学校図書館

参考 「これからの学校図書館の活用の在り方等について(審議経過報告)」骨子案(たたき台)

はじめに

  • サポーターズ会議設置の趣旨等
  • サポーターズ会議のこれまでの活動
    • リーフレットの作成など広報活動を通じ、読書活動の意義や学校図書館の整備の必要性等について、アピールを行ってきた。
    • 併せて、「これからの学校図書館の活用の在り方等」について審議した。
  • 「これからの学校図書館の活用の在り方等について」の審議の趣旨
    • 読書活動等を推進するため、広く国民の理解を得て、学校図書館の人的・物的体制等の整備を進めていく必要がある。
    • 一方、広く国民の理解を得るためには、学校図書館関係者の側からも、学校図書館に何ができるか、今後どのような機能を充実させ、教育活動の展開や地域における子どもの「育ち」に、どう貢献できるのかを示していくことも必要である。
    • 本報告に示す今後発展・充実させるべき学校図書館の機能は、人的・物的体制等が確保されることによって十全に発揮できるものであると同時に、その機能を発揮して国民(子どもたち)に様々な還元を行うことにより、学校図書館の体制整備の意義・重要性に対し、国民一般の理解も深まることになる。
    • このような認識の下、サポーターズ会議では、学校図書館に今後求められる役割や、その機能の発展の方向性等について審議を行い、今般、その審議経過についてとりまとめた。

1.学校図書館の機能・役割について

学校図書館の位置付け

  • 学校図書館法の規定[第3条]により、学校図書館はすべての学校(小・中・高等学校、中等教育学校、特別支援学校)に置かれている。
  • 学校図書館の目的については、「図書、視聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料((略))を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによつて、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成すること」とされている[第2条]。
  • これらを受け、学習指導要領(総則)は、指導計画の策定等に当たっての配慮事項として、「学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童(生徒)の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること」としている。
  • さらに、学校図書館法では、学校図書館の運営に関する附帯事項として「学校図書館は、その目的を達成するのに支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる」とされている[第4条第2項]。

1.児童生徒の「読書センター」及び「学習情報センター」としての機能

  • 上のような目的を持つ学校図書館の機能については、従来より、「読書センター機能」及び「学習情報センター機能」という2つの柱を持つものと捉えられてきた。この2つの機能の発揮を通じ、学校図書館は「学校教育の中核」たる役割を果たすよう期待されている。
《児童生徒の読書センターとしての学校図書館》
  • * 学校図書館は、児童生徒の創造力を培い、学習に対する興味・関心等を呼び起こし、豊かな心をはぐくむ、自由な読書活動や読書指導の場である「読書センター」としての機能を果たす。
     - 子どもたちが、自由に好きな本を選び、静かに読みふける場を提供したり、様々な本を紹介して、読書の楽しさを伝える。
《児童生徒の「学習情報センター」としての機能》
  • * 学校図書館は、児童生徒の自発的、主体的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する「学習情報センター」としての役割を果たす。
     - 各教科等の指導において活用されるとともに、教科学習等で学んだことを確かめる、資料を集めて、読み取り、自分の考えをまとめて発表するなど、児童生徒の主体的な学習活動を支援する。

2.教員のサポート機能

  • 学校図書館法において、学校図書館は、児童生徒のためだけでなく、教員のために図書館資料の収集・整理・保存、供用を行う施設としても位置付けられている。
  • 教科等指導のための研究文献や教師向け指導資料、教材として使える図書などを集めて教員の利用に供したり、こうした図書資料のレファレンスや取寄せ等のサービスを行ったりする教員のサポート機能も、学校図書館が本来担うべき重要な役割の1つである。
  • これまでの学校図書館については、このような機能が必ずしも十全に発揮されてきたとは言い難い実態がある。しかしながら、教育指導の専門職たる教員にとっては、もとより情報資料等のサポート環境は不可欠であり、教員に最も身近な情報資料拠点として、学校図書館も相応の役割を果たしていくことが、あらためて求められる。

