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1 児童生徒の生活の諸側面等に関する分析

分析内容とその視点

 平成19年度全国学力・学習状況調査(以下「調査」という。)では、国語及び算数/数学について、基本的な知識・技能の定着を見る主として「知識」に関する問題と、知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する能力を見る主として「活用」に関する問題を「教科に関する調査」として出題している。また、児童生徒の生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査(児童生徒質問紙と学校質問紙)を実施している。
 本分析ではまず、その質問紙調査から得られたデータを用いて、正答数を基準変数とする重回帰分析(注1)を行い学力との関係が強い項目を探求するとともに、重回帰分析の結果を踏まえ、家庭における生活習慣・学習習慣に関する分析を行った。
 児童生徒の学力には、学校の教育条件や指導方法以外にも、児童生徒自身の生活・学習習慣、地域の特性などの要因が複雑な構造で影響を与えている。児童生徒の学力を規定する要因を明らかにするためには、単純に質問紙の各質問項目と学力の関係を検討するだけでは不十分である。本分析では、学力を国語と算数/数学の正答数としてとらえる。その上で、正答数を基準変数とした重回帰分析を行い、正答数と質問紙調査の各項目間の独立した関係の強さを鳥瞰する。
 さらに、正答数との関係が強い児童生徒の生活の諸側面等に関して、相互の関係を検討し、児童生徒の生活・学習習慣と正答数との関係を分析する。

  • (注1)重回帰分析とは、1つの結果(基準変数又は従属変数と呼ばれる)を、複数の要因(説明変数)で説明しようとする分析方法である。それぞれの説明変数が基準変数に対して、どのくらいの独立した関係があるかを明らかにする分析方法である。

1.学力と学習習慣・生活習慣・学校の取組等の関係の分析

 学校および児童生徒に対する質問紙調査の項目のうち、どの項目が正答数と強い関係を持っているかを探求するため、重回帰分析を行った。その結果、児童生徒自身の関心・意欲・態度や生活習慣と正答数の関係が強い傾向が見られた。また、学校の取組や学習指導も正答数に関係していた。

(1)分析方法

 本分析は、調査対象の学校・児童生徒全体を鳥瞰することを目的とする分析であるため、公立学校に限定せず、集計対象となった国公私立学校の児童生徒全員のデータを用いた。
 具体的な分析方法は、小学校および中学校の学校質問紙調査と児童生徒質問紙調査のデータを用い、これらの質問紙調査の項目から、正答数に関係すると考えられる項目を取り上げ、「生活習慣」、「関心・意欲・態度」、「授業」、「学校の状況」、「学校の取組」、「学習指導」の6つの項目群に分類した。まず、これらの項目群ごとにモデルを構築し、学力調査の各教科の正答数を基準変数として、重回帰分析を行った。その後、偏回帰係数(注2)の符号(注3)・標準化係数(注4)・t値(注5)・多重共線性(注6)に注意しながら、各項目群ごとの分析において関係が強い項目を抽出して1つのモデルを構築し、重回帰分析を行った。
 なお、教科に関する調査には、国語及び算数/数学について、主として知識・技能の定着を見る問題(A)と、主として活用に関する力を見る問題(B)があるが、国語及び算数/数学の正答数を総合的に見るため、両問題の正答数の合計を基準変数に用いた。

  • (注2)偏回帰係数とは、ある説明変数以外の全ての説明変数が一定として、その説明変数が1単位増加したときに、基準変数がどのくらい変化するかを表す値である。
  • (注3)偏回帰係数の符号は、その説明変数が、基準変数に対して、プラスの関係があるのかマイナスの関係があるのかを示す。正答数を基準変数にしたとき、勉強時間の偏回帰係数の符号がプラスであれば、勉強時間が長いほど正答数が多いという関係があることを意味する。
  • (注4)標準化係数とは、説明変数間で関係の強さを比較できるよう、偏回帰係数を変換した値である。
  • (注5)t値とは、計算された偏回帰係数の値の安定性を表す値である。t値が大きいほど、計算された偏回帰係数がより安定していることを意味する。
  • (注6)多重共線性とは、重回帰分析に投入する説明変数間に強すぎる相関がある場合、推定される値が不安定となる問題のことである。

(2)分析結果

 前述のような手続きにより、変数を精査して構築したモデルが表1-1-1から表1-1-4である。

表1-1-1 重回帰分析の結果(小学校・基準変数:国語ABの正答数合計)

