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コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラム事例発表(岩手県岩泉町立岩泉小学校)

学校名 岩泉町立岩泉小学校
所在地 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字和川原4-2
電話番号 0194-22-2739

1 なぜ「学校運営協議会」制度を導入したか

 岩手県では地域、学校、保護者、行政が連携して子どもの教育にあたる教育振興運動が45年ほど継続して取り組まれており、多くの成果をあげている。
 岩泉町では、毎年1月にその大会が開催され、地区の実践発表や講演が行われている。こうした長年の取り組みが素地となり、学校に対して協力をおしまない保護者や地域住民が多い。
 しかし、少子・高齢化、核家族化などの影響のためか、子どもたちと地域住民の関係が希薄になりつつある。
 また、町内全体の地元出身教員の割合が8パーセントあまりであることから、地域の自然・文化・歴史・伝統・産業などに関し、地域住民の力を借りなければ、それらの学習の深化・拡充が図れない状況にある。
 こうしたことから、開かれた学校づくりをさらに進展させた「地域とともに創る学校」が広く望まれたところである。
 そこで、岩泉町教育委員会では、文部科学省のコミュニティ・スクール推進調査研究委託事業を受けて、岩泉小学校・岩泉中学校において17、18年度に試行的に実践を行い、岩手県や地域の実情・課題に適したコミュニティ・スクールのあり方を模索してきた。
 本年度、それらの成果と課題を踏まえ、岩泉町教育委員会が改めて岩泉小学校・岩泉中学校をコミュニティ・スクールに指定し、その成果を問おうとしているところである。岩手県教育委員会も従前の組織や活動をもとに、その拡充を図る方針である。

2 自校のコミュニティ・スクールの特徴

 岩泉小学校では、コミュニティ・スクールとして特徴的な取り組みや改善を推進しているのではなく、これまでの教育活動のさらなる充実と活性化を図り保護者や地域住民の信託に応えるため、地域や学校の実情、児童の実態を踏まえ、組織的・計画的に地域の教育力を学校教育に導入するとともに、地域・家庭・学校がそれぞれの教育的な役割を担い、協働して「地域とともに創る学校」を目指している。
 本校にかかわる特徴をしいてあげるならば、学校や学級の活動に協力する意思をもつ保護者・学区民が9割を超えていることである。
 教職員のアンケートをもとに「学校・学級が必要とするボランティア」を公表し、協力・支援を依頼したら、多くの応募や情報を得ることができた。それらをもとに「人材リスト」を改訂し、教職員が必要とするときに必要な人材や関係機関等に依頼できる体制を整えている。

3 過去の課題と克服方法

1.教職員の意識変革

 当初、地域講師等の依頼にかかわる交渉や事前の打ち合わせなどが煩雑で時間がとれないと感じている教員もいた。
 しかし、地域講師等と一緒に授業をする経験を通して、自分で資料や情報を収集して授業に臨むよりは、はるかに学習に幅や奥行きが生じることが分かったようである。
 また、教職員を対象に「学校・学級が必要とするボランティア」調査を実施し「人材リスト」の拡充を図ったこと、内部・外部評価の公表、保護者・学区民・学校運営協議会委員の意見や要望を職員会議で話題にしたこと、その意見や要望に応えたことに対する保護者等の反応や評価などが、教職員の「開かれた学校づくり」に向けた意識を高めたようである。
 さらに、地域の教育力を学校に導入するだけでなく、教職員が地域の活動や行事に積極的に参加するという双方向の関係を築きつつある。
 「開かれた学校づくりは、教職員の開かれた心から」を合言葉に、「地域で創る学校」の取り組みを推進しているところである。

2.家庭と地域の教育力向上

 保護者のなかには、ともすれば、「学校任せ」「行政任せ」になってしまいがちで、早寝・早起きなどの生活面、う歯治療や風邪の予防などの健康に関することなど、学校の指示を待って動くという保護者も見られた。
 地域においては、児童と地域住民との触れ合う場が減少するにつれ、気軽に声をかけ合う関係が希薄になりつつあると言われていた。
 そうした状況にあって、保護者や学区民が教育活動支援ボランティアとして活動することは、教職員と共通の目的で協働する活動を通して、学校教育に対する理解や児童とのかかわりを深めるとともに、家庭や地域での教育にその経験を活かす契機にもなっている。
 また、図書ボランティア、防犯パトロール隊、校内の「ふれあい広場」に作品を展示するサークルなど、自主的に活動するボランティアが増えている。

3.「できるときに、できることを、無理なく」

 保護者や学区民の多くは学校に協力する意思を持ってはいるものの、何をどうすればいいのか分からない、というのが現状であった。
 「必要とするボランティア」を保護者や地域住民に公表し、「できるときに、できることを、無理なく」協力してほしいと公募した。18年度には、地域講師、図書ボランティア、校外活動の引率などの教育支援ボランティアがのべ210人を超えた。また、防犯パトロール隊の巡視や毎月1日の安全登校指導、毎月第4金曜日のあいさつ運動、学校創立130周年事業などを加えると、その延べ人数は4,000人を超えたところである。

4 コミュニティ・スクールによる成果と携わっているものとしての実感

 平成17、18年度の文部科学省の委託事業を実施するなかで、保護者や地域住民の協力・支援と教職員の尽力により、81項目の改善や新たな活動を実施することができた。
 これらは、学校運営協議会委員、保護者、地域住民、教職員の意見や願いを校内で検討し、実施したものである。
 これらの取り組みにより、学校は保護者や地域住民の声に本気で耳を傾け、教育的に意義あるものについてはすぐに着手する、という意識をもってもらえたように思う。
 2年間の本事業推進において、「学校が動けば地域が応える」ことを実感した。
 そして、教育活動に協力・支援をおしまない保護者や地域住民、それを支える町教育委員会に心から感謝をし、本事業のさらなる進展に努めているところである。

5 今後に向けて(検討課題、取り組み予定等)

 これまで積み上げてきた保護者や地域住民との協力関係を大切にしながら、次のことに取り組み、「地域とともに創る学校」の進展を目指す。

  1. 食育指導を含めた諸活動の地域の素材や人材の拡充
  2. 教職員の専門性を地域に還元する方途の拡大
  3. 教育活動支援ボランティアの積極的な導入

-- 登録:平成23年11月 --