3.その他の機能

  • 学校図書館については、上記1、2のような本来の機能以外にも、学校の中、地域の中で多様な機能を発揮している。
(1)子どもたちの「居場所」の提供
  • 昼休みや放課後の学校図書館は、教室内における人間関係から離れ、児童生徒が一人で過ごしたり、教師以外の大人とのかかわりを持つことができる場となる。児童生徒がこのような学校図書館を、校内における「心の居場所」としていることも少なくない。
  • 放課後の学校図書館は、放課後の子どもたちに安全・安心に過ごせる場を提供することともなっている。
(2)家庭・地域における読書活動の支援
  • 学校の児童生徒や教員のみならず、地域住民全体のための文化施設として、学校図書館を有効に活用できるようにすべきとする要請も多くなっている。
  • このような要請の下、以下のような取組を通じ、地域における読書活動の核として、学校図書館の施設等やその機能を活用を図っている例もある。
    【取組例】
    • * 家庭と連携して読書活動を進める観点から、親子貸出しの実施など、保護者等の学校図書館利用を推進する取組み。
    • * 学校図書館を地域住民全体の文化施設と位置付け、放課後や週末に、他校(他校種の学校)の児童生徒や地域の大人にも開放する取組。

2.学校図書館をめぐる状況

1.子どもの読書活動の広まりと子どもの読書状況

(1)子どもの読書活動の広まり

(国等の動き)

  • 平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定されて以降、子どもの読書活動に対する社会的な関心も高まっている。
  • 同法を受け、国の「基本的な計画」が2次にわたり策定・推進されるとともに、すべての都道府県で「推進計画」が策定され、さらに、市町村においても「推進計画」を策定して活動推進を図っているところが増えてきている。

(学校における読書活動の状況)

  • 学校においても、読書活動への取組が浸透してきている。学校種による違いもあるが、全校一斉読書や、読み聞かせ、ブックトークなどの取組は、多くの学校で行われるようになった。また、従前からの取組として、読書感想文等への取組が、引き続き行われている。
    • - ただし、これまでの学校教育における読書指導では、「本を読むこと自体が楽しい」という読み方を教えることに失敗しているのではないか、との指摘もある。例えば、読書感想文を書くこと自体は国語力を向上させる有効な方策の1つとなるが、一律に、読書感想文を強制するなど子どもたちに過度の負担を感じさせてしまうような指導では、子どもたちが物語の中に入り込めず、読書を楽しむことができないと言われる。
    • - 全国学校図書館協議会・毎日新聞社の調査によれば、全校一斉読書に対する感想として「本を読めるので楽しい」と答えた児童生徒の割合は、小学校から中学、高校へと進むにつれ、小さくなっている。全校一斉読書の時間があることで「本を読むことが好きになった」としている児童生徒の割合についても、同様である。
  • さらに一部の学校では、全校一斉読書等や読書感想文等以外にも、例えば、読書マラソンや読書会・読書討論会、読書ゆうびん、読書のアニマシオンなどの様々な取組が行われているが、こうした取組の広がりはなお限定的に止まっている。
    • - 多くの学校では、読書習慣を身に付けさせるための活動が、多様に展開されるまでには至ってない。
  • また、特に、読書の楽しさを伝える活動手法に関しては、中学、高等学校と学校段階が上がるにつれ、読み聞かせなどの手法が用いにくくなるが、これに代わる中・高生向けの効果的な手法として、広く普及・定着しているものは、必ずしも見出せない状況にある。
(2)子どもの読書の状況
  • 我が国一般の傾向として、「活字離れ・読書離れ」の傾向が従来より指摘されているが、上記(1)のような活動への取組を背景として、子どもの読書量については、近年、増加傾向を示す指標が出てきている。
    • ※ 文部科学省の調査では、児童生徒の読書時間について、平成13年度以降、全体として増加傾向が見られるとともに、平日に読書を全く(又は、ほとんど)しないとする「不読者」の割合が減少している状況が示されている。
    • ※ 全国学校図書館協議会・毎日新聞社が毎年調査している「5月1ヶ月間の平均読書冊数」についても概ね増加傾向が表れ、「不読者」(0冊回答者)の割合が減少している。
  • 一方、これらの調査からは、一定時間以上の読書をしている児童生徒が、小学校よりも中学校で少なくなり、「不読者」の割合が中学校で多くなる状況も、同時に示されている。
    • ※ 中学生については、部活動や塾などで読書する時間を確保することがより難しくなることから、読書離れが進みやすいとの指摘が以前からなされている。
    • ※ ただし、「読書が好き」な児童生徒の割合は、小学生と中学生との間で必ずしも大きな違いは表れておらず、読書への関心自体は、中学生になっても、ある程度維持されている状況が見出される。読書好きの生徒が、勉強やスポーツ、友人との校友の合間に、小学校時ほどでななくとも一定の時間を確保し、本を呼んでいる状況が推測できる。