  偏回帰係数 標準化係数 t値
    (定数) 2.740    
児童質問紙 生活・学習習慣 (1)朝食を毎日食べていますか 0.773 0.085 96.2
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.607 0.104 111.5
(21)学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.297 0.078 76.6
(23)家や図書館で,普段(月曜日~金曜日),1日にどれくらいの時間,読書をしますか 0.112 0.035 37.6
(24)学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている 0.900 0.087 88.5
(24)学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通っている マイナス1.563 マイナス0.113 マイナス130.4
(27)家の人と学校での出来事について話をしていますか 0.128 0.026 27.9
(32)家で学校の宿題をしていますか 1.075 0.128 138.3
関心・意欲・態度 (9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.454 0.062 66.3
(39)新聞やテレビのニュースなどに関心がありますか 0.216 0.041 43.4
(43)今住んでいる地域の行事に参加していますか 0.100 0.022 25.0
授業 (68)国語の勉強は好きですか 0.310 0.061 62.2
(72)新しく習った漢字を実際の生活で使おうとしていますか 0.318 0.061 62.1
(77)国語の授業で資料を読み,自分の考えを話したり,書いたりしていますか 0.516 0.088 91.1
学校質問紙 学校の状況 (3)第6学年の学級数(特別支援学級を除く) 0.144 0.032 36.2
(16)第6学年の児童は,熱意をもって勉強していると思いますか 0.356 0.040 45.2
(19)第6学年の児童のうち,就学援助を受けている児童の割合 マイナス0.185 マイナス0.042 マイナス47.7
(20)第6学年の児童のうち,日本語指導が必要な児童の割合 マイナス0.088 マイナス0.015 マイナス17.6
学校の取組 (78)学校の教育活動の情報について,ホームページを開設して情報提供を行っていますか 0.278 0.022 25.8
(80)地域の人が自由に授業参観などができる学校公開日を設けていますか 0.118 0.010 11.3
(38)第6学年の児童の学力を把握するため,都道府県が実施する学力調査を行いましたか 0.175 0.018 21.0
学習指導 (52)第6学年の児童に対する国語の指導として,目的や相手に応じて話したり聞いたりする授業を行いましたか 0.120 0.016 18.4
  R2乗(注7) 0.210

  • (注7)R2乗とは、決定係数とも呼ばれ、データが回帰モデルにどの程度あてはまっているかを表す指標である。0から1の値を取り、1に近いほどデータがモデルによくあてはまっていることを示す。

表1-1-2 重回帰分析の結果(小学校・基準変数:算数ABの正答数合計)

  偏回帰係数 標準化係数 t値
    (定数) 1.797    
児童質問紙 生活・学習習慣 (1)朝食を毎日食べていますか 1.144 0.103 117.9
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.721 0.100 111.6
(17)普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,テレビやビデオ・DVDを見たり,聞いたりしますか 0.224 0.051 58.4
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.514 0.112 119.0
(24)学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている 1.347 0.106 114.2
(24)学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通っている マイナス1.740 マイナス0.103 マイナス120.2
(32)家で学校の宿題をしていますか 1.412 0.137 152.0
関心・意欲・態度 (9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.625 0.069 78.9
授業 (79)算数の勉強は好きですか 1.365 0.243 275.3
学校質問紙 学校の状況 (3)第6学年の学級数(特別支援学級を除く) 0.144 0.026 29.6
(16)第6学年の児童は,熱意をもって勉強していると思いますか 0.465 0.042 48.7
(19)第6学年の児童のうち,就学援助を受けている児童の割合 マイナス0.252 マイナス0.046 マイナス53.1
(20)第6学年の児童のうち,日本語指導が必要な児童の割合 マイナス0.089 マイナス0.012 マイナス14.7
学校の取組 (73)第6学年の児童に対する家庭訪問は,希望する児童だけを対象に実施しましたか 0.109 0.005 6.2
(78)学校の教育活動の情報について,ホームページを開設して情報提供を行っていますか 0.344 0.023 26.3
(94)授業研究を伴う校内研修を前年度,何回実施しましたか 0.021 0.008 9.2
(97)学校には校長の裁量経費がありますか 0.193 0.012 14.7
(28)第6学年の児童に対して,国が実施する学力向上のための事業による指定を受けたことがありますか 0.058 0.003 3.5
(35)第6学年の児童に対して,長期休業期間を利用した補充的な学習サポートを実施していますか 0.082 0.007 8.1
(37)始業前や休み時間等において,学校全体で組織的・計画的に,児童の体力向上のための取組を週に何日くらい行っていますか 0.029 0.005 5.5
(38)第6学年の児童の学力を把握するため,都道府県が実施する学力調査を行いましたか 0.146 0.012 14.2
(41)第6学年の児童の学力を把握するため,学年末テストや学期末テストの結果の分析を行いましたか 0.061 0.005 5.8
学習指導 (58)第6学年の児童に対する算数の指導として,発展的な学習の指導を行いましたか 0.112 0.014 16.2
  R2乗 0.230

表1-1-3 重回帰分析の結果(中学校・基準変数:国語ABの正答数合計)

  偏回帰係数 標準化係数 t値
    (定数) 16.077    
生徒質問紙 生活・学習習慣 (1)朝食を毎日食べていますか 1.078 0.100 109.3
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.789 0.097 99.5
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.242 0.046 46.4
(24)学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている 2.172 0.148 148.2
(24)学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通っている マイナス1.179 マイナス0.078 マイナス80.2
(28)家の人と学校での出来事について話をしていますか 0.335 0.046 48.4
(34)家で学校の宿題をしていますか 0.660 0.083 79.9
関心・意欲・態度 (9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.444 0.042 44.0
(42)世の中のいろいろな出来事に関心がありますか 0.180 0.022 22.9
(46)学校の規則を守っていますか 0.118 0.012 13.0
(50)人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか 0.199 0.019 20.4
授業 (70)国語の勉強は好きですか 0.366 0.048 49.3
(73)読書は好きですか 1.042 0.153 162.1
(77)国語の授業では,自分の思いや考えを書くことが多いですか 0.640 0.078 82.9
学校質問紙 学校の状況 (17)第3学年の生徒は,授業中の私語が少なく,落ち着いていると思いますか 0.428 0.039 43.0
(21)第3学年の生徒のうち,就学援助を受けている生徒の割合 マイナス0.537 マイナス0.075 マイナス82.6
学校の取組 (78)学校の教育活動の情報について,ホームページを開設して情報提供を行っていますか 0.425 0.024 27.1
学習指導 (52)第3学年の生徒に対する国語の指導として,発展的な学習の指導を行いましたか 0.294 0.029 32.3
(53)第3学年の生徒に対する国語の指導として,家庭学習の課題(宿題)を与えましたか 0.114 0.011 12.3
  R2乗 0.197

