更新講習の受講が困難な状況が生じることが想定されます。
免許管理者である各都道府県教育委員会は、「免許管理者がやむを得ない事由として認める事由がある」ことにより、修了確認期限等までに免許状更新講習の課程を修了することが困難である場合、教員免許状を有する者の申請期限(修了確認期限等の2か月前)までの申請により、「やむを得ない事由」がなくなった日から起算して2年2月を超えない範囲内で、延期又は延長を行うことが可能です(教育職員免許法(昭和24年法律第147号)第9条の2第5項、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律(平成19年法律第98号)附則第2条第4項、教育職員免許法施行規則(昭和29年文部省令第26号。以下「施行規則」という。)第61条の5、第61 条の6、第61条の9、教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令(平成20年文部科学省令第9号。以下「一部改正省令」という。)附則第7条~第9条)。
 現行制度の下では、免許状更新講習を受講した上で、免許状の有効期間等の更新を行うことが望ましいものであり、可能な限り免許状更新講習の受講をしていただきたいと思いますが、これらのことを踏まえ、やむを得ない場合には、各免許管理者におかれては、現職教員のうち、当面、免許状の修了確認期限等が法律案における施行予定日より前(令和4年6月30日まで)にある者について、令和4年度における免許状更新講習開設数の不足等が上記の「やむを得ない事由」に当たると解し、延期又は延長を行うこととしても差し支えないこととします。この場合、延期又は延長を行った者に対しては、延期又は延長に係る証明書(施行規則第61条の10、一部改正省令附則第15条)を遺漏なく発行することとなります。
 また、「やむを得ない事由」にあたるかどうかは本人の申出に従って判断して差し支えありません。
 なお、令和4年度における免許状更新講習開設数の不足等を「やむを得ない事由」と認定し、延期又は延長を行うこととした場合、当該事由がなくなった日(延期又は延長の起算日)についても、本来各免許管理者において判断されるべきものですが、文部科学省として、当該日として、令和5年4月1日を想定しています。この場合、各免許管理者におかれては、令和5年3月31日までは、対象となる現職教員について、令和4年度における免許状更新講習数の不足等の「やむを得ない事由」が継続しているものと取り扱っても差し支えないこととします。

(2)延期又は延長の手続について
 上記のとおり、現職教員が延期又は延長を行う場合、申請期限までに申請することが必要となります。申請期限までに申請がなされないことにより、延期又は延長が行われない場合、当該免許状は失効することとなります。このため、各免許管理者におかれては、域内の市町村教育委員会及び所管の学校その他の教育機関に対し、本通知の趣旨や必要な手続の流れに関して確実に周知徹底し、各教師が適切に手続を行えるようお願いします。また、対象となる現職教師の延期又は延長に係る申請が相当な時間的余裕をもって行われるよう促すなど、当該教師に不利益が生じないよう、適切な配慮を講じるようお願いします。
 なお、本人が自ら延期又は延長に係る申請を行うことが困難な場合や申請の件数が多数に上ると想定されるなど、申請を取りまとめて行うことが事務実施上の便宜に資することが見込まれる場合には、学校長(園長)、市町村教育委員会又は任命権者としての都道府県教育委員会等からの代理申請により、延期又は延長の手続を行うことも可能です。
 また、現職教師の本人の希望によっては、延期又は延長を行わずに、予定の期日までに免許状更新講習の修了確認又は有効期間の更新を行うことも当然に可能です。

2.免許状更新講習の領域を撤廃する省令改正の取りやめ及び免許状が失効・休眠状態にある現職教員ではない者に対する臨時免許状の発行について

 令和3年11月29日付「令和4年度免許状更新講習の認定申請等について(通知)」(3教教人第 30 号)において、令和4年度の免許状更新講習については、「必修」・「選択必修」・「選択」の3つの領域を撤廃する省令改正を行う予定である旨を通知したところですが、上記の通り延期又は延長を行うこととして差し支えないこととするため、本省令の改正を取りやめることといたしました。
 また、現在教育職員として勤務しておらず教員免許状が失効あるいは休眠状態となっている者の場合は、教育職員として勤務するまでに免許状更新講習を受講し、その上で再授与申請等を行う必要がありますが、上述のとおり、令和4年度の免許状更新講習の開設講習数は受入れ予定人数に対して大幅に下回る見込みであり、受講自体困難となることが予想されます。
 このため、他に有効な普通免許状を有する者を合理的な範囲の努力により採用することができず、都道府県教育委員会が必要と判断した場合には、これらの者に対して臨時免許状を授与することも考えられます。
 なお、こうした状況に鑑み、令和3年4月28日付「免許状更新講習を修了していない者に対する臨時免許状の授与について(通知)」(3教教人第3号)は廃止します。このため、臨時免許状の授与に当たって、当該通知において示した臨時免許状の発行の基準(免許状更新講習の受講の申し込みを行っていること等)に従っていただく必要はありませんが、これまでも臨時免許状の発行については、厳に当該免許状の趣旨に則ったものに対して行うこととし、安易な授与は行わないようお願いしているところであり、今後もこの点については変わるものではないことにはご留意願います。

3.省令改正の取りやめによる免許状更新講習の認定等の申請について(主に講習開設者向け)

上記2.に記載しましたとおり、令和4年度の認定申請については領域の撤廃を前提とした申請(全て選択領域から申請するなど)としていたところですが、省令改正の取りやめにより、従前のとおり3つの領域及び領域ごとに設定された必要受講時間が残ることとなったことから、今後は下記の取り扱いに変更します。
 なお、令和3年11月29日付「免許状更新講習の認定申請等要領(令和4年度開設用)」(3教教人第30号)については、内容を改訂した後、別途通知します。主な変更点は次のとおりです。

○令和4年度第3回(2月16日申請締切)までに申請された講習については、全て「選択領域」として取り扱います。ただし、開設者の希望により、他の領域に変更を希望する場合は、通常の手続(廃止届提出後に再申請)によることなく、文部科学省に電子メールにてお申し出いただければ対応します。
○令和4年度第4回(3月16日申請締切)以降に申請する講習については、別途通知する改訂版の「免許状更新講習の認定申請等要領」に基づき、申請いただきます。
 

4.修了確認期限等を7月1日以降に迎える者の取り扱いについて

 修了確認期限等を7月1日以降に迎える者の取り扱いについては必要に応じて別途通知します。
     

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

Get ADOBE READER

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要な場合があります。
Adobe Acrobat Readerは開発元のWebページにて、無償でダウンロード可能です。

(総合教育政策局教育人材政策課)