2.読解力の育成・言語力の涵養等に対する要請の高まり

(1)「生きる力」と総合的な学習の時間
  • 変化の激しいこれからの社会を担う子どもたちには、基礎的な知識・技能を習得させるとともに、それらを活用して様々な課題に積極的に対応し、解決していける力を身に付けていくことが重要となる。
  • 自ら課題を見付け、自ら学び、考え、主体的に判断し、問題解決する能力等を育て、「生きる力」をはぐくむことをねらいとして、現行学習指導要領(平成10・11年告示)では、「総合的な学習の時間」の時間を新たに設けられた。
  • 総合的な学習の時間の創設により、各学校が、地域や学校、子どもたちの実態等に応じて、横断的・総合的な学習や子どもたちの興味関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うことなり、学校図書館を授業の中で活用していくことに対する教員の関心も、これを契機として大きく高まった。
    • ※「総合的な学習の時間」のねらい
      • (1)自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること
      • (2)学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方を考えることができるようにすること
      • (3)各教科、道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすること
(2)我が国生徒の読解力等に関する調査結果と学力向上に向けた要請
  • これからの社会で重要となる知識・技能の活用能力については、OECDにおいて国際的な調査(生徒の学習到達度調査(PISA))が実施されている。
  • とりわけ我が国の生徒の「読解力」については、2003年のPISA調査で低下傾向が示されている。もはや世界トップレベルとは言えない(OECD平均と同程度)とするその結果は、国民の間で深刻に受け止められた。
    • ※ 読解力については、続く2007年のPISA調査においても、前回(2003年)とほぼ同程度の成績となっている。
  • 平成19年度からは文部科学省の全国学力調査も実施されている。各学校は、この調査結果等を基に自校の課題の分析を行い、それぞれの実態に応じた対策を立て、授業の改善・充実等につなげていくよう求められている。
(3)学校教育における言語力の涵養の要請
  • PISA調査の結果等に対する社会的関心が高まる中、平成17年には「文字・活字文化推進法」が制定され、「学校教育における言語力の涵養」のための施策を国・地方公共団体において講ずべきことが、明記された。
  • さらに、新しい教育基本法の理念を受けて、平成19年6月に改正された学校教育法の第21条においても、義務教育として行われる普通教育の目標の1つとして「読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと(第5号)」が新たに規定された。
  • 平成20年3月に告示された小・中学校の新学習指導要領においても、「言語力の育成」を新しい基軸として打ち出し、各教科等の学習を通じ、記録、説明、批評、論述、討論などの言語を使った活動(言語活動)を充実することとされている。

3.学校図書館に対する多様な要請

(1)学校の中の学校図書館(「心の居場所」として)
  • 子どもたちが生き生きとした学校生活を送れるようにするため、(子どものストレスの高まりや、生徒指導上の諸問題への対応の観点からも、)学校内に「心の居場所」となる場を整備していくことがより一層求められるようになっており、学校図書館もそうした場所の1つとして期待されるようになっている。
(2)地域の中の学校図書館

 1.放課後の子どもたちの安全・安心な居場所として

  • 地域社会の中においても、児童生徒が放課後に安全・安心に過ごせる「居場所づくり」が重要な課題となっている。
  • このような中、学校図書館については、自校の児童生徒はもちろん、地域の子どもにも開放し、子どもの放課後活動(読書活動)の拠点等として活用すべきとの要請も寄せられるようになっている。
    • ※ 文部科学省・厚生労働省の連携による総合的な放課後対策として、放課後子どもプランが実施されており、学校の余裕教室や学校敷地内の専用施設に、放課後児童クラブ等が開設・実施されるケースも増えている。このような中、さらに、クラブ等が併設された学校の図書館を地域の子どもに開放することにより、学校図書館を、地域の子ども読書活動の拠点として、有効活用できるのではないかとの期待がある。
    • ※ 一方、過疎地域におけるスクールバス通学の児童生徒の場合、放課後、バスが出発するまでの時間は、校内のどこかで過ごす必要があり、このような児童のためにも、学校図書館を開館して居場所を提供することは重要となる。過疎地域における学校の統廃合が今後さらに進んでいった場合、このようなニーズはますます増大することが予想される。

 2.地域における読書活動の拠点として

  • 地域によっては、学校図書館を地域全体の資源として高度活用できるよう、「地域開放型」の図書館として整備し、地域住民が自由に学校図書館を訪れ、図書資料の利用・貸出しができるようにしてほしいとする要請もある。
  • 地域開放に当たっては、児童生徒の本来利用を妨げないための配慮も必要となるが、異年齢の子どもどうしの交流や大人との交流の場となったり、蔵書や人員等の整備が進み、学校図書館の運営にもこれを活用できるなど、子どもにとってのメリット、学校側としてのメリットも見出される。