表1-1-4 重回帰分析の結果(中学校・基準変数:数学ABの正答数合計)

  偏回帰係数 標準化係数 t値
    (定数) 1.662    
生徒質問紙 生活・学習習慣 (1)朝食を毎日食べていますか 2.260 0.124 142.6
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.978 0.071 77.1
(17)普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,テレビやビデオ・DVDを見たり,聞いたりしますか マイナス0.419 マイナス0.044 マイナス51.3
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.519 0.058 61.1
(24)学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている 4.798 0.193 202.1
(24)学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通っている マイナス1.918 マイナス0.074 マイナス81.3
(28)家の人と学校での出来事について話をしていますか 0.106 0.009 9.8
(34)家で学校の宿題をしていますか 1.137 0.084 85.8
関心・意欲・態度 (9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.170 0.009 10.9
(46)学校の規則を守っていますか 0.626 0.038 42.7
授業 (81)数学の勉強は好きですか 1.932 0.171 172.1
(85)数学の問題の解き方が分からないときは,あきらめずにいろいろな方法を考えますか 2.191 0.166 162.3
学校質問紙 学校の状況 (17)第3学年の生徒は,授業中の私語が少なく,落ち着いていると思いますか 0.887 0.048 55.3
(21)第3学年の生徒のうち,就学援助を受けている生徒の割合 マイナス1.046 マイナス0.086 マイナス100.4
学校の取組 (78)学校の教育活動の情報について,ホームページを開設して情報提供を行っていますか 0.957 0.032 38.1
学習指導 (59)第3学年の生徒に対する数学の指導として,発展的な学習の指導を行いましたか 0.479 0.029 33.5
(60)第3学年の生徒に対する数学の指導として,家庭学習の課題(宿題)を与えましたか 0.511 0.028 32.1
  R2乗 0.291

 これらの分析結果から、家庭での生活・学習習慣、学校での学習態度などが学力に大きく関係していること、また、学校の状況や、学校の取組、学習指導もある程度の関係があることが読み取れる。
 生活・学習習慣では、「朝食を毎日食べている」「学校に持って行くものを、前日か、その日の朝に確かめている」「普段(月曜日から金曜日)又は休日の勉強時間」「家で学校の宿題をする」などの項目が、小学校と中学校の国語と算数/数学の両方で、正答数と関係している。学習塾で勉強することも大きく関係しているが、学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている場合は、プラスの関係が見られ、学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強している学習塾に通っている場合はマイナスの関係が見られる。
 関心・意欲・態度では、「ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがある」が、小学校と中学校の国語と算数/数学の両方で正答数との関係が見られる。
 授業では、小学校・中学校とも、国語や算数/数学で「勉強が好き」が大きな関係しているほか、小学校国語の「国語の授業で資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしている」、中学校国語の「国語の授業では、自分の思いや考えを書くことが多い」「読書は好き」、中学校数学の「解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考える」も正答数との関係が見られる。
 学校の状況では、「就学援助を受けている児童生徒の割合」が、小学校と中学校の国語と算数/数学の両方で正答数に関係している。
 学校の取組では、「学校の教育活動の情報について、ホームページを開設して情報提供を行っている」が正答数との関係が見られる。
 学習指導では、小学校の算数と中学校の国語・数学での「発展的な学習の指導」、中学校の国語・数学での「家庭学習の課題(宿題)を与えた」が正答数との関係が見られる。

(3)まとめ

 表1-1-1から表1-1-4において示した結果を、標準化係数に着目して要約した一覧表が、表1-2である。
 本分析においては、総じて、児童生徒自身の関心・意欲・態度や生活・学習習慣が正答数と強く関係している傾向が見られた。また、学校の取組や学習指導も関係している。
 これらのことから、正答数に影響を与える要因を探求するためには、学校の取組・学習指導にも留意しながら、児童生徒の生活習慣や学習の状況に着目した分析を進めることが必要である。
 本分析は、大まかに項目を分類し、学力との関係が強い項目を探る出発点としての分析である。本分析には、用いた変数が連続変量ではなく、正規分布をしていない問題、データが学校と児童生徒の階層構造になっているなどの課題がある。今後、それらの課題を解決するべく、他の統計的手法や、テーマに応じた分析方法を用いて分析を行う必要がある。より精緻な分析を行うことにより、本分析では学力との強い関係が見られなかった項目でも、学力との関係が析出される可能性があると考えられる。