3.学校図書館に求められる課題

1.子どもの読書活動のより一層の推進に向けた対応

  • 上記2、1のような状況を踏まえれば、学校教育における読書活動を今後さらに推進する上で、次のような事項が課題となる。
    • * 学校における多様な読書活動の取組を、地域や家庭等とも連携しつつ、より一層普及・定着させていくこと。
    • * 中・高等学校において、読書の楽しさを伝える効果的な指導・活動の手法(自ら図書館に足を運ぶ生徒だけでなく、すべての生徒に向けたアプローチ)を開発すること。
  • これらの課題に対しては、学校図書館やそのスタッフの活用により的確に対応していく必要がある。

2.教科等の学習における活用促進に向けた対応

  • 上記2、2のような状況を踏まえ、教科等の学習における学校図書館の活用促進に向け、次のような取組を進めていくことが求められる。
(1)授業における学校図書館の活用の拡大
  • 授業における学校図書館の活用は、教科等によってその活用の度合い等に大きな差があるが、学校全体で言語活動の充実を推進していく上で、従来から活用が進んでいる教科等だけでなく、様々な教科等における活用を促進していくことが、ますます重要になる。
(2)教員サポート機能の発揮
  • また、言語活動等以外の活動も含め、各教科等の授業改善・充実に資するために、学校図書館の教員サポート機能の充実が、改めて求められる。
  • 教員サポート機能が、長年発揮されてこなかった背景としては、以下のような事情もあったと考えられる。
    • * 学校図書館の蔵書整備においては、児童生徒用の読み物(とりわけ文学作品等)の購入が最優先され、教師用の指導資料や、授業研究のための文献資料等までは、整備が行き届かない現実があること。
    • * 学校図書館法附則の規定により、本来置かれるべき司書教諭の配置が長年にわたり猶予された経緯があり、学校図書館を活用した教科等の指導内容・方法等について、他の教師に指導・助言できるような人材を、校内に得られなかったこと。
    • * 教員の間で、自主性・主体性を尊重した指導の重要性に対する認識が十分に浸透せず、そのため、それぞれの教師自身も、学校図書館活用への意欲・動機付けに乏しいといった状況が、長くあったこと。
  • しかしながら、近年においては、1.学校図書館図書標準の達成を目指した計画的な地方財政措置や、2.12学級以上のすべての学校への司書教諭配置義務付け、3.「生きる力」をはぐくむ教育についての理念の共有など、上記のような背景事情にも変化が生じており、各学校・教育委員会等の努力により、学校図書館の教員サポート機能を格段に向上させることも可能な状況となってきている。
  • このような状況を踏まえ、学校図書館が本来有すべき教員サポート機能を発揮するよう、改めて、必要な取組を促進していく必要がある。

3.多様な要請への対応

  • 上記23で見たように、学校図書館については、子どもの居場所づくりや地域住民への開放など、学校の中・地域の中で、当初の施設目的の範囲に止まらない新たなニーズが寄せられるようになっている。
  • 学校図書館が、児童生徒や教員への図書資料の供用という本来機能の向上に基本を置くことは当然であるが、さらに、これらのニーズに応えていくことで、子どもたちの学校生活の充実や、地域における読書活動等の活性化に貢献していくことも大いに意義のあることである。同時に、こうした貢献を通じ学校図書館の役割に対する住民の認識も深まり、学校図書館の人的・物的体制の整備を進めていく上でのメリットも大きいものと考えられる。
  • 以上を踏まえ、学校図書館に対するこれらの要請に対しては、各学校・地域の実情に応じつつ、積極的に対応していくことが重要である。

4.学校図書館の活用高度化に向けた視点と推進方策

1.視点と推進方策

(1)「読書センター」機能の更なる発展

視点1 学校図書館が中心となり、学校における読書活動の多様化とその普及・定着を図る。

〔考えられる取組の例〕

  • 異学年間・異校種間の連携による取組等の企画・推進を図る(上級生による読み聞かせなど。)。
  • 中学生・高校生向けの効果的な読書指導の方法・活動プログラム等を開発する。
  • 読書活動を推進している地域の団体や公立図書館等との連携を推進する。
  • 多様な取組事例に関する広報・情報提供を進める。

 など

視点2 地域における読書活動の拠点として、学校図書館の活用を推進する。

〔考えられる取組の例〕

  • 「地域開放型」学校図書館の運営に関するノウハウの蓄積と普及を図る。
  • 親子貸出しの実施、親子参加による読書交流会の開催などを通じ、家庭内における読書文化の醸成を支援する。
  • 例えば「子ども読書の日(4月23日)」等に合わせ、地域・家庭向けのキャンペーンやイベント等を実施する。
  • 「読書だより」の発行等を通じ、家庭向け・地域向けの発信を行う。

 など

(2)「学習情報センター」機能の更なる発展

視点3 「学び方を学ぶ場」としての学校図書館の整備を促進する。

〔考えられる取組の例〕

  • 各教科等について、学校図書館を活用した言語活動や「調べ学習」等の効果的な取組について調査研究を進める。
  • 司書教諭等が中心となり、図書館利用指導等の発展的充実により、情報活用能力を育てる効果的な指導方法の開発・普及を図る。
  • 情報教育と連携した学校図書館活動の効果的な取組等を開発・普及する。
  • 各種事典、図鑑、データブック、年鑑等の参考図書や郷土資料等を整備する。
  • 余裕教室等を活用した参考調査室(「調べる学習室」など)を整備する。

 など

点4 学校図書館における教員サポート機能の整備を促進する。

〔考えられる取組の例〕

  • 教員向けの図書資料のレファレンスや、授業で使う教材・資料の取寄せサービス等を実施する。
  • 地域の公共図書館や他校の学校図書館に加え、教育センターとの資源共有・物流のシステムを構築する。
  • 文部科学省、教育委員会、他の学校や各種教育研究団体等から配布される各種指導資料等の中から、重要なものを選択し、整理・保存して教員の利用に供する。
  • 教員用の研究スペース・設備を設け、利用に供する。
  • 各教員が学校図書館を活用した授業を行う際には、図書館スタッフが必要な助言を与えることのできる体制を整備する。
  • 学校図書館を活用した授業や読書活動等に関する校内研修等を主催する。

 など

(3)学校図書館を活用した子どもの居場所づくり

視点5 「いつも開いている図書館、必ず誰かいる図書館」、「心のオアシスとなる図書館」の実現を図る。

〔考えられる取組の例〕

  • 司書教諭、学校司書又はボランティアなど、指導者たる大人が、昼休みや放課後に常駐する体制を確立する。
  • 図書委員会の活動について一層の組織化を図り、児童生徒の自主的な活動として、学校図書館運営に参画させることにより、人的体制等の補充を図る。
  • 自由な読書のためのゆったりとしたスペースを設けたり、談話室を隣に設けたりする。

 など

視点6 学校図書館の放課後開放等を推進する。

〔考えられる取組の例〕

  • 放課後児童クラブが併設された学校等において、地域の子ども向けの図書館開放を促進する。
  • 過疎地域等におけるスクールバス通学児童生徒のための放課後図書館活動等について、実践的な事例の蓄積を図る。
  • 「地域開放型」学校図書館の運営に関するノウハウの蓄積と普及を図る〔再掲〕。

 など

2.推進に当たっての留意点等

(1)学校における組織的な推進体制の整備

  • 学校図書館の活性化を図る上で、また、上記1に掲げるような方策が効果を上げるためにも、学校全体としてのマネジメントが重要となる。
  • 学校図書館の運営や読書活動の展開に関し、校長のリーダーシップの下、学校全体で組織的に取り組む体制を整備することが求められる。

〔留意点〕

  • * 学校図書館の重要性について共通理解を深め、司書教諭を中心に、すべての教員や学校司書等が、適切な役割分担の下、協力して、学校図書館を充実させる。
      【参考資料】; 学校図書館スタッフの業務
  • * 学校の教育目標や経営方針を実現するに当たって、学校図書館をどのように位置付けるかを明確にする。そのために、学校図書館自体の活動目標を設定する。
  • * 蔵書整備に当たっては、司書教諭等が単独で蔵書の選定を行うのでなく、他の教員等の要望も反映されるようにする(例えば、「図書選定委員会」を組織して選定する、「図書選定基準」を定めるなど)。

(2)教育委員会による支援

  • 各学校における学校図書館活動を推進する上で、また、上記1に掲げるような方策を進めていく上でも、教育委員会による支援は不可欠である。
  • 「学校図書館支援センター」等に関するモデル事業の成果等も踏まえつつ、それぞれの地域の実情に応じ、例えば次のような側面から、学校図書館への支援を積極的に行う必要がある。
    • * 学校図書館図書標準の達成を目指した図書の整備
    • * 司書教諭、学校司書等の人的体制の整備
    • * 公立図書館による団体貸出し、学校間の相互貸借等を通じた資源共有の促進
    • * 教育センターと学校図書館との連携体制の構築
    • * 学校図書館の情報化の推進、施設設備の充実
    • * 読書ボランティア等の養成・訓練

おわりに

お問合せ先

総合教育政策局地域学習推進課

(総合教育政策局地域学習推進課)

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