表1-2 重回帰分析の結果の要約

      小学校 中学校
国語 算数 国語 数学
児童生徒質問紙 生活・学習習慣 朝食を毎日食べていますか 0.085 0.103 0.100 0.124
学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.104 0.100 0.097 0.071
普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,テレビやビデオ・DVDを見たり,聞いたりしますか   0.051   マイナス0.044
学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.078      
土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか   0.112 0.046 0.058
家や図書館で,普段(月曜日~金曜日),1日にどれくらいの時間,読書をしますか 0.035      
学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通っている 0.087 0.106 0.148 0.193
学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通っている マイナス0.113 マイナス0.103 マイナス0.078 マイナス0.074
家の人と学校での出来事について話をしていますか 0.026   0.046 0.009
家で学校の宿題をしていますか 0.128 0.137 0.083 0.084
関心・意欲・態度 ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.062 0.069 0.042 0.009
新聞やテレビのニュースなどに関心がありますか 0.041      
世の中のいろいろな出来事に関心がありますか     0.022  
今住んでいる地域の行事に参加していますか 0.022      
学校の規則を守っていますか     0.012 0.038
人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか     0.019  
授業(国語) 国語の勉強は好きですか 0.061 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.048 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
読書は好きですか   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.153 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
新しく習った漢字を実際の生活で使おうとしていますか 0.061 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
国語の授業で資料を読み,自分の考えを話したり,書いたりしていますか(小学校) 0.088 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
国語の授業では,自分の思いや考えを書くことが多いですか(中学校) 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.078 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
授業(算数/数学) 算数/数学の勉強は好きですか 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.243 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.171
算数/数学の問題の解き方が分からないときは,あきらめずにいろいろな方法を考えますか 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.166
学校質問紙 学校の状況 第6学年の学級数(特別支援学級を除く) 0.032 0.026    
児童生徒は,熱意をもって勉強していると思いますか 0.040 0.042    
児童生徒は,授業中の私語が少なく,落ち着いていると思いますか     0.039 0.048
児童生徒のうち,就学援助を受けている児童生徒の割合 マイナス0.042 マイナス0.046 マイナス0.075 マイナス0.086
児童生徒のうち,日本語指導が必要な児童生徒の割合 マイナス0.015 マイナス0.012    
学校の取組 児童生徒に対する家庭訪問は,希望する児童生徒だけを対象に実施しましたか   0.005    
学校の教育活動の情報について,ホームページを開設して情報提供を行っていますか 0.022 0.023 0.024 0.032
地域の人が自由に授業参観などができる学校公開日を設けていますか 0.010      
授業研究を伴う校内研修を前年度,何回実施しましたか   0.008    
学校には校長の裁量経費がありますか   0.012    
児童生徒に対して,国が実施する学力向上のための事業による指定を受けたことがありますか   0.003    
児童生徒に対して,長期休業期間を利用した補充的な学習サポートを実施していますか   0.007    
始業前や休み時間等において,学校全体で組織的・計画的に,児童の体力向上のための取組を週に何日くらい行っていますか   0.005    
児童生徒の学力を把握するため,都道府県が実施する学力調査を行いましたか 0.018 0.012    
児童生徒の学力を把握するため,学年末テストや学期末テストの結果の分析を行いましたか   0.005    
学習指導(国語) 児童生徒に対する国語の指導として,発展的な学習の指導を行いましたか   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.029 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
児童生徒に対する国語の指導として,家庭学習の課題(宿題)を与えましたか   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.011 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
児童生徒に対する国語の指導として,目的や相手に応じて話したり聞いたりする授業を行いましたか 0.016 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数
学習指導(算数/数学) 児童生徒に対する算数/数学の指導として,発展的な学習の指導を行いましたか 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.014 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.029
児童生徒に対する算数/数学の指導として,家庭学習の課題(宿題)を与えましたか 基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数   基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数 0.028
  • 数値は標準化係数を表す。空欄は相関が弱いため分析の途中で除外した変数で、「―」は基準変数と教科や学校種が違うため、分析に含めなかった変数である。

2.児童生徒の生活の諸側面に関する分析

 正答数に大きく関係している「朝食」、「家庭での学習」、「宿題」は、相互に密接な関係があり、例えば朝食を毎日食べている児童生徒ほど、家庭で長い時間学習をし、宿題をよくしている傾向が見られる。また、基本的生活習慣に正答数との大きな関連が見られ、他にも学習習慣や規範意識、自尊感情、家庭でのコミュニケーションなどとの関連が見られる。

(1)「朝食」、「家庭での学習時間」、「宿題」に着目した分析

1分析方法

 1.で行った正答数を基準変数とする重回帰分析の結果、児童生徒の家庭における生活習慣や学習習慣の正答数との関係が強い傾向が見られる。特に顕著な関係が見られた項目には、「朝食を毎日食べる」、「家庭での学習時間」、「家で学校の宿題をしている」という3つの項目が含まれている。この結果を踏まえ、どのような生活・学習習慣を持つ児童生徒が、朝食を毎日食べ、家庭で学習をし、宿題をしているのかを明らかにするため、家庭での生活・学習習慣に関わるこの3項目についてクロス分析を行った。

2分析結果

 ここでは、「朝食を毎日食べる」と「家庭での学習時間」のクロス表を表2-1-1、「朝食を毎日食べる」と「家で学校の宿題をしている」のクロス表を2-1-2に示す。また、図2-1-1は、表2-1-1の内容を図にしたものである。
 これらの図表から、朝食を毎日食べている児童生徒ほど、家庭学習をよくしている傾向が見られる。また、宿題についても、朝食を毎日食べている児童生徒の方が、宿題をよくしている傾向が見られる。例えば朝食を毎日食べている児童は、85.7パーセントが宿題をしているのに対し、全く食べていない児童で宿題をしている者は53.8パーセントである。

表2-1-1
「朝食を毎日食べる」と「家庭での学習時間(平日)」のクロス表

  平日の学習時間
3時間以上 2時間以上、3時間より少ない 1時間以上、2時間より少ない 30分以上、1時間より少ない 30分より少ない 全くしない 合計
朝食を毎日食べる 小学校 食べている 11.4パーセント 15.2パーセント 33.3パーセント 25.8パーセント 11.0パーセント 3.3パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 9.8パーセント 12.5パーセント 28.6パーセント 26.9パーセント 16.1パーセント 6.2パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 9.2パーセント 10.2パーセント 23.7パーセント 26.3パーセント 20.3パーセント 10.3パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 9.2パーセント 8.7パーセント 19.3パーセント 22.6パーセント 21.7パーセント 18.5パーセント 100.0パーセント
合計 11.1パーセント 14.7パーセント 32.4パーセント 25.9パーセント 11.9パーセント 4.0パーセント 100.0パーセント
中学校 食べている 10.0パーセント 26.8パーセント 30.9パーセント 16.3パーセント 9.4パーセント 6.5パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 9.3パーセント 23.2パーセント 26.9パーセント 16.7パーセント 12.6パーセント 11.2パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 9.0パーセント 20.0パーセント 23.8パーセント 16.2パーセント 14.7パーセント 16.4パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 9.1パーセント 17.1パーセント 19.8パーセント 13.3パーセント 13.9パーセント 26.8パーセント 100.0パーセント
合計 9.9パーセント 25.8パーセント 29.8パーセント 16.3パーセント 10.1パーセント 8.1パーセント 100.0パーセント

「朝食を毎日食べる」と「家庭での学習時間(休日)」のクロス表

  休日の学習時間
4時間以上 3時間以上、4時間より少ない 2時間以上、3時間より少ない 1時間以上、2時間より少ない 1時間より少ない 全くしない 合計
朝食を毎日食べる 小学校 食べている 6.7パーセント 5.0パーセント 12.3パーセント 31.2パーセント 35.0パーセント 9.6パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 5.5パーセント 4.0パーセント 9.9パーセント 26.5パーセント 39.6パーセント 14.5パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 5.2パーセント 3.6パーセント 7.9パーセント 21.7パーセント 40.4パーセント 21.3パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 5.3パーセント 3.4パーセント 6.6パーセント 16.1パーセント 36.6パーセント 32.0パーセント 100.0パーセント
合計 6.6パーセント 4.9パーセント 11.9パーセント 30.3パーセント 35.7パーセント 10.7パーセント 100.0パーセント
中学校 食べている 5.2パーセント 11.3パーセント 23.3パーセント 26.1パーセント 21.6パーセント 12.4パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 3.8パーセント 9.2パーセント 19.1パーセント 23.2パーセント 25.1パーセント 19.6パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 3.5パーセント 7.6パーセント 15.6パーセント 20.2パーセント 26.1パーセント 26.9パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 3.8パーセント 6.3パーセント 12.7パーセント 16.2パーセント 21.7パーセント 39.4パーセント 100.0パーセント
合計 4.9パーセント 10.7パーセント 22.2パーセント 25.2パーセント 22.3パーセント 14.7パーセント 100.0パーセント

図2-1-1
小学校:「朝食を毎日食べる」と「平日の学習時間」


中学校:「朝食を毎日食べる」と「平日の学習時間」

小学校:「朝食を毎日食べる」と「休日の学習時間」

中学校:「朝食を毎日食べる」と「休日の学習時間」

表2-1-2 「朝食を毎日食べる」と「家で学校の宿題をしている」のクロス表

  家で学校の宿題をしている
している どちらかといえば、している あまりしていない 全くしていない 合計
朝食を毎日食べる 小学校 食べている 85.7パーセント 10.1パーセント 3.2パーセント 0.9パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 69.9パーセント 20.6パーセント 7.8パーセント 1.7パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 61.2パーセント 22.5パーセント 12.9パーセント 3.4パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 53.8パーセント 21.0パーセント 15.6パーセント 9.7パーセント 100.0パーセント
合計 83.1パーセント 11.6パーセント 4.1パーセント 1.1パーセント 100.0パーセント
中学校 食べている 60.3パーセント 23.5パーセント 11.5パーセント 4.6パーセント 100.0パーセント
どちらかといえば、食べている 42.0パーセント 30.9パーセント 18.8パーセント 8.3パーセント 100.0パーセント
あまり食べていない 35.4パーセント 28.8パーセント 23.5パーセント 12.3パーセント 100.0パーセント
全く食べていない 31.7パーセント 23.6パーセント 22.0パーセント 22.6パーセント 100.0パーセント
合計 56.2パーセント 24.7パーセント 13.3パーセント 5.9パーセント 100.0パーセント

 しかし、朝食を毎日食べることだけが、国語、算数/数学の正答数を決定づける条件ではない。朝食を全く食べない児童生徒の正答数は全体の平均より少ないが、朝食を全く食べない児童生徒でも、その他の生活・学習習慣が確立しているかどうかで正答数に差が見られるかを検討した。その結果は、表2-1-3と図2-1-3である。朝食を全く食べていない児童生徒でも、学校に持って行くものを前日に準備したり、決まった時間に就寝するといった朝食を除く他の生活・学習習慣が確立していると見ることができる児童生徒とそうでない児童生徒の間で正答数に差が見られた。

図2-1-3 朝食を食べない児童生徒の平均正答数
「(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか」


「(32/34)家で学校の宿題をしていますか」

表2-1-3 朝食を食べていない児童生徒の平均正答数

  小学校 中学校
正答数
国語AプラスB
正答数
算数AプラスB
正答数
国語AプラスB
正答数
数学AプラスB
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか している 18.20 20.71 34.79 30.09
どちらかといえば、している 17.18 19.73 33.42 27.89
あまりしていない 15.53 18.04 31.39 25.34
全くしていない 14.54 16.74 28.80 23.15
合計 16.77 19.23 32.62 27.32
(4)毎日,同じくらいの時刻に寝ていますか している 17.21 20.01 32.73 27.87
どちらかといえば、している 18.18 20.90 34.32 29.48
あまりしていない 17.44 19.89 33.49 28.17
全くしていない 15.34 17.47 30.51 24.60
合計 16.77 19.23 32.62 27.32
(6)勉強する時間を自分で決めて実行していますか している 16.98 19.50 33.55 30.09
どちらかといえば、している 17.63 20.33 34.14 30.29
あまりしていない 17.61 20.22 34.09 29.11
全くしていない 15.93 18.22 31.24 25.11
合計 16.77 19.24 32.61 27.31
(21)学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 3時間以上 19.22 22.64 34.97 33.23
2時間以上、3時間より少ない 18.10 20.97 34.78 32.18
1時間以上、2時間より少ない 17.80 20.58 33.77 29.94
30分以上、1時間より少ない 16.89 19.35 33.39 27.86
30分より少ない 16.23 18.41 32.31 25.06
全くしない 14.40 16.21 29.37 21.18
合計 16.78 19.25 32.62 27.33
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 4時間以上 19.77 23.67 35.47 34.70
3時間以上、4時間より少ない 17.61 20.37 35.29 33.70
2時間以上、3時間より少ない 17.76 20.56 35.49 32.87
1時間以上、2時間より少ない 17.57 20.25 34.34 30.56
1時間より少ない 16.89 19.29 33.12 27.02
全くしない 15.48 17.57 30.02 22.64
合計 16.78 19.25 32.62 27.33
(32/34)家で学校の宿題をしていますか している 18.26 21.02 35.16 31.66
どちらかといえば、している 16.21 18.57 33.52 28.41
あまりしていない 14.81 16.87 32.23 26.04
全くしていない 12.93 14.63 28.52 21.37
合計 16.78 19.24 32.62 27.33
すべての児童生徒の平均正答数 21.00 24.53 37.67 36.68

(2)児童生徒の生活の諸側面等に関する項目を用いた主成分・因子分析

1分析の視点・分析方法

 児童生徒の生活状況等を構造的に把握するため、質問紙項目を設計意図に基づき、「基本的生活習慣」、「家庭でのコミュニケーション」、「地域や社会への興味・関心」、「体験的活動の経験」、「自尊感情」、「規範意識」の項目群に分類して、各項目群について主成分分析(注8)もしくは因子分析(注9)を行った。

  • (注8)主成分分析とは、複数の変数を少数の総合的な変数に縮約する分析方法である。
  • (注9)因子分析とは、データの背後にあり、共通に影響を与えている潜在的な構造を明らかにする分析方法である。

2主成分分析・因子分析の結果

 表2-2-1は、児童生徒の生活の諸側面等に関する項目を用いた主成分分析および因子分析の結果である。上記「地域や社会への興味・関心」と「体験的活動の経験」については、主因子法による因子分析を行い、最初の2因子を抽出し、それ以外については、主成分分析を行い、第1主成分を抽出した。同表には、「基本的生活習慣」、「家庭でのコミュニケーション」、「社会への興味・関心」、「地域への興味・関心」、「地域や家庭における体験」、「自然体験」、「自尊感情」、「規範意識」という8種類の主成分・因子の負荷量を示している。この値が高いほど、縮約された主成分に大きく影響している変数であること、又は、抽出された因子から大きく影響を受けている変数であることを表す。

表2-2-1 主成分分析および因子分析の結果
基本的生活習慣

  小学校 中学校
(1)朝食を毎日食べていますか 0.472 0.507
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめていますか 0.551 0.573
(3)身の回りのことは,できるだけ自分でしていますか 0.562 0.494
(4)毎日,同じくらいの時刻に寝ていますか 0.687 0.689
(5)毎日,同じくらいの時刻に起きていますか 0.671 0.663
(7)テレビを見る時間やゲームをする時間などのルールを家の人と決めていますか 0.501 0.430

家庭でのコミュニケーション

  小学校 中学校
(25)家の人と普段(月曜日~金曜日),朝食を一緒に食べていますか 0.621 0.632
(26)家の人と普段(月曜日~金曜日),夕食を一緒に食べていますか 0.536 0.632
(27)家の人と学校での出来事について話をしていますか 0.638 0.670
(28)家の人と一緒に運動・スポーツをしていますか 0.620 0.609
(29)家の手伝いをしていますか 0.481 0.464
(30)家で食事をするときは,テレビを見ないようにしていますか 0.324 0.210

社会への興味・関心 地域への興味・関心

  小学校 中学校
社会への興味・関心 地域への興味・関心 社会への興味・関心 地域への興味・関心
(39)新聞やテレビのニュースなどに関心がありますか 太字ここから0.885太字ここまで 0.066 太字ここから0.920太字ここまで 0.103
(40)世の中のいろいろな出来事に関心がありますか 太字ここから0.886太字ここまで 0.120 太字ここから0.913太字ここまで 0.153
(41)今住んでいる地域が好きですか 0.075 太字ここから0.763太字ここまで 0.051 太字ここから0.748太字ここまで
(43)今住んでいる地域の行事に参加していますか 0.027 太字ここから0.713太字ここまで 0.057 太字ここから0.738太字ここまで
(42)今住んでいる地域の歴史や自然について関心がありますか 0.453 太字ここから0.569太字ここまで 0.252 太字ここから0.739太字ここまで
  • 太字の変数が、それぞれの因子を構成する変数であることを示す。

地域や家庭における体験 自然体験

  小学校 中学校
地域や家庭における体験 自然体験 地域や家庭における体験 自然体験
(54)花を咲かせたり,野菜を育てたりしたことがありますか 太字ここから0.534太字ここまで 0.341 太字ここから0.582太字ここまで 0.366
(55)小さい子どもをおんぶやだっこしたり,遊んであげたりしたことがありますか 太字ここから0.471太字ここまで 0.184 太字ここから0.533太字ここまで 0.208
(56)体の不自由な人やお年寄りや,困っている人の手助けをしたことがありますか 太字ここから0.451太字ここまで 0.212 太字ここから0.510太字ここまで 0.215
(57)清掃活動(草取り,ゴミ拾いなど)へ参加したことがありますか 太字ここから0.384太字ここまで 0.203 太字ここから0.448太字ここまで 0.249
(58)木材を使ったものづくりをしたことがありますか 太字ここから0.431太字ここまで 0.378 太字ここから0.448太字ここまで 0.395
(59)包丁やナイフを使って調理をしたことがありますか 太字ここから0.627太字ここまで 0.137 太字ここから0.637太字ここまで 0.177
(60)編み物や裁縫をしたことがありますか 太字ここから0.648太字ここまで 0.051 太字ここから0.683太字ここまで 0.076
(51)海,山,湖,川などで遊んだことがありますか 0.214 太字ここから0.569太字ここまで 0.239 太字ここから0.623太字ここまで
(52)魚や貝や昆虫をつまえたことがありますか 0.088 太字ここから0.822太字ここまで 0.118 太字ここから0.885太字ここまで
(53)生き物を飼育したことがありますか 0.245 太字ここから0.497太字ここまで 0.291 太字ここから0.491太字ここまで
  • 太字の変数が、それぞれの因子を構成する変数であることを示す。

自尊感情

  小学校 中学校
(9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがありますか 0.691 0.692
(10)難しいことでも,失敗をおそれないで挑戦していますか 0.706 0.724
(11)自分には,よいところがあると思いますか 0.681 0.677
(12)将来の夢や目標を持っていますか 0.579 0.604

規範意識

  小学校 中学校
(44)学校のきまりを守っていますか 0.546 0.428
(45)友達との約束を守っていますか 0.516 0.525
(46)人が困っているときは,進んで助けていますか 0.671 0.682
(47)近所の人に会ったときは,あいさつをしていますか 0.555 0.557
(48)人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか 0.740 0.727
(49)いじめは,どんな理由があってもいけないことだと思いますか 0.585 0.592
(50)人の役に立つ人間になりたいと思いますか 0.723 0.733

3主成分・因子得点と正答数の相関係数

 表2-2-1で示した8つの主成分・因子の得点と正答数の間の相関係数を表2-2-2に示す。

表2-2-2 主成分・因子得点と正答数の相関係数表

    国語ABの正答数合計 算数/数学ABの正答数合計 基本的生活習慣 家庭でのコミュニケーション 社会への興味・関心 地域への興味・関心 地域や家庭における体験 自然体験 自尊感情 規範意識
小学校 基本的生活習慣 0.292 0.275 1.000 0.430 0.293 0.228 0.274 0.093 0.417 0.457
家庭でのコミュニケーション 0.079 0.059   1.000 0.274 0.283 0.344 0.188 0.379 0.406
社会への興味・関心 0.189 0.160     1.000 0.000 0.261 0.158 0.348 0.336
地域への興味・関心 0.074 0.071       1.000 0.241 0.150 0.268 0.335
地域や家庭における体験 0.101 0.035         1.000 0.145 0.334 0.392
自然体験 マイナス0.016 0.010           1.000 0.193 0.094
自尊感情 0.191 0.180             1.000 0.533
規範意識 0.197 0.158               1.000
中学校 基本的生活習慣 0.222 0.228 1.000 0.376 0.228 0.219 0.208 0.098 0.353 0.380
家庭でのコミュニケーション 0.094 0.069   1.000 0.213 0.323 0.318 0.162 0.315 0.348
社会への関心・興味 0.165 0.129     1.000 0.000 0.185 0.154 0.285 0.249
地域への関心・興味 0.036 0.051       1.000 0.262 0.189 0.273 0.338
地域や家庭における体験 0.092 0.001         1.000 0.116 0.301 0.374
自然体験 マイナス0.001 0.022           1.000 0.190 0.118
自尊感情 0.125 0.128             1.000 0.484
規範意識 0.133 0.105               1.000

 この分析の結果、正答数との関係が最も強いのは、基本的生活習慣で、相関係数は0.292であった。次いで、社会への興味・関心、規範意識、自尊感情が、相関係数0.2には満たないものの、正答数と関係していた。
 因子・主成分間では、基本的生活習慣と家庭でのコミュニケーション、規範意識、自尊感情の関係や家庭でのコミュニケーションと規範意識、自尊感情、地域や家庭における体験、地域への興味・関心の関係が強かった。また、地域や社会への興味・関心が高かったり、地域や家庭における体験を行っている児童生徒ほど、規範意識が高く、自尊感情が高かった。規範意識と自尊感情の相関係数も高くなっていた。

4学習習慣と主成分・因子得点および正答数の相関係数

 表2-2-3は、学習習慣に関する質問項目と、表2-2-1において抽出された8つの主成分・因子の得点と正答数の間の相関係数を示している。
  3の分析において、基本的生活習慣と正答数との相関が比較的高いことが明らかとなったことに加え、表2-2-3から、基本的生活習慣は、「勉強する時間を自分で決めて実行している」、「家で学校の宿題をしている」といった学習習慣との相関が高いことが分かる。「勉強する時間を自分で決めて実行している」、「家で学校の宿題をしている」児童生徒は、自尊感情と規範意識が高く、家庭でのコミュニケーションをとっている傾向が見られる。また、小学校では、勉強時間と社会への興味・関心の間に相関が見られる。

表2-2-3 学習習慣と主成分・因子得点および正答数の相関係数表

    国語ABの正答数合計 算数ABの正答数合計 勉強する時間を自分で決めて実行していますか 学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 家で学校の宿題をしていますか 基本的生活習慣 家庭でのコミュニケーション 社会への興味・関心 地域への興味・関心 地域や家庭における体験 自然体験 自尊感情 規範意識
小学校 (6)勉強する時間を自分で決めて実行していますか 0.138 0.137 1.000 0.333 0.333 0.205 0.417 0.271 0.254 0.141 0.212 0.054 0.293 0.314
(21)学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.229 0.247   1.000 0.629 0.165 0.218 0.129 0.208 0.070 0.159 0.040 0.192 0.211
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.215 0.240     1.000 0.122 0.208 0.127 0.231 0.059 0.150 0.036 0.179 0.196
(32)家で学校の宿題をしていますか 0.260 0.243       1.000 0.311 0.173 0.102 0.121 0.122 マイナス0.012 0.196 0.280
中学校 (6)勉強する時間を自分で決めて実行していますか 0.107 0.141 1.000 0.400 0.455 0.374 0.407 0.246 0.186 0.156 0.163 0.050 0.273 0.261
(21)学校の授業時間以外に,普段(月曜日~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.172 0.246   1.000 0.617 0.306 0.208 0.123 0.110 0.099 0.125 0.029 0.167 0.189
(22)土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強をしますか 0.208 0.274     1.000 0.351 0.249 0.172 0.149 0.114 0.145 0.023 0.178 0.197
(34)家で学校の宿題をしていますか 0.248 0.272       1.000 0.373 0.252 0.150 0.153 0.173 0.025 0.227 0.311

(3)まとめ

 本分析により、「朝食を毎日食べる」、「学校への持ち物を確認する」、「毎日同じくらいの時刻に寝たり起きたりする」などの基本的生活習慣と正答数との相関が比較的強いことが明らかとなった。また、基本的生活習慣は、学習習慣にも関係しており、規則正しい生活習慣と学習習慣の確立が、学力と関係している様が示唆される。
 家庭での生活・学習習慣は、基本的には家庭において形成されるものであると想定される。しかし、学校においても、適切な家庭学習の課題を与えるなど、生活・学習習慣の確立に向けた適切な指導を行っていくことが望まれる。今後とも引き続き学校においては、保護者や地域と連携を図りながら、児童生徒の家庭での生活・学習習慣の形成を支援していく取組が必要であると考えられる。

3.留意事項

 本分析により、児童生徒の生活・学習習慣と学力の関係が強いことが明らかとなったが、生活・学習習慣に係る特定の項目だけを行えば学力が向上すると短絡的に結論付けることはできないことに留意する必要がある。
 例えば、朝食を毎日食べている児童生徒ほど学力が高いという傾向が見られたが、これは各児童生徒自身の特性や各家庭における子育て全般に対する姿勢などを反映している可能性があり、朝食を毎日食べれば学力が向上すると単純に結びつけることはできない。
 また、学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾は学力とプラス、学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾は学力とマイナスの関係が見られたが、これが通塾の効果であると結論付けるのは早計である。学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強する学習塾に通う児童生徒と学校の勉強でよく分からなかった内容を勉強する学習塾に通う児童生徒の学力の状況がもともと異なっているなど様々な要因から、今回の分析結果が出たと考えられるからである。

-- 登録:平成21年以前 --